花粉症はかくして克服したのである…継続的な運動による減感作

かつては花粉症だったボクだが、もう10年以上その症状が出現することはない。薬や食事療法をしたわけではなく、唯一考えられることと言えば杉林の野山をこの時期に好んで走り回ったことだ。医学的になんの根拠もないが、完全に克服してしまったわけである。

山の中では花粉症がひどくならない!

個人的な見解だけど、杉花粉に満ちている山では花粉症が悪化しない。林業従事者にも花粉症で困っている人はいないらしい。おそらくはアスファルト路面とは異なって、土の上に落ちた花粉は舞い上がりにくいからだろう。もちろん山の中を歩いているときに頭髪や衣服に花粉は大量に付着するが、帰宅時の玄関前ではたき落とし、玄関ドアを開けたら最短距離でお風呂に向かってシャワーを浴びれば除去できる。

こうして里山歩きを2〜3年続けているうちに、それが免疫力向上なのか基礎体力がついたのか分からないが二度と花粉症の症状が出ることはなくなった。だから春は最高に気持ちいい時期なのだ。

住環境や仕事内容にもよると思う。自宅のある鎌倉は裏山に入れば丸一日山の中を歩けるくらいにトレールがある。原稿を書くための構想も歩きながら考えるので、午前中は毎日山歩きをしながらもそれが仕事になる。脳をめぐらすにはトレール歩きはちょうどいい運動負荷で、それを走ってしまうと強度が高すぎて考えられなくなる。

ただしやる時期は草木が枯れて太陽の光が足もとまで届く冬場だけ。どんなに寒くても山の中を歩けば暖かく、なによりもそう快でストレスも解消できる。暑くなると下草に加えてマムシ、スズメバチなども多くなり、鎌倉の山は結構危険になるので、夏場はサイクリングに切り替える。

冬場は鎌倉の裏山を走り回るのが日課だ

継続的な運動とバランスの取れた食事も

鎌倉のトレールを走ったり歩いたりして30年ほど。ハイキングをする人が多い尾根道などを使わなくても、縦横無尽にある裏ルートはほとんど知り尽くしている。「それならガイドブックも書けますよね」と持ちかけられるが、私有地や住宅の脇をあいさつしながら通らせてもらう道ばかりで、おそらく紹介はできないはずだ。

鎌倉のハイキングコースは都心からちょっとした距離で自然を堪能できる場所として人気。そのため週末になると多くのハイカー、散策をする人が訪れる。近年は花粉症を克服するためか、レーシングスパッツ姿で給水バッグを背負ったトレールランナーがグループで疾駆するシーンも見るようになったが、ハイカーに会わないような裏ルートを使ってね。それでも歩いている人に遭遇したら、立ち止まって威圧感を与えないようにする配慮が肝心だ。

仕事がら、管理栄養士やスポーツドクターの話を聞くことが多く、継続的な運動とバランスの取れた食生活を送ることの大切さを何度も聞いてきたからかも。花粉症が治ったばかりか、免疫力が向上して風邪をひきにくくなった。ただし運動の負荷を高めすぎると花粉症の克服にならないような気もする。すべて個人的な感想だけど。

専門医師によると「減感作」という作用らしい

【補遺】同コラムが医療従事者の目にとまり、引用分析していただきました。「実証するのは難しいけど、ありえない話ではない」と評論をいただきました。専門用語で「減感作」というようです。林業従事者からもご連絡をいただき、「山師にも花粉症の人はいますが、確かに仕事中のほうが症状は軽いかも知れません」とのことでした。(2019年3月25日)

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