激しいペースの変化の中で3選手がメイン集団に…ランカウイ参戦のキナン

マレーシアを舞台に行われているアジア最大級のステージレース、ツール・ド・ランカウイは3月19日、第2ステージを実施。208.3kmで争われ、キナンサイクリングはサルバドール・グアルディオラ、マルコス・ガルシア、トマ・ルバの3選手がメイン集団でフィニッシュ。引き続きトップが見える位置で今後のステージを走ることになる。

ツール・ド・ランカウイ第2ステージ ©︎ KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

前日の第1ステージでは気温40度近い暑さの中でのレースとなり、キナンは5選手がトップと同タイムのメイン集団内でフィニッシュ。唯一、椿大志がリタイアとなったが、残る5人でこの先の戦いを継続していくことになる。

第2ステージは、ゲリク(Gerik)からコタ・バル(Kota Bharu)までの208.3km。前半に4級と1級のカテゴリー山岳を越え、その後は平坦が続く。後半はタイとの国境地域を進み、東シナ海に面した街へとフィニッシュする。チームとしては逃げでのレース展開も視野に入れながら、大会2番目の長距離ステージへと挑んだ。

そうして始まったレースは、序盤から逃げ狙いのアタックが頻発。キナン勢も中西やルバらが果敢に前をうかがい、一時先行する場面こそあったものの、逃げを決めるまでには至らない。スタートから28km地点に設けられた4級山岳を前に6人が先行し、これを集団が容認。キナン勢5選手も集団に待機し、レースを進めた。

しかし、続く67.8km地点に設定された1級山岳に入ってメイン集団がペースアップ。有力スプリンターをふるい落とそうと動いたチームが出たことによって、メイン集団の人数が急激に絞られる。ルバ、グアルディオラ、ガルシアは前方にポジションを構えたが、山本と中西は後続グループへと下がる。その後の下りを利用して集団復帰を試みたが追いつくことができず、そのままグルペットで完走を目指す形になった。

勢いを増したメイン集団は、120km地点を過ぎるまでに逃げメンバーを吸収。その後は新たに逃げを狙う選手や、強い風を利用して集団の分断を図るチームなどが出るも、いずれも決定打とはならず。集団待機のキナン勢3選手も問題なくレース後半を走った。

ステージ優勝争いはスプリント勝負となったが、キナン勢は安全なポジションを確保してフィニッシュラインを通過。グアルディオラがチーム最上位となる26位、ガルシアが32位、ルバが43位と続いた。また、トップから13分15秒差で山本と中西を含んだグルペットがレースを終えている。

第2ステージを終えた時点での総合順位は、グアルディオラが33位、ルバが39位、ガルシアが41位。いずれもトップから11秒差に位置している。また、チーム総合順位は前日から5つ上げて13位としている。

翌20日の第3ステージは、コタ・バルからクアラトレンガヌ(Kuala Terengganu)までの166km。南シナ海沿いを南下するルートは、山岳ポイントが設けられておらず、終始フラットなコースレイアウト。最後は同国東岸の主要都市であるクアラトレンガヌの街へとフィニッシュする。ラスト3kmはテクニカルなコーナーが数カ所待ち受けていて、集団内の激しいせめぎ合いが予想される。

トマ・ルバ

トマ・ルバのコメント
前日の第1ステージはオールフラットに近いレイアウトだったことから、スプリンターがいないわれわれは安全に終えることが仕事だった。一方で第2ステージは、少しハードな局面もあり、サルバドールとマルコスと3人でその状況に対処した。こうした動きはこの先に控える山岳ステージに生かされると思う。
コンディションはよいと感じている。明日と明後日はフラットなコースが控えているので、走りをコントロールできれば第5ステージ(山岳ステージ)に100%の調子で臨めるのではないかと思っている。
この大会に出場できることは大きなモチベーションになっている。今の調子でどこまでできるかややれるだけやってみたい。もちろん、チーム最大目標のツアー・オブ・ジャパン(TOJ)やツール・ド・熊野も視野に入れている。ランカウイ後のレースも含めて、TOJと熊野につながる走りを意識していきたい。

ツール・ド・ランカウイ第2ステージ結果(208.3km)
1 リッカルド・ミナーリ(イタリア、アスタナプロチーム) 5時間18分20秒
2 マッテーオ・マルチェッリ(イタリア、アンドローニジョカットリ・シデルメク) +0秒
3 パオロ・シミョン(イタリア、バルディアーニ・CSF)
4 イェフゲニー・ギディッチ(カザフスタン、アスタナプロチーム)
5 マルコ・クンプ(スロベニア、CCCスプランディ・ポルコヴィチェ)
6 ルカ・パシオーニ(イタリア、ウィリエールトリエスティーナ・セッレイタリア)
26 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team)
32 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team)
43 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team)
114 山本元喜(KINAN Cycling Team) +13分15秒
124 中西健児(KINAN Cycling Team)

個人総合時間
1 リッカルド・ミナーリ(イタリア、アスタナプロチーム) 8時間47分13秒
2 ソー・ジュンヨン(韓国、KSPO・ビアンキアジアプロサイクリング) +5秒
3 マッテーオ・マルチェッリ(イタリア、アンドローニジョカットリ・シデルメク)
4 メクセブ・ドゥバサイ(エリトリア、ディメンションデータ) +7秒
5 パオロ・シミョン(イタリア、バルディアーニ・CSF)
6 イェフゲニー・ギディッチ(カザフスタン、アスタナプロチーム)
33 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) +11秒
39 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team)
41 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team)
109 山本元喜(KINAN Cycling Team) +13分26秒
116 中西健児(KINAN Cycling Team)

ベストアジアンライダー
1 ソー・ジュンヨン(韓国、KSPO・ビアンキアジアプロサイクリング) 8時間47分18秒
44 山本元喜(KINAN Cycling Team) +13分21秒
49 中西健児(KINAN Cycling Team)

スプリント賞
1 リッカルド・ミナーリ(イタリア、アスタナプロチーム) 23pts

山岳賞
1 ベルナルドアルベイロ・スアザ(コロンビア、マンザナポストボンチーム) 19pts

チーム総合
1 アンドローニジョカットリ・シデルメク 26時間22分12秒
13 KINAN Cycling Team +0秒

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