トマ・ルバが3位…ツアー・オブ・タイランド唯一の山岳ステージで

ツアー・オブ・タイランドは4月3日、アランヤプラテートからカオヤイ国立公園までの177.7kmで第3ステージが行われ、キナンサイクリングチームは終盤の登りで逃げに乗ったトマ・ルバが3位に入った。

ツアー・オブ・タイランド第3ステージ ©︎KINAN Cycling Team / Satoru KATO

3日目は、カンボジア国境近くの街アラヤンプラテートから西に進み、カオヤイ国立公園にフィニッシュする177.7km。残り30kmから始まる登り坂は標高差500m以上を登り、途中1カ所とフィニッシュ地点が1級山岳に指定される。瞬間的に10%を超える登りが現れ、上に行くほど傾斜が厳しくなる。総合優勝争いに影響する今大会の最難関だ。

前日同様に朝から晴れ、気温も上がってきた午前9時にスタート。10km近いパレード走行ののちリアルスタートが切られると、アタック合戦が始まる。登りが始まるまでの130kmは平坦路が続き、2回設定された中間スプリントをめぐって各チームが飛び出しを図る。その中、82km地点の1回目の中間スプリントを過ぎたのち、マ・ガントン(中国、ヘンジャンサイクリング)が単独で先行。メイン集団に2分差をつけて逃げ続ける。

131km地点の2回目の中間スプリントでは、スプリント賞争い2位につけるキナンの中島康晴がポイントを取りに動く。しかしポイント賞リーダーのマルティン・ラス(エストニア、チームイルミネート)も動き、ラスが2位通過、中島は4位通過となる。

登り区間に入ると、逃げていたガントンは吸収され、1級山岳をベンジャミン・ディボール(オーストラリア、セントジョージコンチネンタルサイクリング)が先頭通過、トマ・ルバとアルテム・オベチキン(ロシア、トレンガヌサイクリング)が約10秒遅れて2位通過していく。その後ディボールにルバとオベチキンが追いついて3人となった先頭集団は後続を引き離してゴールへ。最後はディボールが単独先行してゴール。オベチキンが2位、ルバが3位と続いた。

おおよそ2分遅れの集団でサルバドール・グアルディオラとマルコス・ガルシアがフィニッシュ。中島も後方集団でレースを終えている。この結果、ルバが個人総合で3位に浮上。さらに、チーム内ステージ上位3選手のタイム合算によって争われるチーム総合において、キナンが首位に浮上。2位のチームに1分44秒差のリードを得ている。

ツアー・オブ・タイランド第3ステージ結果(177.7km)
1 ベンジャミン・ディボール(オーストラリア、セントジョージコンチネンタルサイクリング) 4時間16分52秒
2 アルテム・オベチキン(ロシア、トレンガヌサイクリング) +12秒
3 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team)
4 イェフゲニー・ネポムニャフシー(カザフスタン、ヴィノ・アスタナモータース) +2分6秒
5 ヨナタン・モンサルヴェ(ベネズエラ、チンハイ チャンユードサイクリング) +2分10秒
6 サシャ・ボンダレンコ・エドワーズ(オーストラリア、ドラパック・EFサイクリング)
8 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team)
28 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +2分20秒
77 中島康晴(KINAN Cycling Team) +16分40秒

個人総合時間
1 ベンジャミン・ディボール(オーストラリア、セントジョージコンチネンタルサイクリング) 12時間31分1秒
2 アルテム・オベチキン(ロシア、トレンガヌサイクリング) +16秒
3 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +18秒)
4 サラウット・シリオンナチャイ(タイ、タイランドコンチネンタルサイクリング) +2分9秒
5 ホルヘカミーロ・カスティブランコ(コロンビア、チーム イルミネート) +2分10秒
6 イェフゲニー・ネポムニャフシー(カザフスタン、ヴィノ・アスタナモータース) +2分16秒
20 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) +2分20秒
29 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +2分30秒
80 中島康晴(KINAN Cycling Team) +16分49秒

ポイント賞
1 マルティン・ラス(エストニア、チーム イルミネート) 34pts
2 中島康晴(KINAN Cycling Team) 26pts

山岳賞
1 ベンジャミン・ディボール(オーストラリア、セントジョージコンチネンタルサイクリング) 28pts
3 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 20pts

トマ・ルバ

トマ・ルバのコメント
今日は平坦でペースが速くて難しいレースだった。自分は最後の登りに賭けていたが、チームメイトが協力してくれたおかげで逃げをつぶした状態で登りに入ることができ、自分にとってはいい展開だった。最後は3人になったが、残り2kmでアタックされてそのまま行かれてしまった。今日は3位以上はちょっと厳しかったね。一緒だった2人はツール・ド・ランカウィの山岳ステージで1位と3位の選手だったから、とても強かったよ。残り3日間は平坦ステージが続くので、総合成績を守るのは自分にとっては厳しいけれど、チームにとっては勝つチャンスがあるから、チャレンジしたい。

中島康晴

中島康晴のコメント
2回目の中間スプリントはサプライズ的に取りに行こうと思って、1km手前から仕掛けていった。元チームメイトのソー(・ジュンヨン)と、ポイントリーダーのマルティン(・ラス)がアシストを連れて追ってきたので、マルティンの後ろから仕掛けたらタイミングを合わされてしまい、結果的に4位通過になってしまった。ただ、集団のままだったらポイントを取れなかったかもしれないと考えると、4位通過で1ポイントでも取れたのはよかったかなと思う。あと3日あるので、チャンスがあればチャレンジしたいと考えていますが、まずは(トマの)個人総合を守ることを優先したい。

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