フルームがジロ・デ・イタリアで英国勢初制覇…三大大会連勝は史上3人目

第101回ジロ・デ・イタリアは最終日となる5月27日、イタリアの首都ローマで距離115kmの第21ステージが行われ、スカイのクリストファー・フルームが英国勢として初の総合優勝を達成した。グランツールを3連勝したのはベルギーのエディ・メルクス(1972年のジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランス、1973年のブエルタ・ア・エスパーニャとジロ・デ・イタリア)、フランスのベルナール・イノー(1982年のジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランス、1983年のブエルタ・ア・エスパーニャ)に続く3人目。

第101回ジロ・デ・イタリアの覇者フルーム © Fabio Ferrari – LaPresse

ローマのコロセアム前を通過する © Fabio Ferrari – LaPresse

メルクスやイノーの時代、ブエルタ・ア・エスパーニャは春に開催されていた。またブエルタ・ア・エスパーニャが開催されなかった1953年にはイタリアのファウスト・コッピが1952年のジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランス、1953年のジロ・デ・イタリアと3連覇した記録がある。

グランツールすべてで総合優勝したのは7人目。ジャック・アンクティル(フランス)、フェリーチェ・ジモンディ(イタリア)、メルクス、イノー、アルベルト・コンタドール(スペイン)、ビンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)に続いた。

総合2位は46秒遅れで前年の覇者トム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)。同3位は4分57秒遅れでミゲールアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)。コロンビア勢は2016年にエステバン・チャベスが2位、2017年にナイロ・キンタナが2位になっていて、3年連続の表彰台。

左からアルベルト・コンタドール、ローマ市長、フルーム、大会ディレクター © LaPresse – D’Alberto / Ferrari / Paolone / Alpozzi
乾杯のグラスもピンク色 © Fabio Ferrari – LaPresse

ローマで開催された第21ステージはボーラ・ハンスグローエのサム・ベネット(アイルランド)が第7、12ステージに続く3勝目を挙げた。ポイント賞のマリアチクラミーノは区間2位に入ったエリア・ビビアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)が獲得した。

山岳賞のマリアアッズーラはフルームが獲得。総合優勝者が山岳賞を同時受賞するのは1998年のマルコ・パンターニ以来20年振り。

新人賞のマリアビアンカはロペスが獲得した。

ジロ・デ・イタリア第21ステージは首都ローマへ © Fabio Ferrari – LaPresse
サム・ベネットが第21ステージを制した © Gian Mattia D’Alberto – LaPresse
チーム全員で一緒にゴールするスカイ © Massimo Paolone – LaPresse

「ローマの周回コースが危険すぎることから多くの選手がボクのところにやって来て、どうやって危険回避するかを話し合った。」というフルーム。コミッセールと協議して、10周回のうち3周を終えた段階で所要時間の計測はニュートラルにすること、集まった観客の期待を無視しないように最後のスプリント勝負だけを行うことで合意した。そのため3周回を終えるとフルームら総合成績の上位選手は安全走行に切り替えてゴールを目指した。

「1週間前、マリアローザをこのローマで着る姿は想像できなかった。これまでに総合成績のビハインドとして3分差を逆転したことはあるが、それはとても非現実的だった。だからこうしてマリアローザを着ていることが夢のような気分だ。この勝利は妻と、そして8月に生まれてくるはずの娘に捧げたい」とフルーム。

第101回ジロ・デ・イタリアを制したクリストファー・フルーム © Marco Alpozzi – LaPresse

●ダイジェスト動画

クリストファー・フルーム © Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)クリストファー・フルーム(英国、スカイ)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)エリア・ビビアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)
マリアアッズーラ(山岳賞)クリストファー・フルーム(英国、スカイ)
□マリアビアンカ(新人賞)ミゲールアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ)

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ローマで永遠のトロフィーを手にするクリストファー・フルーム © Marco Alpozzi – LaPresse