チーマがバースデーウィン…ツアー・オブ・チャイナ1、第6ステージ

ツアー・オブ・チャイナ1の第6ステージが9月13日、中国の潜江市(せんこうし)で開催され、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニのダミアーノ・チーマがスプリントを制して区間優勝。個人総合成績でも2位に浮上した。

ダミアーノ・チーマが誕生日に区間優勝

9月8日から15日までの8日間、全7ステージで構成されるツアー・オブ・チャイナ1。第6ステージは113kmの平坦ステージだった。序盤に4級山岳、またその前後に中間スプリントポイントが設定されたステージで、個人総合成績の上位が秒単位の僅差であったため、ボーナスタイムを獲得できる中間スプリントポイントをねらうチームが多く、この日のステージも序盤からハイペースで進んでいった。

NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニもスプリンターの吉田隼人、岡本隼、チーマが区間優勝をねらうだけでなく、総合成績の上位につける岡本とチーマで中間スプリントをねらいにいく作戦を取った。

序盤より危険なアタックは内間康平と伊藤雅和が中心となりマーク。集団は一つのままで最初の中間スプリントポイントを迎え、チーマが首位通過に成功。15kmほど先にある2つめの中間スプリントポイントでもチーマは3位通過でボーナスタイムを獲得した。

その後、少人数の逃げが決まったが、伊藤が集団コントロールに加わり、残り10km地点を切って逃げを吸収。大集団でのゴールスプリントの展開となり、アラン・マランゴーニのリードアウトにより、3名のスプリンターたちが勝負をしかけ、残り250mからスプリントを開始したチーマが区間優勝。吉田は17位。岡本は他の選手と接触したため失速して35位。

この日25歳の誕生日を迎えたチーマは、ツアー・オブ・シンタイでの区間優勝に次ぐプロ2勝目をマーク。この日のステージではボーナスタイムを合計14秒獲得し、個人総合成績でのライバルを一気に引き離して首位と6秒差の総合2位となった。また岡本も26秒差の総合16位につけていて、最終ステージでボーナスタイム獲得、総合成績ジャンプアップをねらう。

翌日は大会最初の移動日で、600km、約9時間にわたる長距離移動が選手たちを待ち構えている。そして15日にツアー・オブ・チャイナ1の最終日、第7ステージが開催され、17日からはツアー・オブ・チャイナ2がスタートする。

ステージ制覇に笑顔がこぼれるNIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニのメンバー

ダミアーノ・チーマのコメント
最初から最後まで献身的な走りをしてくれたチームメートにまずは感謝したい。チームで団結して戦い、自分にとって理想的なレース展開に持ち込むことができた。今日のステージでは、考えられる最大限のいい結果を残すことができ、うれしく思っている。

吉田隼人のコメント
ダミアーノ選手、岡本選手、自分がスプリントで勝負できるようチームメートがレースを作ってくれた。その結果、ねらいどおりの集団ゴールスプリントとなり、ダミアーノ選手がステージ優勝。自分もレースを重ねるごとに、ゴール前の位置取りがよくなっていることは間違いないので、あきらめずトライし続けて、早くいい結果を報告したい。

内間康平のコメント
スプリントの展開に持ち込むべく、大人数の逃げが先行しそうな状況の場合はチェック。それを繰り返しているうちに中間スプリントポイントを迎え、うまく集団をまとめ、ダミアーノが先着した。少数の逃げが先行したところで伊藤が集団をコントロール。残り10kmを切ったところで集団は1つになり、自分もそこからアタックがかからないよう前で踏んだ。 チーマがシンタイに引き続いてステージ優勝! 誕生日に優勝と彼にとって最高の日となった自分たち、日本人選手も区間優勝を目指して、残りのステージを全力で闘っていく。

伊藤雅和のコメント
スプリンターの3人と発射台のアランは温存し、内間と自分は集団をまとめることが仕事だった。落車で痛めていた左脚はまだまだだが、徐々に動くようになってきた。2回ある中間スプリントポイントでボーナスタイムをダミアーノと岡本がとるべく、集団の先頭をスプリンターたちが飛んでいくまで2回とも引いた。2回目のスプリントポイントが終わってできた逃げを捕まえるべく、自分は残り50kmくらいから集団コントロールに入った。残り10kmを切ってから逃げを捕まえてあとは集団内でゴールした。 ダミアーノが勝って、チームのみんなもしっかり仕事していいステージとなった。

岡本隼のコメント
今日もボーナスタイムを獲り、総合順位を上げることとゴールスプリントで上位に食い込むことを目標として走った。2回目のスプリントポイントではチームメイトの協力があり、いい位置でもがき出すことができたが、5位通過となった。ゴールスプリントではラスト1kmまでは連携していたが、他チームの選手と接触してしまい、もがき切れなかった。昨日今日と、あと一歩で届かなかったり、ゴールスプリントを外してしまったりと結果を残せていない。明日は移動日、明後日の最終ステージに向けいいと思えることを全てやり尽くし、結果を残したい。