日本の中学生・高校生が本場ベルギーでサイクリングアカデミー

7月15日から8月26日までU17およびジュニアカテゴリーの中学生・高校生を対象にしたサイクリングアカデミーがベルギー西フランドル地方を拠点に開催された。2018年で4回目となる。(ユーラシアIRCタイヤ監督・橋川健)

2017年に続き2018年もUCIレース「OMLOOP DER VLAAMSE GEWESTEN」に参戦

毎年国内の全国レベルで活躍している選手のみならず、名前の知られていない選手がベルギーのレースでサプライズな走りや成績を残し、後に日本代表メンバーとして認知され、活躍しているジュニア選手たちが多数いる。サイクリングアカデミーでは「人材の発掘」、「選手の強化」、「安全対策」を課題として取り組んでいる。

レース参戦
合計の参加者11名がそれぞれ2〜3週間滞在し、合計23レースに参戦した。

香山飛龍(2017年に引き続き2回目の参加。ジュニア強化指定選手)が13位に入賞(冒頭写真右端)。鳥倉必勝(2017年に引き続き2回目の参加。ジュニア強化指定選手 写真左から2人目)は同レースにおいて勝ち逃げに反応したものの、ちゅうちょしてしまい入賞を逃した。結果は残念だが、このような小さな積み重ねが将来大きな成果となる。

主なレース結果
ジュニア
7月24日 Izegem
9位 高木英行(PRT KOSEKI)

8月19日 OMLOOP DER VLAAMSE GEWESTEN (UCI MJ1)
13位 香山飛龍(横浜高)

21日 Langemark
3位 鳥倉必勝(SBC VERTEX RACING TEAM)
5位 香山飛流(横浜高)
9位 福田圭晃(横浜高)

23日 Kortemark
6位 鳥倉必勝(SBC VERTEX RACING TEAM)
10位 古林一夢(南大隅高)

8月25日 Bury
3位 香山飛龍(横浜高)
5位 福田圭晃(横浜高)


U17
8月25日 Bury
優勝 津田悠義(EQADS)

8月22日 Ruiselede
優勝 津田悠義(EQADS)

8月18日 Kortemark
3位 津田悠義(EQADS)

8月12日 Neder-Zwalm
5位 津田悠義(EQADS)

8月11日 Heestert
10位 津田悠義(EQADS)

「落車のリスクを下げる」思考と「レースで勝負に挑む」思考はまったく別のものだが、両立できることをワークショップ形式で意見を出し合い、「多くの落車は防げる」と学ぶ

安全対策
サイクリングアカデミーでは毎年、落車事故防止に力を入れている。2018年はトレーニング、レースを通し落車したのは3名で、合計4回の落車があった。そのうちレース中の落車1回では大きな事故となってしまった。レース中の落車は仕方がない・・・のではなく、その多くは防ぐことのできる落車。落車の原因を深く追求し、認識することで若い選手たちが「落車しない」ことを学び、実戦で成果を上げている。

人材の発掘
サイクリングアカデミーでは若い選手のタレント発掘の場としても機能している。毎年サイクリングアカデミーを通し覚醒した選手たちが大きく成長し、日本の代表選手として活躍している選手が多数いる。2018年も全国的には知られていないジュニアの選手が「サプライズな走り」を披露してくれた。今後の活躍も見守っていきたい。