憧れのしまなみ海道を走りに行くバスツアー参加レポート

日本で最も人気のあるサイクリングコース「しまなみ海道」を、都内から大型観光バスに愛車を積み込んで格安で楽しめるツアーが2017年11月に初催行され、30人が参加した。「憧れのしまなみを走ってみたい」という初体験の参加者が多かったが、車中2連泊の長距離旅行も、ゴール後に温泉施設で汗を流せば帰路はグッスリ。「また参加したい!」と大喜びだった。

都内から夜のうちに移動して広島県尾道市に到着

仕事を終えた金曜夜に東京駅から新宿を経由して広島県尾道市に向かう。途中の港北PAと海老名SAでも参加者をピックアップする。しまなみ海道の玄関口となる尾道に到着するのは土曜朝。瀬戸内海の海上にかかる大きな橋をつなぎながら、距離80kmを自転車で走って愛媛県今治市に到着するのが夕刻。温泉で汗を流したり食事を取り、夜7時には帰路に着く。東京に戻るのは日曜早朝だ。

スケールの大きなサイクリングルートが待っている

首都圏からの難アクセスをバスツアーが解決

両夜行の弾丸サイクリングツアーが初企画されると、予約で瞬時に満席。長時間の着席はいかにリクライニングシートであるとしても多少の苦痛が伴う。それでも参加するわけは、首都圏在住者がしまなみ海道に愛車を携えて走りに行くにはかなりの出費と自転車を担いでいく大変さ、ゴールからの帰路の移動手段の難しさがあるからだ。

「集合場所まで着ていた服や荷物をバス車内に置いて走れるのはうれしい限り。往復走るとなれば1泊する必要があり、日帰りなら今治からの帰路の確保がとても難しい。それを一気に解決してくれたのがバスツアー」と参加者。首都圏在住者がしまなみ街道を走りに行く場合、コストを試算すると少なくとも7万円になるが、同ツアーの価格は3万9800円。プラス1万円で1人で2席を占有することもできるというのも好評。

最新の観光バスを投入。長旅だが車内は快適だ
夜行バスではエア枕や耳栓つきアイマスクが提供された

往復1600kmの観光バス運行となるため、国土交通省の規定により乗務員態勢は2人で、運転士は2時間ごとに交替する。さらに現地では、参加者のサポートは地元観光協会にお任せし、運転士はホテルでしっかりと睡眠を取るなどの安全対策を講じている。

往復約1600kmを安全に走行できるように運転士2名体制で運行

Onomichi U2で朝ごはんを食べてから出発

首都圏サイクリストを乗せたバスは土曜朝に尾道市の人気サイクリング拠点、Onomichi U2に到着した。期待感もあってみんな寝不足だ。そこで提案されたのがOnomichi U2での朝食。おいしいパンとサラダバーが豊富にあり、たまごの調理方法はお好みのものを指定できる。この施設はサイクリスト向けホテルも備えるが、夜行バスツアーなら宿泊費が不要なこともポイント。

しまなみ海道の玄関口にあるサイクリング拠点、Onomichi U2
Onomichi U2で朝食をいただいてからサイクリングに出かける

実際のサイクリングは尾道観光協会のスタッフが全面協力。途中の補給ポイントを示す手作りマップも配布され、サポートカーで伴走してパンクなどに対応する。補給食として提供されるのはこのコースの定番。はっさく屋の「はっさく大福」だ。11月のはっさくは少し酸味があり、それはそれで大福の甘みと合っておいしいと参加者にも評判で、その場で買ったお土産用の大福はサポートカーでゴールまで運んでくれる。

次の補給ポイントはドルチェ本店でおいしいジェラート。この日の外気温はかなり低かったが、お店の中はホッとするような暖かさで、そこで食べるジェラートがとてもおいしかったという。

こうしてしまなみ海道サイクリングバスツアーは無事にすべての参加者が今治市にゴール。暖かくなる3月から毎月催行予定だという。

●サイクリングバスツアー
しまなみ海道サイクリングバスツアーの第2弾は2019年4月19日(金)夜発~21日(日)朝着で、2月第1週から予約開始。3万9800円、プラス1万円で2シートを占有。
国際興業トラベル

健脚派は亀山に上ると瀬戸内海の島々が一望できる