山内斗真がレッドブル・クラッシュドアイスのジュニアで初の表彰台

アイスクロス・ダウンヒル競技のレッドブル・クラッシュドアイスは2月8日に米国のボストンで今季最終戦(第3戦)のジュニアカップが行われ、日本の山内斗真(同志社大)がファイナルの4人に残り、3位になった。日本勢が同イベントの表彰台に乗るのは初めて。

ジュニア優勝のジョアニー・バレスケスを中央に左が2位マルティン・バロ、右が3位山内斗真 ©Mihai Stetcu/Red Bull Content Pool

レースは4選手が一斉にスタートし、上位2選手が勝ち上がるというノックダウン方式。同志社大アイスホッケー部に所属する山内は、1回戦のラウンドオブ32、クォーターファイナル(準々決勝)をトップ通過。セミファイナルでは混戦を制してバロに続く2着で決勝進出した。優勝はジョアニー・バレスケス(米国)。2位はマルティン・バロ(フランス)。

大学3年の山内にとってはジュニアカテゴリーで戦える最後のシーズン。エリートカテゴリーにもダブルエントリーしているが、経験豊富な世界トップクラスの選手に現在は歯が立たない。「ジュニアを取るのは最後のチャンス」と公言していた。

この日の夕方に行われていたエリートカテゴリーでは1回戦でまさかのミスで敗退していた。しかも一番得意だったところでのミス。それがなかったら確実にラウンドアップしたはずだ。

ジュニア決勝のスタート直後 ©Ryan Taylor/Red Bull Content Pool

「やっぱりアメリカは甘くないなと思いました。めっちゃ悔しいです。ボストンはトラディショナルなきれいな街で、また来たいなあと思いました。選手としてまた絶対来ます」と主催者の公式インタビューでふりしぼるように答えた。

ミスが発生したのはフラットな部分で、アイスホッケー選手である山内が得意とするスケーティングが発揮できるところだった。山内は2番手に位置して終盤を迎えていた。攻めなくてもよかったのにそこで攻めてしまったのが敗因となる。

「本当にすいません、実力差不足すぎて。自分が得意なところでミスをしてしまって。やっぱ1番手にいるのが安全で安心できるんですけれど、後ろにいる3番手の選手との間がどれだけ離れていたのかわからなかったんです。焦んなくてもよかったんですけど、やっぱ後ろからかかるプレッシャーがあった。こんな簡単なミスはありえないなーという感じですね」

ジョアニー・バレスケスを追うマルティン・バロと山内斗真 ©Ryan Taylor/Red Bull Content Pool

しかしすぐに気持ちを切り替えた。
「めっちゃイライラしていてやばいです。コケるぐらいの実力だったってことで。ジュニアをボクは取りにいかないといけない」

翌日のエリートで上位進出をねらう夢は断たれた。それだけにジュニアで結果を残して、いい形で終わりたいなあという気持ちが山内を奮い立たせた。

ジュニア優勝はジョアニー・バレスケス。2位マルティン・バロ、3位山内斗真 ©Andreas Langreiter / Red Bull Content Pool

ファイナルに進出すれば表彰台の頂点しか目指さなかったが、シーズンを転戦してすでにその実力を知り尽くしている通称ジョジョ(ジョアニー・バレスケス)の速さはケタが違った。その状況で堅実に3位に入り、表彰台に上った。最低限の結果を残してシーズンを終えた。そしてもう次のシーズンのことを頭に描いている。自らのミスで沈んだエリートカテゴリーで世界の実力者と渡り合えるように。

山本純子がファイナル進出…レッドブル・クラッシュドアイス最終戦ボストン大会

アイスクロス・ダウンヒルの世界選手権の最上位カテゴリー大会であるレッドブル・クラッシュドアイスは全3戦で展開するシーズン最終戦が2月8日に米国ボストンで開幕。山本純子が翌日のファイナル進出を果たした。

ファイナルに進出した山本純子

山本は予選タイム8位で、ファイナル一発進出のベスト4には入れなかったが、LCQと呼ばれる敗者復活戦では、1回戦(クォーターファイナル)で安定感のある走りを見せて1着フィニッシュ。翌日のファイナルのゲート選択権をめぐるセミファイナルも2着で通過。この日の女子ファイナルに登場し、4位でゴールした。

LCQ(敗者復活戦)で勝ち上がりの2着にわずかに届かなかった安床武士

昨シーズンから参戦している安床武士はLCQとインラインスケートXゲーム王者の技を見せる「フリースタイル」コンテストとタイトなタイムスケジュールをこなしたが、LCQ1回戦で勝ち上がりとなる2着に写真判定の結果敗退。

鈴木雅仁はLCQ(敗者復活戦)で敗退し悲願のファイナル進出ならず

横浜大会から参戦している元プロアイスホッケー選手の鈴木雅仁はLCQで敗退。「これがいまの実力。メジャーリーグのスタジアムでレースできて最高の気分だったが、翌日のファイナルに出場できなくて残念」と悔しさをにじませた。

LCQ(敗者復活戦)でミスから3着に沈んだ山内斗真

同志社大アイスホッケー部所属の山内斗真はLCQで2位をキープしながら、終盤に逆転されてまさかの敗退。「2着を確保すれば決勝に進出できたけど、トップをねらって攻めたのが裏目に出てしまった。まだまだです」とゴール後にコメント。

決勝進出にタイムトライアル順位でひとつ届かなかった吉田安里沙

そして安床の愛弟子で現役高校生の吉田安里沙は予選となるタイムトライアルのタイムで順位ひとつ及ばず敗退した。