カベンディッシュ、ビルバオ、フルーネウェーヘン…UAEツアー参戦へ

ジロ・デ・イタリアを主催するRCSスポルトが運営するUAEツアーが2月20日から26日まで開催され、2022年の総合3位ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーンビクトリアス)、大会通算7勝のマーク・カベンディッシュ(英国、アスタナ)らの出場が決まった。

アスタナのマーク・カベンディッシュ©Wilier Triestina

UAEツアーは世界選手権のスプリント勝負によく似ている(カベンディッシュ)

「今シーズン、アスタナ・カザクスタンという新しいチームにいる。いい冬を過ごし、チームメイトと知り合いになった。今のように幸せなときはいい結果を出せると分かっている」とカベンディッシュ。

「いつものようにUAEツアーに出場することに興奮している。コースはよく知っているし、多くの勝利を達成したレースだ。これはスプリンターの世界選手権にちょっと似ているので、きちんと始めることが肝心」

バーレーンビクトリアスのペリョ・ビルバオ(左) ©LaPresse – Fabio Ferrari

ジェイコ・アルウラーのディラン・フルーネウェーヘン(オランダ)、イネオスグレナディアーズのエリア・ビビアーニ(イタリア)らスプリンターも春先の中東レースに出場する。

イネオスグレナディアーズのエリア・ビビアーニ ©Roberto Bettini/SprintCyclingAgency©2023
ジェイコ・アルウラーのディラン・フルーネウェーヘン ©Luca Bettini/SprintCyclingAgency©2023

●UAEツアーのホームページ

【ツール・ド・フランス現場雑感】夏祭りと残念な銃撃事件

第109回ツール・ド・フランスは2022年7月3日、デンマークのバイレ〜セナボー間182kmで第3ステージが行われ、バイクエクスチェンジ・ジェイコのディラン・フルーネウェーヘン(オランダ)が大集団のゴールスプリント勝負を制し、3年ぶり5回目の優勝を挙げた。

デンマークでのラインレースはゴールまでみんなで行こうよという選手の意思共有を感じた ©A.S.O. Pauline Ballet

フルーネウェーヘンが大怪我を乗り越えて勝利

フルーネウェーヘンはスプリンターとして活躍したが、落車による重い障害を背負ってしまい精神的不調が続き、今季から同チームに。

「チャンスを与えてくれたチームに恩返ししたかった。最後の勝負は緊張したが、これでようやく迷いが吹っ切れる」とフルーネウェーヘン。

2022ツール・ド・フランス第3ステージ ©A.S.O. Charly Lopez

マイヨジョーヌのワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ビスマ)は3ステージ連続で区間2位。ボーナスタイム6秒を獲得。総合2位のランパールト(クイックステップアルファビニル)との差を1秒から7秒に広げた。総合1位ととともに、ポイント賞でも1位をキープしている。

バイキングに扮したリゴベルト・ウラン ©A.S.O. Charly Lopez

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ビスマ)
マイヨベール(ポイント賞)ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ビスマ)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)マグナス・コルト(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト)
□マイヨブラン(新人賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)

2022ツール・ド・フランス第3ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet

2日前にツール・ド・フランスの舞台となった町で銃撃テロ

デンマークでの3日間は、ツール・ド・フランスの歴史上でも眼を見張るような盛り上がりを見せました。沿道には想像以上大観衆が詰めかけ、タデイ・ポガチャルも「もうとにかくファンの声援はスゴい!」とコメントしているほどです。

マグナス・コルト(デンマーク)が独走してさらに山岳ポイントを積み上げた ©A.S.O. Charly Lopez

現地運営を委託されたデンマーク側はコースから離れたところに圧倒的多数の駐車場を用意。ファンはそこから徒歩などでコース上に向かうことになりました。簡易トイレなどのホスピタリティも用意周到で、デンマークの人たちは「3日間のフェスティバル」という楽しさを口にして盛り上がったのは言うまでもありません。

まさに夢のような3日間だったに違いありません。ところが…。

デンマークの3日間は大盛りあがり ©A.S.O. Pauline Ballet

この第3ステージが行われていた3日に、コペンハーゲンの商業施設で銃撃事件があり、犠牲者も発生しました。ツール・ド・フランス関係者はそこから300km近く離れた本土にいたので影響はありませんでした。ボクはその翌日にコペンハーゲンに着き、東京中日スポーツから事件を知らせる連絡があったのでちょっとお気楽すぎた取材者日記を書き直す必要がありました。

集合住宅みんなでツール・ド・フランスを歓迎
自転車が市民の生活には欠かせない。童話作家アンデルセンの生まれたオデンセで
オデンセの駐輪場にはコンプレッサーが常備。上部は鉄道駅の向こう側まで伸びる自転車専用橋
オデンセ郊外のレストラン付きモーテルで初めての本格料理

大会4日目はフランスまでの移動。そして3年ぶりのフランスへ

そして、通常より1日増の24日間で開催されているツール・ド・フランスは大会4日目にデンマークからフランス北部に大移動することになります。

アラス郊外のモーテルへ。クルマ移動のボクたちは荷物を部屋に運ぶのが楽で、このタイプが大好き

コペンハーゲンからパリに戻ったボクは、いよいよ3年ぶりにフランスの大地を踏みしめることに。目頭が熱くなるほど感慨深い思いでした。

この日はパリとカレーの中間にあるアラスへ。

清潔で快適な部屋からは麦畑と草むらのウサギも見える

これまで、
「ボクのツール・ド・フランスはマルセイユから始まった」
とか
「ボクのツール・ド・フランスはルーアンから始まった」
とか大ウソをついてきましたが、このアラスこそが人生を変えた街なんです。

そしてデンマーク帰りはフランスのレストランが激安に感じるという罠に

中学の頃から英国かぶれで、ラグビーなんかやったりして。高校の選択教科で英語を習得しようと参加した授業の題材が「フランス革命の指導者たち」。それを機会にフランスに傾倒し、恐怖政治を断行したロベスピエールがボクの英雄になりました。

フランス全土を駆けずり回っているボクにとって、フランスらしい景色といえばこんな感じだ

そのロベスピエールの出身地がアラス。フランスにはこれからはもうそんなにくる機会も少ないので、訪れておきたかったんです。部屋の窓を開けると草原のにおい、鳥の声、ウサギの姿。ツール・ド・フランスはこれから3週間をかけてフランスを一周することになります。

日差しは強いが朝夕は暖房をつけるほど冷え込んだ

第2ステージにもどる⏪ ⏩第4ステージにすすむ

🇫🇷ツール・ド・フランス2022特集サイト
🇫🇷ツール・ド・フランス公式サイト

ドバイツアー初日はフルーネウェーヘンV…中東でロードシーズン開幕

ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)がドバイツアーの第1ステージを制した。167kmの平たんステージは大集団のゴールスプリントとなり、同選手がトップでフィニッシュした。個人総合成績、ポイント賞、新人賞の3部門で1位になり、自国の国旗と同じ青、赤、白の3色ジャージを獲得した。

ドバイツアー第1ステージ ©LaPresse – Fabio Ferrari

2月6日から10日までUAEで開催される5日間のステージレースは5年目。全5ステージで総距離851km。ワールドツアー9チーム、プロフェッショナルコンチネンタル5チーム、コンチネンタル1チーム、UAEナショナルチームが参戦する。1チームは7人編成で、中東の平たんコースで開催されることから、スプリンターに有利で、2017年はマルセル・キッテルが総合優勝している。

ドバイツアー第1ステージを制したディラン・フルーネウェーヘン ©LaPresse – Massimo Paolone

ジロ・デ・イタリアを主催するRCSが運営することから発進力は高い。同地の温暖な気候もあってシーズン序盤の足慣らしとして参戦しているトップ選手も多い。

優勝したフルーネウェーヘンは2017年のツール・ド・フランスでシャンゼリゼにゴールする最終ステージで優勝した若手選手。
「とてもハードなスプリント勝負で、落車もあったが、チームメートの誘導でいい位置につけてスパートすることができた。シーズン最初のレースで結果を残せたことがうれしい」と語った。

●ドバイツアーの公式SNS
www.dubaitour.com
Facebook page
Instagram account
Twitter page
YouTube Channel

ドバイツアー第1ステージ ©LaPresse – Massimo Paolone

●関連ニュース

ドバイツアーにキッテル、カベンディッシュら強豪選手が集結…2月6日開幕

●最新ニュースへ