増田成幸がツアー・オブ・オマーン第2ステージで140kmエスケープ

ツール・ド・フランスを運営するA.S.O.の主催大会、ツアー・オブ・オマーンは2月11日、中東のオマーンで第2ステージが行われ、JCL TEAM UKYOの増田成幸が他の2選手とアタック。残り8kmで吸収されたが、約140kmにわたってレースを支配して存在感を見せつけた。

増田成幸がツアー・オブ・オマーン第2ステージでアタック ©A.S.O. Oman Cycling Association/Pauline-Ballet

レースは残り500mで抜け出したUAEエミレーツのフィン・フィッシャーブラック(ニュージーランド)が優勝。総合成績でもフィッシャーブラックが首位に躍り出た。

ツアー・オブ・オマーン第2ステージ ©A.S.O. Oman Cycling Association/Pauline-Ballet

「昨晩の作戦通りエスケープにトライした。きつく長い1日だったが、練習してきたコンディションがいい方向にあることも感じられた」と増田。

JCL TEAM UKYOの帯同シェフ
山本大喜 ©JCL TEAM UKYO
ツアー・オブ・オマーン第2ステージ ©A.S.O. Oman Cycling Association/Pauline-Ballet
ツアー・オブ・オマーン第2ステージ ©A.S.O. Oman Cycling Association/Pauline-Ballet
JCL TEAM UKYOも走る ©A.S.O. Oman Cycling Association/Thomas-Maheux
ツアー・オブ・オマーン第2ステージ ©A.S.O. Oman Cycling Association/Pauline-Ballet
ツアー・オブ・オマーン第2ステージ ©A.S.O. Oman Cycling Association/Pauline-Ballet
ツアー・オブ・オマーン第2ステージ ©A.S.O. Oman Cycling Association/Pauline-Ballet
UAEエミレーツのフィン・フィッシャーブラックがツアー・オブ・オマーン第2ステージ優勝 ©A.S.O. Oman Cycling Association/Pauline-Ballet
ツアー・オブ・オマーン第2ステージ ©A.S.O. Oman Cycling Association/Thomas-Maheux

予測、認知を促す独自レンズ…ULTRA LENS for CYCLINGシリーズ

自転車ロードレースチームの宇都宮ブリッツェンと、産業安全用保護具・スポーツ用各種アイウェア・眼鏡・光学機器などの製造販売する山本光学が共同開発した新モデルSTRIX D.A.が4月15日から販売を開始する。

宇都宮ブリッツェンの増田成幸らがテストした

ロードバイクで安全に走行することを目的として開発されたULTRA LENS for CYCLINGシリーズ

『ULTRA LENS for CYCLING(ウルトラレンズ・フォー・サイクリング)』は、 安全にロードバイクで走行するために、 路面の状況を的確にライダーに伝えてくれるレンズ。単に視界を暗くして眩しさを抑える従来のサングラスでは、眼に入る情報量は全体的に落ちてしまう。山本光学では「安全な走行のためには、視界を妨げる眩しさを抑えつつも、必要な情報はしっかりと眼に届けることが必要ではないか」という仮説のもと、自転車ロードレースのプロチーム、宇都宮ブリッツェンの選手とともに「安全な走行のために見るべきポイント(情報)とはなにか」「必要な情報をどのようにライダーに伝えるのがいいのか」を繰り返しテストし、共同でレンズを開発した。

ULTRA LENS for CYCLING搭載モデル・STRIX D.A.

ロードバイクの走行中に最も怖いのは「落車」。このリスクはプロも一般のライダーも同じだ。落車を防ぐために路面の状況をはっきりと見せてライダーが認識しやすくすることで、予測や認知を促し、素早くスムーズに判断・操作へとつなげやすくした。

さらに日本のロードバイク乗車環境に多い「峠道の木陰」などでも路面が暗く感じにくいよう、レンズを明るめに設定している。

同レンズは、2022年新モデルとして発売されるフレーム、STRIX D.A(ストリックス・ディーエー)をはじめとした5品番に搭載して販売。

ULTRA LENS for CYCLING搭載モデル・Airless-Core

見るべき路面のポイントを伝えてくれる…増田成幸

テストを行う宇都宮ブリッツェンの増田成幸

「ロードバイクの走行は認知・判断・操作の繰り返しです。プロ選手は認知とその前に存在する予測の能力が優れていることで、その後の早くスムーズな判断・操作へとつなげているため、ハイスピードの集団でも安全に走行できます」と、今回の開発に携わった宇都宮ブリッツェンの増田成幸。

「ULTRA LENS for CYCLINGは選手が予測・認知のために気にしている、見るべき路面のポイントを着用したライダーに伝えてくれます。 日本の道路環境で非常に使いやすいレンズができあがりました。落車なく安全にライディングを終えることはプロ・アマ問わずすべてのライダーにとって一番重要なことです」

新モデル『STRIX D.A.』などは4月15日からSWANS直営店、 SWANS PARTNER STORE、 SWANS公式オンラインショップ、 全国のスポーツ用品店・眼鏡店で発売される。

STX DA-4417 BK。20,900円(税込)
FO-4417 MBK。24,200円(税込)
EN8-4417 MEBK。18,700円(税込)

●SWANSのホームページ

2020東京パラ金2の杉浦佳子が全日本タイムトライアル4連覇

2021全日本パラサイクリング選手権ロード大会が10月22日に広島県中央森林公園サイクリングロードで開催され、2020東京パラリンピックで金メダル2箇を獲得した杉浦佳子(VC福岡エリート)が女子C2-3クラスで優勝した。

パラ女子⾃転⾞競技クラスC2-3は2020東京パラ金メダリストの杉浦佳子が2017年大会から4連勝 ©JCF

エリート男子タイムトライアルは増田成幸が優勝

89回目を迎える全日本自転車競技選手権ロードレースが広島県三原市の中央森林公園内サイクリングコースで10月22日から24日まで開催される。また、第24回全日本選手権個人タイムトライアル・ロードレース大会、2021全日本パラサイクリング選手権ロード大会が併催される。

エリート男子は増田成幸が49分25秒40で優勝 ©JCF

同大会は2019年6月に東京2020オリ・パラ競技会場である富士スピードウェイ(静岡県小山町)で開催されて以来、新型コロナウイルス感染症拡大により中止、延期を繰り返し約2年4カ月振りに開催されることになった。

男子U23は松田祥位が33分39秒57で優勝 ©JCF

国内自転車競技における同大会の位置付けは、当該年度の種目別優勝者(次大会までの1年間)を選出し、UCI(国際自転車競技連合)が定める国際ポイントを国内で獲得できる貴重な存在となっている。国際ポイントを獲得することは、世界選手権やオリンピックなどへの出場権を獲得する重要な要素でもある。

樫木祥子が38分55秒30で女子エリート優勝 ©JCF

今回の大会開催にはスポーツ庁、日本スポーツ協会、UCI、日本自転車競技連盟が定める新型コロナウイルス感染症対策ガイドラインを厳格に順守し行われる。大会参加する選手チーム関係者はもとより、競技役員、報道関係者など会場に入場する場合は72時間以内のPCR検査陰性結果が条件となり、入場時毎日の体調自己報告はオンラインにて行い、受け取ったQRコードを入場ゲートで大会スタッフがスキャンし入場する運用をしている。また感染対策の一環として残念ながら無観客としている。

石上夢乃が40分34秒51で女子U23優勝、エリート+U23でも2位に入った ©JCF

主な日程=1日目は個人タイムトライアルとパラサイクリング(個人タイムトライアル)。2日目は個人ロードレース カテゴリー:男子U23、女子エリート+U23。3日目は個人ロードレース カテゴリー:男女年代別マスターズ、男子エリート。

大会参加者数は個人タイムトライアルで男子U23:20、女子エリート+U23:11、パラ:13、男子エリート:20の合計64人。はロードレース男子U23:135、女子エリート、U23:26、男子マスターズ(30-39):17、男子マスターズ(40-49):26、男子マスターズ(50-59):28、男子マスターズ(60-69):11、女子マスターズ:10、男子エリート:113の合計366人。

パラ⾃転⾞競技クラスC1-3で藤田征樹が3年ぶり7回目の全日本チャンピオンに ©JCF

第24回全日本選手権個人タイムトライアル・ロードレース大会
2021年10月22日(金)
広島県中央森林公園サイクリングロード

男子U23(24.0km)20名出走
第2ウエーブ1番目スタートの松田祥位(岐阜・EQADS)が33分39秒57で優勝。
[競技結果]
1 松田祥位 岐阜   EQADS 33:39.57
2 留目夕陽 東京   中央大 33:59.57
3 宮崎泰史 大分   Sparkle Oita Racing Team 34:09.55

男子U23優勝の松田祥位(中央)、左が2位留目夕陽、右が3位宮崎泰史 ©JCF

女子エリート+女子アンダー23(24.0km)10名出走
1番目スタートの樫木祥子(東京・Team illuminate)が38分55秒30で優勝。
5番目スタートの石上夢乃(神奈川・鹿屋体育大学)が40分34秒51で女子アンダー23優勝、エリート+U23では2位に入った。
[競技結果]
1 樫木祥子 東京   Team illuminate 38:55.30
2 石上夢乃 神奈川   鹿屋体育大 40:34.51
3 石田唯 京都   早稲田大 41:11.80
女子アンダー23のみ別途表彰
1 石上夢乃 神奈川 鹿屋体育大 40:34.51

女子エリート優勝の樫木祥子(中央)、左が女子U23優勝で総合では2位の石上夢乃、右が3位石田唯 ©JCF
石上夢乃が女子U23の全日本チャンピオンに ©JCF

男子エリート(36.0km)18名出走、1名失格(規則に適合しない器材使用のため)
第2ウエーブ1番目スタートの増田成幸(栃木・宇都宮ブリッツェン)が唯一50分を切り、23回大会に続き49分25秒40で優勝。
[競技結果]
1 増田成幸 栃木   宇都宮ブリッツェン 49:25.40
2 山本大喜 奈良   KINAN Cycling Team 50:12.77
3 中根英登 愛知   EF Education-NIPPO 50:25.71

エリート男子優勝の増田成幸(中央)、左が2位山本大喜、右が3位中根英登 ©JCF

2021全日本パラサイクリング選手権ロード大会
2021年10月22日(金)
広島県中央森林公園サイクリングロード

男⼦ ⾃転⾞競技クラス C1-3(12.0km)4名出走
MC1,2,3を結合しての開催、係数計算での結果、2013〜2018年6連勝の藤田征樹が優勝。
[競技結果]
1 藤田征樹 藤建設 MC3 18:50.82 計算タイム:18:50.82
2 川本翔大 大和産業 MC2 19:57.91 計算タイム:19:11.79
3 多田尚史 acu-power Racing Team MC3 25:51.87 計算タイム25:51.87

パラ男⼦⾃転⾞競技クラスC1-3優勝の藤田征樹を中央に左が2位川本翔大、右が3位多田尚史 ©JCF

男⼦ ⾃転⾞競技クラス C5(12.0km)3名出走
MC5クラス3名での争いの中、梶鉄輝が初優勝
[競技結果]
1 梶鉄輝 JPF MC5 18:58.02
2 吉井常浩 – MC5 22:01.53
3 沼野康仁 usplab.VC SPLENDOR MC5 29:13.80

パラMC5クラスで梶鉄輝が初優勝 ©JCF
パラMC5クラス優勝の梶鉄輝 ©JCF

女子 ⾃転⾞競技クラス C2-3(12.0km)2名出走
WC2,3を結合しての開催、係数計算での結果、2020金メダリスト杉浦佳子が2017年大会から4連勝。
[競技結果]
1 杉浦佳子 VC福岡エリート WC3 21:37.61 計算タイム:21:37.61
2 藤井美穂 楽天ソシオビジネス WC2 27:50.77 計算タイム:26:46.44

杉浦佳子がパラWC2-3全日本チャンピオンに ©JCF

男⼦ トライシクルクラスT2(12.0km)1名出走
MT2クラス1人での出走、福井万葉が29分12秒21で2018年、2019年に続いて優勝。
[競技結果]
1 福井万葉 バタフライ・エフェクト MT2      29:12.21

パラ男⼦トライシクルクラスT2は福井万葉が29分12秒21で2018年、2019年に続いて優勝 ©JCF
パラ男⼦トライシクルT2優勝の福井万葉 ©JCF

男⼦ ハンドサイクルクラス MH2-3(12.0km)2名出走
MH2の官野一彦が欠場のため、MH3の2人がスタート、田中祥隆が優勝。
[競技結果]
1 田中祥隆 アイ工務店 MH3 31:07.27
2 村田成謙 ベリサーブ MH3 43:32.68

パラ男⼦ハンドサイクルMH2-3は田中祥隆が優勝 ©JCF
パラMH3を制した田中祥隆 ©JCF

東京五輪の自転車競技に16選手…略歴と競技日程・会場

2020東京五輪の自転車競技に出場する日本代表16選手が決まった。これまでの五輪自転車で日本選手が獲得したメダルは銀1、銅3で、すべてトラック男子によるもの。自国開催となる今回は女子や新種目のBMXフリースタイルにも期待がかかる。国内自転車界悲願の金メダル獲得を目指してそれぞれが練習を積み重ねている。

2020東京五輪のピクトグラム(フレームタイプ)

自転車競技はトラック、ロード、MTB、BMXの4種目

東京五輪で開催される自転車競技は大きく分けてトラック、ロード、MTB、BMXの4つがある。トラックは男女ともに6種目が行われ、そのうち3種目がスプリント系の短距離レース。日本はすべてこのカテゴリーで男子選手が五輪メダルを獲得してきた実力があり、悲願の金メダルも十分に期待できる。バンクと呼ばれる自転車競技場は会場ごとに特性があるので、五輪の舞台となる伊豆ベロドロームで長期的な強化合宿を積む日本勢は地の利が行かせる。

ただし今回の金メダル最有力はトラック中距離の女子。2020年2月に行われた世界選手権女子オムニアムで優勝した梶原悠未(かじはらゆうみ)だ。トラック日本女子では初、男子を含めても33年ぶりの世界チャンピオンだ。オムニアムは1日で4種目を行い、その合計で競う複合種目。世界選手権よりも五輪のほうが参加選手数が絞られるため、ライバルの数も少なくなる。梶原が順当なレース展開を見せれば金メダル獲得も夢ではない。

梶原悠未がオムニアム出場時に使用するアルカンシエルデザインバイク

コロナ禍による大会延期も「強くなるために練習する時間が持てた」と梶原。「日本代表としての誇りをもって必ずオムニアムで金。有言実行を胸に臨みたいです」

新種目として採用されたBMXフリースタイルでは中村輪夢(なかむらりむ)に期待。20インチ車輪の自転車に乗り、人工セクションを使って宙返りするなど、いかに難易度の高い技を決めて高得点をたたき出すかなどで争われる。世界大会での表彰台の常連だけにメダル圏内。

「悔いのない走りをしたい。それができればメダル獲得という成績もついてくると信じています」と中村。

中村輪夢 ©Eisa Bakos/Red Bull Content Pool

MTB女子代表の今井美穂は群馬県前橋市立新田小の教員を務めながら、平日の夜と週末に練習を続ける。

「応援してくれる子どもたちがいなかったら、五輪なんてあきらめていたかも知れません。その恩返しとして子どもたちになにかを伝えられたら」と意気込む。

日本勢の五輪メダルは銀1個、銅3個

今井美穂は東京五輪代表リモート記者会見も小学校から参加した ©JCF

日本自転車選手の五輪メダルは過去に4個で、すべてトラック短距離種目。1984年ロサンゼルス大会の個人スプリントで坂本勉が銅、1996年アトランタ大会の1kmタイムトライアルで十文字貴信が銅、2004年アテネ大会で長塚智広・伏見俊昭・井上昌己の日本チームが銀、2008年北京大会のケイリンで永井清史が銅。

2020東京五輪 自転車競技の日本代表16選手

◆トラック短距離
新田祐大
(ドリームシーカー)

◆トラック短距離
脇本雄太
(ブリヂストンサイクリング)

◆トラック短距離
小林優香
(ドリームシーカー)

◆トラック中距離
橋本英也
(ブリヂストンサイクリング)

◆トラック中距離
梶原悠未
(筑波大大学院)

◆トラック中距離
中村妃智
(日本写真判定)

◆ロード
新城幸也
(バーレーンビクトリアス)

◆ロード
増田成幸
(宇都宮ブリッツェン)

◆ロード
与那嶺恵理
(ティブコシリコンバレーバンク)

◆ロード
金子広美
(イナーメ信濃山形)

◆MTBクロスカントリー・オリンピック
山本幸平
(ドリームシーカー)

◆MTBクロスカントリー・オリンピック
今井美穂
(CO2bicycle)

◆BMXレーシング
長迫吉拓
(日本写真判定)

◆BMXレーシング
畠山紗英
(日本体育大)

◆BMXフリースタイル・パーク
中村輪夢
(ウイングアーク1st)

◆BMXフリースタイル・パーク
大池水杜
(ビザビ)

2020東京五輪 自転車競技の日程と会場

ロード
●開催日程=7月24、25、28日
●開催場所=東京都府中市〜富士スピードウェイ

MTB
●開催日程=7月26、27日
●開催場所=静岡県・伊豆MTBコース

BMX
●開催日程=7月29日〜8月1日
●開催場所=有明アーバンスポーツパーク

トラック
●開催日程=8月2〜8日
●開催場所=静岡県・伊豆ベロドローム

●2020東京五輪のホームページ

平成生まれの新競技バンクリーグで地域活性を目指す

バンク、あるいは競輪場などと呼ばれる自転車競技場を走るときは変速機やブレーキを装備しないトラック競技専用車を使うのだが、ロードレースのトップ選手らがロードバイクに乗ってバトルする平成生まれの新競技「バンクリーグ」が注目されている。選手育成や競技場を持つ地域の活性化、ファン層の拡大などをねらっている。

宇都宮競輪場でナイター開催されたバンクリーグ

東京五輪代表の増田成幸も参戦

栃木県の宇都宮競輪場で11月14日、「バンクリーグ」の2020年第2戦が開催された。出場チームはシマノやキナンなど国内実業団のトップクラスばかり。地元となる宇都宮ブリッツェンの出場4選手の中には、東京五輪自転車ロード代表の増田成幸もいる。出場選手が使用するのは、変速機のついたロードバイクだ。山岳コースを含めた一般道を走るための機材でバンクを走るのが最大の特徴である。

自転車ファンの拡大と地域振興などを目的として、自転車競技場を利用した新レース「バンクリーグ」が立ち上がったのは2018年。2019年は愛知県名古屋市、三重県松阪市、広島市、宇都宮市で開催された。コロナ禍で今季は8月に名古屋で第1戦が行われ、この宇都宮が最終戦となった。

数時間におよぶ通常のロードレースと異なり、1レースは数分で決着する

ルールは簡単だ。4人編成のチームが1対1で対戦する。一斉にスタートして3、5、7、9、11周目の決勝ラインを1着で通過した選手のチームに1点が与えられる。3点先取したチームが勝利となるが、今季から1回得点した選手は再度得点を得られないというルールに変わり、面白さを高めた。チームの総力で争うようになったのだ。2グループに分かれて総当たり戦を行い、勝ち上がった2チームによって決勝戦が行われる。

会場では解説者がレース展開や各選手の思わくなどをトークしてくれるので、初めて観戦する人も競技の面白さがわかるように工夫されている。バンクの内側には特別席もあって、選手のスピードが間近で体感できるだけでなく、選手らと気楽に会話することも可能。欧州の冬場の自転車興行イベントのようにお酒や食事を楽しみながら熱戦を見ることもできる。

ホームチームとして熱い声援を受けた宇都宮ブリッツェン

またイケメングランプリと題したファン投票などを企画するなど、自転車好きがさらに楽しめるように、同時に新たなファン獲得を目指している。ロード選手はこのスポーツの運動効果としてスラリとした体つきが特徴で、しかも各チームにはイケメンが必ずいる。熱心な女性ファンが多いのもうなずける。会場にはチームグッズも販売され、こういったアイテム購入が「好きなチームや選手を後押し」する満足感につながっているようだ。

那須ブラーゼンの渡辺翔太郎がイケメングランプリを受賞

この日は、バンクリーグに先だって宇都宮ブリッツェンの育成選手たちが公開練習。アテネ五輪代表の鈴木真理(しんり)さんが、地域の子供たちを指導している。競輪場という施設を市民の財産として有効活用し、スポーツ文化の発信拠点にしたいというのもリーグのねらいだという。

宇都宮競輪場を走る小学生レーサーたち

「バンクリーグ」今後の展望は、将来的にサッカーや野球のようにホーム&アウェイ方式で国内各地の競輪場での開催を計画。レース会場は参加チームの「ホームバンク」となる競輪場を予定している。また各チームのファンをはじめ、開催地域の市民がふれあえる楽しいイベントを同時開催し、まったく新しい参加型サイクルイベントとして盛り上げていきたいという。

子供たちを始動する静木真理コーチ

増田が地元宇都宮のキッズにエール

東京五輪自転車ロード代表の増田が、レース途中に選手ウォーミングアップエリアを訪ねた地元キッズに、「よく食べて、午後9時には寝て、そして練習してください。勉強もしっかりとね」とアドバイスを送った。

東京五輪代表の増田(紺色のTシャツ)が子供たちにエール。その左の青い長袖姿が鈴木コーチ

宇都宮で自転車をやっている子供たちにとって、増田は憧れのスーパースター。緊張気味だったが、柔和な増田の雰囲気に救われ、改めて「練習も宿題も頑張ります」と気持ちを引き締めていた。

●バンクリーグのホームページ

新城幸也、増田成幸オンライントークショー…だれでも視聴可

東京五輪代表の新城幸也(バーレーン・マクラーレン)と増田成幸(宇都宮ブリッツェン)のオンライントークショーをメリダジャパンが12月13日(日)に開催する。国内外のロードレースをメリダバイクで駆ける2選手の話が自宅などで視聴できる。

今回はMERIDA CYCLING ACADEMYの特別プログラム。特別ゲストとして新城と増田を迎え、コロナ禍で揺れた激動の今シーズンの振り返りや、オフシー ズンの過ごし方、来シーズンの意気込みなど、ここでしか聞けないエピソードを交えた1時間のトークショーを行う。

トークショーはMERIDA X BASE YouTubeチャンネルで無料オンライン配信されるので、自宅でも楽しめる。

【オンライントークイベント概要】
日時 2020 年 12 月 13 日 15:00~16:00
●MERIDA X BASE YouTube チャンネル

事前に質問を募集

●質問はこちらで応募。 ※全て紹介できない場合がある

※録音、録画は禁止
※インターネット接続環境が必要
※通信にかかる費用は各自の負担
※通信環境により画像・音声が乱れる場合もある

【特別ゲスト】

新城幸也
沖縄県石垣島出身のサイクルロードレース選手
TEAM BAHRAIN McLAREN 所属。2009年には日本選手として13年ぶりにツール・ド・フランスに出場し、日本人で初めて近代ツール・ド・フランスを完走した選手の一人となった。
2012年のツール・ド・フランスでは第4ステージにおいて敢闘賞を獲得。日本人で初めてグランツールの表彰台に上がった選手。
2020年はジロ・デ・イタリアに唯一の日本人選手として出場。

新城幸也 ©Yuzuru SUNADA

増田成幸
2006-2007 ミヤタ・スバル~チームミヤタ
2008-2009 エキップアサダ~EQA・梅丹本舗・グラファイトデザイン
2010 チーム NIPPO
2011-2012 宇都宮ブリッツェン
2013 キャノンデール・プロサイクリングチーム
2014- 宇都宮ブリッツェン
2019 年全日本自転車競技選手権 個人タイムトライアル男子エリート優勝

増田成幸