真夏のマスク事情…コロナを転機に自転車界も新たなトレンド

照りつける真夏の太陽の下でも、スマートにマスクを着用して自転車で走りたい。不織布マスクやバンダナでは熱がこもりがちで、やはり自転車専用設計のものがいい。それを確かめるために実際にサイクリングしてみた。サングラスや輪行袋メーカーもwithコロナ時代を少しでも快適に過ごせる新製品を続々とリリースしている。

マスク着用のサイクリストが珍しくなくなった

パールイズミのUVフェイスカバーは品薄状態

1年前なら、真っ黒なフェイスマスクをしたサイクリストに出会うと、少しばかり違和感を感じた。お肌を気にする女性ならいざ知らず、男性がマスクをするのは奇異な印象を持ってしまったとしても仕方ない。ところが新型コロナウイルス感染防止によってマスク着用が求められると、一転して自然なものとして目に映るようになった。

現在、ランやサイクリング途中にマスクを着用することが、はたしてどれだけ感染防止となるのかは意見が分かれる。真夏にマスクを着けてスポーツをする危険度も指摘されている。今回実験した自転車ウエアメーカー、パールイズミが販売しているUVフェイスカバーは感染を防止するものではないが、もともとの日焼け防止という機能に加えて、コロナ時代のマナーとしていいアイテムだ。

パールイズミのUVフェイスカバー。耳かけタイプなので走行中にずり落ちてくる心配がない

UVフェイスカバーは夏の紫外線から顔が日焼けしないようにガードするために作られた。最高レベルの紫外線カット素材を使っているので、顔に真っ白な日焼け止めクリームを塗らなくてもいい。クリームはUVカット数値が高いものほど肌にはよくないし、塗ること自体が不快に感じる人も多い。

アウトドアスポーツの場合、紫外線は疲労の大きな原因となる。レースでは好成績が発揮されず、長距離サイクリングの時は終盤に疲れ切ってしまう。だから顔のみならず肌が露出したところは、クリームを塗るか太陽光をさえぎる衣類が必要なのだ。顔のカバーだけでなく、夏用の長袖や脚のカバーが販売されているのはその対策だ。

パールイズミのUVフェイスカバーは口元が開くのが特徴

実際に使用したフェイスカバーは通気性と吸汗速乾性もあるので、息でベトベトになることもない。フリーサイズだが、首の後ろに複数個のボタンがあって、だれでもフィットさせることができる。通常のバンダナだと走行中にずり落ちしてくるのが気になるが、耳にかけるヒモがあるのでその心配がない。口元には切れ目があって、アゴの部分を引き下げれば深呼吸ができるし、走行中にボトルの水を飲むこともたやすい。

UVフェイスカバーの価格は3800円(税別)。
●パールイズミのホームページ


防護サングラスのESSが医療従事者の眼をサポート

米マサチューセッツ総合病院の医療従事者

米軍や警察・消防隊員らが愛用するESS(アイセーフティシステム)の防護用サングラスが医療従事者に1万4000セット提供された。オークリーから独立したブランドで、スポーツ用としても日本で販売されている。寄付されたものはレンズと顔の間を樹脂パーツでふさぎ、飛沫の侵入を防いだもの。商品名はクロスボー・ガスケット。1万6000円(税別)。
●ノーベルアームズのホームページ

ESSのクロスボー・ガスケット

あの輪行袋メーカーも医療用ガウンを製作し、医療現場に重用

オーストリッチのガウンを着用するアズマ産業の伊美哲也社長

分解した自転車を電車に持ち込むときに使う輪行袋のトップブランド、オーストリッチも新商品を続々開発。ナイロンをはじめとした素材特性や縫製方法を知り尽くしているだけに、そのノウハウを応用したマスク(1200円)、マスクケース(1500円、1800円の2種=以上すべて税別)を発売。医療機関でガウン不足が深刻になった際は、自転車業界仲間から資金を得て繰り返し洗って着用できるガウンを作って寄付した。その品質の高さから現在も一般医療の現場から問い合わせが多く増産中。

オーストリッチのマスク(グレー)とマスクケース(オレンジ)
オーストリッチの輪行袋を愛用している人はこんなマスクケースもほしくなってしまう

●オーストリッチのホームページ

マスクはさまざまなメーカーが製作

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