そんなエステの最新事情…男性が脱毛する際に必読

男性でも「エステ通い」をカミングアウトしやすくなり、わずらわしいムダ毛処理から解放される時代が近づいている。ただしそこは未体験ゾーン。「毛周期ってなに?」「永久脱毛じゃないの?」「6回も通う必要があるの!」と知らないことばかり。そんな「エステ脱毛」の最新事情を実体験レポート。

光照射時に塗布するジェルは美肌サポート効果もあるという

そんなエステ脱毛の最新事情を、カラダを張ってレポート

ジェンダーレスという言葉を見聞する機会が飛躍的に多くなり、多様な価値観が尊重される社会に変わりつつあることを感じる。例えば学校の制服やファッション、社会の就業態勢などで男女の垣根が次第に取り払われている。

化粧やおしゃれを楽しむ男性も多くなり、主に女性が利用してきたエステサロンも新たな利用者層が増えている。以前よりも「エステに通っている」とカミングアウトしやすくなった雰囲気も、それを推し進めている要因だ。

ところで、美意識の高い男子ばかりが訪問するのかと思いがちだが、近年の話題はアスリート系も。ムダな体毛をきれいにしてスポーツをしたいという人たちがエステサロンで脱毛を始めている。アスリート系脱毛をうたうエステサロンもあるほどだ。

かつては野球や柔道などが日本男児の大好きなスポーツとされてきたかも知れないが、近年は世界各国で定着しているさまざまなスポーツをするチャンスに恵まれている。米国の人気スポーツが報じられる機会が多かった日本でも、欧州で話題のスポーツも深く紹介されるようになり、競技人口が増えた。文化と価値観の異なる欧州では、以前から試合やレース会場に立つときは体毛をきれいにして登場する選手らが多く、その影響が日本に訪れるのは時間の問題だった。

脚全体の施術だけなら30分ほど。初めての訪問時は概要説明などの時間も要する

それがどうやって脱毛と結びつくのか?

1964年開催の東京五輪時に確立された日本のマッサージ方法はパウダー式だった。一方で、欧州ではオリーブオイル式。この施術の違いが体毛処理の差異となる。前者はムダ毛があっても施術できなくもないが、後者にムダ毛があったら多量のオイルが必要だし、そもそも毛が引っかかって気持ちよくない。だから欧洲のスポーツ選手はムダ毛を剃る習慣があったという。

例えば自転車選手。彼らがスネ毛をきれいに剃っているわけはいくつかの理由があるが、オイルマッサージを受けやすいという理由もある。だからツール・ド・フランスに出場するプロ選手はみんな脚がツルツルでとてもきれいなのだ。それがカッコよく見えるから、当然日本のサイクリストもツルツルにする。

それまでのスネ毛はたいてい、入浴時にT字カミソリなどで処理をしていた。この方法は安価だが、炎症を起こしやすく手間もかかし、ケガをすることも多い。そのわずらわしさ、難点を解決したのが光学機器を駆使して専門家が施術する光脱毛だった。ジェルを塗った部位に光を照射するだけなので、ベッドに寝ていれば無痛で脱毛してもらえる。

光でどうやって脱毛するのかという原理はあまり理解できていないが、強くて特別な光を照射したことにより、メラニン色素が反応し、熱変性した毛根のタンパク質により、毛の成長が止まり、これ以上成長できずに毛根から外れて抜け落ちるという。

「毛周期ってなに?」「永久脱毛ってないの?」「何度か通う必要があるの?」

コラム著者はもうすぐ59歳。ロードバイクを手に入れてから35年以上になるので、ずっとスネ毛を剃ってきたわけだ。しかしながらカミソリで剃るというのはじつに面倒で、自転車に乗ること自体がおっくうになることもあった。だからずっとエステサロンの光脱毛は興味があったのだが、なかなか踏み切れない。ところが時代の変化があと押しをしてくれた。

そして勇気を出してエステサロンに行ってみた。ところがいろいろと聞いているうちに、これまで頭の中で思っていたこととはまったく異なる事情があることが次々と判明していく。

コラム著者が訪ねたのは京王線桜上水駅すぐにあるエステサロンがルサロンドゥプランタン(Le Salon du Printemps)。自転車雑誌のモデルとしても活躍するRENさんが、メイクアップアーティストのMIKAさんとともに2021年3月末にオープンさせた。個室なので男性が訪問しても違和感ない内観がとても安心だ。

●実際の初体験レポートはこちらに掲載

まず初めての施術を前に、光脱毛とはなにかの概略をていねいに説明してくれた。それを理解した上でエステ脱毛を始めないと、自分の頭で考えていたこととのズレが生じかねない。

もちろん事前のメッセンジャーやLINEでのやりとりでもていねいな説明があったが、一番衝撃を受けたことは、一度の施術でツルツルになるというわけではなく、多くの人の場合およそ6回は通う必要があるということだ。

また、これまでは永久脱毛をうたう脱毛方法も選択肢だったが、激痛を伴うことがデメリットで最近は敬遠されていること。現在の定義としては、完全な永久脱毛というものはほぼなく、毛には再生力があるもので、それを処理するために定期的にメンテナンスをするのがいいという説明にも納得した。

脱毛する部分はあらかじめシェービングを済ませてからエステサロンに行くということも新鮮な驚きだった。さらに新鮮な驚きだったのは、施術をしてもらった当日は飲酒やスポーツは不可。シャワーは大丈夫だが、入浴は避けるように案内されたことだ。

ルサロンドゥプランタンのRENさん(右)とMIKAさん(左)。男性客には男性のKOTAさん(中央)が担当してくれる

また施術を受けたらその場で抜けるというものではなく、1〜2週間ほど経過して効果が現れていくという。衣服を脱着したり、風呂で洗ったりタオルで拭いたりしているうちに自然と抜けるのだという。

で、実際にそのとおりだった。2週間ほどはあまり効果を感じなかったが、いつの間にか毛が薄くなったと感じた。光照射を受けた毛根に残った毛は、手で軽く引っ張ると「ポッ!」と痛みや感触もなく抜ける。面白いので引っ張ってみたくなるが、「あまりやってはいけません」とのことで、自然に抜けるのがいいようだ。ちなみに毛根に光照射がアプローチできなかった毛を引っ張ってみると痛みがある。つまりこの毛はもう一度光照射しないと抜けない毛だ。

1回目の施術では、この処置できなかった毛が意外と多く残った。個人差もあるが著者の場合は3割ほど残った。2回目で残り2割、3回目で1割。施術を続けるたびに、照射の強さをアップできるので、より効果的にアプローチできるようになる。著者の場合は4回目で左右合わせて20本程度の毛が残るまでになった。

ここまで来れば、サイクリングをする前に軽くシェーバーを当てれば数分で処理できる。でも残った毛はわずかだが、伸びてくると目立つし、ここまでやったのだからすべてきれいにしてみたいという遊び心もある。

施術4回で見た目ではまったくスネ毛がないほどに。シェーバーを当てることなくそのままサイクリングできる

また、これまでの光機器は低電力で、アスリートのように日焼けした肌には毛根にアプローチしにくく、光脱毛はできないとされていた。その難点をカバーする最新の業務用200Vの機器は、肌の色は関係なく施術可能に。さらに白い毛や産毛にも作用するようになったという。おまけにロングタイム発光ができるので、脱毛ムラにもなりにくいという。

少なからずアプローチを受けた毛は細くなり、生えるスピードも下がっていく。こうなってくると電力量をアップできるのでさらに脱毛が促進されていく。光が強いので3週後ほどで次の施術ができるという効果的なサイクルで、脱毛は6カ月を要するという常識を覆して、スピーディな施術が可能になったことも特徴だ。


●ルサロンドゥプランタンのホームページ

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