絵はがきの中を駆けめぐるスポーツなんて他にある?

フランスの景観も大自然の猛威も変わることはない

あれから110年が経過するが、ピレネーやアルプスの景観、町の作りはほぼ同じだ。沿道に陣取って待つ観衆はスマホなどの最新機器をいじりながら思い思いに時間を過ごし、最新鋭のマシンに乗った選手たちが突き進んでいくのだが、基本的には110年前と変わらない人々の営みが続けられている。古い石造りの家があり、ヒツジ飼いがいて、カウベルの音が涼しげな風に乗って耳に届いてくる。

天空の空ラピュタのモデルとなったコルドシュールシエル。2013年第8ステージ

そして大自然の驚異は太古から変わらない。好天になれば灼熱で、十分な水分や食料がないと倒れてしまっても不思議ではない。天気が崩れれば真夏でもヒョウが降り、防寒具を持たないと遭難してしまうかもしれない。やはりこの場所はとんでもない秘境なのである。

標高2800mに位置するピックデュミディ天文台で日没を望む。2014年7月22日
聖地ルルドはツール・ド・フランス取材時によく宿泊場所として訪れる町だ。2007年第15ステージ

まるで絵ハガキのような景色の中を走っていく。ツール・ド・フランスを初めて取材したときは何回もクルマを駐めて写真を撮りまくったが、もう美しい景色に飽きてしまって…。そんなフランス。ぜひ一度。

フランス南西部の要衝ポーに向かう県道沿いの集落。2012年第15ステージ
ツール・ド・フランスの象徴でもあるヒマワリ畑はフランス南西部、オクシタニー地域圏に多い。2012年第14ステージ
地中海は空気が乾燥しているのでビーチでも肌がべとつくことがない。2012年第13ステージ
フランスの空は広い。中央山塊にて。2017年第15ステージ
フランス南西部。強烈な日差しや凍てつく冷気をシャットアウトする木蓋が構造的特徴。2017年第11ステージ
セールポンソン湖。アンブランの山小屋より。2015年第17ステージ
アルプスのガリビエ峠より。向こうに見える氷河が20年前より小さくなったような…。2015年第18ステージ
スイスのベルン郊外。2016年第16ステージ
ミュンスターにある建物のすべての突起物の上にはコウノトリの巣が…。2014年第9ステージ
ドイツとの国境に近いミュンスター。2014年第9ステージ
シャルトル近郊。ここまで来るとパリはもうすぐだ。2012年第19ステージ
パリ。2014年第21ステージ
ツール・ド・フランス100回記念大会がシャンゼリゼにがい旋。2013年第21ステージ
パリ。選手がゴールしてしばらくするともう日が沈もうとしています。ツール・ド・フランスが終わりました。2012年第20ステージ

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