腰痛は家庭用医療機器を駆使して地道にケアする

無理な姿勢が誘発する突如の激痛。あるいは慢性的疾患として、もう持病としてつき合っていかなくてはならない症状。腰痛はアスリートから運動不足の人たちまでを悩ます国民的な病気だ。

マイクロカレント(微弱電流)は空路などの長時間移動時にあると最高

専門医の診察を受けるのが最善の治療法であることは承知の上で、まずこの痛みをなんとか緩和したい。ドラッグストアの湿布薬を使ってわが身を癒したい。そんなときに頭に浮かんだことは、家庭用医療機器。比較的安価に入手できるアイテムを使ってどれだけ効果が発揮されるのかやってみた。

マイクロカレント(微弱電流)で損傷部位の治癒を高速化させる

NHKの「クローズアップ現代+」で陸上100m日本記録保持者の桐生祥秀選手がケガの回復に使用したという機器が紹介された。電極コードの付いた粘着パッドを身体の2カ所に当て、マイクロカレント(微弱電流)を流すことで、運動後の筋肉をトリートメントするというもの。

じつはこの商品、家庭用医療機器という法律上のカテゴリーに属するもの。販売側も購入側も制限が生じる管理医療機器ではなく、一般でも購入できるのが特徴で、3〜4万円でだれでも入手できる。いまではネット販売にも登場し、伊藤超短波の商品は定価販売を基本としながら各サイトのポイントなどはゲットできるので、実質数%引きで入手することも可能になったようだ。

腰痛 家庭用医療機器
ケアしたいところをはさむようにパッドを貼って微弱電流をオンにする

日本人メジャーリーガーの多くも登板後のケアやヒジ手術後の回復を目的として愛用していることが、各選手のSNSなどで頻繁に公表されている。陸上競技、柔道、体操、自転車、バドミントン、ハンドボールセーリングなどの国内連盟・協会が選手サポートのために採用しているという。

基本となる使い方はケアしたい部分をはさむようにパッドを貼る。ヒザを痛めた選手ならひざ小僧の上下、あるいは疾病の状態によっては前後に貼ってスイッチをオンに。練習後にケアする1時間モード、日ごろのコンディショニングに役立つ12時間モード、さらにそれを組み合わせたモードが選べる。就寝時などにやるといいようだ。

使用するのはマイクロカレントと呼ばれる微弱電流

電流療法はよく知られたもので3つある。1つはトントントンという刺激を感じる低周波。痛みを和らげ、筋肉のコリやマヒをほぐす。2つめはシックスパッド社製品で話題になったEMS。電気的に筋肉を動かして筋繊維を鍛える。そしてマイクロカレントだ。ケガをしたとき、その細胞の回りに微弱な電流が集まり修復を助けるという人体の働きにヒントを得て開発された。

腰痛 家庭用医療機器
AT-miniは1チャンネル仕様と2チャンネル仕様がある。身体の前後あるいは左右を同時にケアできるので1万円割高ながら2チャンネルがおすすめ

腰痛は家庭用医療機器で治るのかを検証

オリンピックのさまざまな競技で活躍する選手がマイクロカレントをケガの治療に導入し、驚異的な回復で好成績を修めた例は多いという。ただし低周波やEMSとは異なり、機器を装着して電源をオンにしても、電気が流れている感覚が全くないのが特徴。そのため一般の人は「これ、壊れてるんじゃないの?」と思いがちだ。実際に使用してみたが、なかなか実感がない。身体の変化に敏感な一流選手のように、自分のコンディションに常に気を遣い、有効活用するのがいいアイテムのようだ。

マイクロカレントのこういった効果は医学的に実証されているが、専門的知識を習得した医師や施術師が駆使する管理医療機器か、あるいは免許を持たない一般者が購入できる家庭用医療機器かでその実績を表現する部分に法律がからんでくる。簡単に言うと管理医療機器はズバリと「治る」と言及でき、家庭用医療機器は「改善に向けてのサポートをする」なんていう曖昧表現だけが許される。薬事法があるから仕方ないのだが、この法律によっていい加減な商品も排除されているのだから、それはなくてはならないものなのだ。

23日間のツール・ド・フランスで。ハンドルを握る腕が極度の筋肉痛なのでマイクロカレントでヒーリング

伊藤超短波が発売するマイクロカレントは「ATミニ」と「ATミニパーソナル」がある。前者は管理医療機器(特定保守管理)クラスⅡで効能がうたえる。後者は家庭用医療機器なので「コンディショニングケアする、サポートする」という表記にとどまる。価格は同じ。同社は家庭用医療機器とするためにあえて「ATミニ」の一部機能をカットして管理医療機器カテゴリーを外している。

ただし一般的にみれば同じ商品である。どこを性能ダウンさせたかと言えば、例えば出力周波数の1周波をなくしただけだ。これがなくて困る人はよほどの専門ジャンルの施術者だろう。つまり医療機器のほぼ同等レベルで一般販売にこぎ着けたという戦略なのである。

管理医療機器でなくても電気治療の効果は同じはず

で、ここからが腰痛治療の話に。とある出張の最後の最後にいきなり腰痛の症状に見舞われた。とにかく近くで購入できるもの、手元にあるもので移動できるくらいに痛みを緩和しなくてはならない。まあ、最初にドラッグストアで湿布薬は買いますよね。次に頭にひらめいたのがマイクロカレントだった。

腰痛 家庭用医療機器
ラグビー選手などが頸部を痛めたときのアプローチ
腰痛 家庭用医療機器
バレーボール選手などが肩部を痛めたときのアプローチ

薬事法にかかる部分があるので広告や記事では家庭用医療機器の効能は記述できないのだが、とりあえず腰の裏側の真ん中にはドラッグストアで買った湿布薬が貼ってあるので、それをまたぐように電極パッドを配置。そしてスイッチオン。微弱電流なのでまったく効いている実感はないが、精神的に「治っていくんじゃないかな」という期待値でまず心がリラックスした。

もちろんこのあと、痛みが劇的に軽減された(感じがした)が、それが湿布薬のおかげかマイクロカレントか、あるいはその相乗効果であったのかは分からず。分からないまでも数日間はマイクロカレントを当てて治癒を促進させていき、数日後にはこれまでのように自由に身体が動くようになった(個人の意見です)。

腰痛 家庭用医療機器
腰痛の症状があるときのアプローチ

同じ電気刺激療法でもTENSのように鎮痛効果や疼痛のコントロールはできない。EMSのように機能改善効果もない。管理医療機器マイクロカレントで期待されるのは損傷部分の組織再生効果だ。家庭用医療機器はそれをうたえないが、電気刺激は同じなので理論的には同じ効果があるものと思える(個人の意見です)。

いずれにしてもボクの場合は腰痛にも効きました。だから効くような気がします(個人の意見です)。

●伊藤超短波のホームページ
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