バッタリンがジロ・デ・イタリア第5ステージ優勝…デニスが首位死守

第101回ジロ・デ・イタリアは5月9日、アグリジェント〜サンタニンファ間の153kmで第5ステージが行われ、ロットNLユンボのエンリーコ・バッタリン(イタリア)が4年ぶり通算3度目の区間勝利を挙げた。2016年にオランダの現チームに移籍してからは大会初勝利。総合成績ではBMCのローハン・デニス(オーストラリア)が首位を守った。

ジロ・デ・イタリア第5ステージ © Fabio Ferrari – LaPresse

イタリア半島の南に浮かぶシチリア島での2日目。向かい風もあってこの日のペースは遅く、数選手がアタックをしかけるがゴールまでにすべて吸収された。スプリント勝負では地元シチリア島出身のジョバンニ・ビスコンティ(イタリア、バーレーン・メリダ)が飛び出してゴールを目指したが、バッタリンがこれをかわした。バッタリンは前日のレースでゴール直前まで先頭を走っていたが、最後に抜かれて3位になっていた。

バッタリンがジロ・デ・イタリア第5ステージで優勝 © Massimo Paolone – LaPresse

「2014年に2勝目を挙げて以来、思うような走りができなかった。2015年に落車でケガをしたところは完ぺきには治っていない。2016年はチームメートのクルイスウエイクのアシストで、最終日の2日前まで彼のマリアローザを守る役だった。すべては思い出深いジロ・デ・イタリアだけど、ここ4年間は自分の勝利のことを忘れていた」とバッタリン。
「前日は最後のところでミスをした。今日も同じような展開だったけど、ボクは調子がいいことを確認していた。第11ステージも同じようなコースなので、少人数の逃げ切りからさらに勝利を積み重ねたい」

ジロ・デ・イタリア第5ステージ © Fabio Ferrari – LaPresse

●ダイジェスト動画

ジロ・デ・イタリア第5ステージ © Fabio Ferrari – LaPresse

第2ステージでマリアローザを獲得したデニスは4日連続でそれを死守。第6ステージは標高1736mのエトナ山にゴールする最初の山岳区間となり、上りに強い選手のアタックが想定されるだけに正念場となる。
「ここ4年間、自分の走りを変えるためにトレーニングをしてきた。明日はこれが試されるときだ。もし山岳スペシャリストに着いていくことができなければ、自分のペースで上りしかない。エトナ山ではトレーニングキャンプをしているので、どんなコースかどんな勾配なのかは把握している。とても厳しい戦いになると思うが、このマリアローザを守りたい」

マリアローザはジロ・デ・イタリア第5ステージを終わって依然デニスがキープ © Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)ローハン・デニス(オーストラリア、BMC)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)エリア・ビビアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)
マリアアッズーラ(山岳賞)エンリーコ・バルビン(イタリア、バルディアーニCSF)
□マリアビアンカ(新人賞)マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ)

●ジロ・デ・イタリア特集ページへ
●第101回ジロ・デ・イタリアの関連ニュース
●第101回ジロ・デ・イタリア出場176選手リスト

スカイランニングの上田瑠偉…2020年の世界制覇。そしてパリ五輪への思い

東京五輪の次となる2024パリ五輪において追加種目の有力候補として挙げられるスカイランニング。その第一人者である上田瑠偉(うえだるい)が2018シーズンを本格始動した。標高2000m超の山岳を走るスカイランニングはいわゆるトレイルランの1カテゴリーだが、距離は比較的短いがそれゆえハイスピード。難易度のあるコースが設定され、競技性が極めて高いのが特徴。

スカイランニングの第一人者、上田瑠偉(うえだるい)

上田をインタビューしたのは5月7日の渡欧直前。この日は究極性能のサングラスブランド「ESS」のショールームでスポンサー契約、上田瑠偉モデル発売を記念した記者発表が開催された。10日にスペイン領カナリア諸島でトランスブルカニアに出場。さらにスペイン、イタリア、ピレネー山中にあるアンドラ、スイス、英国のスコットランドと転戦。10月20日からの南アフリカ大会まで海外遠征の予定が続く。

「ワールドシリーズ戦は欧州がメインなので、毎月のように欧州に飛び、現地にできるだけ滞在してしっかりと練習するつもりです。今年9月にはフランスで世界選手権があります。2年に一度の重要な大会で、一昨年はスカイレース12位、バーチカルという上りだけのレースで10位に。今年は5位以内を目標にしてステップアップしていきたい。目指すのは2020年の世界選手権で優勝することです」

ESSの日本総代理店であるノーベルアームズと契約
CROSSBLADE 上田瑠偉モデル(税込み2万2680円)は6月28日(木)から国内発売

国内で数々の優勝歴を持ち、海外でもトップクラスのランナーとして活躍する上田が愛用するのはESSの「CROSSBLADE(クロスブレイド)」。発売予定される上田モデルはフレームカラーを空のイメージにしたスカイブルー。上田が主戦場とする標高2000m以上を走るスカイランニングをイメージしたもの。米国をはじめ全世界の軍隊、警察、消防、レスキューなど過酷な現場で活躍する人のアイウエアブランドが、アスリートモデルを一般販売するのは初めてという。

上田はすでに1年以上ESSのサングラスを実戦使用している。ESSサングラスは「曇らない」こと、そしてその「強度」を絶賛する。
「トレイルランニングは運動量が多く、発汗量も多い。山では気候、気温の変化も大きく、普通のサングラスでは曇ってしまう。これでは木の根っこ、石ころなどの多い不整地では危険です。曇りにくいESSは視界が確保できるので捻挫などのリスクも減る。ずば抜けた強度はコースに張り出した木の枝などに接触しても目を保護してくれて安心」と語る。

スカイランニングがオリンピックの正式種目に採用される可能性はある。国際競技団体が2024年のパリ五輪の競技入りを目指して精力的に活動している。
「欧州が強いスポーツが五輪種目にはなりやすい。ウルトラトレイルランは十何時間もかかってしまうけど、競技時間がテレビ中継できる時間内に終わるというところでもスカイランニングは可能性があります。パリ五輪を逃してしまうとロサンゼルスになってしまうので、2024年に期待したい。それを目指してボクもさらに頑張りたい」

●関連ニュース

トレイルランナー上田瑠偉がESSと契約…クロスブレイド特別モデル発売

●最新ニュースへ

福田真平が逃げ集団のスプリントを制す…KINAN AACA CUP第5戦

東海地区を転戦するロードレース「KINAN AACA CUP」の2018年シリーズ第5戦が5月5日、岐阜県の国営木曽三川公園長良川サービスセンター特設コースで行われた。メインレースの1-1カテゴリーは福田真平(日本競輪選手会愛知県支部)が逃げ集団でのスプリントを制して優勝。元プロロードレーサーとしての意地を見せつけた。

KINAN AACA CUP 第5戦は福田真平が逃げ集団のスプリントを制す ©︎KINAN Cycling Team / cyclejam

同地区におけるロードレースシーンのレベルアップを目的に開催されるシリーズ戦は、オールフラットの長良川のコースでスピード感あふれるレースが展開されるのが特徴。ホストチームとして臨むキナンからは山本元喜、椿大志、山本大喜、塚本一樹がエントリー。2018年のアンダー23(23歳未満)ロードレースアジア王者の山本大はシリーズ戦初参加。チームは同時期にUCIアジアツアー遠征を行なっていたこともあり、国内で調整する選手のみで臨むこととなった。

正午にスタートを切ったメインカテゴリーの1-1クラスは、スタート直後から序盤に設けられた周回賞をねらってのアタックで激しい出入りが見られるものの、逃げグループの形勢にはいたらない。変化が生まれたのは4周目。9人がリードを開始し、福田のほか、水野貴行(INTERPRO STRADALLI CYCLING)や中里仁(Rapha Cycling Club)らの先頭集団にキナンからは山本元が加わった。

やがて8人となった逃げグループだが、レース全体がハイペースで進行。メイン集団も前を行く8人を射程圏内にとらえながら走り続け、レースが終盤を迎えようかというころには吸収する可能性が徐々に高まっていった。しかし、粘る8人はギリギリまでハイペースを維持し続け、追いすがるメイン集団が最終周回、それも最後のコーナーでようやく追いつき、フィニッシュには多くの選手がなだれ込む形となった。

し烈を極めた優勝争いは、最終コーナーを先頭で抜けた逃げ8人がそのままスプリント態勢に入りフィニッシュラインを通過。実質的には逃げ切りの格好となり、最後の直線で抜群の加速を見せた福田が今シリーズ初優勝を果たした。愛三工業レーシをはじめ、ロード選手としてキャリアを積んだ福田選手は競輪に転向し、この3月に日本競輪学校を卒業。デビューが控えている中で、ロードでもその力が健在であることを示した。
(Report:サイクルジャム、Edit:福光俊介)

KINAN AACA CUP 2018 第5戦1-1クラス(102km、5.1km×20周回)
1 福田真平(日本競輪選手会愛知県支部)
2 寺田吉騎(磐田北高校&Vivace-掛川)
3 中里仁(Rapha Cycling Club)
4 和田宗浩(イナーメ信濃山形)
5 水野貴行(INTERPRO STRADALLI CYCLING)

KINAN AACA CUP 2018 ポイントランキング(第5戦終了時)
1 新城雄大(KINAN Cycling Team) 576pts
2 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ) 512pts
2 福田真平(日本競輪選手会愛知県支部) 512pts
2 津田悠義(EQADS) 512pts
2 雨乞竜己(KINAN Cycling Team) 512pts
2 中島康晴(KINAN Cycling Team) 512pts

■ブレーキングをテーマに行った「レーススキルアップ講座」
KINAN AACA CUP恒例の「レーススキルアップ講座」。ビギナーから上級者まで幅広く参加が可能で、国内外でのレースで経験と実績を積むキナンの選手たちが講師を務めるとあって毎回好評だ。今回のテーマは「ブレーキング」。レースや練習中の不測の事態でも、安全に減速できるバイクコントロールが選手には求められる。そこで、レースでの活躍を誓う受講者に対し、制動技術の必要性を説くとともにブレーキングのスキル向上を図った。また、1-1カテゴリーのレース前には、恒例となったキッズ限定のオープニングランを実施。サイクリングを志す子供たちとキナンの選手たちとが交流を図りながら、実際にレースで使用されるコースを走った。

●関連ニュース

キナンAACAカップ第4戦はアイラン・フェルナンデスが優勝

●最新ニュースへ

ウェレンスがジロ・デ・イタリア第4ステージ優勝…デニスが首位死守

第101回ジロ・デ・イタリアは5月8日、カターニア〜カルタジローネ間の198kmで第4ステージが行われ、ロット・フィックスオールのティム・ウェレンス(ベルギー)が2年ぶり2度目の区間優勝。ベルギー勢の勝利はこれで161勝となるが、直近の2勝がウェレンスによるもの。第2ステージで総合トップに立ったBMCのローハン・デニス(オーストラリア)が首位のマリアローザを守った。

シチリア島がジロ・デ・イタリア第4ステージの舞台だ © Fabio Ferrari – LaPresse

中東イスラエルで開幕から3日間を過ごした選手団は、大会4日目に地中海をわたってイタリア半島の南東に浮かぶシチリア島に。アップダウンのあるコースは当初の距離198kmから4km追加されて202kmで行われた。山岳賞のマリアアッズーラを着たエンリーコ・バルビン(イタリア、バルディアーニCSF)がこのジャージを守るために5人の第1集団に加わり、山岳ポイントを獲得。この日終わっても第2ステージから守っているマリアアッズーラを手渡さなかった。

BMCがマリアローザを守る © Fabio Ferrari – LaPresse

逃げた選手は後続集団に吸収されることになるが、残り6.8km地点の狭いコースで落車が発生すると、集団の後方にいた選手らが足止めを食ってしまう。初優勝をねらうスカイのクリストファー・フルーム(英国)もその中にいて、ゴールまでに21秒遅れとなる。

ステージ優勝争いはゴール前で積極的に先頭を引いていたロット勢が主導権を握り、ウェレンスが上り坂に設定されたゴールをトップ通過した。
「ネット上でボクが優勝候補だと書かれているのをいくつも目にした。チームはボクのために本当に強力なアシストをしてくれた」とウェレンス。
「アダム・ハンセンは強くて頼もしかった。トッシュ・バンデルサンドが残り500mまでけん引してくれて、最初にアタックしたエンリーコ・バッタリンを残り200mでかわすのは簡単だった。2年前は単独の逃げだったから、大集団を制して優勝した今回のほうが感動的だ。もうこの1勝で十分なので、残りのジロ・デ・イタリアは楽しむことができるけど、もちろんチームメートの勝利をサポートしていきたい」

ティム・ウェレンスがマイケル・ウッズを制した。ジロ・デ・イタリア第4ステージ © Massimo Paolone – LaPresse
ジロ・デ・イタリア第4ステージ © Fabio Ferrari – LaPresse

●ダイジェスト動画

「イスラエルでマリアローザを獲得したのはひとつの出来事だったけど、イタリアでこれを守ることができたのはスペシャルだ。沿道の観衆はとても盛り上がっていた」と首位を堅持したデニス。
「できればあと2日はマリアローザを守りたい。明日も同じようなコースではあるけど、エトナ山の上りがあって総合成績の上位をねらう有力選手が動いてくると思う」

マリアローザを守ったローハン・デニス © Gian Mattia D’Alberto – LaPresse
ロット・フィックスオールのティム・ウェレンスがジロ・デ・イタリア第4ステージを制した © Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)ローハン・デニス(オーストラリア、BMC)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)エリア・ビビアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)
マリアアッズーラ(山岳賞)エンリーコ・バルビン(イタリア、バルディアーニCSF)
□マリアビアンカ(新人賞)マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ)

●ジロ・デ・イタリア特集ページへ
●第101回ジロ・デ・イタリアの関連ニュース
●第101回ジロ・デ・イタリア出場176選手リスト

ジロ・デ・イタリアがイタリアへ…第4ステージはシチリア島の起伏あるルート

史上初めて欧州を飛び出し、中東のイスラエルで3区間を戦ったジロ・デ・イタリア。移動日を過ごして大会5日目となる5月8日にいよいよイタリアでのレースが始まった。第4ステージはシチリア島の起伏あるルートが舞台。カターニア〜カルタジローネ間のステージは当初198kmだったが、この日4kmが追加され、総距離202kmとなった。

ジロ・デ・イタリア第4ステージ © LaPresse – D’Alberto / Ferrari / Paolone / Alpozzi

ジロ・デ・イタリア第4ステージで出走サインするフルーム © LaPresse – D’Alberto / Ferrari / Paolone / Alpozzi
ジロ・デ・イタリア第4ステージ © LaPresse – D’Alberto / Ferrari / Paolone / Alpozzi

●ジロ・デ・イタリア特集ページへ
●第101回ジロ・デ・イタリアの関連ニュース
●第101回ジロ・デ・イタリア出場176選手リスト

Livが全国フラッグシップストアでロードバイクの無料試乗会を開催へ

女性のためのサイクルブランドLiv(リブ)は5月12日(土)から全国5カ所のLivフラッグシップストアで「Livロードバイク試乗会」を開催する。試乗車は、2018年に誕生した「LANGMA(ランマ)ADVANCED」シリーズと、ロングライドに最適な「AVAIL(アヴェイル)ADVANCED」シリーズのカーボンロードバイク2車種。無料。身分証明証が必要。

新登場の「LANGMA」は、軽量かつ女性用に最適化した剛性バランスが特徴のオールラウンドロード。広大な宇宙をイメージしたフレームカラーはグラデーションにより角度で表情が変わるのも魅力のひとつ。

仙台、東京、名古屋、大阪、福岡の各会場では女性スタッフが試乗車貸出対応する。ロードバイクの乗り換えを考えている人から、初めてロードバイクに試乗してみようという人まで、さまざまな相談に対応する。また、各会場となるLivフラッグシップストアのLivコーナーでは、試乗車以外のラインナップやアパレル、パーツ類もチェックできる。

Livロードバイク試乗会
【大阪会場】
日時:2018年5月12日(土) 11:00~17:00
場所:ジャイアント/リブストア大阪
住所:大阪府箕面市稲1-3-18
アクセス:阪急電鉄・箕面線「牧落」駅より徒歩16分(国道171号線「稲2丁目交差点」と「稲交差点」との中間)

【福岡会場】
日時:2018年5月19日(土) 11:00~17:00
場所:ジャイアント/リブストア福岡
住所:福岡県福岡市早良区百道浜1-3-70
アクセス:福岡市地下鉄空港線「西新」駅より徒歩11分

【名古屋会場】
日時:2018年6月9日(土) 11:00~17:00
場所:ジャイアント/リブストア名古屋
住所:愛知県長久手市砂子101
アクセス:グリーンロード「砂子交差点」かど

【仙台会場】
日時:2018年6月23日(土)24日(日) 11:00~17:00
場所:ジャイアント/リブストア仙台
住所:宮城県仙台市若林区荒井東1-4-3
アクセス:市営地下鉄東西線「荒井」駅より徒歩2分、仙台東部道路「仙台東」ICより約5分

【東京会場】
日時:2018年7月28日(土)29日(日) 11:00~17:00
場所: ジャイアント/リブストア二子玉川
住所:東京都世田谷区玉川1-10-7
アクセス:東急田園都市線・大井町線「二子玉川」駅より徒歩2分

Livロードバイク試乗会の詳細ページ

●関連ニュース

ジャイアントとLivがリーズナブル価格のヘルメットを発売…トップモデルは新色も

●最新ニュースへ