ツール・ド・バニュワンギに3年連続でキナン参戦…全4区間の山岳レース

UCI(国際自転車競技連合)コンチネンタルチーム、キナンサイクリングは9月26日に開幕するインターナショナル・ツール・ド・バニュワンギ(International Tour de Banyuwangi Ijen、UCIアジアツアー2.2)に出場する。開幕2日前の24日はチームプレゼンテーションに臨み、3年連続出場となる今大会の盛り上がりを実感した。

ツール・ド・バニュワンギ・イジェンのチームプレゼンテーションに登壇したキナンチーム ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

チームは9月中旬からインドネシア遠征を実施していて、9月18日から21日まではツール・ド・シアク(Tour de Siak、UCIアジアツアー2.2)に参戦。平坦系のステージレースではビッグリザルトには至らなかったものの、大会後半には逃げや勝負どころでのアタックで見せ場を作り、最終の第4ステージでは山本元喜があわやステージ優勝かと思わせる快走を披露した。

そのよい流れを継続して臨むのが、まもなく始まるインターナショナル・ツール・ド・バニュワンギ・イジェンとなる。全4ステージ・総距離599kmで争われ、いずれのステージもジャワ島東部の山岳地形を生かしたコースレイアウトとなっている。第1、第4ステージは山頂フィニッシュにあてられ、秀峰イジェン山の頂上を目指す最終日の第4ステージが総合成績を大きく左右すると予想される。

キナンはツール・ド・シアクと同様に山本、マルコス・ガルシア、サルバドール・グアルディオラ、トマ・ルバ、新城雄大の5選手が出走。チームは初出場だった2016年に個人総合優勝を挙げ、2017年も個人総合6位とまとめており、相性のよいレースでクライマーを中心にタイトル奪還を目指す。

開幕2日前の24日にはチームプレゼンテーションに出席。同地のお祭り「バニュワンギ・フェスティバル」の一環として行われ、地元の人たちの熱狂の中で選手たちはステージへ。人々の歓迎と大会への熱気を感じる一夜となった。また、25日は午前中に最終調整のトレーニングライドへ。開催地のバニュワンギには22日から滞在していて、現地の道路事情や天候などを把握しながら、レースまでの準備に努めている。

26日の第1ステージは、カンタール・ブパティ・バニュワンギからロウォ・バユ・ソングゴンまでの153.1km。現地時間午前10時(日本時間正午)にスタートが切られる。

インターナショナル・ツール・ド・バニュワンギ・イジェン2018
(International Tour de Banyuwangi Ijen 2018)
9月26日 第1ステージ カンタール・ブパティ・バニュワンギ(Kantor Bbupati Banyuwangi)-ロウォ・バユ・ソングゴン(Rowo Bayu Songgon) 153.1km
9月27日 第2ステージ スタシウン・カリバル(Stasiun Kalibaru)-カンタール・ブパティ・バニュワンギ 179.3km
9月28日 第3ステージ RTHマロン(RTH Maron)-カンタール・ブパティ・バニュワンギ 139.4km
9月29日 第4ステージ サロンガン,ペサンガラン(Sarongan, Pesanggaran)-パルトゥディン,イジェン(Paltuding, Ijen) 127.2km

ツール・ド・バニュワンギ・イジェンに3年連続でキナンが参戦

9月26日から29日まで、インドネシアで開催されるインターナショナル・ツール・ド・バニュワンギ・イジェン2018にキナンサイクリングの5選手が参戦する。9月中旬からインドネシア遠征を行っているキナンは、同国での遠征第2戦目としてこの大会に臨む。

ツール・ド・バニュワンギ・イジェンに参加するキナンの5選手

舞台となるのは、同国の主要都市が点在するジャワ島は最東部の東ジャワ州バニュワンギ。4ステージはいずれも、バニュワンギまたは近郊でレースが実施される。

この大会の注目ポイントは、UCIアジアツアー屈指の山岳ステージレースである点。第1、第4ステージが山頂フィニッシュに設定され、なかでも標高1880m、平均勾配13%の超級山岳イジェン山の頂上を目指す第4ステージは確実に総合成績を左右するクイーンステージとなる。また第2、第3ステージも、中盤から後半にかけてカテゴリー山岳などのアップダウンが待ち受けている。

今大会にはアジア・オセアニアから20チームがエントリー。日本籍のチームとしては唯一の参戦となるキナンは、山本元喜、マルコス・ガルシア、サルバドール・グアルディオラ、トマ・ルバ、新城雄大が出走。前戦のツール・ド・シアクと同じメンバーだが、平坦系のステージレースだったシアクとは対照的に、今大会は山岳系ステージレース。チームはクライマーを軸に戦っていくこととなる。

選手・スタッフは9月22日に前戦開催地のシアクからバニュワンギへと移動。ここまでの滞在期間中は、午前中に2時間程度のトレーニングライドを行っているほか、トラブルなく終日リラックスして時間を送っている。

キナンにとっては3年連続出場となるこの大会。初出場だった2016年は個人総合優勝、2017年は同6位がチーム最高成績と、確実に上位を押さえてきた。2018年はタイトル奪還を目指す。

インターナショナル・ツール・ド・バニュワンギ・イジェン2018(International Tour de Banyuwangi Ijen、UCIアジアツアー2.2)
9月26日 第1ステージ カンタール・ブパティ・バニュワンギ-ロウォ・バユ・ソングゴン 153.1km
9月27日 第2ステージ スタシウン・カリバル-カンタール・ブパティ・バニュワンギ 179.3km
9月28日 第3ステージ RTHマロン-カンタール・ブパティ・バニュワンギ 139.4km
9月29日 第4ステージ サロンガン,ペサンガラン-パルトゥディン,イジェン 127.2km

終盤のアタックに反応した山本元喜が4位…ツール・ド・シアク第4ステージ

インドネシア・スマトラ島を舞台に行われてきたステージレース、ツール・ド・シアク(Tour de Siak、UCアジアツアー2.2)は9月21日の第4ステージをもって閉幕。最終日は大会拠点都市シアクの市街地サーキットでの97.6kmで争われた。キナンサイクリングは、レース終盤にプロトンで発生したアタックに山本元喜が反応。そのまま集団の追い上げをかわし、4位でフィニッシュした。また、中盤から終盤にかけてはサルバドール・グアルディオラが逃げグループでレースをリードするなど、チームとしてよい形で大会を終えている。

ツール・ド・シアク第4ステージ ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

18日に開幕した大会は最終ステージ。大会初日からライバルチームの猛攻と徹底マークに遭ったキナンだったが、前日の第3ステージで新城雄大が逃げグループでレースを展開。ビッグリザルトにこそつながらなかったが、存在感を示す走りを見せ、最終ステージへとつなげた。

その最終第4ステージ。17kmに設定された市街地コースをおおよそ6周回するレースは、鋭角コーナーやラウンドアバウトがあり、スピードとともに集団内でのポジショニングも求められる。ショートステージだが、逃げ切りが決まる可能性もあり、キナンとしてもあらゆる展開を想定。個人総合でチーム最上位につける山本の順位アップもねらいながら臨んだ。

現地時間午後2時8分(日本時間午後4時8分)にスタートが切られると、予想通り激しいアタックの応酬。2周回目に入るころには、個人総合首位のマシュー・ゼノヴィッチ選手(ニュージーランド、セントジョージコンチネンタル)を含む8人が逃げグループを形成。リーダージャージ自らレースを先行する状況となり、追う立場となったキナン勢は果敢に追走を試みる。

しばらくは先頭をいく8人とメイン集団とが30秒前後のタイム差で進んでいたが、この形勢は中盤までには落ち着き、いったん集団は1つとなる。ここで流れを変えたのはグアルディオラ。4周回目に入ってアタックを成功させ、3人の逃げグループを率いる。

グアルディオラら逃げメンバーが個人総合成績に大きく関係する選手たちではなかったことから、メイン集団のコントロールを担うセントジョージコンチネンタルは無理に追うことはせず、30秒前後のタイム差で進行。グアルディオラを前に送り込んだキナン勢は、終盤に備えて集団内の好位置を確保していった。

5周回目に4人となった逃げグループだったが、最終周回を目前にメイン集団がペースを上げ、タイム差が縮まっていく。20秒差で残り1周の鐘を聞いたが、フィニッシュまで10kmとなったところで15秒差。逃げ切りの可能性に賭けて粘ったグアルディオラだったが、ほどなくして集団へと戻ることとなった。

このままスプリント態勢に入るかと見られたレースは、残り3kmで大きな局面を迎える。有力チームを中心にアタックが発生し、これにキナン勢も反応。山本がセントジョージコンチネンタル勢をマークし、そのまま集団に対しリードを奪う。

最後の長い直線も先頭をキープした山本らは、集団の追い上げをかわしてステージ優勝争いへ。4人による勝負となり、残り200mから加速した山本だったが、わずかに及ばず。それでもステージ4位を確保。他の4選手もトラブルなくフィニッシュラインを通過した。

全4ステージを終えて、キナンは山本の個人総合17位が最高。ライバルチームに大会前半でリードを奪われ、そのまま最終成績に反映した形となったが、第3ステージ以降は逃げやアタックから見せ場を作るなど、今後に向けてよい形で大会を終えることができている。久々のレースだった選手もステージを追うごとにコンディションの高まりを実感している様子だ。

チームの次戦は、9月26~29日のインターナショナル・ツール・ド・バニュワンギ・イジェン(International Tour de Banyuwangi Ijen、UCIアジアツアー2.2)。今回と同じインドネシアでのステージレースに臨む。ツール・ド・シアクとは対照的に、ジャワ島東部の山岳地帯が舞台となる。チームが得意とする山岳での戦いで、今回の雪辱を誓う。

ツール・ド・シアク第4ステージ(97.6km)結果
1 アクマルハキーム・ザカリア(マレーシア、チームサプラサイクリング) 2時間19分34秒
2 ライアン・カヴァナフ(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) +0秒
3 アフィク・オスマン(マレーシア、トレンガヌサイクリングチーム)
4 山本元喜(KINAN Cycling Team)
5 ディラン・ペイジ(スイス、チームサプラサイクリング) +1秒
6 ラクマド・ウィビソノ(インドネシア、PGNロードサイクリング)
38 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team)
41 新城雄大(KINAN Cycling Team)
54 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) +22秒
56 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +1分45秒

個人総合時間賞
1 マシュー・ゼノヴィッチ(ニュージーランド、セントジョージコンチネンタル) 11時間52分35秒
2 マーカス・クレイ(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) +8秒
3 ベンジャミン・ダイボール(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) +3分49秒
4 ライアン・カヴァナフ(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) +4分37秒
5 ディラン・ペイジ(スイス、チームサプラサイクリング) +4分49秒
6 アクマルハキーム・ザカリア(マレーシア、チームサプラサイクリング) +4分50秒
17 山本元喜(KINAN Cycling Team) +5分6秒
36 新城雄大(KINAN Cycling Team) +5分17秒
46 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) +5分38秒
54 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +9分33秒
57 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +16分2秒

ポイント賞
1 モハマド・アブドゥルハリル(マレーシア、チームサプラサイクリング) 27pts
15 山本元喜(KINAN Cycling Team) 8pts
25 新城雄大(KINAN Cycling Team) 3pts
28 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) 2pts

チーム総合
1 セントジョージコンチネンタル 35時間42分19秒
8 KINAN Cycling Team +10分57秒

山本元喜

山本元喜のコメント
アタックが決まった局面は残り3kmを切ったあたり。セントジョージコンチネンタルの選手が前をめがけて飛び出したので、この動きが決定的になると読んで自分も続いた。先頭交代のローテーションにも加わったが、できるだけ勝負に集中できるよう位置取りを優先した。スプリントは前日までの反省から、残り200mまで待って加速したが、自分にとってはそれでも早すぎたかもしれない。他の選手とのスピードの違いは感じなかっただけに、こうした形での勝負を経験しているかどうかの違いが勝敗に表れたように思う。アタックの直前にはトマや(新城)雄大も動いてくれて、それに助けられた。
今大会はリザルトには結びつかなかったが、みんなうまく仕上がっていると思うので、それを次戦で発揮したい。

サルバドール・グアルディオラ

サルバドール・グアルディオラのコメント
4周回目に前方で動きがあったので、逃げが決まると思って一緒に反応した。レースリーダー(セントジョージコンチネンタル)のペースメイクによって最終周回に捕まってしまったが、トライできたことはよかった。ツール・ド・シアクはとてもいいレースだと感じている。平坦系のステージレースだったため本領発揮とはいかなかったが、山岳がメインの次戦は力を発揮できると思う。

新城雄大が逃げでレースを展開…ツール・ド・シアク最長距離の第3ステージ

インドネシア・スマトラ島で行われているツール・ド・シアク(Tour de Siak、UCIアジアツアー2.2)は9月20日、第3ステージが実施された。今大会最長ステージの161.48kmで争われたレースは、前半に形成された逃げグループにキナンサイクリングの新城雄大が加わり、レースをリード。終盤までにメイン集団に捕まったものの、中間スプリントポイントを上位通過するなど、見せ場を多く作った。

ツール・ド・シアク第3ステージで第一集団に加わった新城雄大(前から2人目) ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

18日の開幕から2ステージ続けて逃げ切りが決まっている今大会。キナンは両日ともにメイン集団でのフィニッシュとなっている。リーダーチームのセントジョージコンチネンタルを中心に、キナン勢への激しいマークが続く状況だが、逃げや勝負どころでのアタックから流れをつかみたいところ。

第3ステージはシアクを出発後、街のシンボルであるシアク・スリ・インドラプラ・ブリッジ(シアク王国大橋)を渡り、南下。第1ステージでも通過したダユンから西へと針路を変えて、ブアタンへ。その後再びシアクへと戻ってくる約80kmのコースを2周回。おおむね平坦で、これまでのステージと同様にスピードバトルとなることが予想される。

午後からスタートを迎えたレースは、15km地点で形成された逃げグループに新城がジョイン。リーダーチームのセントジョージコンチネンタルが新城らの動きを容認したこともあり、メイン集団とのタイム差は少しずつ開いていった。

総合上位へのジャンプアップをねらう新城は、53km地点に設けられたこの日1回目の中間スプリントポイントを3位で通過。1秒のボーナスタイムを獲得する。このころにはメイン集団とのタイム差は2分30秒程度となり、その後も差は維持したまま進行する。

一方、メイン集団に待機しレースを進める山本元喜、マルコス・ガルシア、サルバドール・グアルディオラ、トマ・ルバは、レースをコントロールするセントジョージコンチネンタルの後ろを確保し、淡々と走る。新城が前方で展開していることもあり、無理なくレースを進めていった。

有力チームが逃げに選手を送り込んだこともあり、新城らは快調に飛ばすが、フィニッシュまで60kmを切ったあたりからメイン集団が徐々にペースアップ。先行する6人とのタイム差は縮小傾向となっていく。残り40km切ってからは1人、また1人と逃げメンバーが脱落。残り25kmで37秒差にまで迫られた。

先頭で粘り続けた新城だったが、勢いにまさるメイン集団へと戻る形に。やがてプロトンはスプリント態勢へと移り、ステージ優勝をかけた争いとなった。

キナン勢は、前日に続き山本がスプリントに挑み、チーム最上位の17位。新城ら他の4選手もフィニッシュし、次のステージへと駒を進めている。個人総合成績では山本がチームトップの23位につける。

大会はいよいよ最終日。21日の第4ステージは、大会の拠点都市であるシアク市街地をめぐる92.06km。約18kmのルートをおおよそ5周回する。コース内は鋭角コーナーやラウンドアバウトがあり、スピードとともに集団内でのポジショニングも求められる。ショートステージだが、逃げ切りが決まる可能性もあり、キナンとしてもあらゆる展開を想定しながらレースを構築していくことになる。

ツール・ド・シアク第3ステージ(161.48km)結果
1 モハマド・アブドゥルハリル(マレーシア、チームサプラサイクリング) 3時間43分53秒
2 ムハマド・ファトニ(インドネシア、BSPシアク) +0秒
3 モハドハリフ・サレー(マレーシア、トレンガヌサイクリングチーム)
4 ロベルト・ミュラー(ドイツ、ネックスCCNサイクリングチーム)
5 プロジョ・ワセソ(インドネシア、ジャワ・パルティザンプロサイクリング)
6 アフィク・オスマン(マレーシア、トレンガヌサイクリングチーム)
17 山本元喜(KINAN Cycling Team)
43 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team)
46 新城雄大(KINAN Cycling Team) +11秒
48 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team)
56 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +3分37秒

個人総合時間賞
1 マシュー・ゼノヴィッチ(ニュージーランド、セントジョージコンチネンタル) 9時間33分0秒
2 マーカス・クレイ(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) +8秒
3 ベンジャミン・ダイボール(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) +3分49秒
4 ライアン・カヴァナフ(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) +4分44秒
5 ディラン・ペイジ(スイス、チームサプラサイクリング) +4分49秒
6 モハマド・アブドゥルハリル(マレーシア、チームサプラサイクリング) +4分53秒
23 山本元喜(KINAN Cycling Team) +5分7秒
37 新城雄大(KINAN Cycling Team) +5分17秒
41 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) +5分18秒
55 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +9分33秒
57 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +14分18秒

ポイント賞
1 ベンジャミン・ダイボール(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) 26pts
19 新城雄大(KINAN Cycling Team) 3pts
22 山本元喜(KINAN Cycling Team) 1pts

チーム総合
1 セントジョージコンチネンタル 28時間43分35秒
10 KINAN Cycling Team +10分57秒

新城雄大

新城雄大のコメント
逃げに入ってからはフィニッシュまで逃げ切ることより、まずは中間スプリントポイントで上位通過することを意識した。1つ目は仕掛けるのが早すぎて1位通過できず、2つ目も失敗してしまった。逃げメンバー間でメイン集団で戻るかどうかで意見が分かれたが、自分はギリギリまで粘ることにした。フィニッシュもスプリントにトライしようかと思ったが、近くで起きた落車の影響で減速せざるを得なかった。
中間スプリントポイントを上位通過できないと今回逃げた意味がないと思っているし、チームのみんなにも申し訳ない。個人的には右肩上がりに調子が上がってきているし、最終ステージは今後のレースにつながるよう、課題を克服できるような走りがしたい。

スプリント参加の山本元喜が13位…ツール・ド・シアク第2ステージ

インドネシアで開催中のツール・ド・シアク(Tour de Siak、UCIアジアツアー2.2)は9月19日、距離115.45kmの第2ステージが行われ、前日に続き逃げ切りが決まった。参戦しているキナンサイクリングはメイン集団でのフィニッシュに切り替え、山本元喜がスプリントにトライしてチーム最上位の13位でステージを終えた。

ツール・ド・シアク第2ステージ ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

18日の第1ステージではライバルチームの上位独占を許したキナンだが、残る3ステージで総合成績の挽回とステージ優勝を目指して走っていくこととなる。初日をメイン集団で終えた新城雄大、サルバドール・グアルディオラ、山本元喜は、今後の走り次第で個人総合で上位進出をねらえるポジションに位置する。

この日の第2ステージは、大会の拠点都市であるシアクを出発し北上。セイ・アピトを折り返して再びシアクへと戻ってくる115.45km。全4ステージ中、唯一のワンウェイルートに設定されている。平坦基調のコースは、逃げねらいのアタック合戦が予想されるほか、集団が1つであれば激しいスプリントフィニッシュとなる可能性が高い。キナン勢もアグレッシブな姿勢が求められる。

レースはアクチュアルスタート直後からアタックと吸収とを繰り返す。出入りが激しい状況が続くが、決定的なアタックは生まれない。リーダーチームのセントジョージコンチネンタルがプロトン(メイン集団)をコントロールしながら、前半戦を進行。キナン勢は効率的な動きに努めながら、重要局面に備えて集団内に待機した。

均衡が破られたのは、レース中盤。中間地点を過ぎてすぐに訪れた、この日唯一の中間スプリントポイントをきっかけに2選手が集団から抜け出す。この中にリーダーチームのセントジョージコンチネンタル勢が含まれ、やがてその差は2分近いものに。その後先頭は単独逃げへと変わったが、強い雨も影響してか集団とのタイム差は大きく変動することなく、そのまま逃げ切りが決まった。

独走を許したメイン集団は、2位争いのスプリントへ。キナン勢は山本がポジションを確保し上位進出にトライ。13位でフィニッシュし、チーム最上位となった。

キナンはこのステージを終えた時点で、山本が個人総合25位。グアルディオラが35位、新城が37位、トマ・ルバが55位、マルコス・ガルシアが58位としている。

20日の第3ステージは、シアクを発着とする約80kmのコースをおおよそ2周回する161.48kmで、今大会の最長ステージ。開幕から2日間逃げ切りが決まっているが、キナン勢も逃げや好タイミングからのアタックでレースを動かしていきたいところ。ライバルチームからの厳しいマークが続く状況だが、よい流れをつかむべく、残り2ステージへと照準を定める。

ツール・ド・シアク第2ステージ(115.45km)結果
1 ベンジャミン・ダイボール(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) 2時間30分7秒
2 モハドハリフ・サレー(マレーシア、トレンガヌサイクリングチーム) +47秒
3 モハマド・アブドゥルハリル(マレーシア、チームサプラサイクリング)
4 ディラン・ペイジ(スイス、チームサプラサイクリング)
5 プロジョ・ワセソ(インドネシア、ジャワ・パルティザンプロサイクリング)
6 プユス・ヨユン(カンボジア、ネックスCCNサイクリングチーム) +48秒
13 山本元喜(KINAN Cycling Team)
38 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) +50秒
47 新城雄大(KINAN Cycling Team) +51秒
51 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +52秒
55 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +1分55秒

個人総合時間賞
1 マシュー・ゼノヴィッチ(ニュージーランド、セントジョージコンチネンタル) 5時間49分7秒
2 マーカス・クレイ(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) +8秒
3 ベンジャミン・ダイボール(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) +3分49秒
4 ライアン・カヴァナフ(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) +4分44秒
5 ディラン・ペイジ(スイス、チームサプラサイクリング) +4分49秒
6 モハドハリフ・サレー(マレーシア、トレンガヌサイクリングチーム) +5分1秒
25 山本元喜(KINAN Cycling Team) +5分7秒
35 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team)
37 新城雄大(KINAN Cycling Team)
55 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +9分33秒
57 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +10分41秒

ポイント賞
1 ベンジャミン・ダイボール(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) 26pts
20 山本元喜(KINAN Cycling Team) 1pts

チーム総合
1 セントジョージコンチネンタル 17時間31分56秒
10 KINAN Cycling Team +10分46秒

山本元喜のコメント
中盤まではアタックが続き、雨も強くて視界が悪いなかでのレースが続いた。チームとしては効率的に動くことを心がけていたが、逃げが長い時間決まらなかったこともあり、状況に合わせながら各選手が前をねらうような感じになっていった。キナンから誰かが動くとセントジョージコンチネンタルの選手がついてくるような形で、かなりマークされていることを実感している。
残るステージは、ステージ優勝に照準を定めながら、レース展開次第ではスプリントにも挑戦していく必要があると思っている。スプリントでねらう経験はあまり多くはないが、できる限りのことをしながら、今後のレースにもつなげていけるようなものにしていきたい。

サルバドール・グアルディオラのコメント
多くの選手がアタックしては吸収されることが続くレースだった。個人的には久々のレースだが、1ステージごとに調子が上がってきている。チームとしても不可能なことはないと思うので、残るステージもベストを尽くしたい。

ツール・ド・シアク開幕…キナンは逃げ切りを許し残り3区間で挽回をねらう

インドネシア・スマトラ島中央部を舞台に行われる4日間のステージレース、ツール・ド・シアク(Tour de Siak、UCIアジアツアー2.2)が9月18日に開幕。総距離523.17kmの戦いがスタートした。第1ステージは154.18kmで争われ、ライバルチームの選手による逃げ切りに。レース中盤にかけてメイン集団のコントロールに加わったキナンサイクリングだったが、第2ステージ以降はタイム差を挽回し総合成績で上位浮上をねらうとともに、ステージ優勝も意識して戦っていくことになる。

ツール・ド・シアク第1ステージ ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

キナンにとって、実質2018年シーズン第2ピリオドの始まりを告げる今大会。8カ国から13チームが集まったレースに、キナン勢は山本元喜、マルコス・ガルシア、サルバドール・グアルディオラ、トマ・ルバ、新城雄大を招集。ライバルチームの多くがスプリンターを擁するなど、ハイスピードバトルが予想されるなか、キナン勢はあらゆるレース展開に対応できるようバランス重視の布陣を敷いて臨む。

4ステージはいずれも、スマトラ島中央部のシアク市を拠点とし、スタート・フィニッシュを同市街地に設けられた。18日に実施された開幕ステージは、シアクを出発し、ダユンで折り返す52.52kmのコースをおおよそ3周回する154.18km。南北を行き来するルートがセットされた。

現地時間午後1時36分(日本時間午後3時36分)にスタートが切られたレースは、序盤にオーストラリアのセントジョージコンチネンタルチーム勢が、立て続けにアタックを成功させ、そのまま2選手の逃げが決まる。キナン勢は山本や新城らが集団前方に位置し、効果的な動きをねらったが、メイン集団全体にペースの上下が繰り返されたこともあり、先行する2人とのタイム差が広がっていく。

しばらくは1分台で推移した逃げとメイン集団とのタイム差だったが、2周回目に入って2分を超える差となったことから、ルバやガルシアが集団コントロールに参加。他のスプリンターチームとともに前を行く2人との差を縮めていく。

一時は約2分差としたメイン集団だったが、3周回目に入っても先頭2人の勢いは衰えず、やがてその差は開く一方に。結局、序盤からの逃げが決まり、最後は後続に4分以上の差をつけてフィニッシュに到達した。

逃げ切りを許したメイン集団だったが、フィニッシュを目前に動きが発生。大型橋の上りを利用して、3選手がアタック。キナン勢もチェックに動くも、合流ならず。集団の追い上げをかわした3人のうち、先着した2選手がセントジョージコンチネンタルチーム勢。結果的に1位から3位までを同チームが独占した。

キナン勢のこのステージは、新城の30位が最上位。グアルディオラが36位、山本が42位でメイン集団でのフィニッシュとなっている。

19日に行われる第2ステージは、シアクをスタートし、セイ・アピトで折り返し。シアクへと戻ってフィニッシュを迎える115.45km。追い上げる立場となったキナンは、高低の変化が少ない平坦ステージで逃げやスプリントなど、さまざまな動きに対応しながらレースを進めていくことになる。

ツール・ド・シアク第1ステージ(154.18km)結果
1 マシュー・ゼノヴィッチ(ニュージーランド、セントジョージコンチネンタル) 3時間18分29秒
2 マーカス・クレイ(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) +2秒
3 ライアン・カヴァナフ(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) +4分32秒
4 ディラン・ペイジ(スイス、チームサプラサイクリング) +4分33秒
5 ベンジャミン・ダイボール(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル)
6 プロジョ・ワセソ(インドネシア、ジャワ・パルティザンプロサイクリング) +4分51秒
30 新城雄大(KINAN Cycling Team)
36 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team)
42 山本元喜(KINAN Cycling Team)
58 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +9分17秒
59 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team)

個人総合時間賞
1 マシュー・ゼノヴィッチ(ニュージーランド、セントジョージコンチネンタル) 3時間18分13秒
2 マーカス・クレイ(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) +8秒
3 ライアン・カヴァナフ(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) +4分44秒
4 ディラン・ペイジ(スイス、チームサプラサイクリング) +4分49秒
5 ベンジャミン・ダイボール(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル)
6 ディマス・セプトロ(インドネシア、BSPシアク) +5分6秒
29 新城雄大(KINAN Cycling Team) +5分7秒
35 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team)
41 山本元喜(KINAN Cycling Team)
58 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +9分33秒
59 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team)

ポイント賞
1 マシュー・ゼノヴィッチ(ニュージーランド、セントジョージコンチネンタル) 25pts

チーム総合
1 セントジョージコンチネンタル 10時間1秒
10 KINAN Cycling Team +9分59秒

新城雄大

新城雄大のコメント
「序盤からのアタック合戦は想定通りで、メンバー全員が逃げにトライできる位置をキープして走っていた。ところが、セントジョージコンチネンタルの1人が先行したところで自分が追ったものの、さらにもう1人を行かせてしまうような格好になってしまった。それからは集団に待機して、スプリントに備える形をとった。終盤の3選手のアタックにも反応しきれず、その後のスプリントもポジションを下げてしまい、思うような結果には至らなかった。
久々のレースでイメージしていたような走りができず、悔しい形になってしまった。残り3ステージあるので、しっかり切り替えて、表彰台をねらって走っていきたい。