サイクルボール初年度の好評を受けステージ数を増やして開催

サイクリングアプリ「ツール・ド」を使って日本各地の1周コースを走る期間分散型の自転車イベント、「サイクルボール SeasonⅡ〜グランボール制覇の旅」が2021年5月8日から2022年 1月31日まで行われる。参加無料ながら地域特産物や協賛会社提供グッズなどがもらえる。

2021第1期の「春」は佐渡一周など合計7ステージ

サイクルボールは、従来型のワンデーイベントと異なり、一度に大勢の人数が集まることがなく、また挑戦者の都合に合わせていつでも参加が可能な期間分散型サイクリングキャンペーン。初年度(2020年8月~2021年3月)は全国7つの地域で開催し、約1万人(ユニーク数)のサイクリストが参加。コロナ禍においても展開可能な、新しい生活様式にも即した取り組みとして、開催地側・サイクリスト側双方から好評だった。

2年目はステージ数、内容ともにさらにパワーアップして開催。大きな変更点としては 、開催期間中にステージ数が増えていく形式を採用。春期・夏期・秋期と季節が進むにつれて、走れる地域やそれに伴う「願い=提供品」も増えていく。

春期より開始するステージは「淡路島1周」「佐渡島1周」「富士山1周」「霞ヶ浦1周」「福島市・二本松市1周」「牡鹿半島1 周」などを含む計7ステージを予定。夏期・秋期とステージを増やし、最終的には合計15ステージ程度となる見込みだという。

参加費は無料で、各ステージの1周を達成するごとに1つの「サイクルボール」を贈呈。期間終了までに指定数やテーマに沿ったサイクルボールを集めると 、達成者は「 願い 」 を叶えることができる。

「サイクルボール SeasonⅡ}では、全ステージ制覇だけでなく、開催期やテーマごとのコンプリート賞など幅広い「願い」を用意する予定だという。全ての1周コースを制覇したい強者から、一部のコースのみを走りたい人まで、幅広い層のサイクリストが1年を通してニッポン全国のサイクリングを楽しめるように企画している。

「願い」の詳細や、夏期以降の開催ステージ、またその他さまざまな「新たな仕掛け」は随時発表される。

サイクルボール SeasonⅡ〜グランボール制覇の旅
・内容:サイクリングアプリ「ツール・ド」を使って日本各地の1周コースの制覇を目指す
・参加費:無料
・期間:2021年5月8日(土)~2022年1月31日(月)
【春期】2021年5月8日(土)~6月30日(水)
【夏期】2021年7月1 日(木)~8月31日(火)
【秋期】2021年9月1日(水)~10月31日(日)
【冬期】2021年11月1日(月)~2022年1月31日(月)

・開催地域
【春期スタート地域】 淡路島1周(兵庫県)、佐渡島1周(新潟県)、富士山1周(静岡県)、霞ヶ浦1周(茨城県)、福島市・二本松市1周(福島県)、牡鹿半島1周(宮城県) ※もう1地域加わり、7ステージで開始予定
【夏期スタート地域】調整中(6月中旬頃発表予定)
【秋期スタート地域】調整中(8月中旬頃発表予定)
秋には全ステージが出そろう

・主催:(一社)ルーツ・スポーツ・ジャパン
・共催:(一社)淡路島観光協会、茨城県かすみがうら市、御殿場市スポーツタウン推進連絡会 福島市相馬市二本松市伊達市観光圏協議会、一般社団法人石巻圏観光推進機構
・協力:新潟県佐渡市
・事務局:ツール・ド・ニッポン

春期スタートステージは2021年5月8日から

舞台となるのは日本の名だたる「〇〇イチ」と呼ばれる1周コース

【淡路島1周(アワイチ)ステージ】
兵庫県に位置する「淡路島」を1周するコース
瀬戸内海最大の島「淡路島」。関西のサイクリストにはお馴染みの「アワイチ」を1周するコース。1周約150kmで、海あり激坂ありの走っていて飽きないコース。立ち寄りスポットは淡路島を代表する観光スポットを数多く設定。

【佐渡島1周(サドイチ)ステージ】
新潟県の西方沖に位置する「佐渡島」を1周するコース
誰もがいつかは走りたい日本海最大の離島佐渡島。その北半分「大佐渡」と呼ばれるエリアを1周する約130kmのコース。自然と伝統文化豊かな佐渡を島のアップダウンを走って感じ、絶景を見て感じることができる。グルメも充実で、シーズンでは唯一の日本海を望む。

【富士山1周(富士いち)ステージ】
世界遺産の富士山麓を1周するコース
御殿場市発着の富士いちは、見る方角により表情が変わる富士山を横目に、コース周辺に点在する世界遺産の構成資産や、地域ごとにさま変わりする海と山の食を堪能しながら、東京2020オリンピックロードレースコースの一部も楽しむことができる。世界のサイクリストが注目する富士山麓にぜひ。

【霞ヶ浦1周(かすいち)ステージ】
茨城県南東部に位置する日本第2の大湖「霞ヶ浦」を1周するコース
2020年に設定された霞ヶ浦の西浦を一周する約125kmの「かすいち」が大きくなって登場。西浦の周囲にある・北浦・外浪逆浦(そとなさかうら)・北利根川・鰐川・常陸川の各水域の総体をすべて巡る 「かすいち」、その距離160km。その魅力や走りきった達成感も進化した。

【福島市・二本松市1周(ふくいち)ステージ】
磐梯吾妻スカイラインと福島市・二本松市を1周するコース
山岳観光道路「磐梯吾妻スカイライン」を1周し、吾妻・安達太良連峰の大自然の中を走り抜ける、こだわりのヒルクライムルート。序盤は急こう配が続くが、標高約1600mの浄土平付近まで登りきると荒々しい山肌が広がり、ヨーロッパの山岳ルートに匹敵する絶景を堪能できる。温泉やフルーツなどの魅力に触れながらゴールを目指す、地元サイクリストおすすめのコース。

【牡鹿半島1周(おしいち)ステージ】
宮城県石巻市・女川町をまたぐ牡鹿半島を1周するコース
石巻市かわまち交流センターが発着地点となる「おしいち石巻」。女川駅までの道のりは比較的フラットな道だが、牡鹿半島に入れば太平洋を見下ろす絶景が待っている。コースのみ立ち寄る半島先端の御番所公園から見渡す景色はそこまでの疲れを忘れさせてくれること間違いなし。

●サイクルボールのホームページ

新しい自転車イベント様式…アプリ起動でいつでもGO!

コロナ禍により自転車の大会も大きな影響を受けているが、新しい自転車イベント様式が話題となっている。参加者それぞれが走る日を決める。完走を認定するのはアプリで取得したデータ。参加無料ながら地元の特産物も当たる。そんなアイデアを具現化した一般社団法人ルーツ・スポーツ・ジャパンの袴田晃一郎理事に話を聞いた。

ルーツ・スポーツ・ジャパンが企画したサイクルボールの発表会

アプリ起動でいつでもできるライドアラウンド

同社はこれまで、従来からあるレース大会のみならず、その土地の名所や名産品を宝探しゲームのように見つけるサイクリング大会などを企画運営。開催地となった自治体からも好評を得ていた。一方で、賞品提供のための順位付けには手作業による集計が必要で、参加人数を増やせないという課題に直面していたという。

「運用面でデジタル化が必須だった」と袴田さん。

「準備に労力がかかるのに大会当日しか遊べない。せっかく地図を作ったのだから、もっとたくさんの日にたくさんの人に楽しんでもらえれば」

ライドアラウンドは無料アプリを起動させるだけでどんな自転車でも挑戦できる

アプリ開発会社と協力して思い切って巨額を投資し、デジタル化を断行。こうして立ち上がったのが「ライドアラウンド」という期間限定の宝探しイベントだ。開催日があるわけではなく、参加したい人はアプリをダウンロードして期間内の好きな日にサイクリングしていいというもの。東京多摩地区をはじめとして2020年度中に5エリアで実施。2021年度はさらに増えるという。

これまでのリアル大会での各地域とのつきあいがあったので袴田さんには手応えがあったという。自治体側が求める「交流と消費」を押さえ、獲得したポイントでお土産に交換できるなどの企画を盛り込んだ。また参加しやすくなるようにママチャリでも参加できるようにした。

東京都府中市でライドアラウンド

人気一周コースに挑戦するサイクルボール

これに先行して、数千万円を投じて自社開発してきたアプリ「ツール・ド」も武器となる。設定した期間内ならいつでも参加できるという「分散型」を全国規模で展開させることが可能になった。通年的に自転車で遊べることを可能にしたばかりでなく、これがコロナ禍時代の「密」を回避できる決め手となるのだった。

今田イマオさん(前列左)、丸井なみこさん(同右)ら自転車著名人もサイクルボールを楽しんだ

「競技強度の高いレースに参加する人以外は、愛車で走る目的やネタに困るという遊び方難民や、既存の遊び方のマンネリ化を感じている人がいました」

そこでサイクリストにとっても地域にとっても意欲を喚起しやすい1周というテーマと、全国制覇という着想を得て企画したのが「サイクルボール」というシリーズだ。

福島県も走った今田イマオさん、丸井なみこさん

アプリを使って霞ヶ浦、琵琶湖、浜名湖、淡路島など日本各地の1周コースを走る期間限定キャンペーン「サイクルボール」を考案。参加無料ながら全走破すると協賛メーカー提供の賞品がもらえる。さらに1カ所でも走破すれば各地域が提供する特産物に応募できる賞も加えた。

サイクリストとそれを受け入れる地域の「幸せなマッチング」を実現して、両方に喜んでもらいたいという考えが結実した。

自転車系YouTuberのMIHO氏もサイクルボールに参加

「参加料ありきのイベントから無料にシフトしたのはビジネスモデルとして大きな変化だったが、1日イベントから期間分散型にしたほうが需要が大きい。参加費収入はないが、地域の持ち出しはリアルイベントの開催拠出金と同等以下で、それでいて事前準備の人的な負荷は大幅に下がるから開催効果は同等以上。自転車はあくまで手段として観光サイクリングを訴求したい地域も多く、それに対応できるコンテンツは希少であったために喜ばれた」(袴田さん)

全国のサイクリングコースが掲載されたアプリ「ツール・ド」

参加者にも新様式は好評で、暗いニュースの多かった2020年の10大ニュースにも入った。期間を長く取ることで楽しみ方も多様になり、一過性の満足感に終わらず参加者それぞれの思い出になるのだ。

袴田さんの今後の目標は「サイクリングで国民的レジャーコンテンツを作ること」。

「サイクリングは環境・健康・観光面など社会的効用を期待されながら、まだまだ暮らしに入り込めていない。観光地で足に困ったときの遊び方、お金のかかるコアでディープな趣味という2極化した捉え方をされることが多い。暮らしや企業の社会活動のなかで、サイクリングが豊かにできるもの、問題解決できることを十分に張り巡らせていく作業が必要。多くの人に受け入れられるレジャーコンテンツを作ることで、サイクリングは本当の意味で暮らしに入り込めるようになると思います」

袴田晃一郎さん

同社は1月末まで正社員(中途)募集中。

●ルーツ・スポーツ・ジャパンのホームページ

サイクリングコースWEBサービス「ツールド」がオープン…観光庁とも連携

全国のサイクリストが本当に走りたいコース情報のみを厳選したサイクリングコースWEBサービス「ツールド」が3月26日にサービスを開始した。現在は40コースを収録しているが、順次追加されていく。全国版/機能拡張版は2018年10月ごろにサービス開始予定。

サイクリングコースWEB サービス「ツールド」のトップページ

ルーツ・スポーツ・ジャパンが全国の地方自治体などと共同で「全国サイクルツーリズム連携推進協議会」を設立し、サイクルツーリズム事業「ツール・ド・ニッポン」を開催。2017年には16地域で18イベントを開催し、サイクリスト約1万5000人が参加している。この「全国サイクルツーリズム連携推進協議会」の取り組みは、観光庁の平成29年度「テーマ別観光による地方誘客事業」の一つにも採択されていて、今回のWEBサービスはその事業の一環になる。

「全国サイクルツーリズム連携推進協議会」加盟各地では、すでにイベント事業での誘客実績はあったが、イベント開催時期以外の日常的なサイクリストの誘客に課題を抱えていた。今回のサービスでは、全国各地の魅力的なサイクリングコース情報を一元的に網羅してサイクリストへ提供することで日常的な来訪機会を創出し、加盟各地の地域活性化につなげることがねらい。

掲載するコース情報は加盟各地の自治体から提供されたものではなく、プロのサイクリングガイドが実走した上で、「サイクリストが本当に走りたい」と認定した魅力的なコースのみを厳選している。自治体主導で設計されたサイクリングコースは、時として行政的制約のもとサイクリスト目線不在のものになってしまっているケースもあって、今回のサービスではそのミスマッチを解消した。

今回は全国版に先立ち、静岡県東部のサイクリングコース情報を中心に発表した。掲載されるコースは、ルーツ・スポーツ・ジャパンと業務提携を結び協議会にも加盟しているスルガ銀行から提供されたもので、スルガ銀行サイクルステーションで開催されるプレミアムライドイベントの中で特にサイクリストから支持の高い21コース。アテネオリンピック代表で、リンケージサイクリングのサイクリングプランナー田代恭崇氏が監修。

サイクリングコースWEBサービス「ツールド」のホームページ

●関連ニュース

太平洋の大海原を眺めながら走る犬吠埼エンデューロ…一般道を使った耐久レース

●最新ニュースへ