ベネットが悲願の区間初勝利…ツール・ド・フランス第10S

1回目の休日を過ごした第107回ツール・ド・フランスは9月7日、本土と橋で結ばれた2つの島、オレロン島からレ島までの168.5kmで第10ステージが行われ、アイルランドチャンピオンのサム・ベネット(ドゥークニンク・クイックステップ)が大集団のゴール勝負を制して初優勝。

サム・ベネットがツール・ド・フランス初優勝 ©A.S.O. Pauline Ballet

総合成績ではユンボ・ビスマのプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)が首位を守った。

マイヨジョーヌのログリッチとマイヨベールのサガン ©A.S.O. Pauline Ballet

前日には選手とスタッフらがPCR検査を受け、選手は全員が陰性。大会のディレクターであるクリスティアン・プリュドムが陽性となり、7日間レースから離れることになった。

第10ステージはフランス西海岸を行く ©A.S.O. Pauline Ballet
グルパマFDJのシュテファン・キュングとCCCのミヒャエル・シャールというスイス勢がアタック ©A.S.O. Pauline Ballet
2020ツール・ド・フランス第10ステージ ©A.S.O. Thomas Maheux
フランス西海岸、本土と橋で結ばれた2つの島をスタートとゴールとした ©A.S.O. Thomas Maheux
アイルランドチャンピオンジャージを着るベネットが第10ステージ優勝 ©A.S.O. Pauline Ballet

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)
マイヨベール(ポイント賞)サム・ベネット(アイルランド、ドゥークニンク・クイックステップ)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)ブノワ・コズネフロワ(フランス、AG2Rラモンディアール)
□マイヨブラン(新人賞)エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアス)

センチュリー21のキャラバン隊 ©A.S.O. Thomas Maheux

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ツール・ド・フランス最高権威プリュドムがコロナ陽性

ツール・ド・フランスのレースディレクターを務めるクリスティアン・プリュドムが新型コロナウイルスに感染していることが9月8日に明らかになった。プリュドムは1週間ツール・ド・フランスを離れ、フランソワ・ルマルシャンが大会最高権威としての指揮を執る。

クリスティアン・プリュドム ©ASO_G.Demouveaux

ツール・ド・フランスは9月7日に出場選手とそのチームスタッフをPCR検査。全選手が陰性で、各チームも2人以上の陽性者がいなかったため、陽性者のみの除外にとどまり、全22チームがレースを続行すると発表したばかり。まさかの最高権威の感染が発覚した。

ただしツール・ド・フランスがストップすることはなく、プリュドムだけがツール・ド・フランスを7日間離れる。プリュドムは2回目の休息日の翌日、9月15日の第16ステージから役職に復帰する。

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ツール・ド・フランスの4賞マスクなどオンライン販売へ

ツール・ド・フランスさいたまクリテリウムのオフィシャルオンラインショップが9⽉8⽇(⽕)にオープンし、グッズ販売を同⽇より開始する。

2020年⼤会は開催⾒送りとなったが、2021年の開催を⽬指し、「toward 2021=2021年に向けて」というメッセージを込めたTシャツやサコッシュをはじめ、4賞カラーをイメージしたマスクが登場。2019さいたまクリテリウムで実現した「マイヨジョーヌ」と「マイヨロホ」の共演を収めた時計やジグソーパズルも販売する。

また、ツール・ド・フランス開催期間中に1万円以上購⼊した人の中から抽選で、ツール・ド・フランス2020に出場している選⼿のサイン⼊りグッズをプレゼントするキャンペーンも実施。

●オフィシャルオンラインショップ
販売開始⽇:9⽉8⽇(⽕)12:00〜

ツール・ド・フランス2020開催記念キャンペーン

■実施内容
ツール・ド・フランス開催期間中に1万円以上購入した人の中から抽選で3名にツール・ド・ フランス2020出場選⼿のサイン⼊りグッズをプレゼント
■キャンペーン実施期間
9⽉8⽇(⽕)12:00〜9⽉20⽇(⽇)23:59

ポガチャルV、ログリッチ首位…ツール・ド・フランス第9S

第107回ツール・ド・フランスは9月6日、ポー〜ラランス間の153kmで第9ステージが行われ、スロベニア旋風が吹き荒れた。90kmを逃げ続けたサンウェブのマルク・ヒルシ(スイス)を残り2kmで4選手が捕らえ、UAEエミレーツのタデイ・ポガチャル(スロベニア)がゴール勝負を制して初優勝。ユンボ・ビスマのプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)がタイム差なしの区間2位に入り、総合成績で首位に立った。

ログリッチがツール・ド・フランス第9ステージでマイヨジョーヌを獲得 ©A.S.O. Alex Broadway

首位のアダム・イエーツ(英国、ミッチェルトン・スコット)は途中の山岳で遅れ、1分02秒遅れの総合8位に後退した。

ユンボ・ビスマのトム・デュムラン ©A.S.O. Alex Broadway
90kmを逃げ続けたマルク・ヒルシ ©A.S.O. Alex Broadway
ワウト・バンアールトがメイン集団を引っ張る ©A.S.O. Alex Broadway
マイヨジョーヌのアダム・イェーツがピレネー2日目に脱落 ©A.S.O. Alex Broadway
2020ツール・ド・フランス第9ステージ ©A.S.O. Alex Broadway
イネオス・グレナディアスのエガン・ベルナル ©A.S.O. Alex Broadway
逝去したイネオスのニコラ・ポルタル監督の家族がポーのスタートに招かれた ©A.S.O. Alex Broadway
UAEエミレーツのデラクルス、ポガチャル、クリストフ ©A.S.O. Alex Broadway
敢闘賞を獲得したマルク・ヒルシ ©A.S.O. Alex Broadway

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)
マイヨベール(ポイント賞)ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)ブノワ・コズネフロワ(フランス、AG2Rラモンディアール)
□マイヨブラン(新人賞)エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアス)

2020ツール・ド・フランス第9ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet

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自転車を愛するなら社会的義務を果たして…プロ協会が訴え

プロサイクリスト協会(CPA)がツール・ド・フランスの山岳ステージに集まった観衆の多さに、新型コロナウイルス感染への懸念を示し、「あなたがサイクリングを愛するのなら、社会的な義務を果たして!」と強く訴えた。

©Luca Bettini/BettiniPhoto

ツール・ド・フランスの沿道から、選手への声援とリスペクトを込めた歓声が再びわき起こった。新型コロナウイルス感染拡大により一時はすべての大会が中止あるいは延期となったが、関係者の努力によってリスタートすることができた。

第1週の山場、ピレネー山脈はフランスとスペインの国境線に位置するが、両国ともまさに第二波まっただ中。1日の新規感染者はどちらも1万人を突破する勢いだ。大会は感染予防のために、選手のみならずチーム関係者など全体が定期的なテストを受けている。またすべての関係者の健康を守るために、レースコースへのアクセスを一部制限している。

ツール・ド・フランスが停止することを避けるために、ファンも自分の役割を果たす必要がある、とCPA。ファンは、ツール・ド・フランスと世界中のすべてのサイクリストが活躍するべく再開されたレースに駆けつけ、選手を鼓舞するために沿道に陣取ることを歓迎されている。しかしファンは正しく行動する必要があり、マスクを正しく着用し、ソーシャルディスタンスを尊重してほしいと訴えている。

©Luca Bettini/BettiniPhoto

CPAのフランスの代理人、パスカル・シャントゥーは、「山岳ステージではスピードが遅くなり、また観客が選手に接近するエリアとなる。このエリアを規制強化するようにASOに依頼した」という。

CPAは、レースに行くファンに注意事項とリスペクトを呼びかける。

「安全な距離を取って選手らを奨励することで、この世界のチャンピオンにあなたの愛情を示してください。私たちは、選手が一生懸命仕事をしているにもかかわらず感染することを許しません。私たちの男の子と女の子が自分の仕事をして感染することを許すことはできません。選手とその家族に大きな打撃を与えるばかりでなく、検査で陽性となればレースからの即時追放となるので、選手キャリアを危険にさらすことになる」

上記はCPAのジャンニ・ブーニョ会長のコメント。

「握手をして抱き合い、スポーツスターからサインをもらい、お土産の写真のために彼らと一緒にポーズを取る日はいつか来る。それまでの間、私たちは選手の仕事と選手の努力に敬意を払うことによって、アスリートに対する尊敬を示すべきだ」

●プロサイクリスト協会のホームページ

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ピレネー初日でアラフィリップとピノが脱落…ツール・ド・フランス第8S

第107回ツール・ド・フランスは9月5日、カゼール・シュル・ガロンヌ〜ルダンビエル間の141kmで第8ステージが行われ、13選手の第1集団の中からAG2Rラモンディアールのナンズ・ピーターズ(フランス)が単独で抜け出して初優勝を挙げた。

元政府閣僚で、オクシタニー地域圏のキャロル・デルガ議長(左)とカゼール・シュル・ガロンヌのミシェル・オリバ市長 ©A.S.O. Pauline Ballet

「これはボクのプロとしてのキャリアの中で最高の勝利だ。2019年のジロ・デ・イタリアを含めてもまだ2つしか勝ってないし」とピーターズ。

「山岳ステージで、勝利をつかむために第1集団に加わった。ちょっとクレイジーだった。後続とのタイム差が12分に開いた時、ステージ優勝するために走ろうと態勢を整えた。自分自身にステージで勝つことだけに集中しろと言い聞かせた。

ナンズ・ピーターズ(フランス)が独走 ©A.S.O. Pauline Ballet

ポルトデバレス峠からのダウンヒル中に 実力のあるイルヌル・ザカリン(ロシア、CCC)を引き離した時、もう負ける者か遠い気持ちだけだった。ジロ・デ・イタリアで勝った時は勝利の雰囲気をまったく味わえなかったから、最後の500メートルでそれを楽しんだ」

AG2Rラモンディアールはピーターズが区間優勝しただけではなく、ブノワ・コズネフロワ(フランス)が山岳賞ジャージをキープ、エースのロマン・バルデ(フランス)が強さを見せて11秒遅れの総合4位に位置。

「チームにとってなんという日になったんだろう」(ピーターズ)

ナンズ・ピーターズが第8ステージで初優勝ツール・ド・フランス ©A.S.O. Pauline Ballet

「チームにとって素晴らしい一日だった。今大会で最初のアタックとステージ初勝利。ナンズがやってくれた。彼は自在に走ることができるし、欠点がない選手だからね」とバルデ。

「ただしボクにとってはいいことばかりじゃなかった。落車に巻き込まれてヒザを強打してしまった。今はかなり痛い」

山岳賞ジャージを着るコズネフロワ(右)とカルロス・ベローナ ©A.S.O. Pauline Ballet

「ツール・ド・フランスでステージ1勝するとようやく呼吸ができるようになる」とバンサン・ラブニュ監督。

「ナンスは昨年のジロ・デ・イタリアと同じレベルの偉業を果たした。ナンズは決してあきらめない粘り強い選手だ。彼はブノワやロマンと一緒にチームのトレーニングセンターで練習してきた。チームのトレーニングプログラムの有効性を実証してくれた」

「ロマンは総合4位、ブノワは山岳賞ジャージを保持している。そしてナンズがステージに勝った。それは素晴らしいことですが、我々は常に謙虚であり続け、仕事と戦いを続ける必要がある」

アラフィリップとピノは総合優勝争いから脱落

ジュリアン・アラフィリップは第8ステージで18分07秒遅れ。総合優勝争いから脱落した ©A.S.O. Pauline Ballet

首位のアダム・イエーツ(英国、ミッチェルトン・スコット)をはじめとした有力選手は6分40秒遅れでゴール。 イエーツがマイヨジョーヌを守った。

地元フランスのファンが総合優勝を期待していたフランス勢は、ドゥークニンク・クイックステップのジュリアン・アラフィリップが18分07秒遅れ、グルパマFDJのティボー・ピノが25分23秒遅れ。マイヨジョーヌ争いから脱落した。

グルパマFDJのティボー・ピノは25分23秒遅れとなる ©A.S.O. Pauline Ballet
2020ツール・ド・フランス第8ステージはピレネーへ ©A.S.O. Alex Broadway
13人の第1集団はメイン集団に吸収されることなく、ゴールへ ©A.S.O. Pauline Ballet
新人賞ジャージを着るのはエガン・ベルナル ©A.S.O. Pauline Ballet

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)アダム・イエーツ(英国、ミッチェルトン・スコット)
マイヨベール(ポイント賞)ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)ブノワ・コズネフロワ(フランス、AG2Rラモンディアール)
□マイヨブラン(新人賞)エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアス)

コズネフロワ、イェーツ、サガン、ベルナル ©A.S.O. Pauline Ballet

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