ファンデルプール全力の50km逃げでポガチャルを振り切る

イタリア半島をはさむティレニア海とアドリア海を結ぶ7日間のステージレース、ティレーノ〜アドリアティコは3月14日に第5ステージが行われ、オランダチャンピオンのマチュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス)が第3ステージに続いて優勝した。

ティレーノ〜アドリアティコ第5ステージで逃げ切ったファンデルプール ©Marco Alpozzi – LaPresse

ファンデルプールは悪天候の中で残り50kmから独走。後方ではこれを追うアタックが連発したが、残り17kmでUAEエミレーツのタデイ・ポガチャル(スロベニア)が抜け出し、追走する選手らを追い抜かして単独でファンデルプールを追った。

ファンデルプールは全力の走りで最後まで独走。ゴール後は路面に倒れ込むほどのエネルギー消耗で、今大会2勝目を挙げた。

ティレーノ〜アドリアティコ第5ステージ ©Marco Alpozzi – LaPresse
マチュー・ファンデルプールとそれをマークするポガチャル ©Marco Alpozzi – LaPresse

ポガチャルはファンアールトに10秒差まで詰め寄ったが区間2位。総合成績では2位ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ビスマ)との差を1分15秒に開いて首位を守った。

ポガチャルを振り切ってゴールしたファンデルプール ©Gian Mattia D’Alberto – LaPresse
ポガチャルが首位を守った ©Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

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ポガチャル区間勝利で総合首位に…ティレーノ〜アドリアティコ4S(2021年3月14日)
●ティレーノ〜アドリアティコのホームページ

ファンデルプールV、ファンアールト首位…ティレーノ〜アドリアティコ3S

イタリア半島をはさむティレニア海とアドリア海を結ぶ7日間のステージレース、ティレーノ〜アドリアティコは3月12日に第3ステージが行われ、オランダチャンピオンのマチュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス)が同年代のライバル、ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ビスマ)をスプリント勝負で制して優勝。

ファンデルプールがティレーノ〜アドリアティコ第3ステージ優勝 ©Marco Alpozzi – LaPresse

2位のファンアールトは総合成績で首位を守り、翌ステージの山岳コースに挑む。

2021ティレーノ〜アドリアティコ第3ステージ ©Marco Alpozzi – LaPresse

「フィニッシュラインでのポーズは、MotoGPライダーをマネしたもの。だれだったか正確に思い出せないけど(実際はファビオ・クアルタラロ)Instagramでそれを見つけ、次に優勝するときはそれをコピーするとチームメイトに約束していた」とファンデルプール。

「昨日は自分自身に少し怒っていたフィナーレでミスを犯したからだ。今日は本当に勝ちたかった。チームは逃げグループを捕らえるという素晴らしい仕事をした。ジュリアン・アラフィリップがチームメートを逃がすためにギャップを作ったが、ファンアールトがすぐに反応した。それは私にとって完璧だった。奇妙な状況だったかもしれないが、うまくいった。ミラノ〜サンレモは別の物語になる。今日のステージ勝利とは比べられないが、個人的にはこのステージ勝利はいい兆候だ」

オランダのファンデルプールがベルギーのファンアールトを制して優勝 ©Gian Mattia D’Alberto – LaPresse
ファンアールトが首位を守った ©Gian Mattia D’Alberto – LaPresse
新人賞ジャージはタデイ・ポガチャル ©Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

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ファンデルプールがストラーデビアンケ優勝…女子もオランダ勢

イタリアのトスカーナ地方の未舗装路を含むルートを走るストラーデビアンケが3月6日に行われ、男子はマチュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス)が、女子はシャンタル・ファンデンブロークブラーク(Sdワークス)のオランダ勢が優勝した。

シエナの上りでマチュー・ファンデルプールがジュリアン・アラフィリップに差をつける ©LaPresse – Marco Alpozzi

ファンデルプールは世界チャンピオンのジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥークニンク・クイックステップ)とエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアス)とともに抜け出すと、シエナのゴールに上る石畳の激坂で抜け出して優勝した。

15回目の開催となる男子レースでオランダ選手が優勝したのは初めて。一方、7回目の開催となる女子レースではオランダ勢が4連勝。

シエナを発着とする184kmで争われたストラーデビアンケ ©LaPresse – Fabio Ferrari

総合力のある選手もねらってくる特異なワンデーレース

「これは象徴的なレースだから本当に勝ちたかった。タデイ・ポガチャルやベルナルのように上りが強い選手がたくさん出場してくるので、勝つのが最も難しいレースの1つだと思う。ステージレースの総合優勝を争えるタイプなど多くのチャンピオンがワンデーレースの勝利のために戦うことはあまりない」とファンデルプール。

「今日は自信を持っていたし、かなりいい感じだった。フィナーレのためにエネルギーを節約し、最後のしかけどころを待っていた。コースを見て、いくつかの難しいセクションがあることは知っていた。チームとしても勝利への意欲は高かった。信頼できるチームメイトがいて、彼らがレースの重要なタイミングまでベストポジションで走らせてくれた」

次週は同じイタリアで開催されるステージレースのティレーノ〜アドリアティコに出場するというファンデルプール。さらにワンデーレースのミラノ〜サンレモにベストコンディションで挑みたいと語り、ステージレースへの意欲も口にした。

マチュー・ファンデルプールがストラーデビアンケ優勝 ©Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

5秒遅れの2位となったアラフィリップは、「いつも勝ちたいけど、表彰台に立てたことに満足している。最善を尽くしたので後悔していない」とコメント。

「勝利のために戦ったが、マチューが最強だった。残り約20kmで加速したとき、マチューとワウト・ファンアールトの違いに気づいた。調子はそれほど悪くなかったので、勝負どころに集中していたが、最後の上りでマチューは明らかに最強だった。次の目標はティレーノ〜アドリアティコでステージ優勝すること」

先頭からマチュー・ファンデルプール、ジュリアン・アラフィリップ、エガン・ベルナル ©LaPresse – Fabio Ferrari

スペシャリストではないので3位は驚き…ベルナル

20秒遅れの3位ベルナルは、「正直なところ、ワンデーレースのスペシャリストではないので、トップ3に入ったのは少し驚いた」とコメント。

「マチュー・ファンデルプールと世界チャンピオン(のジュリアン・アラフィリップ)と表彰台に上がれことは大きな名誉。次の目標に向けてモチベーションを高め、自信を与えてくれる。マチュー、ファンアールト、UAEエミレーツの選手たちは本当に強かった。フィナーレはどれだけ脚が残っているかだけの問題だった」

シャンタル・ファンデンブロークブラークとそれを追うエリサ・ロンゴボルギーニ ©LaPresse – Marco Alpozzi

女子はSdワークスチームがレースを掌握

女子はファンデンブロークブラークが地元イタリアのエリサ・ロンゴボルギーニ(トレック・セガフレード)に7秒差をつけて優勝した。9秒遅れの3位には世界チャンピオンでSdワークスに所属するアンナ・ファンデルブレッゲン(オランダ)が入った。

「最後は高速だった。私はチームメート数人と少人数の先頭グループにいた。私の役目はここでアタックすることだった。ロンゴボルギーニがついてきたが、それは承知の上の作戦だった。エリサは上りに強いけど、その後ろにはチームメートが控えていたので」とファンデンブロークブラーク。

シャンタル・ファンデンブロークブラークがストラーデビアンケ女子優勝 ©Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

「チームは私にエリサの後輪についていくように指示した。彼女が優勝するチャンスは私よりも少ないはずだから、彼女が先頭でプッシュし続けることを知っていた。小さなグループのスプリント勝負になればチームメイトが勝てるから。エリサが多くのエネルギーを費やしている間、私は彼女をマークし続けて、最後の上りで彼女を落とすことに成功した。予想外の勝利だったのでとてもうれしい」

シャンタル・ファンデンブロークブラークを中央に左が2位エリサ・ロンゴボルギーニ、右が3位アンナ・ファンデルブレッゲン ©Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

●ストラーデビアンケのホームページ

ファンデルプールがUAEツアー第1ステージで優勝

アルペシン・フェニックスのマチュー・ファンデルプール(オランダ)が2月21日にUCIワールドツアー第1戦として開幕したUAEツアー第1ステージで、ゴールスプリントを制して優勝。総合成績でも首位に立った。大会は27日まで。

横風で分断した集団は斜めの隊列を作って前を追う ©LaPresse

「正直に言うと本当に予想外だったが、最初から風が強かった。エシュロン(風で分断された集団)の第1グループにいたし、調子はよかった」とファンデルプール。

マチュー・ファンデルプール(左から2人目)がゴール勝負を制した ©LaPresse

「でも向かい風が強くて集団は再グループ化した。逃げたグループをキャッチすることができ、フィニッシュラインまで非常にハードレースが続いた。チームメートが素晴らしい仕事をしてくれた。スプリントのタイミングもよかった。

ハードレースになったこともよかった。ボクよりも強いスプリンターがいたが、暑さで消耗していた。スプリント勝負しようという作戦ではなかったけど、自信を与えてくれた。ステージ優勝も総合成績のトップもまったく予期していなかった。

シクロクロス世界選手権の後に休みがあり、UAEに来る1週間前にチームとトレーニングを始めた。だから、今日のボクを勝者にしてくれたのは、シクロクロスだと思う」

イスラエルスタートアップネーションのジャージで登場したクリストファー・フルーム ©Gian Mattia D’Alberto – LaPresse

大会連覇をねらうイネオス・グレナディアスアダム・イェーツ(英国)と初優勝を目指すUAEエミレーツのタデイ・ポガチャル(スロベニア)は第1ステージに残ったが、24位以下の選手はハードな気象条件により8分以上遅れた。総合優勝争いは初日で大きく絞られた。

2021UAEツアー第1ステージ ©LaPresse – Fabio Ferrari
砂嵐の中を走る集団 ©LaPresse
2021UAEツアー第1ステージ ©LaPresse
アルペシン・フェニックスのマチュー・ファンデルプール(オランダ) ©LaPresse

🇦🇪UAEツアー関連ニュース
UAEツアーでワールドシリーズ33戦開幕…コロナ禍でどうなる?
●UAEツアーのホームページ

UAEツアーでワールドシリーズ33戦開幕…コロナ禍でどうなる?

自転車ロードレースの2021シーズン到来。UCI(国際自転車競技連合)ワールドツアー全33レースの緒戦として、2月21日から27日まで中東のUAEでUAEツアーが開催される。ジロ・デ・イタリアを主催するRCSスポルトが大会運営し、放送権はIMGが統括。日本では有料インターネットチャンネルのGCN+で生中継される。スタート記念キャンペーンの50%引きを適用すると年間2750円。

2021UAEツアーに参戦する有力選手 ©LaPresse – Fabio Ferrari

コロナ禍と若手台頭、昨季はこの大会がすべての始まりだった

2020年2月23日に開幕した7日間のステージレースの主催者は大会6日目の早朝、参戦していたUAEエミレーツのチームスタッフ2人が感染したとして、残る2ステージをただちに打ち切った。

出場中だった新城幸也(当時バーレーン・マクラーレン、現バーレーンビクトリアス)を含む全選手がホテルに長期隔離された。しばらくしてUAEエミレーツのスプリンター、フェルナンド・ガビリア(コロンビア)の罹患が発覚。このあと、自転車競技界もコロナ禍に巻き込まれていく。

アダム・イェーツ ©LaPresse

5ステージで打ち切られた大会は、その時点で首位にいたアダム・イェーツ(英国)が総合優勝者となった。同選手は今季、母国のイネオス・グレナディアスに移籍し、今回のUAEツアーには連覇をかけて乗り込んでくる。

「トレーニングはいい感じでこなせたが、レースで同じような走りができるとは限らない。チームはボクをサポートしてくれるが、ツール・ド・ラプロバンスで勝ったイバン・ソーサもいるので、2つのオプションがある」とイェーツ。
「チームには強いクライマーもいるが、この大会は個人タイムトライアルもあるので、ボクにはそれが不利となりそうだ」

ホームチームのUAEエミレーツはポガチャルが雪辱を期す

2020年の大会で区間1勝と総合2位の成績を修め、一躍トップ選手の仲間入りを果たしたのが、UAEエミレーツのタデイ・ポガチャル(スロベニア)だ。21歳の若手選手だったが、そのシーズンは2カ月延期されて開催されたツール・ド・フランスで総合いきなり優勝した。そのポガチャルが今季の緒戦として選んだのが、チームが拠点を置くUAEツアーである。ポガチャルと同じチームに電撃移籍したスイスのマルク・ヒルシも今大会に初出場する予定。

「ツール・ド・フランスで総合優勝したけれど、選手としては変わっていない。今年も同じモチベーション、同じ集中力、同じ目標を持っている」とポガチャル。
「UAEツアーはホームレースなので、チームにとって本当に重要なイベントだ。昨年はここで2位に終わったのは少し残念だったが、今回は再チャレンジとなる」

タデイ・ポガチャル ©LaPresse

イネオス・グレナディアスからイスラエルスタートアップネーションに移籍したクリストファー・フルーム(英国)にとっても感慨深い大会だ。2019年、ツール・ド・フランス最多の5勝目を目指したが、直前の大ケガで参加できず。懸命のリハビリを行い、カムバックしたのが昨季のUAEツアーだった。今季は南米合宿をこなして現地レースに出場予定だったが、現地の感染拡大により大会が中止になり、移籍チームでの初レースはこのUAEツアーになった。

「レースを楽しみにしている。自分の弱点を修正するために米国カリフォルニアでいい冬を過ごした。リハビリは間違いなく昨年の今ごろよりもいい」とフルーム。
「もちろん総合優勝をねらって出場するわけではないが、本来の調子を戻せるようなきっかけとなる走りがしたい」

クリストファー・フルーム ©LaPresse

個人タイムトライアルの世界チャンピオン、フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアス)は初出場。スプリンター勢はロット・スーダルのカレブ・ユアン(オーストラリア)、2020ツール・ド・フランスでポイント賞を獲得したドゥークニンク・クイックステップのサム・ベネット(アイルランド)、ボーラ・ハンスグローエのパスカル・アッカーマン(ドイツ)も出場。

フィリッポ・ガンナ ©LaPresse
アルペシン・フェニックスのマチュー・ファンデルプール(オランダ) ©LaPresse
トレック・セガフレードのビンチェンツォ・ニバリ(イタリア) ©LaPresse
サム・ベネット ©LaPresse
パスカル・アッカーマン ©LaPresse

そして2020年の大会で自転車選手として最初に罹患したガビリア。シーズン中に2度目の感染を経験したがカムバック。この大会に懸ける意気込みはだれよりも強い。

昨季はコロナ禍が若手台頭を後押し

コロナ禍で開催される2シーズン目。1月にオーストラリアで開催予定だったワールドツアー2大会が中止となり、そのためUAEツアーが開幕戦となった。欧州では依然として感染が落ち着く兆しはない。国際団体は大会日程を平時のものに戻したが、中止あるいは延期も想定される。昨季は後半に主要大会が凝縮され、そんな強行日程が若手台頭を後押しした。

有料インターネットチャンネルのGCN+はスタート記念キャンペーンの50%引きを適用すると年間2750円。

●UAEツアーのホームページ