109歳のアワーレコード保持者がマクロン大統領に「スポーツを奪うな」と信書

フランスのロベール・マルシャンは2020年11月26日、いつものように自転車で109回目の誕生日を祝いました。ただし、いつものような屋外で風を切って走る自転車ではなく、室内に置かれたエアロバイクでした。すべてのフランス人と同様にマルシャンは、自宅から1km以上離れた場所にスポーツに出かけることを禁じたロックダウンを尊重しなければなりませんでした。彼はいつもの乗り物を奪われて、フランス共和国大統領のエマニュエル・マクロンに、欲求不満を表明する手紙を送りました。

109歳の記録保持者、ロベール・マルシャンさん ©L’Ardéchoise / Facebook

「私はパンデミックの重大さを知っており、この2回目のロックダウンの必要性を理解していますが、それが身体活動の大部分を奪うことは残念です」とマルシャンは大統領に書きました。

「スポーツは、私が生きている証拠だと信じています。これは病気の治療法であり、健康の要因です。スポーツをする人は、そうでない人よりも病院医療ひっ迫を救済できる存在です」

100歳ながら身体レベルは50歳

ロベール・マルシャンはいつもスポーツをしていましたが、彼は100歳になるまで有名人になるのを待ちました。2012年9月17日、スイスのエーグルにあるUCI(国際自転車競技連合)のバンクでアワーレコードに挑戦し、24.1kmという100歳以上の世界記録を樹立しました。2年後、サンカンタンアンイブリーヌで、この記録を26.927kmに更新しました。その間に、リヨンで100kmを4時間17分27秒で走破するという別の記録も達成しました。

老化に関する研究の対象としてマルシャンを取り上げた医師や研究者は一様に驚いたといいます。フランスの生理学者ベロニーク・ビラットは、ロベール・マルシャンの心臓能力は100歳ではなく、50歳であると計算しました。肉体的および精神的の両方の活動が細胞を再生するという科学的根拠がありました。

健康上の理由でサイクリングを始めたアーノルド・シュワルツェネッガーは、米国カリフォルニアからこの件に関するツイートを発信しました。

「これは間違いなく、間違いなく刺激的です。自転車に乗る準備をしましたよ」

ロベール・マルシャンはすぐにアーノルド・シュワルツェネッガーに、フランスで一緒に走るライドイベントを待っていると反応したといいます。

コロナ禍で士気を失ってしまった

マルシャンの招待状はいまも有効ですが、問題が発生しました。パンデミックです。第一波と第二波により、2回のロックダウンが行われ、ロベール・マルシャンの士気と体力に深く影響を及ぼしました。

健康危機のため、マルシャンはパリ郊外の集合住宅を離れ、完全に一人暮らしを始めました。現在、高齢者または扶養家族のための宿泊施設(EHPAD)に住んでおり、自転車イベントを運営するアルデショワーズのジェラール・ミスラー社長は彼がやせ衰えているのを発見しました。

 「コビッドのせいで、ロベールはもはや食べ物を買いに行くことができず、彼は彼に届けられた工業用の食事に耐えることができなかった」 とアルデチョワーズの社長は証言しています。

 「ロベールは特定の病状に苦しんでいませんが、彼は士気を失っています」

マルシャンを安心させるために、アルデショワーズのパートナーであるフランスの自転車ブランドは、マルシャンに誕生日プレゼントとして、109歳のチャンピオンのために特別に仕立てられたホームトレーナーを贈りました。

チャンピオンは、フランス共和国大統領にスポーツを支持する嘆願を表明するのに十分な笑顔と十分なエネルギーを取り戻したとのことです。(Jean-Paul Savart – AIPS EC Member)

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ジロ・デ・イタリアがコロナ猛威のフランスを回避

ジロ・デ・イタリアの主催者RCSスポルトは10月21日、最終日前日の最後の山岳区間として設定された第20ステージのコースを修正した。フランスのオートアルプ県で新型コロナウイルス感染拡大の防止法令が施行されたことで同県をレースが通行できなくなり、コース変更を余儀なくされた。

2020ジロ・デ・イタリア第20ステージの修正コース

10月24日に開催される第20ステージはアルバをスタートしてから国境となるアルプスを越えてフランス入りし、再びアルプスを越えてイタリアのセストリエーレにゴールする198kmが予定されていた。

しかしフランス入りができなくなったため、スタート後に平たん路を走ってピネロロへ。ゴールとなるスキーリゾートのセストリエーレに向かうが、ステージの難易度を維持するためにセストリエーレを3回上ることになった。

当初予定ではフランスのイゾアール峠や国境にあるモンジュネーブル峠など、山岳ポイントは1級が3つ、2級が1つだったが、新コースは1級が2つ、2級が1つとなりわずかに難易度が低くなった。総合成績の行方を左右する変更点になるかは定かではない。

2020ジロ・デ・イタリア出場176選手リスト
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ガビリアが2度目のコロナ罹患…ジロ・デ・イタリア除外

UAEエミレーツのフェルナンド・ガビリア(コロンビア)が新型コロナウイルス感染によりジロ・デ・イタリアから除外された。ガビリアは2月のUAEツアーで新型コロナウイルスに感染した最初の自転車選手だった。

フェルナンド・ガビリア ©LaPresse

PCR検査は10月18、19日に行われ、492人が検査を受けた。選手で陽性となったのはガビリアのみ。AG2Rラモンディアールのチームスタッフ1人が陽性となり、医師によって隔離措置をとられた。

ジロ・デ・イタリアは10月11日と12日にもPCR検査を行い、ステフェン・クライスバイク(ユンボ・ビスマ)とマイケル・マシューズ(サンウェブ)が新型コロナウイルスに感染したことが分かり、ジロ・デ・イタリアから排除された。

ミッチェルトン・スコットは4人のスタッフが感染し、チームはジロ・デ・イタリアから撤退。さらにエースのクライスバイクを失ったユンボ・ビスマチームも自主的に大会をあとにした。

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ブエルタ・ア・エスパーニャはツールマレーやアングリルなど閉鎖

10月20日に開幕する第75回ブエルタ・ア・エスパーニャは9つの峠を閉鎖し、スタートとゴールでの観客を制限すると発表した。スペイン国内において新型コロナウイルス感染拡大に歯止めがかからない現状から判断。さらに今後も感染者増が見られる場合は追加措置の発令も検討しているという。

ブエルタ・ア・エスパーニャ主催者が13日に発表した。

©Photogómez Sport

組織委員会はバスク政府の通達により、20日の第1ステージのゴールとなるアラーテ峠、27日の第7ステージに通過するオルドゥニャ峠を無観客とすると発表していた。今回はさらにフランスのツールマレー峠、激坂で知られるアングリル峠など7つの山岳での感染を制限すると発表。

組織委員会は、コース脇で観戦できないファンのためにソーシャルメディアチャンネルや公式ウェブサイトを使ってレースの模様をこれまで以上に伝えていきたいという。

「今年は自宅にいながらブエルタ・ア・エスパーニャを楽しむ必要性をファンに知せるためにコミュニケーションキャンペーンを開始した」と主催者。

その目的は、スタートやゴール、上り坂などに大観衆が押し寄せないためだ。スペイン政府やコースの自治体保健当局と密接に連らを取り合って、感染拡大防止をめざしたいという。

2019ブエルタ・ア・エスパーニャ第6ステージ ©Photogómez Sport

2020ブエルタ・ア・エスパーニャ日程

10月20日(火) 第1ステージ イルン〜アラーテ 173km★★
10月21日(水) 第2ステージ パンプローナ〜レクンベリ 151.6km★★★
10月22日(木) 第3ステージ ロドサ〜ラグナレグナ・デ・ビヌエサ 166.1km★★★
10月23日(金) 第4ステージ ガライ〜エヘアデロスカバレロス 191.7km
10月24日(土) 第5ステージ ウエスカ〜サビニャニーゴ 185.5km★
10月25日(日) 第6ステージ ビエスカス〜ツールマレー峠(フランス) 136.6km★★★
10月26日(月) 休養日
10月27日(火) 第7ステージ ビクトリアガステイズ〜ビジャヌエバ・デ・バルデゴビア 159.7km★
10月28日(水) 第8ステージ ログロニョ〜アルトデモンカルビリョ 164km★★★
10月29日(木) 第9ステージ カンペアドール〜アグイラルデカンポ 157.7m
10月30日(金) 第10ステージ カストロウルディアレス〜スアンセス 185km
10月31日(土) 第11ステージ ビジャビシオサ〜アルトデラファラポナ 170km★★★
11月1日(日) 第12ステージ ラポララビアナ〜アングリル 109.4km★★★
11月2日(月) 休養日
11月3日(火)  第13ステージ ミュロス〜ミラドルデエザロ 33.7km (個人タイムトライアル)
11月4(水) 第14ステージ ルーゴ〜オウレンセ 204.7km★
11月5日(木) 第15ステージ モス〜プエルバデサンブリア 230.8km
11月6日(金) 第16ステージ サラマンカ〜シウダーロドリゴ 162km
11月7日(土) 第17ステージ セクエロス〜アルトデラコバチラ 178.2km★★★
11月8日(日) 第19ステージ ザルツエラ〜マドリード 124.2km
★は難易度

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ジロ・デ・イタリアでサンウェブとユンボ・ビスマの選手が陽性

ジロ・デ・イタリアの主催者RCSスポルトはUCI(国際自転車競技連合)の規定する健康プロトコルに従って、出場全選手とチームスタッフ、合計571人を10月11日と12日にPCR検査を行い、その結果を発表した。

2020ジロ・デ・イタリア第8ステージ ©Fabio Ferrari/LaPresse

サンウェブとユンボ・ビスマからそれぞれ1選手、合計2選手が新型コロナウイルスの陽性反応を示し、各チームの医師に委託されて隔離措置を行うことになった。

ミッチェルトン・スコットから4人のスタッフ、AG2Rラモンディアールとイネオス・グレナディアスからそれぞれ1人のスタッフがCovid-19の陽性反応を示し、各チームの医師に委託されて隔離措置を行うことになった。

第1報では選手やスタッフ名は未発表。感染した選手は隔離措置を余儀なくされるので、ジロ・デ・イタリアはリタイアとなる。

複数の感染者を出したミッチェルトン・スコットはチーム全体がジロ・デ・イタリアから除外された。

ジロ・デ・イタリア第10ステージのスタート地点 ©Massimo Paolone/LaPresse

【続報】感染選手はクライスバイクとマイケル・マシューズ

ステフェン・クライスバイク(ユンボ・ビスマ)とマイケル・マシューズ(サンウェブ)が新型コロナウイルス感染でジロ・デ・イタリアから排除と、フランスのレキップ電子版が速報。

さらにユンボ・ビスマチームは他の7選手も休息日明けの第10ステージをスタートぜず、チームとして大会をあとにする決断をした。

2020ジロ・デ・イタリア第10ステージ ©Massimo Paolone/LaPresse

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パリ〜ルーベ中止…リールの感染拡大により当局が要請

10月25日に開催予定だったパリ〜ルーベが急きょ中止になった。当初は4月に開催される予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大により延期。フランスでは第一波を上回る感染拡大の渦中で、フランス当局が主催者ASOに中止を要請した。

北の地獄パリ〜ルーベ ©ASO Pauline Ballet

「北の地獄」と呼ばれる石畳の悪路を走ることで知られるパリ〜ルーベは2020年に開催されないことになった。初開催となるはずだった女子レースも中止となった。

フランスでは直近の2日間で、1万6000人と1万8000人以上の新規感染者が発表されている。首都パリではバーの営業が停止となり、レストランも時間短縮を余儀なくされた。パリ〜ルーベのコースに近い大都市リールも「最大の警戒ゾーン」となり、ついにASOも開催を断念。「2021年4月11日にパリ〜ルーベで会おう」というメッセージを発信した。

●パリ〜ルーベのホームページ