キュングが欧州タイムトライアル覇者…東京五輪は4位

大陸別のロードチャンピオンを決める各大陸選手権の1つ、欧州選手権は大会2日目となる9月9日、イタリアのトレントで各クラスの個人タイムトライアルが行われ、エリート男子ではシュテファン・キュング(スイス)が優勝した。大会は12日の男子ロードまで5日間の日程で行われる。

欧州選手権エリートタイムトライアル優勝のキュングを中央に左が2位ガンナ、右が3位エベネプール ©Dario Belingheri/BettiniPhoto©2021

キュングは東京五輪の個人タイムトライアルで4位とメダルを逃していたが、この日はこの種目の世界チャンピオンであるイタリアのフィリッポ・ガンナを制して優勝した。

シュテファン・キュングが欧州選手権エリートタイムトライアルで優勝 ©Dario Belingheri/BettiniPhoto©2021
欧州選手権エリートタイムトライアル2位のフィリッポ・ガンナ ©Dario Belingheri/BettiniPhoto©2021
欧州選手権エリートタイムトライアル3位のレムコ・エベネプール ©Dario Belingheri/BettiniPhoto©2021

エリート女子はスイスのマルレーヌ・レウザーが優勝。U23女子はイタリアのビットリア・グアッツィーニ、U23男子はデンマークのヨハンプライス・ペテルセンが欧州チャンピオンになった。

欧州選手権エリート女子タイムトライアル優勝のマルレーヌ・レウザー ©Dario Belingheri/BettiniPhoto©2021
欧州選手権U23女子タイムトライアル優勝のビットリア・グアッツィーニを中央に、左が2位ハンナ・ルードビッヒ、右が3位エレーナ・ピッロ=ネ ©Dario Belingheri/BettiniPhoto©2021
欧州選手権U23男子タイムトライアル優勝のヨハンプライス・ペテルセン ©Dario Belingheri/BettiniPhoto©2021
欧州選手権U23男子タイムトライアル優勝のヨハンプライス・ペテルセンを中央に、左が2位ソレン・ワルスコルド、右が3位ダン・ホール ©Dario Belingheri/BettiniPhoto©2021

大会の模様はEBU(欧州放送連合)の協力によって、YouTubeチャンネルで視聴できる。
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欧州選手権開幕…ミックスリレーは地元イタリア優勝

大陸別のロードチャンピオンを決める各大陸選手権の1つ、欧州選手権が9月8日にイタリアのトレントで開幕。初日のミックスリレーでフィリッポ・ガンナやエリサ・ロンゴボルギーニなどで構成されたイタリアチームが優勝した。大会は12日の男子ロードまで5日間の日程で行われる。

欧州選手権ミックスリレーを制したイタリアチーム ©Dario Belingheri/BettiniPhoto©2021

イタリアチームはガンナ、マッティア・ソブレーロ、アレッサンドロ・デマルキの男子、ロンゴボルギーニ、エレーナ・チェッキーニ、マルタ・カバッリが出場。全大会の覇者ドイツ、オランダを制して優勝した。

欧州選手権ミックスリレーを制したイタリアチーム ©Dario Belingheri/BettiniPhoto©2021

ジュニア女子タイムトライアルはアリーナ・イバンチェンコ(ロシア)、ジュニア男子タイムトライアルはアレック・セガールト(ベルギー)が優勝した。

ジュニア女子タイムトライアル優勝のアリーナ・イバンチェンコ(ロシア) ©Dario Belingheri/BettiniPhoto©2021
ジュニア女子タイムトライアル優勝のアリーナ・イバンチェンコ(ロシア) ©Dario Belingheri/BettiniPhoto©2021
ジュニア男子タイムトライアル優勝のアレック・セガールト(ベルギー) ©Dario Belingheri/BettiniPhoto©2021

大会2日目の9日はエリート男女とU23カテゴリーの個人タイムトライアルが行われる。

©Dario Belingheri/BettiniPhoto©2021


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欧州選手権ミックスリレーはドイツチームが優勝

フランスのプルエイで開催されていた欧州選手権は8月28日に最終日を迎え、男子3人と女子3人がそれぞれチームタイムトライアル形式で走り、その合計で争われるミックスリレーが行われ、ドイツチームが優勝した。平均時速は44.120km。

ミックスリレー優勝はドイツ、2位スイス、3位イタリア ©Dario Belingheri/BettiniPhoto
距離54.6kmのミックスリレーはドイツチームが優勝 ©Dario Belingheri/BettiniPhoto

女子ジュニアはイタリアのエレオノーラ・ガスパッリーニがベルギー勢2人をゴール勝負で制して優勝。

イタリアのエレオノーラ・ガスパッリーニが欧州選手権女子ジュニアで優勝 ©Dario Belingheri/BettiniPhoto
欧州選手権女子ジュニアはイタリアのエレオノーラ・ガスパッリーニが優勝 ©Dario Belingheri/BettiniPhoto

男子ジュニアはデンマークのカスパー・アンデルセンがゴール勝負で優勝した。

デンマークのカスパー・アンデルセン(赤いジャージ)が欧州選手権男子ジュニアで優勝 ©Dario Belingheri/BettiniPhoto
欧州選手権男子ジュニアはデンマークのカスパー・アンデルセンが優勝 ©Dario Belingheri/BettiniPhoto

欧州選手権女子ジュニア ©Dario Belingheri/BettiniPhoto

メダルテーブルでは、オランダが金3個、銀2個でトップ。イタリアが金3個、銀1個、銅3個で2位。ドイツが金2個、銀1個、銅1個だった。

2021年の欧州選手権は9月8日から12日までイタリアのトレンティーノで開催される。

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欧州選手権女王は世界チャンピオンのファンフレウテン

世界チャンピオンのアンヌミエク・ファンフレウテン(オランダ)が8月27日にフランスのプルエイで開催された欧州選手権エリート女子ロードで初優勝した。2位はイタリアのエリサ・ロンゴボルギーニ。

世界チャンピオンのアンヌミエク・ファンフレウテンがエリサ・ロンゴボルギーニを振り切った ©Dario Belingheri/BettiniPhoto

世界チャンピオンのアルカンシエルを着るファンフレウテンは、2016リオデジャネイロ五輪女子ロード銅メダリストのロンゴボルギーニとの真っ向勝負で勝利した。3位はポーランドのカザルツィナ・ニウィアドーマ。

オランダとイタリアは最初からレースをコントロールした。レース終盤に10選手が第1集団を形成。残り40kmからロンゴボルギーニ、ファンフレウテン、ニウィアドーマが抜け出し、もう一人のオランダ選手、シャンタル・ブラークが続いた。

2位ロンゴボルギーニと優勝のファンフレウテンがコロナ禍の祝福、ヒジタッチ ©Dario Belingheri/BettiniPhoto

残り2kmでロンゴボルギーニがアタックしたが、ファンフレウテンが独走を許さず、最後は逆転して優勝した。

ロンゴボルギーニのアタックにファンフレウテンが反応。背後はポーランドのカザルツィナ・ニウィアドーマ ©Dario Belingheri/BettiniPhoto

今季負けなしのファンフレウテンだが、欧州選手権タイトルは初の獲得。

ファンフレウテンを中央に、左が2位ロンゴボルギーニ、右が3位ニウィアドーマ ©Dario Belingheri/BettiniPhoto

男子U23レースは午前中に開催され、多くの選手がアタックを見せた。3選手が抜け出したが、最終局面で15選手が合流。最後は18人のゴールスプリントとなる様相だったが、ノルウェーのヨナス・ヒデベルクら3選手が豪雨の中で抜け出し、ヒデベルクがトップフィニッシュした。

フランスのプルエイで行われた欧州選手権 ©Dario Belingheri/BettiniPhoto
U23欧州選手権はノルウェーのヨナス・ヒデベルクが優勝  ©Dario Belingheri/BettiniPhoto

欧州選手権は28日が最終日となり、女子ジュニア、男子ジュニア、混合リレーが行われる。

優勝のヒデベルクを中央に、左が2位アントン・チャミグ(ノルウェー)、右が3位ボイテチ・レパッキング(チェコ) ©Dario Belingheri/BettiniPhoto
ヨナス・ヒデベルク  ©Dario Belingheri/BettiniPhoto

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ジャコモ・ニッツォーロが急きょ開催の欧州選手権制覇

イタリアのジャコモ・ニッツォーロが8月26日にフランスのプルエイで開催された欧州選手権エリート男子ロードで初優勝した。前年のエリア・ビビアーニに続くイタリア勢の優勝。

ジャコモ・ニッツォーロが2020欧州チャンピオンに ©Dario Belingheri/BettiniPhoto

ニッツォーロは現イタリアナショナルチャンピオンで、プロチームではNTTに所属する。大会は新型コロナウイルス感染拡大により一時は中止となったが、フランスのプルエイが代替開催地として名乗りを挙げ、各国ナショナル選手権とツール・ド・フランスの間のわずかな平日に行われた。

レースは大接戦のゴールスプリント勝負となり、ニッツォーロがフランスのアルノー・デマールとドイツのパスカル・アッカーマン抑えた。

欧州選手権エリート男子のスタート ©UEC – bettiniphoto

イタリアナショナルチームはレースを支配し、すべての攻撃を封じ込め、ゴールスプリントに持ち込んだ。

フランスのプルエイで行われた欧州選手権 ©UEC – bettiniphoto

アンドレアス・ミルティアディス(キプロス)、デュサン・ラコビッチ(セルビア)、パウェル・ベルナス(ポーランド)、エミル・ディマ(ルーマニア)の4選手が100km以上の逃げを見せた。イタリアチームが後続集団を引き上げて吸収した後は、オランダとベルギーがアタックをしかけた。

残り2kmになって2選手が抜け出そうとするが、イタリアのバッレリー二とチモライがけん引役となってニッツォーロを誘導し、写真判定の末にデマールをかわした。

ジャコモ・ニッツォーロがゴール勝負を制した ©Dario Belingheri/BettiniPhoto
フランスのプルエイで行われた欧州選手権 ©UEC – bettiniphoto
フランスのプルエイで行われた欧州選手権 ©UEC – bettiniphoto
欧州選手権優勝のジャコモ・ニッツォーロを中央に、左が2位アルノー・デマール、右が3位パスカル・アッカーマン ©Dario Belingheri/BettiniPhoto

女子U23レースは午前中に行われ、イタリアナショナルチームがレースを完全にコントロール。他国が攻撃する余地与えずにゴール勝負へ。イタリアのエリーザ・バルサーノが優勝した。

欧州選手権 ©Dario Belingheri/BettiniPhoto
イタリアのエリーザ・バルサーノが欧州選手権Y23女子で優勝 ©Dario Belingheri/BettiniPhoto

欧州選手権は8月27日、男子U23ロードレース(136.5km)と女子エリート(109.2km)が行われる。通常は最終種目として行われる男子エリートは29日にツール・ド・フランスが開幕することからこれらのレースに先がけて行われた。

欧州選手権U23女子のスタート ©Dario Belingheri/BettiniPhoto
欧州選手権U23女子優勝のエリーザ・バルサーノを中央に、左が2位ロンネケ・ウネケン(オランダ)、右が3位エンマセシル・ノースガールド(デンマーク) ©Dario Belingheri/BettiniPhoto

●欧州自転車競技連合のホームページ

欧州選手権一転開催へ…フランスのプルエーが受け入れ

ヨーロッパ自転車競技連合は7月6日、新型コロナウイルス感染拡大により2020年の開催を翌年にスライドするとしていた欧州ロード選手権をフランス・ブルターニュ地方のプルエーで8月24日から28日まで開催すると発表した。

2019 UEC欧州選手権エリート男子ロード ©Dario Belingheri/BettiniPhoto©2019

8月29日にはツール・ド・フランスが開幕するため、エリート男子タイムトライアルは競技初日の24日、同ロードは競技2日目の26日に行われる。25日はUCIワールドツアーの「ブルターニュクラシック・ウェストフランス」が同じプルエーで開催される。

2020年大会は当初、9月9日から13日までイタリアのトレンティーノで開催される予定だったが、世界全体に影響を与える困難な状況のため、ヨーロッパ自転車競技連合は5月、いったんは2021年に延期すると発表していた。

今回の変更に折り合いがつけられたのはフランス自転車競技連盟と自転車競技開催に熱心なプルエーの地元運営団体が協力要請に応じたため。またフランスにおける新型コロナウイルスは他国に比べると感染者数が減るなど見通しが明るいことなどがある。

●ヨーロッパ自転車競技連合のホームページ