1日も早く日本に戻りたい…スペインのグアルディオラ

KINAN Cycling Teamに所属するスペインのサルバドール・グアルディオラが、地元スペインでのロックダウンなど現在の同国の状況から、自身のトレーニング、日々の暮らしについて語った。「日本のすべての人々が前向きに暮らしていると信じています。すべてが正常に戻った時、必ずレースで活躍したい」と意気込む。

サルバドール・グアルディオラ

-Hola!(やあ!)久しぶり! 現在の生活拠点とロックダウン(都市封鎖)時の状況を教えてください
みなさん、こんにちは! 元気ですか!? Covid-19(新型コロナウイルス)がスペインで本格的に感染拡大した時期は、生活拠点であるマドリードにいました。ロックダウンはまず、首都のマドリードから始まり、その後段階を追ってスペイン国内の各地へと広がっていきました(※)。

※3月27日にマドリードやバルセロナといった大都市からロックダウンを開始。5月4日にマドリードや4つの島部から制限が緩和された

-最近のトレーニングは順調ですか? 屋内トレーニングがメインでしょうか?
先週から屋外でのトレーニングができるようになりましたが、まだ他の地域(マドリード圏外)へ行くことはできません。今後の計画としては、ロングライドとパワー系のインターバルからトレーニング強度を上げていくことになります。いまはレースがいつ再開するかを待っている状況ですが、それが分かり次第、高地トレーニングを取り入れるなどして調子を上げていきたいと思っています。

-ロックダウン期間中の屋内トレーニングはどのように行っていましたか?
自宅での滞在が約2カ月続きましたが、それはもう、本当に大変でした。屋外でトレーニングすることが好きなだけに、自宅でローラーを行わざるを得ない日々は困難としか言いようがありませんでした。

-1日の過ごし方に大きな変化は出ていますか?
ロックダウンが緩和されてからは、朝のうちにトレーニングへ出かけて、その後はTwitterのチェックや読書をして過ごしています。また、午後8時からの散歩も許可されているので、少しの時間ですが屋外へ出ることもできるようになりました。

-こうした状況下で、モチベーションはいかにして保っていますか?
レースを観ることや、自分自身がレースに挑むことが好きなので、とにかく次のレースが待ち遠しいです。1日でも早く、KINAN Cycling Teamの一員としてレースができればうれしいです。

-自転車に限らず、日々なにか楽しみを見つけていますか?
普段は読書やNetflixを観て過ごしていますが、最近はパエリアのようなスペイン料理を作るのも楽しみになっていますよ!

-「Stay Home」が叫ばれる中で、なにか健康を維持する効果的な方法があれば教えてください
強い気持ちを持って、連帯することではないでしょうか。私たちは気持ちを一つにして、ウイルスに立ち向かっていかなければなりません。

-レースに目を向けて、いま一度オーストラリアでのご自身のシーズン初戦について振り返ってみてください
シーズン初戦とあって、オーストラリアでのレース(ヘラルド・サン・ツアー)はとてもハードでした。先々の目標レースへつなげていきたいと思っていましたが、予期せぬ事態が私たちの生活を脅かすこととなりました。困難に直面していますが、それらはすべて過去のことであり、私たちはとにかく将来を見据えていかなければならないと思っています。

-UCI通達により7月に入ってからのレースシーズン再開に向けた動きが出てきました。レースカレンダーは未確定ですが、短期的な目標としてはどのあたりを考えていますか?
すぐにでもレースに臨みたいですが、まずはチームがどのような状況にあるのかを尊重する必要があります。  

最後にみなさんに一言お伝えさせてください。

私は1日も早く、日本へ戻ることを楽しみにしています。日本にいるチームメート全員が元気で、そして日本のすべての人々が前向きに暮らしていると信じています。すべてが正常に戻った時、必ずレースで活躍することを誓います。

聞き手:KINAN Cycling Teamメディアオフィサー 福光俊介
インタビュー実施日:2020年5月18日

●キナンのホームページ

キナンがツアー・オブ・タイランドでチーム優勝…ルバは総合3位

ツアー・オブ・タイランドは最終日となる4月6日、ローイエットからコーンケーンまでの110.7kmで第6ステージが行われ、キナンサイクリングの中島康晴が4位に入った。最終成績はトマ・ルバが個人総合3位、チーム総合で1位を確定させた。

ツアー・オブ・タイランドでキナンのルバが総合3位に ©︎KINAN Cycling Team / Satoru KATO

最終日は今大会最短距離の110.7km。前日第5ステージの229kmと比べると半分以下の距離だ。その距離の短さゆえ、レースは神経質な展開になった。リアルスタート後からのアタック合戦は逃げが容認されないまま進行。数選手が飛び出す場面はあっても、すぐに集団が吸収していく。途中2カ所設定された中間スプリントでは、ポイント賞争いとボーナスタイムによる総合順位争いが絡んだスプリントが展開される。ポイント賞2位の中島も2つめの中間スプリントに挑み、4位通過して1ポイントを加算する。

その後も集団はひとつのまま進行し、最後のスプリント勝負へ。ポイント賞リーダーのマルティン・ラス(エストニア、チーム イルミネート)が圧倒的なスプリントで優勝。中島もスプリントに挑戦したが、4位に終わった。これでツアー・オブ・タイランドの全日程が終了した。キナンの最終成績はルバが個人総合3位となり、表彰台の一角を確保。チーム総合でも1位となり出場4選手全員でポディウム登壇の栄誉にあずかった。

ツアー・オブ・タイランド第6ステージ結果(110.7km)
1 マルティン・ラス(エストニア、チーム イルミネート) 2時間23分15秒
2 秋田拓磨(シマノレーシングチーム) +0秒
3 レイモンド・クレダー(オランダ、チームUKYO)
4 中島康晴(KINAN Cycling Team)
5 リ・ジセン(中国、チンハイ チャンユードサイクリングチーム)
6 ドミニク・ペレス(フィリピン、セブンイレブン・クリック ロードバイクフィリピンズ)
67 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team)
71 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team)
76 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team)

個人総合時間
1 ベンジャミン・ディボール(オーストラリア、セントジョージコンチネンタルサイクリングチーム) 24時間1分4秒
2 アルテム・オベチキン(ロシア、トレンガヌサイクリングチーム) +16秒
3 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +18秒
4 ホルヘカミーロ・カスティブランコ(コロンビア、チーム イルミネート) +2分9秒
5 リュウ・ジャンペン(中国、ヘンシャンサイクリングチーム)
6 サラウット・シリオンナチャイ(タイ、タイランドコンチネンタルサイクリングチーム) +2分14秒
21 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) +2分20秒
27 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +2分30秒
73 中島康晴(KINAN Cycling Team) +16分49秒

ポイント賞
1 マルティン・ラス(エストニア、チーム イルミネート) 82pts
2 中島康晴(KINAN Cycling Team) 61pts

山岳賞
1 ベンジャミン・ディボール(オーストラリア、セントジョージコンチネンタルサイクリングチーム) 28pts
3 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 20pts

チーム総合
1 KINAN Cycling Team 72時間8分24秒

マルコス・ガルシア

マルコス・ガルシアのコメント
4人で出場は厳しかったけれど、いいレースができたし、いい結果になったと思う。 次はツール・ド・熊野での勝利を目指したい。日本でお世話になっている人たちのためにも、熊野で勝ちたい。

サルバドール・グアルディオラ

サルバドール・グアルディオラのコメント
チーム総合で1位、トマの個人総合3位、中島が平坦ステージで連日上位に入れた。今回は上出来だったと思うし、チームとしてもいいバランスだったと思う。次のレースはツアー・オブ・ジャパンになると思う。一度家に帰ってレースに備えるよ。

トマ・ルバ

トマ・ルバのコメント
得意でない平坦ステージが多く、なおかつチームは4人での出場で総合3位はいい結果だと思う。山岳の第3ステージの後、チーム全員がお互いに助け合い、個人総合順位を守ってチーム総合では1位を獲れた。ベストな結果だと思う。次の目標となるツアー・オブ・ジャパンに備えて、まずは家に帰ってしっかり休息をとってトレーニングするよ。

中島康晴

中島康晴のコメント
今日は序盤からアタック合戦が続いて速いペースでレースが進んだ。一度集団が2つに割れた時があって、リーダーチームが前の集団に乗せていく動きをしていたので、マルコスと自分で対応した。集団がひとつにまとまった後はサルバとマルコスに任せて、最後のスプリントに向けてトマがいい位置にポジショニングしてくれた。でも結果は4位で、あと一歩届かないところばかりでチームには申し訳ないと思っている。でもトマの総合3位を守りながらチーム総合も獲れたので、最低限の結果は残せたかなと感じている。
これだけ集団スプリントになるツアー・オブ・タイランドは初めて。個人総合と区間優勝を同時に狙うのはなかなか難しいが、すべてはチーム全員が役割をまっとうした結果。個人総合3位、ポイント賞2位、山岳賞3位と、このメンバーで全ての賞のトップ3に入れたのは上出来だとは思うけれど、どれかひとつでも1位になりたかった。
今年はまだチームに優勝がないので、次のレースでは勝てるようにしたい。5月、6月と日本での重要なレースを控えているので、キープ・ゴーイングで進んでいく。

●関連ニュース
http://pressports.com/2018/04/06/ルバ総合3位、チーム首位をキープして最終日へ/

●最新ニュースへ