JBCFがオープン参加で男子オムニアムと女子ポイントレース開催

全日本実業団自転車競技連盟(JBCF)は8月1日と2日、そして8日と9日に開催予定の「JBCFトラックシリーズ 東日本トラック・西日本トラック」でオープン参加を受け付けることになった。 

新型コロナウイルスの影響により日本各地で自転車レースの中止が続いていて、競技者にとって、出場機会の減少は深刻な問題となっている。ことトラック競技においては、より多くの競技者が大会に参加できるようにすることが競技力の向上と自転車文化の発展につながる。

また、JBCFとしては初めて、トラック大会においてオムニアムレースを開催する。オムニアムとは、ひとりの選手が同日に「スクラッチ」「テンポレース」「エリミネーション」「ポイントレース」の4種目に出場し、その合計ポイントで順位を競う種目。

それぞれ異なったレース全てにおいて好成績を残す必要があり、ダッシュ力、持久力、そして頭脳の全てが問われる過酷な種目だ。ひとつのレースが終わった後に次のレースまでいかに回復するか、集中力を維持するかも重要な要素となる。さらにはオリンピックで日本人によるメダル獲得が期待できる種目でもある。 

【オープン参加の募集】
対象大会:
2020年8月1日,2日(土,日)「第51回 JBCF 東日本トラック」 
 会場:松本市美鈴湖自転車競技場(長野県)
2020年8月8日,9日(土,日)
 会場:京都向日町競輪場(京都府)

オープン参加枠募集定員:50名(1大会・先着順)
個人種目に限り1人あたり2種目まで エントリーを受け付け。 
エントリー費:8800円(税込み)で、エントリー締め切りは「東日本トラック」が7/13(月) 12:00まで、「西日本トラック」が7/20(月)12:00まで。   

エントリー方法、 および大会の詳細については大会ホームページ参照。 
第51回 JBCF 東日本トラック
第54回 JBCF 西日本トラック

■JBCFについて
日本最高峰の18チームによって争われるロードレースシリーズ「Jプロツアー」を統括しているのが一般社団法人全日本実業団自転車競技連盟(JBCF)。海外で活躍する選手を多く輩出するとともに、年間約40戦の自転車大会を主催し、一般サイクリストもJBCFに競技者登録を行なうことで出場可能となる。 
「東日本トラック」「西日本トラック」は JBCFが年間3戦開催するトラック大会のうちの2戦。

JBCFの公式ホームページ

*大会実施にあたっては、JBCFガイドラインに沿って、新型コロナウイルスの感染拡大防止に最大限注意を払いながら運営。 
*コロナウイルス感染状況やそれに伴う情勢は日々変化するため、日程以外の大会開催に関する詳細は随時変更・更新する可能性がある。 

トラックW杯でメダル11個…東京五輪で悲願の金も視野に

日本自転車競技連盟は2020年の東京五輪でのメダル獲得を目指し、自転車トラック競技の強化事業の一貫として、伊豆ベロドロームを拠点としたトレーニング強化施設「ハイ・パフォーマンス・センター・オブ・ジャパン・サイクリング」(HPCJC)を立ち上げた。

HPCJCホームページ

主に国際自転車トラック競技支援競輪からの支援金を活用し、選手たちにとって最高のトレーニング環境を提供できるように2017年から準備を進め、 2018年から本格的に活動 を開始し、選手たちをサポートしている。

その結果、HPCJCにおけるトレーニングの効果が徐々に現れ始め、2019年2月に実施された世界選手権男子ケイリン種目で新田祐大が銀メダルを獲得した。2019年のシーズン は、男子短距離のチームスプリント競技でワールドカップ第4戦・第5戦で金メダルを連続獲得。スプリント競技においては第2戦、第3戦、第4戦で深谷知広が銀メダル1個、銅メダル2個という輝かしい成績を修めた。

また、女子中距離オムニアムでは、第3戦・第4戦で梶原悠未が連続で金メダルを獲得した。

このようにトラック競技選手全体のレベルが格段にアップしていて、ワールドカップ第6戦までにメダルを合計11個獲得という今までにない成果を挙げている。特にケイリン種目の国別ランキングでは世界ランク1位となっていて、東京五輪でのメダル獲得の可能性が高くなっている。

HPCJCでは数多くのメダリストを輩出した世界最高レベルのコーチをはじめ、選手のコンディションをケアする理学療法士やマッサー、機材を全面的にサポートするメカニック、科学的知見や分析から多角的にサポートするパフォーマンスサイエンティストなど、それぞれの分野のプロフェッショナルを国内外より伊豆ベロドロームに招へいし、オリンピックにおける メダル獲得の夢を現実のものにしようと選手の日々のトレーニングをサポートしている。

そんな活動が紹介されているHPCJCのホームページができあがった。

まずは2月26日(水)よりドイツのベルリンでトラック世界選手権が開催されるので注目してみよう。

HPCJC拠点: 伊豆ベロドローム 静岡県伊豆市大野 1826)
HPCJCホームページ

バンクリーグ概要・ルール・開催日程・参加予定チームが明らかに

2019年から本格始動するトラックを利用したサイクルレース「バンクリーグ」のプレスカンファレンス(公式記者発表)が4月10日に日本写真判定本社で行われた。イベント関係者に加え、出場予定チームから選手・監督が出席。イベントの理念・概要の説明に加え、選手・監督からきたる本番への意気込みやレース展望が話され、新たなスポーツイベントとしての可能性を発信していく場となった。

「バンクリーグ」発足を正式発表

バンクリーグの目指すところ

・ロードレースシーンの向上、チームの育成強化
・出場チームには「ホームバンク」を設定。国内各地を転戦しながら、各チームが“ホームチーム”としてライバルチームを迎え撃つレースシステムに
・バンク周囲のライティングやスクリーンを利用した華やかな演出、バイクパフォーマーによる演舞など、“魅せる”イベントに
・フードやドリンク、グッズ販売などを充実させ、ファンや開催地域の人々とがふれあうことのできる空間づくり
・観戦料やグッズ販売などの売り上げによるホームチームの収益化
・ファンにとって、競輪場での観戦やグッズ購入が「好きなチームを後押し」する第一歩に
・競輪場の有効活用、地域活性化への取り組み
・競輪とロードレース、その他競技種目、自転車競技全般の融合
・ロードレース、ならびに選手・チームのブランディング
・競輪選手のブランドイメージの改善
・競輪場施設を市民の財産と感じてもらう・競輪場をスポーツ文化の発信拠点に、さらにはチームとファンとの交流拠点にする

選手が使用するのはロードバイクだ

バンクリーグ概要

●3ポイントゲーム
チーム同士の対戦型で、各チームからの出走人数は3~4人を予定。スタートから2周をニュートラル周回とし、3周回目からポイント周回を設定。以降は隔周(3, 5, 7, 9, 11…周)をポイント周回とする。 ポイント周回では、1位通過した選手の所属チームにポイントが付与され、3点先取したチームが勝利。 最小で7周回、最大で11周回で競われるが、開催競輪場によって周長(1周あたりの距離)が異なり、レース展開や戦術に変化が生まれることが見込まれる。 なお、選手が使用するバイクはロードバイクを採用する(今後変更の可能性あり)。
●順位決定システム
2019年は「キックオフシーズン」であることから、各ラウンドごとに優勝チームを決定する。優勝決定方法については、ラウンドごとの出場チームが異なる見通しであるため、チーム数に応じてトーナメント形式・総当たり形式・リーグ形式といった対応を行っていく。 将来構想として、各ラウンドごとの優勝チーム決定に加えて、年間総合ランキングなどの順位決定システムの導入を予定。加盟チームの増加を見越したレギュレーション設定を進めていく。
●ホーム&アウェー形式(将来構想)
将来構想として、加盟チームすべてに「ホームバンク」を設定し、ホームチームが主役となるラウンドシステムの整備を進めている。 ホストとしてライバルチームを迎え撃つだけでなく、開催地ならではのおもてなしや、全国各地から集まるファンと地域の人々との交流が図られることを理想とする。 そして、観戦料やグッズ販売などの売り上げをホームチームの収益となることを目指していく。観戦者やグッズ購入者にとって、「好きなチームを後押し」する第一歩にしていただく。
ファンと開催地域の人々がふれあうことのできる、さまざまな催しを企画
●ファンと開催地域の人々とがふれあうことのできる、さまざまな催しを企画
バイクパフォーマーによる演舞や、スクリーンを用いた派手な演出などで会場を盛り上げる。また、レース中には実況や解説も充実の内容でお届け。運が良ければ、選手や監督が自ら実況席に座ってレース解説…といったシーンに遭遇することも!? その他、観客席と一体となってのプログラム企画中。これまでにない、「参加型サイクルイベント」としての盛り上げを図っていく。
●フードやドリンク、チームグッズ・バンクリーグオリジナルグッズの販売を予定
開催地の特産品を使ったフードや開催競輪場オリジナルメニュー、出場チームのオフィシャルグッズなど、心も体も満たされるラインナップに。 バンクリーグオリジナルグッズの販売も予定されており、早い段階での正式発表を目指している。
バンクリーグ参加チーム(予定・順不同)
・宇都宮ブリッツェン(栃木県)  
・那須ブラーゼン(栃木県)  
・チーム ブリヂストンサイクリング(静岡県)  
・マトリックスパワータグ(大阪府)  
・シマノレーシング(大阪府)  
・KINAN Cycling Team(和歌山県・三重県・愛知県)  
・愛三工業レーシングチーム(愛知県)  
・チームUKYO(東京都)
2019年シーズン開催日程
Round 1 8月23日(金) 開催地調整中(400mバンクを予定)
Round 2 8月30日(金) 松阪競輪場(三重県・400mバンク)
Round 3 9月23日(祝・月) 広島競輪場(広島県・400mバンク)
Round 4 10月21日(祝・月) 開催地調整中(500mバンクを予定) 
※開催地調整中のRoundについては、決定次第発表
※観戦チケットの販売についても現在調整中。

発起人 加藤康則キナンゼネラルマネージャーは

加藤康則・KINAN Cycling Team ゼネラルマネージャー

「バンクリーグの立ち上げに際し、日本競輪選手会、各競輪場関係者のみなさまにさまざまなご協力をいただきましたこと、心より感謝申し上げます。
われわれサイクルロードレース関係者は、公益財団法人JKAからの補助金があってはじめてレースを走ることができている点を改めて認識しなくてはなりません。バンクリーグの盛り上がりがサイクルロードレースのみならず、自転車競技全般へと広がり、それがサイクルスポーツ観戦の文化発展に一石を投じ、さらには競輪とロードの業界間の懸け橋となり、どちらも競技として飛躍・向上していければ、これほど幸せなことはありません。
バンクリーグ開催の実現に向けて、テストライドを含めてご協力くださったチーム関係者・選手のみなさま、何度もテストを実施した一宮競輪場の関係者・選手会のみなさま、本当にありがとうございました。この日を迎えられたことは、本当にみなさまのおかげです」

出場予定チーム監督代表挨拶 安原昌弘・マトリックスパワータグ監督

出場予定チーム監督代表として安原昌弘・マトリックスパワータグ監督がコメント

「昨年8月にトラックフェスティバルとしてリハーサルイベントが行われましたが、その数年前から発起人の加藤さんとはテストを重ねに重ね、選手たちにも協力してもらって、誰もが見て楽しめるもの、分かりやすいルールを目指してきました。いよいよ、バンクリーグとしてお見せできるところまでやってきました。選手・監督、みんなが開幕を心待ちにしています。
普段、われわれが走っているロードレースはエキサイティングで、見ていてもおもしろいスポーツだと思います。ただ、バンクリーグは野球やサッカーなどと同様に“スタジアムスポーツ”として、ひと味違った楽しみ方ができることでしょう。レースの合間の演出もきっと喜んでいただけるはずです。お酒を飲みながら、ちょっとばかり選手を野次ってみたりしながらレースを観戦してみてください。
ときどき、私も実況席でマイクを執って、選手の走りよりも熱い話をしたいと思いますので、そちらもご期待ください!」

出場予定チーム 監督ミニトークセッション
加藤発起人の進行のもと、出場予定チームの監督たちが本番に向けた意気込みやレース展望をディスカッション。その気になる中身とは…。各チーム監督のコメントを抜粋。
愛三工業レーシングチーム 西谷泰治テクニカルディレクター
「われわれのチームにはトラック出身のスピードに長ける選手が数名在籍していますが、バンクリーグに限ってはトラック競技で身につけたスキルや戦術が必ずしも反映されるとは限らないと感じています。トラックの中距離種目であれば個々の戦いとなる側面が大きいですが、バンクリーグはチーム対戦形式である点で大きな違いが生まれてくると考えています。作戦を立てるのが難しいですが、まずは昨年のトラックフェスティバルでの戦い方をベースに組み立ててみようと思います」
宇都宮ブリッツェン 清水裕輔監督
「昨年のトラックフェスティバルは宇都宮開催で、チームにとってホームであったこと、さらには宇都宮競輪場が500mバンクだったことで、ロードメインの選手たちにとってもコーナーリングや番手争いで他の周長(333mや400mなど)のバンクほど難易度が高くはなかったのかなと振り返っています。今後333mや400mのバンクで開催されるようになっていくと、トラック競技経験者がより有利になると思います。ですので、チームとしてはロードのスピードを生かしながら、バンクに合った走り方を身につけていきたいと考えています」
KINAN Cycling Team 石田哲也監督
「これまで総合系ライダーを多くそろえてきたチーム編成ですが、2019年からは平地系ライダーも多く獲得し、バンクリーグへも万全の態勢で臨むことができます。ロードをメインとしたスピード強化の過程で、バンクリーグでも上手く戦っていけたらと思っています」
シマノレーシング 野寺秀徳監督
「私たちは1973年発足の歴史と伝統を誇るチームです。これまでの歩みの中で、多くのオリンピック選手、そして多くのトラック選手を輩出してきました。最近はロードメインのチーム体制になりましたが、かつてトラック最強を誇ったOBの方々からも叱咤激励をいただきながら活動をしています。それは、多くのチームが強化を進める中にあって、シマノレーシングが存在感を見せていけるかどうかという意味でもあります。チームには高校・大学でトラックをメインに走ってきた選手が多く、彼らはいまもトラックへの意欲が強いです。昨年のトラックフェスティバルには出場しておらず、今年が初参戦となりますが、ユニークなルールの中でいかにして戦うか、まずはトラック経験者のモチベーションをベースに勝負へ挑みたいと思っています」
那須ブラーゼン 岩井航太ゼネラルマネージャー
「トラックフェスティバルでは地脚の面で他チームに劣ってしまったのですが、3ポイントゲームとなってよりスピードが試される戦いになると予想しています。うまくレースを展開して、イベント全体の盛り上がりに寄与できるよう取り組んでいきたいと思います」
チーム ブリヂストンサイクリング 六峰亘監督
「トラックの日本代表選手が多数所属していますので、彼らを軸にメンバー編成して臨みたいと考えています。必然的に優勝が期待されると思いますが、まずは選手たちが持ち味を発揮すること、さらには短期決戦の中でロード選手の奇策に注意を払いながら戦うこと、そして目標として全勝優勝を掲げて走りたいと思います」
マトリックスパワータグ 安原昌弘監督
「トラック競技を専門的に見ていけば、チーム ブリヂストンサイクリングが圧倒的に有利。ただ、KINAN Cycling Team・加藤GMと私とで何度もテストをしてきたように、われわれ2人はルールを変えられる権限を持っているわけです(場内笑い)。冗談はさておき、レースではロードバイクを使用するので、ロードメインの選手たちにも勝機はあるのではないかと感じています。はじめのうちは選手・チームともに楽しく取り組むでしょうけれど、将来的にバンクリーグメインのチームが生まれているかもしれません。それくらい選手・監督、関係者みんながバンクリーグにガチなのです。みんなの本気度も含めて、見る人たちには楽しんでほしいですね」