熱波のニーム。選手も大変だけど観客や警備員も心配なほど

ツール・ド・フランス取材者日記。この日はニームを発着とするステージでしたが、選手たちは首筋やヘルメットの中に冷却用の氷を入れるなどしてなんとか過酷なレースをしのぎきりました。この暑さの中を走るなんて人間業(わざ)ではありません。

ニームでのランチタイム

記者もカメラマンも関係者も本当に暑さとの戦い。サルドプレスは屋根の高い見本市会場ですが、こっちのそれというのは空調もなにもない倉庫のようなところです。ボクが一番入りしたときはまだ記者が少なかったので、なんとかここで仕事できるなと思ったんですが、ゴールが近くなってその数が多くなると、熱気と湿気がこもって気持ち悪くなりそうに。

近くのホテルに連泊しているという記者にお願いして、エアコンの効いた部屋に転がり込んだが、そこまでの日なたの道路を歩いて行くだけで倒れそうになりました。部屋に着いて、冷えたフロアに直接横になり、精神的に安定するまでちょっと時間がかかりました。

年齢を重ねるほど経験値が高まるためか楽しく取材できてきたと思っていたんですが、2019年はツラいです。体力は年々向上しているはずなのに、精神的に疲労困ぱい。ホテルの荷物忘れによる320kmの移動。3日間におよぶ視察団のアテンド。多少の要因はあるかも知れませんが、熱波による高温が激しい疲労感を誘発したかも。

ニームのサルドプレス。人が増えると蒸し暑くて仕事に集中できなくなった

30年前の初取材時は900人の記者の中でボクが一番の駆け出し。時を経てボクよりも年齢が高く、経験がある記者は両手ほどの数に。フランス社会は60歳の定年を迎えるとキッパリと仕事を辞める人が多いんです。さすがに60代でこの仕事は厳しすぎることもあります。

言い換えるとボクもあと4年で終わり方を考えなくちゃ。ただしアルプスに逃げ込めば快適すぎて、やめたくないなと考え直す気もするんですが…。

ニームのペルマナンス(大会本部)。移動オフィスだが観葉植物は欠かせない

暑さにやられてちょっとおつかれなので、来々軒へ。嗅覚で探しました。平日は2000円ほどで食べ放題なのがフランスの来々軒のデフォルト。

すべてのツール・ド・フランス関係者にとって過酷な日が続きます。日なたに長時間立っている警備員とか倒れないんだろうか? 翌日の高速を使った迂回路は280kmですが、ボクはモンバントゥーの南麓を通ってのんびり下道で行きますね。

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