【ツール・ド・フランス現場雑感】フランスの小さな田舎町で過ごす

カベンディッシュが落車骨折…最多勝利記録更新はできず

第110回ツール・ド・フランスは7月8日、リブルヌ〜リモージュ間の201kmで第8ステージが行われ、リドル・トレックのマッズ・ピーダスン(デンマーク)が大集団のゴール勝負を制し、2022年の1勝に続いて2度目の勝利を挙げた。

ポガチャル(左)とビンゲゴー ©A.S.O. Charly Lopez

総合成績ではユンボ・ビスマのヨナス・ビンゲゴー(デンマーク)が首位を守った。

2023ツール・ド・フランス第8ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet

大会最多勝利タイの34勝をマークしているアスタナ・カザクスタンのマーク・カベンディッシュ(英国)は途中で落車リタイア。今季限りで引退するため新記録は達成できなかった。

2023ツール・ド・フランス第8ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet

ステージ優勝は英国の世界選手権を制したピーダスン

ピーダスンはカベンディッシュの母国英国で開催された2019世界選手権の覇者。

「だれもが尊敬する選手がこんな形で終幕を迎えるとは。引退レースを一緒に走ることになったらジャージを交換したい」とねぎらいの言葉を送った。

ステージ優勝のピーダスン ©A.S.O. Charly Lopez
2023ツール・ド・フランス第8ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ)
マイヨベール(ポイント賞)ヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)ニールソン・ポーレス(米国、EFエデュケーション・イージーポスト)
□マイヨブラン(新人賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)

2023ツール・ド・フランス第8ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet

小さな町の快適ホテル…静かな家々のたたずまいと自然の香り

フランスに本格的な夏がやってきました。ツール・ド・フランスがフランスで迎える最初の週末とあって、高速道路のサービスエリアはたくさんの人が集まっています。だれもがツール・ド・フランスに興味があるわけでなく、家族との時間を思い思いに楽しんでいるという感じです。それが意外とオトナっぽくていいですね。

ホテルは別棟の新しい施設で気持ちよく過ごすことができた

この日はリモージュから北に35kmほど移動した小さな町へ。最後は幹線道路から外れ、その町だけを通る交通量の少ない道路へ。その道沿いにレストランがあって、テーブルの準備をしていた女の子に尋ねたら、ここがこの日の宿でした。

ホテルそのものは歴史があるものですが、裏に別館があり、チェーン系の最新ホテルとなっていました。レストランはおいしさで定評があるようで、テラス席は大にぎわい。店頭に掲げられたメニュー表をのぞくと、30ユーロと45ユーロのコースが目に付き、ホテルの主人に夕食はお断りして、朝食だけお願いしました。

最新のチェーン系は水回りなどもきれいで、とりわけ天井から蓮の花を逆さにしたようしてお湯が出てくるシャワーがとても気持ちいいのです。

午後10時ほどの町の中心部

夜になって町を散歩すると、石畳が美しく敷き詰められた広場は閑散としたもの。1つの窓から家族の喧騒が聞かれましたが、それ以外はとても落ち着いていました。

翌日の朝食はテラス席をすすめられたので、そこで食べていると雷雨に。汚くなったクルマがこれで洗われたかなと期待しましたが、あまり効果ありませんでした。

朝食はテラス席に限る

ツール・ド・フランスはこの日、伝説のピュイドドームへ。ホテルの主人に聞くと、ラスト4kmからは人立ち入りが禁止されているとのこと。優勝はバルデかなと言っていましたが、フランス選手は結果的にあまりよくなかったですね。

第7ステージにもどる⏪    ⏩第9ステージにすすむ

🇫🇷ツール・ド・フランス2023特集サイト

ピーダスンがジロ・デ・イタリア初勝利…レックネスン首位堅持

第106回ジロ・デ・イタリアは5月11日、ナポリを発着とする162kmで第6ステージが行われ、トレック・セガフレードのマッズ・ピーダスン(デンマーク)が初優勝。

ピーダスンがジロ・デ・イタリア第6ステージ優勝 ©Gian Mattia D’Alberto / LaPresse

総合成績ではチームDSMのアンドレアス・レックネスン(ノルウェー)が首位を守った。優勝候補のレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)は依然として28秒遅れの総合2位につける。

2023ジロ・デ・イタリア第6ステージ ©LaPresse
2023ジロ・デ・イタリア第6ステージ ©LaPresse
2023ジロ・デ・イタリア第6ステージ ©LaPresse
2023ジロ・デ・イタリア第6ステージ ©LaPresse
2023ジロ・デ・イタリア第6ステージ ©Fabio Ferrari/ LaPresse
ナポリを走る ©Fabio Ferrari/ LaPresse
アマルフィ海岸 ©Marco Alpozzi / LaPresse

●4賞ジャージ
マリアローザ(個人総合成績)アンドレアス・レックネスン(ノルウェー、チームDSM)
マリアチクラミーノ(ポイント賞)ジョナサン・ミラン(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)
マリアアッズーラ(山岳賞)ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)
□マリアビアンカ(新人賞) アンドレアス・レックネスン(ノルウェー、チームDSM)

ミランがポイント賞ジャージを堅持 ©Massimo Paolone / LaPresse

第5ステージにもどる≪≪   ≫≫第7ステージにすすむ

ピーダスンがステージ3勝目でポイント賞獲得に大きく前進【ブエルタ・ア・エスパーニャ】

第77回ブエルタ・ア・エスパーニャは9月9日、タラベラデラレイナ〜タラベラデラレイナ間の138.3kmで第19ステージが行われ、ポイント賞トップのマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)が優勝。第13、16ステージに続く今大会3勝目を挙げた。

前日に英国のエリザベス女王が死去し、英国選手が国旗を掲げて哀悼の意 ©Unipublic Sprint Cycling Agency

首位のレムコ・エベネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファビニル)は総合2位エンリク・マス(スペイン、モビスター)と同タイムでゴール。マイヨロホを守った。

2022ブエルタ・ア・エスパーニャ第19ステージ ©Unipublic Charly López
2022ブエルタ・ア・エスパーニャ第18ステージ ©Unipublic Charly López
2022ブエルタ・ア・エスパーニャ第19ステージ ©Unipublic Charly López
2022ブエルタ・ア・エスパーニャ第19ステージ ©Unipublic Charly López
2022ブエルタ・ア・エスパーニャ第19ステージ ©Unipublic Sprint Cycling Agency
ポイント賞トップのピーダスンがステージ3勝目 ©Unipublic Sprint Cycling Agency

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)レムコ・エベネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファビニル)
マイヨベルデ(ポイント賞)マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)
マイヨルナレス(山岳賞)リチャル・カラパス(エクアドル、イネオスグレナディアーズ)
□マイヨブランコ(新人賞)レムコ・エベネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファビニル)

第19ステージを終えてエベネプールが首位を堅持 ©Unipublic Charly López

第18ステージにもどる⏪ ⏩第20ステージにすすむ

🇪🇸ブエルタ・ア・エスパーニャの特集サイト
⚫ブエルタ・ア・エスパーニャの公式サイト
⚫ブエルタ・ア・エスパーニャのfacebook
⚫ブエルタ・ア・エスパーニャのtwitter
⚫ブエルタ・ア・エスパーニャのinstagram

ログリッチ落車、エベネプールがパンク…波乱のブエルタ・ア・エスパーニャ第16S

第77回ブエルタ・ア・エスパーニャは9月6日、サンルカル・デ・バラメダ〜トマレス間の189.4kmで第16ステージが行われ、2019年の世界チャンピオン、マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)が5人のゴール勝負を制し、第13ステージに続いて優勝した。大会通算2勝目。

ゴール手前75mで単独落車したログリッチがチームメートに背中を押されながらゴールを目指す ©Unipublic Charly López

史上初の大会4連覇をねらうプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ビスマ)はゴール手前でアタック。ピーダスンら4人とスプリント態勢となったところで単独落車した。ケガを負って大きく遅れてゴールしたが、ルール適用によりピーダスンと同ライムでのゴール扱い。

2022ブエルタ・ア・エスパーニャ第16ステージ ©Unipublic Charly López

一方、首位のレムコ・エベネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファビニル)は残り2.5kmでパンク。トップと8秒遅れのメイン集団と同じゴールタイムがルールによって与えられた。首位を守ったエベネプールと総合2位ログリッチとの差は1分34秒から1分26秒に縮まった。

2022ブエルタ・ア・エスパーニャ第16ステージ ©Unipublic Charly López

大会の医療速報は、ログリッチが肘、股関節、膝、肋骨の表層部に擦過傷を負ったと発表。ユンボ・ビスマチームは翌日の7日にログリッチが競技を続けるかどうかを発表する。

2022ブエルタ・ア・エスパーニャ第16ステージ ©Unipublic Charly López
ピーダスンが第16ステージで優勝 ©Unipublic Charly López

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)レムコ・エベネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファビニル)
マイヨベルデ(ポイント賞)マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)
マイヨルナレス(山岳賞)ジェイ・バイン(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)
□マイヨブランコ(新人賞)レムコ・エベネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファビニル)

ログリッチが落車。傷つきながらも自転車に乗り直してゴールを目指す ©Unipublic Charly López

第15ステージにもどる⏪ ⏩第17ステージにすすむ

🇪🇸ブエルタ・ア・エスパーニャの特集サイト
⚫ブエルタ・ア・エスパーニャの公式サイト
⚫ブエルタ・ア・エスパーニャのfacebook
⚫ブエルタ・ア・エスパーニャのtwitter
⚫ブエルタ・ア・エスパーニャのinstagram

ポイント賞トップのピーダスンがブエルタ・ア・エスパーニャ初勝利

第77回ブエルタ・ア・エスパーニャは9月2日、ロンダ〜モンリティリャ間の168.4kmで第13ステージが行われ、2019年の世界チャンピオン、マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)がゴール勝負を制して初優勝。ピーダスンは第8ステージからポイント賞でトップを走るが、さらにポイントを加算した。

ポイント賞首位のピーダスンが第13ステージ優勝 ©Unipublic Sprint Cycling Agency

前日に落車した首位のレムコ・エベネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファビニル)は、平坦区間のこの日は無難な走りをこなし、その座を守った。

2022ブエルタ・ア・エスパーニャ第13ステージ ©Unipublic Charly López
2022ブエルタ・ア・エスパーニャ第13ステージ ©Unipublic Charly López
2022ブエルタ・ア・エスパーニャ第13ステージ ©Unipublic Charly López

●4賞ジャージ
マイヨロホ(個人総合成績)レムコ・エベネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファビニル)
マイヨベルデ(ポイント賞)マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)
マイヨルナレス(山岳賞)ジェイ・バイン(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)
□マイヨブランコ(新人賞)レムコ・エベネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファビニル)

ピーダスンが第13ステージ優勝 ©Unipublic Charly López

第12ステージにもどる⏪ ⏩第14ステージにすすむ

🇪🇸ブエルタ・ア・エスパーニャの特集サイト
⚫ブエルタ・ア・エスパーニャの公式サイト
⚫ブエルタ・ア・エスパーニャのfacebook
⚫ブエルタ・ア・エスパーニャのtwitter
⚫ブエルタ・ア・エスパーニャのinstagram

【ツール・ド・フランス現場雑感】ゆる〜いバカンスと言われても仕方ない

2022ツール・ド・フランス第13ステージは7月15日、ブールドワザン〜サンテティエンヌ間の距離193kmで行われ、トレック・セガフレードのマッズ・ピーダスン(デンマーク)が3選手のゴール勝負を制して初優勝した。

2022ツール・ド・フランス第13ステージ ©A.S.O. Pauline Ballet

総合成績では、首位のヨナス・ビンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ビスマ)とタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)が同タイムでゴール。ビンゲゴーがマイヨジョーヌを守った。

前日に積極的な走りを見せたクリストファー・フルーム ©A.S.O. Charly Lopez
2022ツール・ド・フランス第13ステージ ©A.S.O. Aurélien Vialatte

●4賞ジャージ
マイヨジョーヌ(個人総合成績)ヨナス・ビンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ビスマ)
マイヨベール(ポイント賞)ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ビスマ)
マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)シモン・ゲシュケ(ドイツ、コフィディス)
□マイヨブラン(新人賞)タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEエミレーツ)

元世界チャンピオンのピーダスンが第13ステージ優勝 ©A.S.O. Charly Lopez

サンテティエンヌのサッカー場で欧州ファンが口にするビール

サンテティエンヌのプレスセンターはスタッドジョフロワギシャール。サッカー好きなら聞いたことがあると思いますが、きれいな芝生のスタジアムです。過去にもここで原稿を打った記憶が蘇りました。2023ラグビーワールドカップもグループリーグがここで行われます。日本戦はここではないんですが。

これがこの日のお宿。シャワーとトイレはレセプション棟にあるのでそこを開けるキーを渡してくれる

この日は近くに住んでいるフミ、こと別府史之さんもプレスセンターにやってきました。親友のサッカー日本代表GK川島永嗣選手(ストラスブール)を応援にスタジアムに来たことがあると言っていました。

スタッドジョフロワギシャール

サンテティエンヌのスタジアムビールが取材陣と大会関係者にふるまわれました。サッカーファンはこれを飲んで大暴れするんですね。ラグビーファンも暴れてください♪

スタッドジョフロワギシャールで。「これはお土産用。プレッション(生ビール)があるからそっちを飲んでいって」
プレスセンターの席で。ビールは後日おいしくいただきました

この日のお宿ははやりのキーワードで言えばグランピング

この日の宿は1週間ほど前まで決めていいませんでした。サンテティエンヌは大都市なので、なんとかなると思っていたので。直前にホテル予約サイトで47ユーロで見つけたのがキャンプ場のシャレ(山小屋)。

管理人から事前にチェックイン指示がしきりにメールで届いていました。本来なら訪れる前にメールをチェックして、利用方法を把握していくべきですが、毎日ホテルを転々としていると、その日の宿のことはその日の仕事が終わって、これからどこに行くんだっけ?というときまで頭の中に入ってきません。

駐車場から荷物はこれで砂利道を引っ張っていくことに

行ってみると、さすがにこれはホテルとは違うスタイルなので、事前の案内があるわけですよね。コード番号を知らないと入れない駐車場の前にクルマを止めて、荷物を持たずに徒歩でレセプションに。アンディ・シュレックに似た若い男性がボクにあてがわれたシャレに連れていってくれましたが、最後はまさかの茂みをかき分けて。

ひと目見て、ちょっと動揺しましたが、中はとても清潔で一夜としては過ごせそうだったので笑顔で「かわいい」と。

シャレの前の最後の茂み

「これはグランピングのたぐいですか」とも思いましたが、モノはいいようで単なるキャンプ場です。

こんな宿に泊まったりするから「ゆる〜いバカンス」だとか言われもないことレスされるんです。でも好きで予約するんじゃなくて、予算を考えるとここしかなかったんです。

シャレは一番小さな2人用。チェックアウト時は掃除をして原状回復をする必要がある

ちかくに小さな町があって、チェックイン後にすぐにスーパーマーケットに。閉店間際の6時59分に滑り込んだのに「ムッシュ閉店だから」と言われ、目的を達成できず。こうなると湖畔を歩いていった先のピザ屋さんしか選択肢がありません。飲酒運転はできないので、ディナーは歩いていきたいんです。

湖畔を歩いていくとピザ屋が。GoogleMapで見つけた

で、ピザ屋さんへ。他の利用者はもちろんクルマで来店します。バッグの中にある食材をシャレの中で寂しく口にする覚悟だったので、湖畔で発見したお店のピザが涙が出るほどおいしく感じました。

2022ツール・ド・フランス第13ステージに悪魔おじさん出現 ©A.S.O. Aurélien Vialatte

さて、パリへのPCR検査のことを真剣に考えるときになりました。ピレネーからパリまではトゥールーズ経由とボルドー経由がありますが、ボルドーの南部で1週間前から山火事が起こっていて、キャンプ場利用者や住民が避難を余儀なくされています。回避したほうがよさそう。今年最後の頑張りどころです。

第12ステージにもどる⏪ ⏩第14ステージにすすむ

🇫🇷ツール・ド・フランス2022特集サイト
🇫🇷ツール・ド・フランス公式サイト