世界王者エベネプールが最古のレース、リエージュ~バストーニュ~リエージュで独走

世界チャンピオンのレムコ・エベネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が4月23日にベルギーで開催されたリエージュ~バストーニュ~リエージュで独走優勝。2連覇を達成した。

リエージュ~バストーニュ~リエージュを制したエベネプールを中央に左が2位サンティアゴ・ブイトラゴ、右が3位トム・ピドコック ©A.S.O. Maxime Delobel

第109回大会は172選手がスタートし、258.1kmのコースで開催された。1892年に第1回大会が行われ、現在まで継続して行われるレースとしては世界で最も伝統がある。

サンロッシュの丘。2023リエージュ~バストーニュ~リエージュ ©A.S.O. Maxime Delobel

エベネプールは2022年に、ラ・ドワイエンヌとも呼ばれる同大会に初出場して勝利した。この日は勝負どころとして知られるコート・ドラ・ルドゥートで最初に攻撃をしかけ、優勝を争うライバルであるトム・ピドコック(英国、イネオスグレナディアーズ)を追い落として、残り30kmを単独で逃げた。

リエージュ~バストーニュ~リエージュを走る世界チャンピオンのエベネプール ©A.S.O. Maxime Delobel

世界チャンピオンのアルカンシエルを着用してこの大会に優勝したのはフェルディ・キュブラー(1952年)、エディ・メルクス(1972年)、モレノ・アルゼンチン(1987年)に続く快挙。エベネプール自身にとってもアルカンシエルを着ての最初の勝利となった。

アルカンシエルを着用するエベネプール ©A.S.O. Billy Ceusters
世界チャンピオンのエベネプールがベルギーに凱旋 ©A.S.O. Maxime Delobel

ピドコックは2位、バーレーンビクトリアスのサンティアゴ・ブイトラゴは3位で、コロンビア勢として初の表彰台を獲得した。

2023リエージュ~バストーニュ~リエージュ ©A.S.O. Maxime Delobel

UAEエミレーツのタデイ・ポガチャル(スロベニア)は84.5 kmでクラッシュし、手首を骨折してリタイア。

エベネプールがゴールまでの30kmを独走 ©A.S.O. Maxime Delobel

同日に行われた女子のリエージュ~バストーニュ~リエージュファムはSDワークスのデミ・フォレリンク(オランダ)が優勝した。

リエージュ~バストーニュ~リエージュファムで先頭を走るのは世界チャンピオンのアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター) ©A.S.O. Billy Ceusters

パリ〜ルーベやリエージュ〜バストーニュ〜リエージュなどでASOが一般レース開催

ツール・ド・フランスを主催するASOがシクロスポルティーブと呼ばれる一般参加イベントの日程を発表。2020年3月14日にパリ〜ニースチャレンジ、4月11日にパリ〜ルーベチャレンジ、同25日にリエージュ〜バストーニュ〜リエージュチャレンジが開催される。現在参加者募集中。

2019エタップ・デュ・ツール ©A.S.O. Aurélien Valatte

ステージレースのパリ〜ニースはニースにゴールする最終ステージだけの走行だが、3レースともに世界のトッププロが走るコースがスタートからゴールまでまったく同じ。プロと同じ過酷さが体験できるのでとても人気があるイベントとして定着している。

パリ〜ルーベは「北の地獄」と呼ばれるアランベールの石畳がコースとなり、有名な「アルブルの交差点」も走行する。リエージュ〜バストーニュ〜リエージュも激坂で知られるラ・ルドゥトの丘を上る。

さらに魅力的なのはアマチュア選手が走った翌日にホンモノのプロレースが開催されること。パリ〜ニースは2020年3月8日から15日の開催で、最終ステージの前日に一般レースが行われる。パリ〜ルーベは4月12日で、一般レースはその前日。リエージュ〜バストーニュ〜リエージュのみ4月18日開催なので一般レースは1週間後の開催となる。

●パリ〜ニースチャレンジの参加者募集サイト

●パリ〜ルーベチャレンジの参加者募集サイト

●リエージュ〜バストーニュ〜リエージュチャレンジの参加者募集サイト

エタップ・デュ・ツールは30年記念で初ニース

こういったASOの一般参加イベントの象徴であるエタップ・デュ・ツールは2020年で30回目の開催。1万6000人の参加者が7月5日にツール・ド・フランス第2ステージとまったく同じコースに挑む。エントリーは数時間で満員になったが、各国の公式エージェントに割り振られた出場枠が残っている。
●日本の公式エージェントは国際興業

またフランス以外でも「エタップ・バイ・ル・ツール・ド・フランス」と題した一般参加レースが開催される。2020年はフランスを含めて12カ国、タイ、中国、メキシコ、フィンランド、モロッコ、オーストラリア、米国、コロンビア、ブラジル、英国、インドネシアで行われる。

ボブ・ユンゲルスがリエージュ〜バストーニュ〜リエージュ制覇【動画】

現在開催されている自転車ロードレースの中で最古の歴史を持つワンデーレース、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュが4月22日にベルギーで開催され、25歳のルクセンブルクチャンピオンであるボブ・ユンゲルス(クイックステップフロアーズ)が残り20kmから独走を決めて初優勝した。これまでのキャリアの中で最も大きな勝利となった。

ボブ・ユンゲルスがリエージュ〜バストーニュ〜リエージュで積極果敢な走りを見せる © ASO / Karenn EDWARDS

同選手は2016年と2017年のジロ・デ・イタリアで新人賞を獲得。2017年のジロ・デ・イタリアでは序盤の5日間にわたって総合1位のマリアローザを着用。第15ステージではステージ優勝を飾るなど、期待の若手選手。2018シーズンはツール・ド・フランス出場を予定している。

2018リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ © ASO / Karenn EDWARDS

組織力の高いクイックステップフロアーズが地元レースで力を見せつけた。しかし主役はフレッシュワロンヌを制したエースのジュリアン・アラフィリプ(フランス)ではなく、ルクセンブルクのナショナルチャンピオンジャージを着用したユンゲルスだった。チームは複数の作戦を構築していて、残り20kmのラロシュ・オ・フォコンでユンゲルスをアタックさせたのもひとつのカードだった。

リエージュ〜バストーニュ〜リエージュの激坂コート・ド・サンロシュ © ASO / Karenn EDWARDS

終盤の決定的なアタックだけに他チームも追撃を仕掛けたが、それを好調のアラフィリプがことごとくマーク。ユンゲルスはゴールまで逃げ切り、自らの初優勝を飾るとともに、クイックステップフロアーズにさらなるタイトルをもたらせた。ルクセンブルク選手が伝統の同大会に優勝するのは3人目。アンディ・シュレックが同じように独走優勝した2009年以来の快挙となった。

リエージュ〜バストーニュ〜リエージュを制したボブ・ユンゲルス © ASO / Karenn EDWARDS

2018リエージュ〜バストーニュ〜リエージュの覇者ボブ・ユンゲルスを中央に左が2位マイケル・ウッズ、右が3位ロマン・バルデ © ASO / Karenn EDWARDS

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