風速30mで自転車は飛ばされる…JAFが危険性を検証

JAF(一般社団法人日本自動車連盟)は10月8日、近年発生している大型台風の強風による横転事故などの被害を受け、強風時の車の乗降中や自転車走行、歩行者への危険性について検証し、その結果をウェブサイトに公開した。

風速30mで自転車を支えることができず飛ばされた

勢力の強い台風が接近または上陸すると、強風によって車が横転したり、傘や自転車が飛ばされ歩行者に当たるなど、事故につながる恐れがある。今回の実験では、強風時の車の乗降中や自転車走行、歩行者への影響や危険性について大型送風機を使用して検証した。

運転席側の真横から風が当たった場合と後方から当たった場合の二つを想定し、大型送風機を配置し、車から降りられるか検証した。

テスト1:強風時に車から降りられるか?

風の強さ:風速20m/s、 30m/s、 40m/s
テスト車両:軽ワゴン
ドライバー:成人男性(身長177cm、 体重65kg)
運転席側のドア(後方)風速40mの強風時

<結果>
風速40mでは、真横からの風で車から降車できず、 
後方からはドアを開けた瞬間約180度近くまで開いてしまい損傷。

テスト2:強風時に自転車で走行できるか、また歩行者の影響は?

強い向かい風の中を自転車で走行、歩行者は傘を差して歩いて前進。どれほどの風の強さまで進むことができるか検証した。

強い向かい風の中を前進する実験
風の強さ:風速10m/s~60m/s
自転車乗車者および歩行者:成人男性(身長177cm、 体重65kg)

<結果>
自転車では、風速20mの地点で走行不能となった。 
歩行者は、風速20mで傘が壊れ、風速50mで前進できなかった。

車の乗降中は風の向きや強さによって勢いよくドアが開いてしまい、周辺の車や歩行者にぶつかってしまう可能性がある。また、ドアを閉める際に手をはさみ、ケガをしてしまう恐れもある。

また、自転車での走行や傘を差して出歩く際は、転倒や飛来物などによるケガ、自身の自転車や傘が飛ばされ二次被害を起こす可能性もあるので、天気予報などで風が強いことが予想される際は車の運転や外出はなるべく控えるようにしたい。

台風は広く猛烈な強風の他に、非常に激しい雨の降る恐れがあり注意が必要。危険を感じたときは運転を控え、冠水が予測される地域ではあらかじめ高台などに車を避難させるなど十分に注意する。 

JAFでは台風などの強風や豪雨時の危険性について検証し、動画をウェブサイトで公開している。 

●豪雨のとき、 前方の車や歩行者はどう見える?