東京五輪マラソン日本代表が震災犠牲者に黙とう…福島の研修会で

ワコールの一山麻緒(22)ら東京五輪マラソン代表と補欠選手が3月11日、福島県郡山市で行われた日本陸上競技連盟の研修会に出席。9年前に東日本大震災が発生した午後2時46分に黙とうをささげた。

東日本大震災の犠牲者に黙とうを捧げる。東京五輪マラソン代表の研修会で

1964年の東京五輪男子マラソンに参加した君原健二さん、寺沢徹さんが銅メダルを獲得した円谷幸吉さんの思いなどを研修会で講話。12日には円谷さんの墓参りをする予定で、墓前で「2020東京五輪マラソン代表」となったことを報告するとともに、8月に北海道札幌市で開催される東京五輪マラソンでの活躍を誓うという。

12日正午からは郡山市内で記者発表が行われ、日本陸上競技連盟の公式サイトでその模様がライブストリーミングされる。大迫傑と中村匠吾は欠席。

●日本陸上競技連盟のホームページ

大迫傑と一山麻緒が東京五輪へ…マラソン男女代表が決定

ワコールの一山麻緒(22)が、3月8日に行われたMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)ファイナルチャレンジの名古屋ウイメンズマラソンで、日本女子歴代4位となる2時間20分29秒で優勝。東京五輪マラソン代表の座をつかんだ。

ナイキの大迫傑(左)とワコールの一山麻緒

また男子は、同日に行われたびわ湖毎日マラソンで、ナイキの大迫傑(28)が持つ日本記録2時間5分29秒を上回る選手がいなかったため、MGCファイナルチャレンジの東京マラソンでこの記録を出した大迫が東京五輪代表となった。

ナイキの大迫傑が2020東京マラソンで日本新記録
ナイキの大迫傑
22歳とMGC最年少の一山麻緒。東京五輪に「挑」と掲げた
一山麻緒はMGCで果敢に飛び出すが後半に失速した

●2020東京五輪マラソン男女日本代表
中村匠吾(26=富士通)
服部勇馬(25=トヨタ自動車)
大迫傑(28=ナイキ)
前田穂南(23=天満屋)
鈴木亜由子(28=日本郵政グループ)
ー山麻緒(22=ワコール)

富士通の中村匠吾がMGCで優勝
天満屋の前田穂南がMGCで優勝
富士通の中村匠吾
MGCで服部勇馬が大迫傑を振り切って2位に
トヨタ自動車の服部勇馬

激闘のMGCがついにフィナーレ

2019年9月15日に行われたMGCで、男子優勝の中村匠吾(26=富士通)、2位の服部勇馬、女子優勝の前田穂南(23=天満屋)、2位の鈴木亜由子(28=日本郵政グループ)を含め、男女各3選手の五輪代表が確定したことになる。

東京五輪のマラソンは男子が8月9日、女子はが8月8日、どちらも北海道札幌市で午前7時にスタートする。

MGC1位の前田穂南(右)と2位の鈴木亜由子
日本郵政グループの鈴木亜由子

●MGCのホームページ

2019年9月から2020年3月まで東京五輪マラソン代表を懸けたMGCシリーズが行われた

東京五輪中止も延期もない…IOCのバッハ会長

国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は、急速に広がるコロナウイルスが2020年の東京オリンピックに影響を与えるかについて、憶測で語られることを拒否し、大会開催に向けて進むだろうと繰り返した。

IOCのバッハ会長 ©Mark Runnacles/Getty Images for ANOC

バッハ会長は3月4日の記者会見で、スイスのローザンヌで開かれたIOC理事会の2日目に「キャンセルという言葉も延期という言葉もなかった」と語った。

IOCの指導部は3日、7月24日から8月9日まで開催される予定の東京オリンピックの成功に対する「完全なコミットメント」声明を発表した。しかし同日、日本のオリンピック大臣はまた、コロナウイルスの流行のために大会は後日に延期される可能性があると主張した。

オリンピックが延期されないと確信している理由を尋ねられると、バッハ会長はこう答えた。

「私たちはスポーツ団体であり、世界保健機関(WHO)の助言に従っている」

バッハ会長は2月28日、WHOのテドロス・アダノム事務局長や他の有力当局者と会談した。一方、2月中旬に創設された共同タスクフォースは、IOC、東京2020、東京の開催都市、日本政府、WHOの職員が協力して取り組んでいる。

東京大会を延期するかどうかの決定期限に関する別の質問に答えるにあたって、バッハ会長は「私は議論の炎に燃料を加えない」と付け加えた。しかし、WHOがパンデミックを宣言した場合、IOCの考え方は変わるのか?

「私はそのような単なる憶測のいかなる方法にも参加しない」と会長は主張した。

2019年末に中国で出現したコロナウイルスは、世界中で3000人以上が死亡し、9万5000人以上が感染している。スポーツ界の日程でも大混乱を引き起こし、東京2020の予選大会にも影響を与えている。延期、キャンセル、会場の変更、選手の旅行の問題があるという。

予選大会中止で参加資格増の可能性も

「これは難しい問題だ」とバッハ会長は認めている。

「しかし私はまた、オリンピック運動と誰もがこれらの課題に対処するためにこれまでに示した大きな連帯を誇りに思っていると言わなければならない」と語る。

バッハ会長は、コロナウイルスの影響を受けた競技に対して「五輪参加資格」の追加割り当てが実施される可能性があることを明らかにした。

「選手が資格プロセスに参加できない場合は、五輪参加資格に関して国際競技団体と協議しなければならないかもしれない」と、バッハ会長。

「このような場合には国際競技団体と協議して公正な解決策を見つけたい。この公正な解決策は、最終的には参加選手数の追加である」

●国際スポーツプレス協会のホームページ

東京五輪では金メダルを…日本初の世界女王梶原悠未

梶原悠未(かじはらゆうみ=筑波大)が2月28日にドイツのベルリンで開催された2020UCI世界選手権において、女子オムニアムで金メダルを獲得した。自転車トラック競技では日本女子初。同種目では男女を合わせて日本初のメダル獲得。1987年の本田晴美、俵信之以来33年ぶりの世界タイトルとなる。

日本ナショナルチームのコーチやスタッフが快挙を祝福 ©JCF

梶原悠未のコメント
「すごくうれしいです! 東京オリンピックでも金メダルを獲れるようにもっともっとトレーニングしていきます!」

日本から同種目女子への出場は梶原のみ。梶原は翌29日に行われる東京五輪新種目、マディソンにも出場する予定。

先頭から3番目が梶原悠未 ©JCF
梶原悠未 ©JCF

オムニアムとは

4つの種目の合計ポイントにより順位が決定され、1日のうちに4種目を実施する
実施順は下記の番号通り
1) スクラッチレース
2) テンポレース
3) エリミネーション
4) ポイントレース

リオオリンピックまでは2日間開催だったが、ルール改正により4種目1日開催となった
2012年ロンドン五輪大会からオリンピック正式種目
陸上の十種競技とも形容され、ゲーム性が高く大逆転チャンスもありトラックの人気種目である

梶原悠未が世界選手権オムニアムで初優勝 ©JCF
2月29日に誕生日を迎える母に世界一のプレゼント ©JCF
エリート女子オムニアム世界チャンピオンの梶原悠未を中央に、左が2位レティジア・パテルノステル(イタリア)、右が3位ダリア・ピクリク(ポーランド) ©JCF

梶原悠未(かじはらゆうみ)      
JCF登録:茨城県 
所属:筑波大
生年月日:1997年4月10日  155cm/53kg
出身校:筑波大附属坂戸高(埼玉県)→筑波大

過去の主な成績
2019トラック世界選手権エリート女子オムニアム4位
2019トラックワールドカップ第2戦エリート女子オムニアム4位
2019トラックワールドカップ第3戦エリート女子オムニアム優勝
2019トラックワールドカップ第4戦エリート女子オムニアム優勝
2020アジア選手権エリート女子オムニアム優勝
2019トラック全日本選手権エリート女子オムニアム優勝

金メダルをかじる梶原悠未 ©JCF
梶原悠未がアルカンシエルにサイン ©JCF

●日本自転車競技連盟のTwitter(速報配信中)

東京五輪出場枠を懸けたトラック世界選手権は26日開幕

2020年トラック世界選手権大会が2月26日(水)から3月1日(日)までドイツのベルリンで開催される。東京五輪の自転車競技ではトラック種目だけが開催国枠が設定されてなく、日本勢も国際ランキングで国別出場枠を得る必要がある。最も重要な大会がこの世界選手権だ。

トラック世界選手権のチームスプリント。左から深谷知広、新田祐大、雨谷一樹 ©2019 JCF

●日本代表選手
(短距離)
脇本雄太(JPCA/ブリヂストンサイクリング)
河端朋之(JPCA)
新田祐大(JPCA/ドリームシーカー)
深谷知広(JPCA/ドリームシーカー)
雨谷一樹(JPCA)
小林優香(JPCA/ドリームシーカー)
太田りゆ(JPCA/ブリヂストンサイクリング)

(中距離)
橋本英也(ブリヂストンサイクリング)
窪木一茂(ブリヂストンサイクリング)
今村駿介(中央大/ブリヂストンサイクリング)
近谷涼(ブリヂストンサイクリング)
沢田桂太郎(日本大/ブリヂストンサイクリング)
梶原悠未(筑波大)
中村妃智(日本写真判定)
古山稀絵(日本体育大)

●日本自転車競技連盟のホームページ

トラックW杯でメダル11個…東京五輪で悲願の金も視野に

日本自転車競技連盟は2020年の東京五輪でのメダル獲得を目指し、自転車トラック競技の強化事業の一貫として、伊豆ベロドロームを拠点としたトレーニング強化施設「ハイ・パフォーマンス・センター・オブ・ジャパン・サイクリング」(HPCJC)を立ち上げた。

HPCJCホームページ

主に国際自転車トラック競技支援競輪からの支援金を活用し、選手たちにとって最高のトレーニング環境を提供できるように2017年から準備を進め、 2018年から本格的に活動 を開始し、選手たちをサポートしている。

その結果、HPCJCにおけるトレーニングの効果が徐々に現れ始め、2019年2月に実施された世界選手権男子ケイリン種目で新田祐大が銀メダルを獲得した。2019年のシーズン は、男子短距離のチームスプリント競技でワールドカップ第4戦・第5戦で金メダルを連続獲得。スプリント競技においては第2戦、第3戦、第4戦で深谷知広が銀メダル1個、銅メダル2個という輝かしい成績を修めた。

また、女子中距離オムニアムでは、第3戦・第4戦で梶原悠未が連続で金メダルを獲得した。

このようにトラック競技選手全体のレベルが格段にアップしていて、ワールドカップ第6戦までにメダルを合計11個獲得という今までにない成果を挙げている。特にケイリン種目の国別ランキングでは世界ランク1位となっていて、東京五輪でのメダル獲得の可能性が高くなっている。

HPCJCでは数多くのメダリストを輩出した世界最高レベルのコーチをはじめ、選手のコンディションをケアする理学療法士やマッサー、機材を全面的にサポートするメカニック、科学的知見や分析から多角的にサポートするパフォーマンスサイエンティストなど、それぞれの分野のプロフェッショナルを国内外より伊豆ベロドロームに招へいし、オリンピックにおける メダル獲得の夢を現実のものにしようと選手の日々のトレーニングをサポートしている。

そんな活動が紹介されているHPCJCのホームページができあがった。

まずは2月26日(水)よりドイツのベルリンでトラック世界選手権が開催されるので注目してみよう。

HPCJC拠点: 伊豆ベロドローム 静岡県伊豆市大野 1826)
HPCJCホームページ