別府史之と岡篤志が1月20日開幕のアミッサボンゴ参戦

NIPPOデルコ・ワンプロバンスの2020シーズン初戦は、1月20日から7日間にわたって開催されるアフリカ・ガボン共和国でのラ・トロピカル・アミッサボンゴ(UCIアフリカツアー2.1)となり、別府史之と岡篤志が出場する。

同大会の初開催は2006年。2008年よりUCI1クラスのステージレースとして開催されていて、アフリカでは比較的歴史のある大会。2020年はガボンの北側に位置する隣国カメルーンからの国外スタートが組み込まれた。

コースは細かな起伏はあるものの、平坦ステージが多く組み込まれていて、NIPPOデルコ・ワンプロバンスは、集団ゴールスプリントの展開を想定してミナーリやジュル、そして岡の3名のスプリンターがメンバー入り。さらに経験豊富なオールラウンダーである別府史之とナバルダウスカス、2019年に18歳にして同大会区間優勝を挙げたアフリカのギルマイというメンバーでシーズン初戦ながら“結果”を求めて戦う。

大会には、ワールドチームのコフィディス・ソルシオンクレディやプロチームのトタル・ディレクトエネルジーら強豪チームも参戦。また未知なるポテンシャルを秘めた地元アフリカ勢の活躍も期待されている。

ジュスタン・ジュル(フランス)
岡篤志(日本)
ラムナス・ナバルダウスカス(リトアニア)
リッカルド・ミナーリ(イタリア)
ビニヤム・ギルマイ(エリトリア)
別府史之(日本)
監督:水谷壮宏

水谷監督のコメント
「初めて参戦するガボンでのレースになるが、このメンバーでいつもどおりのレースができれば結果が出ると思う。プロフィールをみるとスプリンターが勝つコースだし、じっさいに去年もスプリントが多かった。まずはスプリンターのミナーリ、さらにアフリカでのレースのため、ギルマイも頑張ると思うので、その二人を軸にレースを進めたい。さらには裏をかいたような逃げ切る展開も考えている。そのような逃げに岡やナヴァルダウスカスが入ったら面白いと思う。ほかの欧州チームとうまく協力しながら、レースを優位に進めていきたい。トレーニングキャンプを通じて、メンバー一人一人の特長を把握した。いまはこのチームで一刻も早く結果を出したいという気持ち。2020シーズンの良いスタートを切れるように願っている」

La Tropicale Amissa Bongo
ラ・トロピカル・アミッサボンゴ


日時 2020年1月20日(月)〜26日(日)
開催国 ガボン共和国
レースカテゴリー UCIアフリカツアー2.1
ウェブサイト https://www.tropicaleamissabongo.com/fr
フェイスブック https://www.facebook.com/tropicaleamissabongo/
ツイッター https://twitter.com/tropicale2020

1月20日 Stage 1 – Bitam › Ebolowa (149k) ※カメルーン
1月21日 Stage 2 – Bitam › Oyem (107k) ※カメルーン
1月22日 Stage 3 – Mitzic › Ndjolé (186k)
1月23日 Stage 4 – Lambaréné › Mouila (190k)
1月24日 Stage 5 – Lambaréné › Kango (143k)
1月25日 Stage 6 – Port Gentil › Port Gentil (127.2k)
1月26日 Stage 7 – Nkok › Libreville (132.2k)

別府史之と岡篤志が新チームで2020シーズンに意気込み

NIPPOデルコ・ワンプロヴァンスが1月9日、マルセイユ近郊のシャトー・ド・ラ・ビュジーヌでチームプレゼンテーションを開催。岡篤志や別府史之が新シーズンにかける意気込みを語った。

別府史之

ホームに帰ってきた気持ち…別府史之

新規チームを除いて、最近はチームプレゼンテーションをやらない傾向にあるなか、多くのゲストを呼んでプレゼンテーションを行い、51のスポンサーを一つずつていねいに紹介していた。地域のスポンサーも多く、地域密着型のプレゼンテーションだった。会場には昔ながらの懐かしい顔ぶれがあり、また新しく入ってきたスポンサーの方もいたが、一人ひとり、マネージャーがあいさつをして迎え入れていたのが印象的だった。ジャラベールやツール・ド・プロヴァンスのディレクターを務めるマリアン・ルースもプレゼンテーションに駆けつけて華を添えた。

以前に所属した古巣に戻る形になるが、昔からの顔なじみが歓迎してくれたことが心強い。プレゼンテーションを終えて「ホームに帰ってきたな」という気持ち。リラックスできている。

初戦はガボンでのラ・トロピカル・アミッサ・ボンゴ。アフリカのレースを走るのは初めてで、とてもわくわくしている。近年、アフリカ人選手の驚異的なポテンシャルを見せているので、彼らの走りを間近に見れることもサプライズがあるのではと期待している。チームはスプリンターを3人、優秀なメンバーで迎えるシーズン初戦。いい成績を残したい。

岡篤志

最初から全開で走りたい…岡篤志

プレゼンテーションを終えて、いよいよ始まったという気持ち。2回のトレーニングキャンプですべての選手に会うことができ、非常にいいチームで活動できることを楽しみにしている。正直いまは時差ボケや移動の疲れがあるけど、日本でも年末年始にトレーナーからのメニューで、キツい練習を積んできた。シーズン最初からエンジン全開でいってほしいという期待を感じる。スペインでのトレーニングキャンプで調子を整えて、初戦のラ・トロピカル・アミッサ・ボンゴに臨みたい。

NIPPOデルコ・ワンプロヴァンス

南フランス・マルセイユに拠点を構えるフランス籍UCIプロチーム。1974年のチーム設立以後、規模を拡大し続け、2011年にUCIコンチネンタルチーム(第3ディビジョン)に昇格し、2016年からはUCIプロコンチネンタルチーム(=2020年よりUCIプロチーム、第2ディビジョン)としてグローバルに活動。アマチュアチーム時代から積極的に地元フランスだけでなく、アフリカやアジア、バルト諸国の選手も受け入れ、これまでに50名近いプロ選手を輩出した名門チーム。2020シーズンは日本の株式会社NIPPOをメインスポンサーに加え、本場の環境のもと、日本人選手やスタッフが世界をめざすミッションも担う。23名の正規選手(8月から24名)とともに、UCIワールドツアーを含めた年間250日ほどのレースに参戦する予定。

●NIPPOデルコ・ワンプロヴァンスのホームページ

NIPPOデルコ・ワンプロヴァンスがチームプレゼンテーション

NIPPOデルコ・ワンプロヴァンスが1月9日、マルセイユ近郊のシャトー・ド・ラ・ビュジーヌでチームプレゼンテーションを開催。岡篤志、中根英登、別府史之、石上優大が登壇するとともに、スポンサー各社やメディア、地元の協力者など200人を超えるゲストが集まった。

同地は地元オバーニュ出身の作家マルセル・パニョルが執筆し、多くのフランス人に愛されるル・シャトー・ド・マ・メール(母のお屋敷)の舞台と知られている場所で、現在はシネマミュージアムに改装されている。パニョルのもう一つの代表作「マリウス」に登場するキャラクターが着用するシャツのマリンストライプ柄がチームジャージに取り入れられたという縁があり、その施設内の映画館がプレゼンテーションの会場に選ばれた。

主要スポンサーや南仏地域でのレース、監督陣の紹介に続いて、ラ・トロピカル・アミッサ・ボンゴ、GPマルセイエーズ、ツアー・オブ・サウジアラビアとオマーン、シーズン序盤に参戦するレースごと、3つにグループ分けされた24選手が紹介された。日本人選手4名もそれぞれのグループで紹介され、チーム最年長となる別府や、南仏地域のアマチュアチームからプロ入りした石上はステージ上でインタビューに応え、それぞれ今シーズンの抱負を語った。

特別ゲストとして、チームの機材スポンサーである「LOOK」からアンバサダーのローラン・ジャラベール(フランス)、NIPPOの招待によりダミアーノ・クネゴ(イタリア)の2人のグランツール覇者が出席。また日本人ゲストとしては、在マルセイユ日本領事館の池田首席領事、NIPPOの岩田裕美会長が出席。またプレゼンテーションに先駆けて、ゲストを交えてのファンライドを実施。ジャラベール、クネゴ、岩田会長らがチームが拠点とするオバーニュ近郊で選手たちとサイクリングを楽しんだ。

中根英登
サイクリングを前に記念撮影。ゼネラルマネージャーのフレデリック・ロスタン(左から2番目)、NIPPO岩田裕美会長(左から3番目)、ダミアーノ・クネゴ(右から3番目)、ローラン・ジャラベール(右から2番目)

チームはプレゼンテーションを終えて、スペイン北部のリュレッド・ダ・マールに移動。非常にいいトレーニング環境のもと、10日間ほどの第二次トレーニングキャンプを実施し、1月20日のラ・トロピカル・アミッサ・ボンゴから2020シーズンをスタートさせる。ワイルドカードを獲得した3月8日〜15日のパリ〜ニース(UCIワールドツアー)をはじめ、シーズン序盤から重要なレースが続くため、より集中してそれぞれの選手がコンディションを高めていきたいという。

左から岡篤志、中根英登、NIPPO岩田裕美会長、在マルセイユ日本領事館 池田首席領事、別府史之、石上優大

●NIPPOデルコ・ワンプロヴァンスのホームページ

NIPPOデルコ・ワンプロヴァンス始動…日本選手も所属

NIPPOをメインスポンサーに加えた2020シーズンのUCIプロチーム(旧UCIプロコンチネンタルチーム)、NIPPOデルコ・ワンプロヴァンスの体制が12月19日に発表された。2019シーズンのチーム名称はデルコ・マルセイユプロヴァンス。

ゼネラルマネージャーのフレデリック・ロスタンのもと、2020シーズンは10カ国、23選手が所属する多国籍チームとなる。日本人選手はすでに発表されているとおり、別府史之、中根英登、岡篤志、石上優大の4名が所属する。またアシスタントマネージャー兼監督として大門宏、監督として水谷壮宏、その他日本人スタッフも加入する。

チームは12月10日から、チーム拠点の南仏マルセイユにて第一次トレーニングキャンプを実施中。来季の所属選手やスタッフが顔を揃え、バイクフィッティング、写真・ビデオ撮影、監督とのミーティングなどのミッションをこなし、1月末のシーズンインに向けて準備を進めている。1月9日には正式なチームのお披露目となるチームプレゼンテーションをマルセイユで開催し、続けて第二次トレーニングキャンプをスペインで実施する予定。

チームジャージはフランス最大の港湾都市であるマルセイユのイメージで、またチームが拠点をおくオバーニュ(Aubagne)出身のマルセル・パニョルが執筆、映画製作した「マリウス」に登場するキャラクターが着用する紺色のマリンボーダーを全面に使用した新しいデザインを採用し、チームイメージを一新。

チームバイクはLOOK「795ブレードRS」をメインに「785ヒュエズRS」「785ヒュエズRSディスク」も使用。日本のKABUTO(ヘルメット)、R×L(レーシンッグソックス)、BTB輪行箱(バイク運搬用ケース)、アスレチカ(高機能ステッカー)もパートナーとしてチームを支える。

大門宏マネージャーのコメント

NIPPOにとって自転車競技を支援して9度目(1988年ソウル五輪〜2020年東京五輪)のオリンピックイヤーを迎える。僕自身が選手、監督として関わったのは1992年バルセロナ五輪の前年度からだが、チームの拠点をフランスに置くのはクレルモンフェランでシーズンを過ごした1999年以来、じつに20年振り。

今年まで7年間に渡り、スポンサーパートナーだったヴィーニファンティーニ(ファルネーゼヴィーニ社)とファイザネ社もプロチームのスポンサードを継続することは、スポンサー離れに歯止めが効かないイタリアの自転車競技界にとってはとても喜ばしいニュースであったと思う。これまでお世話になったスポンサーの活動も見守っていきたい。

スタッフを含めた来季の最終的なチームメンバーは今回のトレーニングキャンプで全容を知ることができた。地元のデルコ社はじめ、プロヴァンス=アルプ=コートダジュール地域の自治体も強力にバックアップするチームだけに、選手、スタッフ共に地元プロヴァンス(南フランス)の出身者が多いのも特徴だ。これまでと比べても選手だけで総勢23名の大世帯だが、日本人メンバー含めてベテランから若手まで多国籍を感じないほどバランスの取れたメンバー構成に満足している。

来季のチーム登録申請が終わった10月にフミ(別府史之)から、突然電話で相談された時はさすがに驚いたが、改めて彼のチャレンジ&アドベンチャースピリットに敬意を表したい。彼の持つ膨大な経験は、日本のロードレース界にとっても永遠に語り継がれるであろう「一生の財産」だが、チーム全体で積極的に共有していきたい。まだまだ若々しいので、新天地での完全燃焼、熱い走りを楽しみにしている。

岡はここ数年、国内をメインに活動していた選手だが、タイムトライアルのクオリティを含め、日本を代表するライダーとしても相応しい並外れたポテンシャルの持ち主。国内から海外へ環境のギャップに順応する努力も大切だが、まずは初戦から実力を発揮することも大事。シーズン初っ端から自ら成績を挙げたり、アシストとして存在感を示すことによって得られる自信が彼にとってシーズン全体を占う意味でも重要な鍵を握っていると思っている。

アンダー23を卒業し、プロ生活一年目を迎える石上にとっては、色々な意味でレベルも格段にアップした世界中の過酷なレースに身を投じていくシーズンになる。ひたすら耐える日々が続くことも、真正面から挑む覚悟ができてることはじつに頼もしいが、昨年まで過ごしてきたプロヴァンスでの生活環境を崩さず続行できることと、このチームのフランス国内のレーススケジュールが豊富なことも彼にとってプラス要因に違いない。

UCIプロチーム(プロコンチネンタルチーム)4シーズン目に挑む中根は、色々な意味でこのカテゴリーで戦う厳しさと怖さを散々体験した選手。彼は今年のジャパンカップでも激アツな走りを披露したが、ハイレベルでの起伏の激しい山岳コースでは間違いなく日本を代表する1人。別府同様、日本人所属メンバーの中では、未知の世界に飛び込む気負いも感じられず、落ち着いているのでまずは2月3月に参戦予定のプロシリーズに向けて準備させたいと思っている。

チーム名にも名前を連ねる「One Provence」とは、今年マルセイユ市で誕生した南フランス全体の市町村を束ねた経済産業、観光のブランド戦略のスローガン。ブランドイメージの普及活動を通し「世界のトップ20都市」の仲間入りを目標に掲げている。世界中のレースを舞台とした我々の活動が、日本人選手の成長やロードレースの普及だけでなく、グローバル化を目指す南フランス地域全体の活性化に貢献できることを願っている。

NIPPOデルコ・ワンプロヴァンス所属選手

ピエール・バルビエ(BARBIER Pierre)**    フランス    1997年9月25日
別府 史之(BEPPU Fumiyuki)*    日本    1983年4月10日
ロマン・コンボー(COMBAUD Romain)    フランス    1991年4月1日
ルカ・ドゥロシ(DE ROSSI Lucas)    フランス    1995年8月16日
ホセマヌエル・ディアス(DIAZ José Manuel)*    スペイン    1995年1月18日
ジュリアン・エルファレス(EL FARES Julien)    フランス    1985年6月1日
アレッサンドロ・フェデーリ(FEDELI  Alessandro)    イタリア    1996年3月2日
デリオ・フェルナンデス(FERNANDEZ  Delio)    スペイン    1986年2月17日
マウロ・フィネット(FINETTO  Mauro)    イタリア    1985年5月10日
ビニヤム・ギルマイ(GIRMAY Biniyam)**    エリトリア    2000年4月2日
ジョゼ・ゴンサルヴェス(GONÇALVES  José)*    ポルトガル    1989年2月13日
エドゥアルド・グロス(GROSU Eduard)    ルーマニア    1992年9月4日
ムルー・ハイルミカエル(HAILEMICHAEL  Mulu)**エチオピア    1999年1月12日
石上 優大(ISHIGAMI  Masahiro)**    日本    1997年10月20日
ジュル・ジュスタン(JUSTIN Jules)*    フランス    1986年9月20日
リッカルド・ミナーリ(MINALI Riccardo)* イタリア 1995年4月19日
中根 英登(NAKANE Hideto)*    日本    1990年5月2日
ラムナス・ナヴァルダウスカス(NAVARDAUSKAS Ramunas)    リトアニア    1988年1月30日
岡 篤志(OKA Atsushi)**    日本    1995年9月3日
ドゥシャン・ラヨビッチ(RAJOVIC Dusan)**    セルビア    1997年11月19日
レミ・ロシャス(ROCHAS Rémy)    フランス    1996年5月18日
エヴァルダス・シシュケヴィチュス(SISKEVICIUS Evaldas)    リトアニア    1988年12月30日
ジュリアン・トラリウー(TRARIEUX Julien)    フランス    1992年8月19日
※8月から正規所属 / サイモン・カー(CARR Simon)** イギリス 1998年8月29日
*新規加入  **新規ネオプロ(プロ1年目)契約