花田聖誠が三菱地所JCLプロロードレースツアー出場へ

KINAN Cycling Teamに新加入した花田聖誠が、国内プロロードレースチームによる新リーグ「三菱地所JCLプロロードレースツアー」として3月27・28日に栃木県で行われる2連戦に出場する。チーム最年少の22歳。ジュニア時代からアジアやヨーロッパで経験を積み、シーズンインに向け調整スピードも上がっている同選手が意気込みを語った。

花田聖誠 ©Syunsuke FUKUMITSU

花田 聖誠(はなだ きよまさ)/Kiyomasa HANADA
1998年7月31日生 神奈川県出身
●主な戦績
2016年 アジア選手権ロードレース ジュニア 3位
2019年 全日本選手権ロードレース アンダー23 4位
2019年 ジャパンカップ オープンレース 優勝

-KINAN Cycling Teamの一員になって、加入前と加入後とで印象の変化はありますか?
入団する前から、選手間の適度な距離感やレースでの組み立てなどの巧さは強く感じていました。競技を楽しんでいる印象がありましたが、実際にチームに入ってみてそれが確信に変わりましたし、競技内外でみんなに頼ることができるあたりも心強いです。アドバイスしてもらうことも多くて、日々勉強をしています。

-アドバイスしてもらったことの中で、最も印象に残っているものを教えていただけますか
ジュニアやアンダー23の頃も経験したのですが、張り切りすぎるあまりコンディションのコントロールができていないところを指摘してもらったことですね。モチベーションが高まっていく中で、ついつい負荷をかけすぎていたところがありました。

トレーニングストレススコア(トレーニングにより身体にかかった負荷量を数値化したもの)とトレーニングストレスバランス(疲労の溜まり具合を数値化したもの)という指標があるのですが、パワーメーターを使いながらのトレーニングでそれらを確認していく必要性を教えてもらったりもしました。その時期にあった効率的なトレーニング方法を知る良いきっかけになっています。

花田聖誠 ©Syunsuke FUKUMITSU

-改めて、KINAN Cycling Teamをプロデビューの場に選んだきっかけや思いを教えてください
一緒にレースを走っていて、勝つための動きをしっかりしているのがKINAN Cycling Teamだと感じていました。昨年のJプロツアーでは3勝しましたが、そのいずれもがレースの組み立てを行ったうえで、きっちりと勝っている。そうなると自然と他チームのマークも厳しくなりますが、自分としてはそうした環境下で走ってみたいという思いが強くなっていきました。

国内で一番強いチームはKINAN Cycling Teamだと今も思っていますし、その強さを目の当たりにしているので、プロになるならこのチームでと考えていました。

-そんな「日本で一番強いチーム」に入ることが決まった時の気持ちを振り返ってみてください
契約書にサインした時は、正直緊張と不安でいっぱいでした。自分が「一番強い」と思っているチームに入ることで、うれしさと同時に、本当にチームに貢献できるのかという不安も生まれました。なので、すぐに気持ちを切り替えてトレーニングに集中することを心掛けました。チームに認めてもらえる選手になれるよう取り組んできたつもりです。

-チームを応援してくださる方々に向けて、ご自身の脚質やレーサーとしてのタイプを説明いただけますか
粘り強さとパンチ力が武器だと思っています。一発のアタックで集団から抜け出す力と小集団のスプリントにも自信があります。山岳よりは、丘のような短い距離の上りが含まれたコースの方が力を発揮できると思います。短い上りでアタックして勝負を決める。これまで勝ったレースはすべてそんな特徴のあるコースでした。

-この先、どんなレースで結果を残していきたいですか?
チームの勝利が最優先ではありますが、チャンスがあれば自分でも勝ちを狙っていきたいです。今年からツアー・オブ・ジャパンには相模原のステージが加わりますが、地元からも近いですし、中学時代からトレーニングで走ってきたコースでもあるので、いつかはこのステージで勝ちたいですね。あとは、ツール・ド・熊野の山岳ステージも目標にしたいです。

チームには元日本チャンピオンが2人(山本元喜、畑中勇介)いて、(新城)雄大さんもエリート1年目で全日本3位に入っているので、自分はそれ以上の結果を出せるようになりたいです。

花田聖誠

-これから長くなるであろうプロ選手としてのキャリア。どんなライダーでありたいか野望をお聞かせください
将来的にはヨーロッパのチームで走りたいので、KINAN Cycling Teamでの活動からステップアップできれば良いなと思っています。国内のチームから世界へと上り詰めた中根英登さん(EFエデュケーションNIPPO)のように、トップチームで必要とされる選手になりたいです。

-プロ選手として、ファンとの交流やメディア出演なども少しずつ経験していますね。実際に取り組んでみてどんな感想を抱きましたか?
チームや自分自身を知ってもらうために、メディア出演は積極的に臨んでいきたいと考えています。これからはブログやSNSの投稿も増やしていって、スポンサー・サプライヤー企業の方々やファンのみなさんに喜んでもらえるようになりたいです。そのためには、実力をアップさせて発信力を高めていかねばならないと思っています。

-さあ、いよいよ「三菱地所 JCLプロロードレースツアー」が幕を開けます。オープニングは栃木県での2連戦。出走メンバー入りが決まりましたが、本番ではどんなレースをしたいですか?
チームの戦力として機能することが最重要だと思っています。チームが勝利を収めるためには、自分がミスをするわけにはいかない。そのくらいの気持ちをもって臨みます。

聞き手:KINAN Cycling Teamメディアオフィサー 福光俊介
インタビュー実施日:2021年3月15日

●キナンサイクリングのホームページ

畑中勇介と花田聖誠がキナンサイクリングに移籍へ

畑中勇介がチームUKYOからKINAN Cycling Teamに移籍する。22歳の花田聖誠も加わり、2021シーズンは12選手で戦っていく。チームとしてシーズン当初からの新加入選手は2年ぶりとなる。

チームUKYOから加わる畑中。これまでのキャリアではヨーロッパ、アジア、そして日本と、あらゆるシーンで実績を積んできた。大人数でのスプリントもよし、起伏に富んだタフなレイアウトもよし、コースや展開に合わせたスマートな走りで数々の勝利を挙げてきた。なんといっても、2017年の全日本選手権ロードレースでの優勝はここまでのキャリアのハイライト。アジア最高峰のワンデーレース、ジャパンカップ サイクルロードレースでは2010年に3位、翌2011年にも5位と、世界のトップライダーとも対等に渡り合ってきた日本人ライダー有数の経験を、若手からベテランまでそろうチームへと落とし込んでいく。

「KINAN Cycling Teamの一員としてジャパンサイクルリーグやUCI国際レースで新たな挑戦ができることを今とても楽しみにしています」と畑中。
「今までの経験を生かしつつ、勢いのあるこのチームのメンバーとともに一丸となって勝利を目指したいと思います。応援よろしくお願いいたします」

畑中勇介 ©Satoru KATO

来季はネオプロ(プロ1年目)の選手も採用する。22歳の花田は、ジュニア時代から各年代の国内トップを走ってきた若き力。ジュニア時代には、2016年1月に東京・大島で開催されたアジア選手権ロードレースで銅メダルを獲得。アンダー23カテゴリー昇格後の2019年には、若手の登竜門となっているジャパンカップ オープンレースで優勝を飾るなど、着実な成長曲線を描いてきた。今季までは若手育成チーム「チームユーラシア・IRC Tire」の一員としてベルギーを拠点に活動。ジュニア時代から得意としてきた上りとスピードを生かした走りは、KINAN Cycling Team加入を機により磨きをかけていくことになる。

「KINAN Cycling Teamへの加入が決まり、大変うれしく思います」と花田。
「ここからが新たなスタートになるので、現状に満足せず日々強くなることを意識し、チームの勝利に貢献できるよう最善を尽くします。応援よろしくお願いします」

花田聖誠 ©KINAN Cycling Team/Syunsuke FUKUMITSU

2020年シーズンからの継続は10選手

新加入選手を加えた全12選手の内訳は、日本人ライダー9人、スペイン人ライダー2人、フランス人ライダー1人で、平均年齢は29歳。前述の通り、若手有望株から実績十分のベテランまでがそろい、これまでの経験をビッグレースへの結果に結び付けていく。

山本元喜 ©KINAN Cycling Team/Syunsuke FUKUMITSU

また、より多彩なメンバーでのチーム編成が進んでいることもあり、引き続き選手の専門種目や特性に応じてロード、トラックの2部門によるパート分けも継続。チームとしてはロードレースに重きを置きつつ、トラック競技・中距離種目を専門とする荒井佑太、同・短距離種目を専門とする田中克尚と福田真平へのサポートも惜しまず取り組んでいく。

田中克尚 ©KINAN Cycling Team/Syunsuke FUKUMITSU

2020年シーズンは、新型コロナウイルス感染拡大による未曽有の状況により、レース活動が大幅に制限されたにもかかわらず、チームはロード・トラック合わせて4勝を挙げた。2021シーズンも感染拡大状況や、それにともなう国内外の情勢に則しながら、可能な範囲で日本、そして本来の主戦場であるアジアでのレースへ臨む。

具体的には、メインスポンサー「キナン」のお膝元である熊野地域を舞台に開催されるツール・ド・熊野(UCIアジアツアー2.2)での個人総合優勝者の輩出を最大目標としていく。ここまで幾度となく“熊野征服”に挑んできたが、いまだそれが実現に至らず。「2021年こそは!」との思いで、長年の悲願に挑戦する。

マルコス・ガルシア ©KINAN Cycling Team/Syunsuke FUKUMITSU

2021年シーズンに発足することが発表された新リーグ「ジャパンサイクルリーグ(JCL)」への参戦が決まり、チームとしても勝利を目指すとともに、リーグ、そして自転車界全体の発展につながるよう尽力していきたいという。並行して、国際レース出場を通じた選手の強化、国内ロードレースチームによるトラックレース対抗戦「バンクリーグ」への参戦、イベント開催・参加を通じた熊野地域や自転車界への貢献、自転車安全教室の実施、ホストレースである「KINAN AACA CUP」の開催など、多岐にわたって活動をしていく。

サルバドール・グアルディオラ ©KINAN Cycling Team/Syunsuke FUKUMITSU
福田真平 ©KINAN Cycling Team/Syunsuke FUKUMITSU
新城雄大 ©KINAN Cycling Team/Syunsuke FUKUMITSU
荒井佑太 ©KINAN Cycling Team/Syunsuke FUKUMITSU
トマ・ルバ ©KINAN Cycling Team/Syunsuke FUKUMITSU
中島康晴 ©KINAN Cycling Team/Syunsuke FUKUMITSU
山本大喜 ©KINAN Cycling Team/Syunsuke FUKUMITSU

●キナンサイクリングのホームページ