ツール・ド・フランスの全日程を現地で観戦するといくらかかる?

23日間で開催されるツール・ド・フランスを個人的に追いかけたら、いったいいくらかかるのか? よく質問されるのでこれまでの経験をもとに試算してみよう。ホテルのグレードや諸条件によって費用は大きく変わるが、今回は少なくとも安全性とある程度の快適さが担保されるレベルのエコノミーな旅を想定した。

ツール・ド・フランスにツールマレー峠ははずせない © ASO

主な費用は航空券代金、現地の移動手段、宿泊、食事、情報入手やSNSなどで現地報告するための通信費。対ユーロの為替相場は日本人にとってかなり割高感があるが、1ユーロ=135円と想定した。

まずは日本とフランスの往復航空券。悲しいことにツール・ド・フランスが開幕する7月上旬は繁忙期のため航空券代金は高め。燃油サーチャージと空港使用税を含めてエコノミーで18万円近くする。2019年に観戦するなら開幕地はベルギーのブリュッセルとなるので、オランダのアムステルダムかパリに飛んでさらにワンフライト。

最も重要な問題が、現地ではどう移動するか? ツール・ド・フランスはクルマ社会で主な観戦ポイントにアクセスするにはレンタカーがないと難しい。ただしクルマがあったところで、コースに合流する道路はかなり手前から交通規制されるので、徒歩でコースまでたどり着く必要がある。

迂回路がほとんどないアルプスやピレネーの山岳ステージでは、前日あるいは2日ほど前から峠に向かうルートが封鎖されるので、駐車した場所からコースまで数kmを歩くか、封鎖される前に峠に上っておくかという選択を迫られる。ヨーロッパカーなどのレンタカー会社でコンパクトクラスを全日程で借りて15万円。ガソリン8万円、高速道路使用料2万円。

外国人の免税で購入したルノー。帰国時に売却し、その差額はレンタカーと同じくらい

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けさのゆでたまごは我ながら完ぺき。2泊目なのでゆでたまごマシンの性能が把握できている

クルマではなくて鉄道を利用して追いかけることも可能だが、駅からコースに歩いていけるとは限らない。スタートはその町の中心街に設定されることが多いが、ゴールは広大な敷地を備えた郊外の見本市会場や複合スポーツ施設の周辺に設定される。フランス国内の鉄道を使うときは、1カ月の有効期間内に3〜9日がフレキシブルに使えるフランスレイルパスがオトク。料金は9日間使用のもので1等6万円ほど。

宿泊ホテルは大手のネット予約サイトで結構ピンポイントで取れる時代になった。ツール・ド・フランスはアコーやルーブルといったホテルグループを利用することが多いので、選手と同宿できる可能性もある。アコーならノボテル、メルキュール、イビス、F1といったホテルブランド、ルーブルならキリヤード、カンパニールやプルミエクラスだ。部屋代は1万円ほどで、2人で泊まれば折半できる。

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アペリティフでトラピストビール、ハウスワインをメインと一緒に楽しむつもりで、デザートもついて、お会計は30ユーロ

これらのホテルはたいてい駐車場を備えた郊外型なのでクルマがないと利用しにくい。鉄道利用者なら駅近くの個人経営ホテルが便利で、ツール・ド・フランスがやって来る日でも飛び込みで泊まれることもあるので意外と穴場だ。

総額を大きく左右するのが食事。ホテルで朝食を取れば1000円。スタンドカフェでサンドイッチのランチをすれば1500円。庶民的な食堂でムニュと呼ばれる定食でイッパイやれば5000円。ツール・ド・フランスがゴールする町は観光客が殺到するので、大忙しのレストランは「ツール・ド・フランスムニュ」という定食しか出さないところもあるが、経験上これが全然おいしくない。

マクドナルドはフランスで頼もしい味方。タッチパネルで日本語が選べて、カードを差し込んでお会計をしているうちに注文したものができあがっています。結局フランス語で番号をコールされるんですが、なんとかなりますよね。99番なら4かける20たす10たす9です

スーパーで買い出しをすれば出費を抑えられるが、長丁場なので栄養バランスが崩れて体調不良になったりすると思わぬ出費も。スマホでSNSに現地報告をするのは楽しいが、海外パケット通信料は相当高いので、現地の無料Wi-Fi接続などを賢く利用したい。

で、結局いくらかかるかというと単身旅行で100万円。2人だとレンタカーやホテルの部屋代が半額になるので70万円ほど。いずれにしてもいまからお金を貯めないと。

現地観戦してみようという人のために、2018ツール・ド・フランス取材時の観戦ノウハウを紹介した「記者日記」を🇫🇷2018ツール・ド・フランス特集ページに掲載しているのでぜひご覧ください。

🇫🇷ツール・ド・フランスを旅するテクを教えます…取材者日記スタート

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