12年で12kg減…体脂肪を落とすためにやった10項目

体重を12年で12kg落とすことができました。長い時間がかかりましたが、だれでもできることを地道に継続したたまもので、それほどツラいこともありませんでした。「どうしてフィットネスに成功したの?」とよく質問されますが、それはもういろいろなことを試行錯誤。

もともと自転車専門誌の出身なので、過去に「効率的にフィットネスするならサイクリングが一番いい」などと、専門知識が豊富な医師やコンディショニングトレーナー、プロ選手などの話をまとめて紹介してきました。ところが、いざ自分でサイクリングしてみても、正直に告白するとなかなかフィットネスできないんですね。

劇的に体重を落とすにはある基準以上の強度を、数時間キープして、それを継続的に行う必要がある。じつはこれ、一般レベルの人にはかなり難題です。だからサイクリングだけでフィットネスするのは相当の試練に耐えられる強い意志が必要です。プロレーサーよりボクたちは当然レベルが低いからです。

そこで発想を変えてみました。トレーニングレベルが低いのは想定内として、いくつかのトレーニングを組み合わせてみることで相乗効果が発揮されるのではないか。しょせん一般の人なので1つひとつはかなりレベルが低いんですが、それはそれでいいのではと思います。まずは気持ちよく身体を動かす習慣ができて、無理なく継続することのほうがポイントだからです。

結論から言うと完ぺきでなくていいから全部やる

ひとつのトレーニング理論に執着してそれを完遂するのはなかり修行なので、一般レベルでは「テキトー」にいろいろなことをやるのが正解です。体幹の筋肉をウエイトトレーニングによってテキトーに強化していくこと。有酸素運動を長時間にわたって実行できるサイクリングをテキトーにやる。短時間でも負荷が高いランをテキトーに。食事制限もホントにテキトーに。これが正解です。

パーソナルトレーナーを導入したのは人生においても画期的でした。やはりそれがきっかけで自分の身体のコントロールができるようになったと思います
ガーミンデバイスを導入すると、ボタンを押すだけで体重変化がグラフ化。毎年7月のツール・ド・フランス取材時はクルマを運転しているだけで疲れちゃうので、運動不足で体重増に

体脂肪を落とすためのポイント1
夕食のごはんは子どものお茶碗

自宅での夕食時、炊いたごはんをよそるのは子供用のお茶碗です。ほんの2口ほど炭水化物を少なくしただけでかなりの効果があります。でも炭水化物は日々のエネルギー源なので朝ごはんやお昼は減らす必要がありません。

ラーメンを食べないことでストレスになるくらいなら食べてもいい。ただしランチとして。とにかくその日の運動量がダウンする夜間は炭水化物は抑えめです。

体脂肪を落とすためのポイント2
こまめにレコーディング

12 年前は1日に何度も体重を測定し、その最大・最小値をエクセルに入力。手作業でしたが自分の身体を知るという意味で効果を発揮しました

とりあえず、こまめに体重変化を記録。エクセルなら折れ線グラフ化してその推移を確認。体重変化を自覚することでその原因をリサーチする気持ちが芽生えます。それが一番大切なことで、それ以上のものはありません。

体脂肪を落とすためのポイント3
心拍計付きGPSデバイスを買う

アクティビティによってその運動に必要な表示項目が出現。登山なら獲得標高などがわかる

最新機材を導入する。万歩計でも可。最も効果を発揮するのは心拍計付きのGPSデバイス。日々の運動量を把握することで、身体を動かすことが日課となり、モチベーションを高いレベルで維持してくれます。

GPSデバイスはさまざまなモデルをインプレッションしているので、予算に応じて自分にとってピッタリのものを探してみましょう。
【関連コラム】体脂肪を落としたいなら予算1万円台でまずこの心拍デバイスを買う

体脂肪を落とすためのポイント4
ビールはアウト、でもワインはセーフ

ビールは飲み会以外はやめました。でもワインはOK。ビールの炭酸により胃が刺激されると食事量が多くなってしまうので。個人差があるので、このあたりは健康診断の数値結果などから専門家のアドバイスを受けたほうがいいですが、アルコールはストレス低減効果もあるので人類にとっては欠かせないもの。ただしほどほどに。

体脂肪を落とすためのポイント5
サイクリングは全体の1メソッド

サイクリングは効率的にフィットネスできる有酸素運動と言いますが、かなり走っている人でも「なかなか脂肪が落ちない」と証言しています。ランは着地ごとに身体に衝撃が伝わるんですが、自転車はペダルを回すだけなので衝撃はほとんどなく、体重もハンドル、サドル、ペダルに分散されるので身体に優しいスポーツなんです。それがアダとなり、かなり高負荷トレーニングしないとフィットネスできません。ランなどのその他の有酸素運動、筋トレにより基礎代謝を高めるなどの合わせ技で、初めてサイクリングの効率性が生きてきます。

体脂肪を落とすためのポイント6
筋トレ、有酸素運動はキツいのと軽いのと

有酸素運動とウエイトトレーニングを組み合わせることで、フィットネスは飛躍的に向上します。体幹の大きな筋肉を強化すれば、日常生活を送っているだけでカロリー消耗するんです。いわゆる「基礎代謝」が高いので、食事に気を遣わなくてもよくなります。スクワットなどで大腿四頭筋、ハムストリングや大殿筋などを強化するんですが、ランナーの膝故障なども関係する筋や腱がパワーアップするので障害が発生しにくくなるはず。一石二鳥ですね。

体脂肪を落とすためのポイント7
たんぱく質は積極補充

50代なら積極的にたんぱく質を。年齢を重ねるほど体重は低下傾向になってしまうので、筋肉量を維持するために1日3食の食事に気を遣う必要あり。たんぱく質の摂取過多は腎臓に負担がかかると言われていますが、継続的にスポーツをしている人はそれほど問題ではなく、運動後30分以内に市販のプロテインを摂取するなどでたんぱく質を補充していいです。この「運動後30分以内」というのがポイントで、シャワーを浴びてのんびりするとタイミングを逸します。

体脂肪を落とすためのポイント8
東京マラソンに申し込む

ゴール手前の丸の内仲通りはまるで花道だ。東京駅前を左折するとゴールへ

継続的に走り続けるというモチベーションを維持するためには目標設定を。だから東京マラソンにダメ元で申し込みましょう。そうすると結構ビギナーズラックで初エントリーなのに12倍の難関をクリアしたりします。エントリー代金も高くなるので、支払ったら計画を立ててトレーニングするしかありません。

体脂肪を落とすためのポイント9
前年の自分超え・維持を目標に

肥満だったボクが56歳にして標準体型に。身体の調子もすこぶるいいです

東京マラソンのように運がよくないと走れないという人気大会とは別に、申し込めば出られるという大会を見つけて年に一回の腕試しにするものいいです。前年の自分の記録に対して、進化したのか落ちたのか。そしてその原因は。それを突き詰めるとトレーニング効果が把握できるし、記録を短縮できたら自信になります。

体脂肪を落とすためのポイント10
究極のゴールは自分の健康

自分のできないレベルはやらない。できることを無理なくするのがいいと思います。たまには歯を食いしばってバーベルを上げたり、坂を駆け上がったりしますが、そんな自分がカッコ悪く思わなければ達成したあとは気持ちよさに支配されるはず。

いつまでもモテたいとか、いろんな邪心はあるんですが、突き詰めるところ年齢のわりには健康な身体を手に入れることができたのなら、それがダイエット成功よりもかけがえのないことなのでは。

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