自転車競技の強豪国として知られるベルギーをサイクリングしてみた。すでに紹介しているオランダと同様に市民の移動手段として定着しているのみならず、スポーツとしても人気がある。もちろんロードレースの世界チャンピオンも多く輩出してきたが、観光地をサイクリングするのも楽しい。
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「屋根のない美術館」と言われるブルージュでレンタルサイクルを借りた。旧市街を散歩がてらに走ってもいいが、大ぶりな石畳が敷き詰められている道路は、太いタイヤをはいたなレンタルサイクルでもちょっと苦労する。そこで今回は運河沿いに7kmほど離れたダムという小さな村を目指した。部分的に未舗装路となるが、砂利道を走る楽しさもある。借りた自転車もこういった道で安定走行できるタイプだ。
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レンタルショップは海外旅行者にとっては借りにくいコミュニティサイクルではなく、自転車店舗でそのスタッフから借りるのでお手軽。ツアーもあってオススメのサイクリングコースを案内してくれる。ダムまで運河沿いのサイクリングコースには並木が延々と続くので夏でも直射日光を受けないのがいい。途中には水車もあって旅情満点。コース途中には足踏みタイプの空気入れがあって、地元サイクリストの利便性を高めている。
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ゲントから10kmほど行ったところにある、ヨーロッパの美しい村30選に選ばれたシントマルテンスラーテムもレンタルサイクルで走った。20世紀初頭に多くの芸術家が移り住んだ村で、画家たちの住居がそのままギャラリーとして残っているエリアだ。気持ちいい森林のなかにサイクリングコースが縦横無尽にはりめぐらされている。ホテルで地図を購入してそれを見ながら走るのが正解。地図にはコースごとに番号がふってあり、現地に設置されている番号看板をたどりながらサイクリングすると迷わない。
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ベルギーのアントワープには自転車・歩行者共用の地下トンネルがある。敵襲を軽快して運河に不要な橋を架けなかったという時代背景があり、今でも橋が極端に少ない。そのため自転車と歩行者のために地下トンネルを作ったのだ。アントワープでもレンタルサイクルを借りて出発するとすぐに運河の下を通るトンネルへの入口を見つけた。現地の自転車乗りのマネをして木造のエスカレーターに自転車ごと乗り、自転車が落下しないように押さえながら最下部に向かう。こうして地下通路に到着すると、ひんやりとしたトンネル内を走って対岸へ。ここでしか体験できないサイクリングコースを満喫した。
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コルトレイクはリネン(亜麻)の産地。フラックスという植物が原材料となっているが、この繊維はカーボンバイクの原料にもなっているというのでビックリ。カーボンバイクそのものも炭素繊維を積層させたものだが、ベルギーのミュゼウブランドは衝撃吸収性を高めるためにフレームの一部にフラックス繊維を採用。しなやかな乗り心地を実現させている。
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