Garmin(ガーミン)をはじめとした各社GPSウォッチは手首計測の心拍計や各種センサーなどを内蔵して、使い切れないほどの機能を提供している。日本語版マニュアルは妙に細かい部分が詳細記述されているのだが、サラリと軽く数行で機能紹介をすませているところもあってもったいない。今回はメイン機能であるGPSを駆使しなくても、ここまでできる!というスゴ技を紹介してみよう。
●あと何時間休みなさいと命令する
ランやサイクリングなどの運動時にどれだけ活動したかのデータを取得して、終わったあとに保存すると「リカバリー時間」が表示される。激しいアクティビティをすると「72時間のリカバリーが必要で、軽く運動して疲労回復に務めて下さい」などという意味の指示がある。
じつのところ、この項目だけはデータ取得にGPSが起動されることもあるので、厳密には「使わずしてできない」こともあるが、とても便利な機能だ。年齢を重ねるごとに筋や腱の保水量が少なくなり、オーバートレーニングをするとカラダのどこかが故障しやすくなる。きちんとした指導者についていればそれを指摘してくれるだろうけど、一般にそれは無理。だから、どれだけの強度で何時間練習したかをGPSデバイスに計測してもらい、「何時間休みましょう」などと具体的に教えてくれるのはありがたい。この数値が結構マトを射ていて、ボク自身もある程度の年齢なのにカラダが壊れることなく継続練習できている。
そういった意味で、GPSデバイスは若者だけでなくシニアにこそ有効。
●ウエイトトレーニングの種目を特定する
GPSが届かない室内ではこれまでよりも高精度になった加速度センサーをうまく使いこなす。どんな運動をしたかを自動判別するモニタリング機能を飛躍的に向上させているのだ。手首に着けたデバイスの動きを分析して、その動作がランニングなのかウォーキングなのか、どんな種目なのかを自動的に検出する機能だ。
加速度センサーの精度は極めて高い。簡単な例を挙げれば、フロア昇降は実際に上った階数とかなり近い。さらに驚くべき性能もある。ジムで筋トレをすると、レップス(挙上回数)をカウントするだけでなく、なんと実施種目までズバリと特定するのである。
あらかじめ入力されている「筋トレ」というアクティビティをスタートさせると、タイマーが動き始める。これで筋トレ計測はオン状態になる。筋トレ種目のワンセットごとに挙上がカウントされるのだが、最初の数回は動作確認のために数字が動かないのが特徴。数回目からカウントが表示され始める。ワンセットを終えたらラップボタンを押すと休息タイマーになる。休息を終えたら再びボタンを押して次のセットへ。こんな感じである。
こうして筋トレを終えたら、ガーミン社から無償提供されるスマホのGamin Connect Mobileアプリ、パソコンのgaminconnect.comサイトと同期してみる。そうすると驚くべきことに、スクワット、ベンチプレスなどどんな種目を何回やったのかを見事に特定して表示してくれるのだ。レップ数と各セット間の休憩時間も記録されている。
残念ながらレッグカールとかレッグエクステンションなど、腕が不動の状態でこなす種目は特定できないので、プルダウンメニューから手動で種目を選択するのがほほえましい。
●Googleカレンダーが見える
GPSデバイスは取得したデータをスマホやパソコンに転送して、しっかりと分析することで真価を発揮する。パソコンやスマホとつなげるためにBluetoothを介する(一部高機能モデルはWi-Fi対応)のだが、つなげておくとなにもしないのにGoogleカレンダーの予定がデバイス画面に表示される。
これはボク自身がビックリしただけで、たいしたシステムではないのでこの項目はこれで以上終了。
●電話だよ!と教えてくれる
サイクリングをするときは背中のポケットにスマホを入れておいたりする。着信音とバイブレーションをオンにしていても、風切り音や路面からの振動で気づかないことが多い。また通勤時もカバンに入れたスマホにSNSメッセージが届いてもわからないことも。
そこでスマホをBluetoothでつないでおくと、デバイス画面にメッセージが表示されたり、設定によっては音やバイブで知らせてくれるので、これがとても便利だ。自宅でくつろいでいるときも、離れたリビングに置いたスマホにお知らせが入ったときは手首に連絡が入るのですぐに対応することができる。
●どこに置いたか忘れたスマホを見つける
スマホをどこに置いたっけ? ソファのスリットやベッドと壁の隙間に入り込んでしまったり。そんなときのためにデバイスが「探索」してくれる。GPSを駆使するわけではなく、Bluetoothで発信される信号の強弱を計測して探索する。デバイス画面をにらみながら隠れたスマホに接近するとカラーリングが増えていく。子どもに隠してもらい、「パパはどこにあるか探してみせるよ」とビックリさせるコミュニケーションツールとして重宝。
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