ツール・ド・フランスでガストロノミー…各地の食文化を満喫

おいしいワインとチームをつなげればツール・ド・フランスのできあがり

かつて主催社ASOの渉外担当をしていたベルナール・イノーが来日した。同氏は大会5勝の実績を持ち、プロ野球界にたとえれば「長嶋茂雄」のような存在だ。いまは退職しているが、当時は毎年のコース設計も担当していた。

日曜日になると町中はもちろん、ホテル併設のレストランも営業していない。そんなときの救世主が宗教違いのケバブ屋だ。2012年第8ステージ

「どんなルートにしようかという作業は本当に楽しい仕事だ」とイノー。

「コースを作るために必ずエタップ(宿場)となる町を訪れてみる。おいしいワインとチーズがあることが重要だね。まあフランスのどんな地方でもおいしいんだが…」

冗談ともホントとも区別のつかないコメントだった。

質素なホテルだが、その町一番のレストランだったりする。2019年第7ステージ
レストラン併設のホテルは酔っぱらっても歩いて帰れるので安心。2017年第14ステージ

このようにツール・ド・フランスが転戦する町は、独自の食文化があり、食材がある。もともとは農業大国なのだから、おいしいものはたくさんあり、観光の決め手としてガストロノミーを前面に押し出す。

フランス中西部はフォワグラの名産地。ペリグーにて。2017年第10ステージ
ブザンソンでは常にムール貝のレオンがおなじみのお店。2017年第5ステージ

だからどの土地に行ってもおいしい。もちろんお金をかければ簡単においしいものを口にできるわけだが、1カ月も帯同する身としてはたまにゼイタクはするが、スーパーのカフェテリアを利用したり、キッチンつきのレジデンスで自炊したり。それを含めてもおいしい。そしてワインとチーズはやっぱり欠かせない。

ホテル近くにパン屋さんがあるときは朝食を頼まないで歩いて買いに行く。2017年第17ステージ
プジョーはかつて自転車も作っていたが、ギアに似ているパーツを使うコショウひきはいまでも生産されている。2017年第21ステージ
スーパーのカフェテリアは1500円ほどでおいしく飲食できるのでダイスキ! お砂場のバケツはムール貝のカラ入れとして渡された。2018年第13ステージ
カフェテリアでは主菜のお金を払えばレギュームと呼ばれる付け合わせ野菜は取り放題。ワインは容器の大きさを選んで樽から自分で注ぐ。2019年第10ステージ

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中東出身者が経営するケバブ屋は日曜日も空いているし、料金が1/3ほどでいただけるのでホントにありがたい。2017年第16ステージ
サンジェルベモンブランのクラフトビール。2016年第19ステージ
アルプス地方には「ジェネピー」という薬草酒がある。かなり強く食後にすこしいただくか、アイスの上にかけて楽しむ。2016年第19ステージ
ブルゴーニュ地方なのでエスカルゴ。ハウスワインをピッチャーでお願いすると安価。2016年第14ステージ
デザートにクレームブリュレがあれば満足。2016年第14ステージ
パリの人気ショコラティエ。高額だが、おみやげにちょうどいい。2017年第21ステージ

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