海外でも日本にいるときと同様なスマホ使用ができるeSIMの3社比較

海外の旅行先でスマホやパソコンを使う環境が日進月歩で進化していて、もはや1年前のベストプランは通用しない。物価高や円安でリッチな旅行がしにくくなっているが、通信環境だけは確実に安価になっている。各社提供の割引クーポンも賢く利用したい。

ニームの神殿

海外に持ち込んだ自分のパソコンをネット接続する。旅先でも日本のスマホで自在にアプリを稼働させる。ヨーロッパでそんなことを30年以上続けているボクは、時代に即した最善の利用術を選択してきた。そんな変遷は別コラムにまとめている。

海外旅行のスマホ利用はこれからeSIMの一択!

eSIMの料金プランは年を追うごとに格安に

毎年の変遷を端的に言えば、通信に関しては年々コストがおおよそ半減していることだ。そしてそれぞれの旅のスタイル、どの国を何日訪れるとか、スマホアプリのみを利用するのか音声通話もするのかなど、個人の旅のスタイルにマッチした料金プランが詳細に設定されている。これらをていねいに比較選択すれば驚くような低価格で日本にいるときと同じような通信環境を手に入れることもできる。

スマホのデータ通信とテザリングはUbigiで、通話は国際ローミングというデュアルSIM態勢
2024年はイタリア5日間、フランス20日間の滞在のためにそれぞれのデータプランを購入。料金はトータルで6200円

SIMカードの受け取りも不要、アプリ完結のeSIMが簡単

安価を実現した通信手段はやはりアプリ完結型のeSIMの登場だった。これによって通信料を大幅に削減できたのと同時に、セッティングも支払いもアプリで完結するのだから、夢のような時代になった。

ボクのツール・ド・フランス取材はコロナ禍で2年間のブランクがあったが、その後はeSIMのtrifa(トリファ)やUbigi(ユービージー)を使った。さまざまな容量、地域や使用期間プランが用意されている。アプリで完結するので最初のホテルにSIMカードやポケットWiFiを送ってもらうこともない。空港で専用カウンターを探したり、そこで語学力が求められるプランの選択を迫られることもなかった。

ツール・ド・フランス取材時1カ月間の通信料の推移。最高値は2009年の11万2000円。2020、2021はコロナ禍で渡仏せず。2025年は予想額で半額クーポンを使えばさらに安くなる

テザリングで持ち込んだパソコンを稼働することも簡単

2023年と2024年に利用したUbigiの利用手順はまずウェブサイトで登録手続きをして、無料アプリをダウンロード。日本語対応なので、それ以降の進め方も案内されている。アプリで渡航先や通信プランを選ぶのだが、多くのプランが用意されているので、比較的自分にマッチしたものが見つかるはず。

利用できるのはSIMフリーでデュアルSIMに対応するスマホだが、最新モデルなら間違いなく利用できる。

旅先に持っていったパソコンはテザリングでネット接続可。唯一の難点は通常の音声通話ができないことだが、日本で利用しているキャリアの「モバイル通信」をオフにしておけば、データ量は消費せず日本の契約キャリアで国際電話できる。

Ubigiのフランスデータプランは多様で、個人の旅行に適したものが見つかりやすい

初めての利用者には20%オフのクーポンも提供

ちなみに2023年はフランスに入国し、序盤の4日間はイタリア、それ以降はフランスという日程だったので、フランス国内50GB(使用期限30日)で4500円。イタリア国内10GB(使用期限30日)で1700円を購入した。

1年前と比べると電波のカバーエリアも増え、旅行者としてはおそらくなんの問題もない。eSIMを駆使することで日本人が日本で生活しているのと全く同じスマホ環境を実現する。本当に便利な時代になったものだ。

Ubigi(ユービージー)は初めて契約する際は2割引になるクーポンが出回っているので利用するといい。紹介した側には次回5割引のクーポンが提供される。Ubigi側も公認しているようなのでルール違反ではないようだ。

Ubigiは公式クーポンを賢く利用すると2割引きに。紹介者はなんと半額クーポンがもらえる

Ubigiのクーポンコード
ボク自身が提供できるクーポン番号は BC1KZBJX
初めて利用する人は支払いページに入力すればOK。

最安値はUbigi、日本語チャットできるのがtrifa

それでは代表的eSIMサービス3社の比較を。安価なのはUbigiだが、trifa(トリファ)は24時間・365日対応のチャット問い合わせができるので安心。ブイグテレコムは欧州圏内通話無制限、25ユーロ分の国際通話(25分相当)を含む。

Ubigi(ユービージー)

フランスをベースにしながらもたまに国外に出るときはヨーロッパ全域で使えるeSIMデータプランも検討の余地あり

Ubigiの主なデータプラン
フランス3GB・30日間 700円
フランス10GB・7日間 1100円
フランス25GB・30日間 3000円
フランス50GB・30日間 4500円
ヨーロッパ500MB・1日間 400円
ヨーロッパ25GB・30日間 5600円
スペイン3GB・30日間 800円

2022年はフランス10GB・30日間で19ユーロ(当時のレートで2660円)したのだが、2025年のフランス10GBプランはなんと1100円。つまり年々価格が低く設定されている。ヨーロッパだけでなく米国やアジアなどもあるので、世界中の旅行に対応。

●Ubigiの日本語ホームページ

trifa(トリファ)

trifaは日本語チャットが24時間・365日利用できるのでとても安心

trifaの主なデータプラン
フランス3GB・3日間 1760円
フランス5GB・7日間 2720円
フランス10GB・31日間 5300円
フランス30GB・31日間 1万2890円
ヨーロッパ10GB・31日間 5300円
ヨーロッパ30GB・31日間 1万2890円

アプリの設定は簡単です!と各社サイトに掲載されているが、じつはそんなにすんなりとセットアップできない。そんなときのチャット問い合わせは心強い。これまでの経験からアドバイスできるとすれば、日本にいるときにアプリをダウンロードしてアカウント登録を済ませることはもちろん、プラン購入して最終準備しておく。飛行機に乗って現地入りしたら、空港の無料Wi-Fiを接続して利用可能な状態に持っていく。

●trifaの日本語ホームページ

bouygues telecom(ブイグテレコム)

ブイグテレコムはスマホキャリアだけに音声通話が付帯サービスされる

ブイグテレコムのデータプラン
ヨーロッパ30GB・30日間 29.9ユーロ(約5000円)
25ユーロ分の国際通話(25分相当)を含む。欧州圏内は通話無制限

さすがのフランススマホ会社だけに、音声通話が含まれているので、旅先でも電話をかける人はプランがちょっと割高でも導入する価値がある。たとえばどんなときに電話するケースが生じるかといえば、予約したホテルに到着すると門が閉まっていて、「到着したらここに電話して」という張り紙が貼ってあったり。

●ブイグテレコムの日本語ホームページ

モバイルデータ通信は日本で使っているキャリアをオフに

3社ともに共通する注意点としては、アクティベートしたときにモバイルデータ通信を利用する会社に変更していくこと。日本で主回線としているキャリアでモバイルデータ通信してしまうと高額が請求される。音声通話をしないなら「主回線はオフ」にしておいてもいい。