体脂肪がなくなりやすい「運動の強さ」があるという。効率的にフィットネスするには、運動強度をコントロールして、体脂肪が最も燃焼する領域でカラダを動かす必要があるのだが、気軽に購入できる市販商品を使うと見違えるほどの結果をもたらしてくれる。最近では、最新科学的トレーニングを支える、そんな夢のような機材が1万円台で購入できる時代になった。
ランやサイクリングは体脂肪が燃えやすい有酸素運動の代表だ。これを継続的に行うことができれば、だれでも無理なくダイエットに成功する。有酸素運動とは、あまりキツくなく、長く続けられるスポーツのことでもある。無呼吸でもダッシュできる100m競走は無酸素運動で、その対極にある。
この有酸素運動に密接に関わってくるのが心肺機能。人間の体は常に肺に酸素が取り込まれ、血の中に入って体を循環することで筋肉を動かすことができる。継続的に有酸素運動をしていると心肺機能が向上し、血液が体中をスムーズにめぐるようになる。これによって脂肪が燃焼されやすくなるのだ。
有酸素運動を行なうときに大切なのは呼吸を激しくしすぎないこと。苦しすぎる運動は呼吸が浅くなり、無酸素状態になってしまう。酸素がなくては脂肪が燃焼しないものなのだ。
そのため有酸素運動は「少し息が上がるくらい」が目安。頑張りすぎず、長い時間続けられるペースで行なうようにしたい。ゆっくり運動して血流の流れをある一定に保つことで、だんだん体温が上がっていく。それと同時に体内にあるエネルギーが消費され、体脂肪が燃焼される。
運動経験の少ない人はまず、1日30分を目標に運動する。週2〜3回できれば2週間で効果が現れてくるという。運動を習慣づけることができればフィットネスは成功したも同然だという。
効率的に有酸素運動するのであれば、運動中の心拍数をリアルタイムにモニターする心拍計、「ハートレートモニター」を使用するといい。心拍数を計るセンサーを胸に巻くタイプのほうが正確な数値を算出するが、一般的には光学式心拍計を搭載した腕時計タイプで十分である。
自分の心拍数を計ることで、どれだけの強さで運動しているのかが把握できる。それぞれのレベルに応じた効率的な運動強度を数字で教えてくれるのだから、部活動やフィットネスクラブに所属したことのない人でもそれはかなりの指標となる。
フィットネスとして効率的な運動の強さは、簡単な計算式で算出することができる。まずは自分の最大心拍数を計算しよう。最大心拍数は220から年齢を差し引いた数字だ。最も効率的に脂肪が燃焼される心拍数は、最大心拍数の55%〜65%といわれる。算出した最大心拍数に0.55〜0.65をかければ、最も脂肪が燃焼される心拍数が簡単に割り出される。
⚫参考コラム
脂肪が一番燃える心拍数…40歳で安静時60なら144、50歳なら137
運動の強さが数字でわかる
健康増進やフィットネスにいいとされる有酸素運動は、肺の中に取り込んだ新鮮な酸素を血液中に送り、全身にまんべんなく循環させる。毛細血管が体脂肪からエネルギーを取り出し、それをパワーとして筋肉が動くというメカニズムは前述したとおり。
有酸素運動の主役となるのが心臓で、運動の強さに応じて鼓動する回数が変わっていく。安静時には1分間70拍前後の鼓動が、運動の強さが高まるに比例して早くなっていく。のんびり歩く程度なら90拍くらい。軽いサイクリングなら100拍くらい。
それぞれの運動経験値によって拍数は異なるが、最も効率的に有酸素運動できる領域というものがだれにもある。その領域で運動を持続していけば、フィットネスに成功し、予防医学的効果も発揮される。そのレベルを数字で示してくれるのがハートレートモニターだ。
初級者ほど効果的
ハートレートモニターは一流選手などが使用する機材と思われがちだが、じつは一般の人が使用するほうが効果があるらしい。つまり、その日行った運動が、いかに体によかったかを数値として確認することができるからだ。
ハートレートモニターはクルマで言ったらタコメーター。そのときの自分のカラダ、運動量を正確に計れる。ターゲットとなる心拍数を設定しておけば、運動の指標になる。
自転車は運動の強さがコントロールしやすい
ところで、一番肝心なところは、運動にはそれぞれの体力の度合いに応じた「適正な」強度というものがあることだ。自転車を時速30kmで走らせていても、初めての人にはそれがキツすぎて、上級者にはトレーニングの向上にならない。つまりそれぞれの体力レベルに応じた運動強度で走ることが重要なのだ。その目安として心拍計を導入し、自分にとっての最適な運動強度を把握する必要がある。
陸上競技の100m走のようにゼエゼエする運動は、長時間続かないばかりか、体内で脂肪が燃焼するシステムが機能しないのでフィットネスにはならない。一方、サイクリングは体力に応じた強さでペダルをこげば運動強度が簡単に調節できる。心拍が上がりすぎたならギヤを軽くすればいい。長時間持続するのもランと比べたらそれほど苦にならない。自転車とハートレートモニターを組み合わせれば、どんな人でも簡単にフィットネスできる。
さて、それでは本題だ。体脂肪を効率よく燃焼させるフィットネスをサポートしてくれる腕時計タイプの心拍デバイスはどれを購入したらいい? Garmin(ガーミン)だけでもたくさんの種類がラインナップし、マルチスポーツに対応するトップグレードは10万円を超えるモデルもある。
高価なモデルはさまざまなスポーツに使える機能が満載されていて、ランやサイクリングだけでなく、登山やマリンスポーツなどのアクティビティを楽しんでいる人なら購入の価値あり。ただし体脂肪を落とすためにちょっと走ったり歩いたりしようという人なら、安価なモデルで十分。それでは安価って、どのあたりなのか?
Garminに限ることではないが、購入モデルを選択するときのチェックポイントは「光学式心拍センターを搭載していること」。まずはこれに尽きる。さらに言うならば、継続的なモチベーションを維持するためにさまざまなデータを記録しておきたいという考えがあれば、「GPSも搭載されているモデル」を選ぶ。自転車愛好家の場合、サイクルコンピュータにGPSが搭載されていることも多いので、そのときは心拍数をbluetoothでサイクルコンピュータに転送表示するだけでいいので、GPS搭載モデルは不要となる場合も。
●光学式心拍センターありでGPSなしのおすすめデバイス
vívosmart 4
オススメ度★★
1万6482円(税別)
2018年秋に発売されたvívosmartシリーズの最新モデル。タッチスクリーン。前モデルよりも軽量に、バッテリー寿命も長くなった。ベルト外周は2種類から選択できる。小さいほうのレギュラーサイズで122-189mmだから、細身の人にはうれしい。
vívosmart 3
オススメ度★★★
1万3704円(税別)
ガーミン vivosmart3BLKS 010-01755-71 2017 run 価格:14,800円 |
vívosmartシリーズの前モデルだが、こちらのほうがスクリーンが大きい。vívosmart 4の新機能として、「自分体力をバッテリー残量に見立てて現在何%か」というものがあるが、それを魅力と感じる人は多くないはず。テキスト応答機能も売りのようだが、アンドロイドスマホのみ。以上2点が不要なら安価なvívosmart 3で十分。4と同様にベルトは2サイズ。
ガーミンにはライフログバンドのvívofitシリーズもあって、最新モデルは4まで進化したが、こちらは心拍計未搭載。長所としてはボタン電池2個で1年間駆動する。動作電力が必要な心拍計搭載モデルは充電タイプとなるので、バッテリー寿命が「1年」などと表記されたモデルは心拍計がないものと判断できる。
●光学式心拍センターもGPSもありのおすすめデバイス
vívosmart J HR+
オススメ度★
1万8334円(税別)
GPSでランニングやウォーキングの距離、ペース、ルートを記録してくれる。これほどモチベーションの維持に役立つアイテムはないのでオススメ。ただしベルトは1サイズしかなく、手首周囲136.0~192.0mmなので、女性や細身の人は選択肢から外したほうが無難。
vívosport
オススメ度★★★
2万2963円(税別)
GARMIN ガーミン vivosport Slate Sサイズ Mサイズ GPS 心拍計 リストバンド 活動量計 スポーツウォッチ フィットネス ストレス計 スマートウォッチ ランニング 健康器具 価格:24,800円 |
ランニングでも使えるGPSと光学心拍計を搭載したリストバンド型アクティビティートラッカー。2サイズのベルトが用意されているので手首の細い人にはありがたい。光学式心拍計はしっかりとフィットしないと正しい数値が算出できないので、このあたりも購入のポイント。
vívoactive J HR
オススメ度★★
2万7593円(税別)
高解像度のカラータッチスクリーンを搭載したGPSスマートウォッチ。大型ディスプレーなのでスマホへの転送も不要というのが売りだが、やっぱりスマホやパソコンでしっかり見たいですよね。もちろんvívoactive J HRでもスマホにデータ転送できるんですが、値段を考えると個人としてそれがメリットなのかを判断する必要あり。
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