スマホの機種変更をする際に、LINEアカウントの引き継ぎやSuicaの一時待避作業などをしないと、新しいスマホ側でデータを紛失したり、チャージ金額の行方が分からなくなるなどの問題が生じる。あまり知られていないが、GarminなどのGPSデバイスにも同じような問題が発生し、新しいスマホに接続できなくなる。
具体的な問題は、愛用しているGPSデバイスと新スマホがペアリングできなくなること。じつは旧スマホのほうでいくつかの操作を済ませておく必要があるのだ。Garmin社のfenix 5 sapphireを使用しているボクは、iPhone SE(第2世代)からiPhone13 proに買い換え。移行して2日目にその不具合に気づいた。
旧スマホでこれをしないから新機種がペアリングに失敗する
新しいiPhone13 proにGarminConnectアプリそのものはアップルの最先端機能であるデータ移行プログラムで順調に引っ越しができた。ところが、どんなにペアリングを試みても新しいスマホと愛用のデバイスがつながらない。GPSデバイス側でペアリングの準備を進めていき、6ケタのペアリング番号を表示させる。ここまでは順調。
一方、新スマホのアプリ側でそれを入力する画面まで移行し、6ケタのペアリング番号を入力しようとしても「数字が打てない」のだ。テンキー画面が出ないという不具合なのかと疑ったが、それではなくアプリの機能として打てなくしているのだと思う。(その理由は後述)
こういったときは再起動をするとすんなりいく経験もあったので、GPSデバイス側、そして新スマホ側の双方で再起動をしてみたのだがまったくうまくいかない。「失敗です!」という表示が心を強く乱す。
旧スマホからGPSデバイスの存在を消し去る必要がある
じつは、旧スマホ側でLINEやSuicaのように下準備をしておかないといけないのだ。このことはfenix 5 sapphireの電子マニュアルにはまったく書かれていない。ガーミンサイトのいくつかのモデルのトラブルシューティングでさりげない記述があるだけだ。
このときボクは、下取りのためにすでに旧スマホを初期化してしまったので、今回の作業をするために改めて旧スマホを初期設定からやり直した。そしてAPPからGarmin connectアプリを再インストールし、サインインして元の環境に戻した。
機種変更前のスマホが手元で操作できる場合
1 GarminConnectアプリから愛用デバイスの存在を消す
アプリ画面の右下【詳細】→Garminデバイスを押す
最上段に「接続中の愛用デバイス」が表示されたら、「右向きの矢」を押して「デバイスページ」へ
右上の「縦に3つの点」を押して「デバイスを削除」という赤い文字を押して削除する
これを終えたらGarminConnectアプリを旧スマホからアンインストールする
2 旧スマホから愛用デバイスの存在を消す
旧スマホの【設定】-【Bluetooth】からGarminデバイスの接続を解除する
【iOS】設定→Bluetooth→Garminデバイス名の右端インフォメーションマークから【デバイスの登録を削除】
【Android】設定→Bluetooth→Garminデバイス名の右端歯車マークから【削除】
こうすることで旧スマホから愛用デバイスの存在を忘れさせる。この作業をしないと新スマホとペアリングできない。
3 旧スマホの電源を切る
ボクは念のために旧スマホのBluetoothをオフにし、さらにはアプリのWiFi接続をカットしておいた。でも実際には「公式マニュアル」のとおりでスマホの電源を切ればそれでいいかも。
機種変更後のスマホで晴れてペアリングを実施しよう
旧スマホで事前に操作を完了していれば、新スマホと手持ちのGPSデバイスは出会う前の状態なので、「公式マニュアル」のとおりにペアリングすれば完了する。実際にやってみて、6ケタの番号入力窓にテンキー入力できるようになったときはガッツポーズしたほどだった。結構知られていない不具合だが、致命傷になりかねないので、すべてのGarminユーザーは知っておく必要がある。
ちなみにGarmin connectアプリをスマホから消去しても、過去データはGarmin社のデータベースに残っているので、サインイン(メールアドレスとパスワードを入力)すれば復活するのでご安心を。
メルカリなどで中古を買う際は接続解除しているか確認
どうしてこんな難解な手順をこなす必要があるかと言えば、Garmin側が考えたセキュリティ対策なのだと思う。例えば公園に置き忘れたGPSデバイスをだれかが持っていってしまい、その人のスマホで簡単にペアリングできたら走行データなどが簡単に閲覧されてしまう。自分の家を発着するアクティビティがあれば住所が特定されてしまう。
それを防止するため、旧スマホ側でいったんそのGPSデバイスを自分の意志で削除し、改めて新スマホのほうで使いますよという意思表示が求められているわけだ(と思う)。それを知ればちょっとわずらわしさも我慢できるかな。
iPhone同士の機種変更は、画面指示に従ってごくわずかな操作をすれば短時間でデータが移行されるという手間のなさがいいところだ。ただし厳密には手間なく移行してなにもせずに使えるアプリばかりではない。LINEとSuicaは事前操作が必要であることはよく知られているが、今回のボクの機種変更では、PayPayのIDとパスワードが消えて、再入力するまで使えなくなった。アプリ会員証も改めてサインインする必要があるものも。
やはり新スマホを使い始めたら、ひととおりアプリを起動させてこれまで通りに使えるかを確認する必要があり、旧スマホはそれまで手放さずに置いておく必要がある。
機種変更前のスマホがすでに手元にない場合は
もし仮に新機種とペアリングできない状況で、すでに旧機種を手放してしまったときはどうすべきか? とりあえず公式のトラブルシューティングでは下記のようにするとある。
スマホのBluetooth機能をオフにする
・【設定】-【Bluetooth】-オフ
GarminデバイスのBluetooth機能をオフにする
スマホ・Garminデバイスの電源を切る
注:vivosportなど電源ボタンがない機種はBluetoothオフ操作のみ
スマホ・Garminデバイスの電源を入れる
スマホのBluetooth機能をオンにする
・【設定】-【Bluetooth】-オン
GarminデバイスのBluetooth機能をオンにする
ペアリングを実施
いやあ、そんなにうまくトラブル解決するのかな(試してません)。ボクのイメージではまずはカスタマーサポートに連絡して、手元のGPSデバイスやデータ集積しているGarmin connectの所有者であることを証明して、Garmin側の対応を待つしかない。かなりの労力と時間が失われそうで、新しいGPSデバイスを買っちゃったほうが早いかも。
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