【Episode 3】レース当日の戦略、そして次はワールドマスターズ
東京マラソンで40年前の自己ベストを更新しました。63歳にしてサブ3.5を目指して2026年3月1日に臨み、自分自身が信じられないほどの3時間28分というタイムでフィニッシュしました。目標を達成できたポイントは7つ。それをご紹介するエピソード3です。
順調にメニューがこなせたので戦略を考えるのさえ楽しめた
戦略としては単純に考えました。これまでの3度の東京マラソンでは気温が低かったこともあって途中のトイレに5回ほど入りました。その原因を考えると、脱水症状になるのが不安だったため、給水ポイントごとにドリンクを取っていたことが考えられました。今回は中間ポイントでできればトイレストップ1回にしたいと考えて、トレーニング時はもとより日常生活においてもトイレ休憩をできる限り取らず、膀胱の柔軟性を養っておきました。またどれだけ給水なしでも脱水になることがないかもチェック。不安にならないような対策を実行しました。
ネガティブスプリットで走ることも計画にはありました。いわゆる前半はゆっくり走って、後半にペースアップする体力を残しておくこと。そのラップタイム設定もGarminではできるのですが、結果的にはスタート直後の新宿や市ヶ谷の下りはオーバーペースでも気持ちいいので、その時のフィーリングを優先させました。
実際にどうだったかというと、気温が高めなことも幸いしてトイレは中間地点すぎに1回だけストップ。これまでの経験もあって嗅覚で空いているトイレ設置場所を見つけ出し、1分のロスで済みました。そのため20〜25kmはラップがキロあたり5分台に落ちました。前半にオーバーペースだった影響は25〜30kmでもキロあたり5分台となりましたが、それ以降は持ち直しました。それが練習の効果だったと思います。
左手首のGarminデバイスでLINE、メッセンジャー、ショートメールが読めるようにしました。走りながらみなさんの応援を読んで、それを励みにして設定ペースを一度も落とすことなくゴールを目指そうという作戦です。実際に応援メールが走行中に確認でき、これが背中を押してくれたことは明らかでした。
年間の走行距離は2500km。故障することなく、気持ちよく継続できたことがなによりもうれしいです。キロ4分台で42km走れるか自信はなかったものの、疲れを取るためにお風呂で筋肉をいたわったり、マイクロカレントと呼ばれる微弱電流治療機でケガを予防したり。それらさえ結構楽しくて、充実した日々を送ることができました。
人生最良の日に感じた! やればできるんだと思った
東京マラソンも2023年は走ってから記者証を首にかけて取材者に転身した経験があります。この年はスタート地からゴールまでの荷物移送をエントリーフィー支払いと同時に申し込まないといけなくて、それをしなかったので新宿から東京まで荷物を運んでもらえず。しかたなくその日の朝一番で東京駅地下のコインロッカーに取材者証と着替えを入れに行き、それから新宿のスタートに行って、フルマラソンを終えてからロッカーに直行しました。
というわけで2026年もフルマラソン参加者であるとともに、ゴール後は記者に。今回はちゃんと荷物移送を申し込んでいます(参加費を提携クレジットカードで支払うと移送費が無料に!)。ゴール後に荷物を受け取って記者証を取り出すだけでした。
選手と同じコースを走った直後に、優勝者や活躍した選手からコメントを聞くって、これほどワクワクすることってないと思います。レベルの違いこそあれ、ウイナーやトップアスリートと同じ空気感が共有できる。ツール・ド・フランスでボクが全日程の取材にこだわっているのも、最終ゴールのパリ・シャンゼリゼに到達した選手たちの感慨を同じ物差しで測りたいからなのです。
今回は日本人1位の大迫傑選手、細田あい選手がインタビューを当初の予定よりも1時間も前倒ししてインタビューに間に合わなかったというオチですが…。自分で走って、自分で原稿を書く。参加者4万人のなかでもこのイベントを一番いい感じで利用していたかもしれません。
震災を契機にランニングを始めましたが、伸びしろがあったことがあって年々タイムが向上していて、有酸素運動は年齢ではないことが実証できたと思います。もちろん齢をわきまえることも大切ですが。したたかな計画と地味な努力で道は開けるんだと確信しています。
2027ワールドマスターズゲームズに参戦
「あと10年若かったらサブスリー狙えたのに、と思ったこともありましたが、あと10年あればサブスリーが出るかも」という野心さえ芽生えました。でもラストマラソンと心に誓ってスタートしたので、狙いませんけどね。
2027年5月に開催されるワールドマスターズゲームズの陸上競技、ハーフと10kmロードに出場できることになりました。4年に一度開催される国際大会で、今回は日本で初開催されます。ハーフは和歌山県の紀州口熊野、10kmロードは滋賀県彦根市。1週間の間隔があるので鳥取で開催される自転車競技の取材もできるかなと思っています。今回の東京マラソン同様に、ワールドマスターズも走りながら記事を書いていくつもりです。 2023年に20万人が参加したワールドランでボクは年代別世界3位になりましたが、あのときは60代のなかで最年少。今回の大会では64歳になっているわけで、60+のカテゴリーには4歳も若い人がいます。メダル獲得は難しいですが、年齢をわきまえつつ、地味に歩み続けていきますね。
