日本のGoogleMapはこれまで「自転車ルート」のタブがあるにもかかわらず「自転車ルート」が選べなかったが、ついに9月18日から東京、神奈川、大阪、愛知、埼玉、千葉、兵庫、北海道、福岡、静岡の10都道府県に限って利用可能になった。
日本でGoogleMapの自転車モードは非アクティブだった
GPS搭載の高額な自転車ナビを購入しなくても、手持ちのスマホがあればサイクリングの道案内してくれる時代に近づいた。他の府県も順次利用可能になるはずで、利用価値は絶大。今回はそのあたりをご紹介。
電車や徒歩、自動車による移動時は目的地までの行き方を検索し、スマホ画面を見ながら目的地を目指す。専用ナビアプリに頼らなくても、スマホに標準搭載されている無料のGoogleMapで十分。
それではそれを自転車でも使えないだろうかと考えたサイクリストが、GoogleMapで目的地を入力して使い始めた。ところが「自転車ルート」が使えない。仕方ないから、同じように車道を通行する車両の一種として「自動車ルート」を選択してしまう。ところがこれが大問題を引き起こす。
自動車しか走行できない「自動車専用道」や「高速道路」をナビで進むように表示されるのだ。自転車による宅配スタッフが「首都高速を走っていた!」などのニュースを見た人も多いはず。ナビに頼り切ってしまうと、高速道路のアプローチをなんのためらいもなく自転車で侵入してしまうのである。
GoogleMapには移動手段を選択するボタンがあって、これまでは自動車、電車、徒歩などだったが、あるとき自転車ボタンが追加された。これは使わねばなるまい!と目的地を設定して、自転車ボタンを押してみると「使用できません」という表示が出現。おかしいなと思って調べてみると、どうやら日本では自転車を使用したルート案内はできないらしい。海外では一般的に敷設される自転車専用道路がコース案内の対象となるようで、日本には専用道がないので稼動しないというオチだった。
そのため残念ながら自動車か徒歩を選択して道案内してもらうことになった。自動車モードは自転車通行不可の道路をナビされることが想定されるので、徒歩のほうが無難ではあった。当然、歩道橋などを案内されたときは自転車を降りて担いで進むか、そのポイントを交通ルールにそってクリアすれば、ルートから外れてもリルートされるのであまり問題ではなかった。
でも、所要時間は読めないし、使いにくかった。今回はいつにそれをクリアするGoogleMap史上最大のレボリューションを実装したのである。
いまのところは10都道府県に限るが、ルート検索で「自転車タブ」を選ぶと自転車で最適なルートを表示してくれるようになる。自転車ルートでは、できる限り急坂・トンネル・悪路などを避けたコースや自転車レーンを優先的に表示してくれるようだ。
有料サイトの「ナビタイム」などはさらに進化した自転車専用ルート案内を提供している。自転車宅配などのプロはこれを賢く利用するのもいい。社会において自転車で移動するという人たちの存在がクローズアップされているだけでもうれしい。今後のエリア拡大に期待したい。
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