瀬戸内海に浮かぶ6つの島が6つの橋で結ばれた「瀬戸内しまなみ海道」は日本一のサイクリングコースとして人気がある。さらにいま、もっと注目されているのが「ゆめしま海道」と「安芸灘とびしま海道」だ。一部で渡船を使ったりすれば、交通量の少ない島々を開通したばかりの橋を渡って走り回れる。
しまなみ海道、自転車で四国に上陸するというロマンを実現
「しまなみ海道」は広島県尾道市と愛媛県今治市を結ぶ全長約60kmの自動車専用道として2006年に全線開通した。それぞれの島を結ぶ大きな橋には自転車歩行者道が併設され、距離約80kmのサイクリングが楽しめる。厳密に言うと本州側の玄関口となる尾道から向島に渡るときだけ渡船に乗るが、それがまた最高に旅情がある。路面には推奨ルートを示すブルーラインと距離表示がペイントされているので、迷うことなく進める。サイクリスト向けの休憩スポットや観光施設が点在し、初級者でも安心して挑戦できるのが魅力なのだ。
ゆめしま海道、船を使わないと訪問できない瀬戸内4島に注目
「ゆめしま海道」は愛媛県上島町の岩城島、生名島、佐島、弓削島の4つの島を橋でつなげたルート。2022年3月20日に生名島と岩城島を結ぶ岩城橋が開通したことで、にわかに注目されることになった。そして船を使わないとこの4島には渡れないのもポイント。信号が一つもなく、交通量が少ない離島をのんびり走ることができるのだ。尾道を発着地として、しまなみ海道と合わせれば70kmの一周コースが取れる。
ゆめしま海道、呉市発着で7島縦走。今治から船便もありえる
「とびしま海道」は、広島県呉市の6つの島と愛媛県今治市の岡村島を7つの橋で結ぶ。最短ルートで片道30km。しまなみ海道の四国側玄関口となる今治から岡村島まで船で渡れば、そこから本州側まで橋を渡って自転車で行ける。さらに安芸灘沿いの国道2号を60kmほど走れば尾道に戻れるというダイナミックな三角ルートも取れる。呉市を発着として7つの島を往復するというコースもおすすめ。
広島県と愛媛県は自転車を使った旅、サイクルツーリズムの環境整備に積極的。自転車を整備する工具を常備したサイクルステーションが随所にあり、サイクリストを歓迎する飲食店も多い。また、3つの海道では独自にレンタルサイクルが用意されている。貸し出しと返却の場所はそれぞれのエリアとなるので要注意。
新幹線、飛行機、クルマやバス…どうやってアクセスするか
首都圏から3海道にはどんな交通手段で行くか? クルマに愛車を積んで行くのもいいが、東京〜尾道間は700km以上ある。飛行機は広島空港に到着して、玄関口の尾道までリムジンバスで1時間半。旅情豊かな寝台特急は岡山駅までしか行かず、新幹線や在来線に乗り換える必要がある。コストを計算した末の結論は、愛車は宅配便で宿泊先まで送ってしまい、新幹線で現地入りするという方法だ。最も割高だが、一番ラクチンなのである。
宅配はネットで簡単に申し込める自転車配送システムを利用。自宅と尾道市のホテルを往復で配送してもらえる。尾道の宿泊先はその名も「ホテルサイクル」という自転車に特化したところを選択。大型の空気入れも常備されているので持ち込む必要もない。建物は港湾の倉庫を改装したもので、その建物内には自転車ショップもある。万一忘れ物をしても現地で入手できるから安心なのである。
交通手段による「首都圏から2泊3日」の費用概算
経費項目 | 新幹線 | 夜行寝台列車 | 飛行機 | バスツアー |
交通費 | 36,240円 | 36,240円 | 24,540円 | 39,800円 |
宿泊費 | 36,430円 | 15,400円 | 36,430円 | 0円 |
自転車配送料 | 12,760円 | 12,760円 | 12,760円 | 0円 |
合計 | 85,430円 | 64,400円 | 73,730円 | 39,800円 |
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