自転車に乗るのがツラいこの時期はオーバーホールとしてフレームや各部パーツの細部まで点検・整備するのにちょうどいい時期。日常のメンテナンスは自分でしたほうが安上がりだが、クルマを定期点検のため整備工場に持っていくように、自転車も1年に一度はプロにチェックしてもらいたい。どんなことをやってもらうか。整備代金はいくらかかるのかをまとめてみた。
きちんと整備された自転車は各部が新品の時と同じくらいに小気味よく駆動する。こまめに掃除をするだけで消耗部分の劣化や摩耗にも気づき、安全にかつ快適にサイクリングすることができる。そのためシーズン中もセルフメンテナンスとして、チェーンやギアの汚れ落としや注油、駆動系パーツの調整などはしておきたい。一般工具と自転車ショップで購入できる潤滑剤などのケミカルでやれる範囲でいい。
しかし自分では不具合がないと感じていても、見えない部分が損傷していることは多い。部品の内部だけにそれを点検するにはたいてい専門工具で分解することが必要だ。仮に高価な専用工具を購入しても、熟練した作業手順が必要なのでもとどおりに組み立てられなかったり壊してしまったりする(経験上w)。だからお金を払っても自転車ショップのメカニックにお任せしてしまおう。
神奈川県大和市下鶴間にあるスポーツバイク修理店「たもたもばいく」に今回は依頼した。オーバーホールは2万円で、これに交換が必要な部品代が別途かかる。購入して9年が経過し、まだ一度もオーバーホールをしていなかったボクのクォータKOMだけに、作業工賃3万円で、スペシャル整備をしてもらうことにした。
点検・整備の要所は回転する部分だ。前後輪のハブ、ペダルシャフト、ボトムブラケット、ハンドルの操作性を左右するヘッドパーツ。これらの部分には金属製ベアリングが潤滑グリスとともに封入されているのだが、長年の酷使や雨中走行などで不具合が生じることが多い。そのため専門工具を使って分解し、破損している部分は交換し、きれいに整備して入れ直す必要がある。
ワイヤとチェーンは長時間の走行で伸びが生じるので交換時期かを見極めてもらう。タイヤとギア歯先の摩耗具合もチェック。各部パーツも必要に応じて分解して整備する。こんな作業は一般の人にはできないし、手が真っ黒になるだけだ。だからオーバーホール代は高くない。整備するためにいったん自転車を預け、交換が必要な部品は在庫がなければ取り寄せとなるので、日数はかかる。だから自転車に乗らないこの時期にやるのが正解。
1週間も経たないうちに「オーバーホール、できあがりました」と連絡が来たので、1週間後に取りにいくと、9年前のカーボンロードと思えぬほどの状態に。バーテープに巻き込まれるアウターケーブルの位置取りなどよく考えてセッティングしてくれていた。フレームが傷ついた部分のレタッチは同色の車両用ペイントを手に入れてきれいに塗装してくれた。ボトムブラケットの異音だと思っていたところはチェーンの伸びが原因。シートポストのきしみ感はサドルのレール部分が発生源だった。
ボクは中学のとき、クルマのタイヤに踏まれてポテチになったホイールを、町の自転車屋のオヤジが目の前であっという間に直すのを見て、かなわないと思った。人生の中でもあれは衝撃だった。今回も、ここまでやってくれたかと大満足。タイヤ・チェーン・ワイヤ・シュー交換を含めて6万円弱。プロに任せるのが一番です。
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