【Column】地中海で4番目に大きな島、ナポレオンの生誕地コルシカの魅力

ボクは慣れ親しんだ日本が好きなのでツール・ド・フランス取材時も前日入りの翌日帰りだ。それでも前後のどこかで2日間のバカンスをあげると言われたら、迷わず「コルシカに行きます」と答えるだろう。一度しか訪問したことはないが、そこは間違いなく地上の楽園だ。

コルシカ島のボニファシオ

2013年のツール・ド・フランス100回記念大会は地中海に浮かぶコルシカ島で開幕し、3日間を過ごした。フランスは全100県で構成され、そのうち4県はカリブ海のマルティニック島などめったに足を運べないところ。残りはフランス本土に94県、そしてコルシカ島に2県ある。ツール・ド・フランス取材でフランス全土を四半世紀かけ回っているボクは、コルシカの初訪問でいちおう海外県をのぞいてコンプリートしたわけだ。

フランスのいろんな地方を訪れたわけだが、バカンスを過ごすならコルシカ島が一番だと断言できる。のんびりとした心地よく流れる時間に、心身ともにリラックスできるからだ。

スカンドーラ自然保護区を含むポルト湾は世界遺産に指定されている

コルシカ島がどんなところかというと離れ小島のリゾートだ。青い海と美しいビーチ。大自然に囲まれていながらも田舎臭くなく、しかも磯臭くなく、砂浜に寝転がっても汗でベトベトにならないほど心地よく乾燥している。ボクは湘南海岸近くに住んでいるが、その年のツール・ド・フランスで地中海を体験してしまうと、帰国してから海辺に出て「負けた感」がただよう。

どちらかというとカーラリーやMTBでラフな路面を走って楽しむイメージが強い。広島県ほどの面積、地中海では4番目に大きな島だが、意外と起伏に富む。モータースポーツの世界で「直線が200mあったらコルシカではない」と言われるほど、狭くて急な曲がり道が多い。トレッキングも楽しいはずだが、日本のように水場があるわけではなく、万一に備えて水と食料は携行しないと命取りになる。それでも忘れられたなにかが感じられるかも。生命の大切さだったり、地上にいることの存在意義だったり…。

地中海で獲れるデンティという白身魚

アンリ・ド・ロッカセラという、日本語を話せるフランス人がコルシカ島に特化した旅行会社を立ち上げた。「フランス人に”ド”がつくと貴族の出身」と多分アルセーヌ・ルパンの本で読んだ記憶があるが、ナポレオンの末えいでコルシカの名門貴族の出身のようだ。「コルシカ人の父とドイツ人の母の間に生まれた」という(決してフランス人って言わない)。

25歳の時には東京にわたり、ルイ・ヴィトンや日本財団で働くなかで日本文化に魅了されていった。滞在期間中は、村上春樹の小説「ノルウェイの森」に出てくる和敬塾に住み、日本人学生と多くの交流を持ったという。日本のおもてなし文化に感銘を受け、生まれ故郷であるコルシカと日本を結ぶことを仕事に選んだ。コルシカのおもてなし文化を日本人に味わってもらいたいという思いがあるのだ。

こうして日本人ツアーを企画するようになり、フランス出身の文化人として知られるフランソワーズ・モレシャンも2016年秋に同ツアーでコルシカ旅行を楽しんでいる。
「この時代にしてコルシカの人たちはアイデンティティを守って一生懸命生活している。それはスゴいことだと思いました。日本の武士道と同じような誇り高き尊厳を心に持ち続けている。そしてさらにはコルシカの中でもどこの出身なのか、出身の村の名誉を大切にしているんですね」

アジャクシオにはナポレオンの生まれたアパートが現存する

「コルシカの人とは仕事でつきあいが多いんだけど、共通するのはコルシカのことを悪く言うととても怒るんですよね」
これはフランス観光開発機構のフレデリック・マゼンク局長が補足している。
「ナポレオンが好きか嫌いかは別問題で、今のフランスを作った人という事実は変わらない」

パリからの空路もあり、フランスの地方都市を訪問するのよりも移動がしやすい。南仏ニースとのアクセスもいい。南の海を見渡せばイタリアの開幕地サルディニア島が手に取るように見える。いつかはのんびりとバカンスしてみたいな。

コルシカ島に興味のある人は…コルシカ・ナポレオニカ

最南端のボニファシオ。岬に立つとイタリアのサルデーニャ島が見える

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室屋義秀がレッドブル・エアレース開幕戦のアブダビ大会で2位

レッドブル・エアレースワールドチャンピオンシップが2018年の開幕戦をUAEのアブダビで迎え、2月3日の決勝で2017年の総合優勝者である日本の室屋義秀(Team FALKEN)が2位になった。室屋は前日の予選で3位と好位置につけていた。優勝は予選2位だった米国のマイケル・グリアン。2009年のブダペスト大会以来となる通算2勝目。3位はチェコのマルティン・ソンカ。

レッドブル・エアレース開幕戦のアブダビ大会で優勝したグリアンを中央に、左が2位室屋義秀、右が3位ソンカ ©Red Bull Content Pool

レース後の会見で室屋は、「実は自身初の2位です。自分のトロフィーコレクションに新しく加えることができてうれしい」と、新シーズンをいい形でスタートした喜びをコメントした。

新シーズンの開幕をアブダビの地で迎えるのは今回で11回目だが、室屋はこれまでアブダビで表彰台に立ったことがなく、逆に不調に終わることが多い会場だった。2009年にレッドブル・エアレース初参戦した際の最初の公式戦がアブダビ大会で、大会後に「最初はおっかなびっくりだったが、最後はコースが見えるようになった」コメントした通り、まずはレースに慣れることが先決と15人中、13位で終了。ちなみにそのときの14位はマイケル・グリアンだった。

続く2010年はフライト直前に風が吹く方向が変わり、接触が想定されると注意したものの操縦が甘くなり、エアゲートに接触。タイムを失って10位に。3年間の中断を経て再開した2014年大会では、パイロンヒット、オーバーGなどのペナルティはなかったが、その年から導入された1対1の対戦方式により Top12(現在のラウンドオブ14)で、2008年のワールドチャンピオンで、中断前の2009年、2010年にポール・ボノムと総合優勝争いを繰り広げたハンネス・アルヒに敗れて9位に終わった。

2015年ごろになると、新型機のEdge 540 V3が次々と投入される中、スピードで劣るV2でありながら、風を読む力や繊細な操縦テクニックでコンディションが荒れたレースで上位に食い込むようになった。またレースアナリストのベンジャミン・フリーラブもチームに加わり、風が変わりやすい開幕戦を当時の室屋にとって好成績の6位でゴール。年々アブダビ大会での順位を上げた。

新型機のV3も投入したことでさらに上の順位が期待された2016年のアブダビ大会では、V3でスピードを得たことが裏目に出てしまい、この年はオーバーGで失格となり8位に沈んでいた。

室屋義秀 ©Naim Chidiac/Red Bull Content Pool

いよいよ開幕した2018シーズン。総合成績ではグリアンが15点を獲得して、初めての首位に。2年連続の総合優勝を目指す室屋は12点で、パイロット14人のうち2位につけた。次戦は4月21〜22日にフランスのカンヌで開催される。シリーズは全8戦で、第5戦と第8戦がアジアで開催されることが予定されているが、日本の千葉大会が継続開催されるかは未定。

レッドブル・エアレース開幕戦のアブダビ大会 ©Predrag Vuckovic/Red Bull Content Pool

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富士スピードウェイが2020東京五輪自転車ロードの会場に…IOCが承認

富士スピードウェイが2020年に開催される東京オリンピックでの自転車競技ロードレースゴール会場と、個人タイムトラアル会場として正式承認された。2月3日に韓国の平昌で開催された国際オリンピック委員会(IOC)理事会で決まった。

富士スピードウェイのサーキットを走る自転車エンデューロイベント

開催の詳細については東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会と関係各所で協議され、別途発表を予定していると、富士スピードウェイのリリース。

富士スピードウェイ・原口英二郎代表取締役社長のコメント
「このたび、日本を象徴する富士山の麓にある富士スピードウェイが、東京2020オリンピックで行われる自転車競技のロードレースゴール会場と、個人タイムトライアル会場として正式決定したことを受けて、大変光栄なことであると同時に、責任の重さを感じております。
今後、関係機関の皆様、地域の皆様、 また自転車競技ファンの皆様と共に、安全・快適なオリンピックが開催できるよう、準備を進めてまいります。」

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宇都宮ブリッツェンが新チームロゴを発表…思いを具現化したデザインに

地域密着型プロ自転車ロードレースチーム「宇都宮ブリッツェン」が2018シーズンより使用する新たなチームロゴを、運営するサイクルスポーツマネージメントが発表した。

宇都宮ブリッツェン 2018ネームロゴ

サイクルロードレースをメジャースポーツにしたいという宇都宮ブリッツェンの想いを具現化。チーム創立以来使用しているレッドと、2018年よりチームウエアに採用されたネイビーを基調とし、シンプルな色使いでありながらブリッツェンのアイデンティティ要素を印象付けるデザインに仕上げた。チームの新たなイメージロゴとして、チーム広報物やユニフォーム、アフターウエア、チームグッズなど広範にわたって展開していく。

宇都宮ブリッツェン 2018ネームロゴ
宇都宮ブリッツェン 2018イニシャルマーク
宇都宮ブリッツェン 2018イニシャルマーク
宇都宮ブリッツェン 2018ペットマーク

宇都宮ブリッツェンのホームページ

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