写真家オリビエロ・トスカーニがジロ・デ・イタリアを撮影…父の遺志を継ぐ

まだ無名だったベネトンを世界的ブランドに押し上げたイタリアの写真家オリビエロ・トスカーニがジロ・デ・イタリアの開幕地であるイスラエルのエルサレムを訪問し、初めて自転車レースを撮影する。父のフェデーレはかつてジロ・デ・イタリアに帯同していたカメラマンで、ファウスト・コッピやジーノ・バルタリといった名選手と親交があった。

オリビエロの父であるフェデーレ・トスカーニ(左)とイタリアの伝説的自転車選手ファウスト・コッピ

「1950年代、ボクの父はジロ・デ・イタリアを追うカメラマンだった。コッピやバルタリと友だちだったようで、いつか父のように自転車レースに関わりたいと願っていた。それが現実となったよ。現代のコッピやバルタリを撮影したい」とトスカーニ。

エルサレムでは広告キャラバン隊に交じって、選手から沿道のファンのために働くスタッフらを撮影していくという。レースがイタリアに渡ったのちもアッシジ、トレント、ベナリアレアレ、ローマでジロ・デ・イタリアに合流する予定だという。

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サーモスの自転車用ステンレスボトルをインプレッションしてみた

世界で初めて真空断熱製魔法瓶を製品化したことで知られる魔法びんのグローバル企業サーモス。注目されている自転車用ステンレスボトル「真空断熱ストローボトル FFQ-600」をチェックしてみた。

サーモスの自転車用ステンレスボトル。レッドカラーは最新色

まず日常生活で使えます。冷蔵庫で冷やしたミネラルウォーターを入れて外出すれば、その日ずっと冷たいままで飲めます。麦茶やスポーツドリンクも可。ただしクール専用なので、ホットドリンクは不可ということだ。クーリング性能を発揮させるためにステンレス鋼を二重構造化して真空断熱層を作っている。重量は270gなので通常ボトルよりも重いが、内容量600mlのドリンクを入れてボトルに差せばまったく気にならない。

走行中の操作も慣れれば困ることはない。リリースボタンをプッシュするとストローが飛び差してくるのでそれを口に運べばいい。ストローは底まで届いているので、顔を上向きにしてボトルからドリンクを絞り出さなくてもいい。ちょうど指がかかる位置に滑り止めの樹脂製リングがボトルを一回りしているので、落としやすいということもない。

ただしボトルケージ材質との相性があって、カーボンケージはガタガタしてしまう。ボトルケージのデザインによってはホールド力が不十分かもしれない。そんなときは「100均」などで売っているドア緩衝材などを使用。半円形をしたソフトクッションあるいはその端切れをケージの内側など要所に貼り付ければガタガタする音がなくなり、衝撃による不意の落下も防止できる。

最近の日本は猛暑になりがちで、照りつける日差しを長時間浴びていると精神的に不安になってしまうことも。そんなときに冷たい水を飲めばスーっと落ち着くことがある。氷を入れれば数時間経過しても氷がなくならないほどの保冷力。きっとサイクリストの味方になってくれるはずだ。

石畳などの路面ではカタカタとボトルがケージにふれる音がするので、緩衝材などで消音する必要がある

カラーはステンレスブラック、ステンレスホワイト、ステンレスレッド。3600円(税別)。取り扱いは自転車用品輸入商社のマルイ。

サーモス社ホームページより

【特急】サーモス 真空断熱ストローボトル FFQ-600 600ml

価格:3,499円
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初開催のトライアルアジア選手権…寺井一希、寺井一希ら日本勢が4カテゴリー独占

初開催となる自転車トライアルのアジア選手権が4月30日に長野県佐久市の佐久ミレニアムパーク特設会場で行われ、男子エリートでは20インチクラスで寺井一希が、26インチクラスで塩崎太夢が優勝して初代アジアチャンピオンになった。

この大会が初開催となったアジア選手権大会トライアル。日本を含むアジア5カ国の代表チームが出場。実施されたのは男女あわせて4カテゴリーだった。男子エリート20は前日に同会場で行われた全日本選手権で7連覇を果たした寺井がワールドレベルの圧倒的な競技力を披露して優勝。男子エリート26も前日の全日本選手権クラス勝者の寺井一希が優勝。

女子エリート、男子ジュニアも日本人選手が優勝し、実施4カテゴリーの優勝を日本が独占して会場を盛り上げた。トライアルは知名度の高い競技ではないものの、アジア選手権の実施によって機運を高め、今後さらなる発展を目指していきたいという。

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ヤコブ・フルサングがツール・ド・ロマンディ第4ステージで独走勝利

第72回ツール・ド・ロマンディは4月28日にスイスで最難関と言われる距離149kmの第4ステージが行われ、アスタナのヤコブ・フルサング(デンマーク)が残り15kmでアタックを決めてゴールまで独走してステージ勝利した。総合成績ではロット・ユンボのプリモズ・ログリッチ(スロベニア)が首位を守った。

ツール・ド・ロマンディ第4ステージで独走優勝したヤコブ・フルサング © Luis Angel Gomez/BettiniPhoto

「この勝利はツール・ド・フランスに向けての準備としてとてもいいものになった」とフルサング。

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JBCF東日本ロードクラシック群馬でキナンの中島康晴は8位

国内リーグのJプロツアー2018年シーズン第5戦、JBCF東日本ロードクラシック群馬大会の初日が4月28日に行われた。今シーズン、Jプロツアー初参戦となったキナンサイクリングは、中島康晴がチーム最上位となる8位でフィニッシュ。中島と山本元喜が終盤に形成された先頭グループに加わり優勝争いを展開したが、あと一歩及ばず。2日目での雪辱を誓うこととなった。

JBCF東日本ロードクラシック群馬で中島康晴が8位 ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

2018年は1月のシーズンインからUCI(国際自転車競技連合)公認の国際レースをメインに走ってきたキナンだが、そこで得た収穫と課題を反映させる場として、満を持しての国内リーグ参戦。メンバーは中島と山本のほか、中西健児、雨乞竜己、新城雄大の日本人選手5人で臨んだ。

この大会は例年、初日と2日目のワンデーレース2連戦として行われている。初日は群馬サイクルスポーツセンターに設定された1周6kmのコースを17周回する102km。リザルトに応じた付与ポイントに反映されるレイティングはAAに指定される。コースの周回前半は下り基調、後半が上り基調。そして、スタート・フィニッシュが設けられるコントロールライン手前約100mからの急坂もコースの特徴として挙げられる。

2017年はこの大会で中島が集団スプリントを制して優勝。2018年はチームとしてその再現をねらうべく、スピード域の高いレース展開を進めることを意識。前夜のミーティングでは、序盤から逃げに選手を送り込み、ライバルチームに対して先手を打ちつつレースを進めることを確認。展開に合わせて、状況に適した選手を前方に送り込めるよう各選手が集団の好位置で走ることもミッションの1つとなった。

迎えたレースは、1周回目から出入りの激しいものとなる。しばらく様子をうかがいながら進行したキナン勢だったが、4周回後半の上り区間で山本がアタック。これは成功に至らないが、以降も次々とチャンスを作り出すべく動きを繰り返す。7周回目に入り、中西がアタックを決める。一時は単独で集団に対し1分のリードを得るが、その後6人が追走。これを機にプロトン(メイン集団)全体が活性化し、再び集団は1つに。中西も集団へと引き戻された。

序盤から続いたアタック合戦の均衡が破られたのは9周目。3選手のアタックが容認され、キナン勢は集団に待機。前を行く3人とのタイム差が40秒となったところで、中島が集団前方へと上がってコントロールを開始。11周回目の後半には山本が先頭へのブリッジをねらってアタック。一時は約25秒差にまで迫るが、次の周回までには集団に吸収された。

終盤に向けて態勢を整えたいキナン勢は、再び中島や新城、中西を軸に集団をコントロール。逃げグループは人数を減らすとともに勢いが落ち、徐々に集団がタイム差を縮めていく。そして、残り2周回となったところで逃げていた選手をすべて吸収。レースを振り出しに戻した。この直後、勝負を左右する動きが起こる。周回後半の上り区間で7人が集団からアタック。これに中島と山本が加わる。さらにその後の下りを利用して3人が先頭へ。この動きに中島が乗じ、後続にタイム差をつけて最終周回の鐘を聞く。山本が含まれる追走は人数を増やして8人に。メイン集団との差はあっという間に開いていった。

中島らの先頭グループは追走メンバーの合流により11人とし、アタックかスプリントか、それぞれの思惑が交錯する。残り500mで他選手がアタックするが、ここはしっかりと対応。山本が下りで中島を引き上げながら少人数でのスプリントに持ち込んだ。そして最後の直線。キナン勢は中島に勝負を託したが、スプリント力に勝るライバルチームの選手たちにあと一歩及ばず。このレース2連覇をかけての走りだったが、8位だった。

キナン勢は山本が11位、集団でフィニッシュを目指した雨乞が15位、中西が34位、新城が42位。チャンスがありながらも勝ちを逃す悔しい結果となった。一方で、当初の予定通り序盤から積極的にレースを展開し、要所ではしっかりと前方を確保するなど、勝負できる位置を終始走り続けられたことは翌日への収穫といえそうだ。その次戦は、今回の悔しさを晴らす雪辱戦となる。29日に行われるDay-2は、この日と同じ群馬サイクルスポーツセンターを舞台に22周回・132kmで争われる。レイティングはAAAA。キナン勢は初日と同じ5選手で出走する。

JBCF 東日本ロードクラシック群馬大会 Day-1結果(102km)
1 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング) 2時間30分42秒
2 岡篤志(宇都宮ブリッツェン) +0秒
3 アイラン・フェルナンデス(スペイン、マトリックスパワータグ)
4 入部正太朗(シマノレーシング) +1秒
5 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
6 岸崇仁(那須ブラーゼン)
8 中島康晴(KINAN Cycling Team) +2秒
11 山本元喜(KINAN Cycling Team) +29秒
15 雨乞竜己(KINAN Cycling Team) +1分4秒
34 中西健児(KINAN Cycling Team) +1分13秒
42 新城雄大(KINAN Cycling Team) +1分25秒

中島康晴

中島康晴のコメント
レース中盤に3選手が飛び出してからは、ブリッジをねらうにしても、スプリントをねらうにしても、対応可能なタイム差でレースを進めることを心がけた。チーム全体の動きはよく、取りこぼしもなく終盤を迎えられたので、あとは自分がスプリントで勝負するだけだったが、それまでに脚を使っていたこともあり悔しい結果になってしまった。選手間でコミュニケーションを図りながら走れば、さらに効率的なレース運びができるはずだし、みんなのコンディションもよいので、次こそは勝ちたい。
自分と山本元喜が残り2周で抜け出したのは、ねらったというよりは他選手の動きに合わせたことでできあがった形だった。もし集団が追いついてくるようなら、スプリンターの雨乞で勝負することを考えていた。結果的に逃げ切りとなり、元喜が牽いてくれて自分で勝負することになったが、最後は脚に余裕のある他チームのスプリンターとの差が出てしまった。
明日は距離が長く、気温も上がるとの予報なので、きっとサバイバルレースになると思う。キナンはそうしたレースに強いし、今日の反省を生かして走ればきっとよい結果が残せるだろう。

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全日本トライアル選手権で寺井一希が7連覇…26クラスは塩崎太夢優勝

第7回全日本トライアル選手権が4月29日に長野県佐久市の佐久ミレニアムパーク特設会場で開催され、男子エリート20で寺井一希(チームハリケーン)が7連覇しら。男子エリート26は塩崎太夢(山梨)がエリート1年目で優勝した。

全日本トライアル選手権で7連覇を達成した寺井一希 © 2018 JCF

2018年で7回目を迎える全日本トライアル選手権。20インチの自転車で競う「男子エリート20」は第1回から負けなしの寺井が2013年世界選手権3位の実績を見せつける貫禄勝ち。翌日のアジア選手権に向けて期待通りの実力を見せつけた。

「男子エリート26」では初のエリート(2018年に19歳以上の選手)カテゴリーとなった塩崎が初優勝。将来有望の19歳が今後に期待をもたせる成績でファンを沸かせた。

全日本トライアル選手権の26インチクラスで優勝した塩崎太夢 © 2018 JCF

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