小学生が自転車の安全な乗り方を考え・学ぶ機会に…愛知県新城市でウィーラースクール

UCIコンチネンタルチームのキナンサイクリングは7月6日、愛知県新城市の作手(つくで)小学校にてウィーラースクール(自転車安全教室)を実施。同校3年生から6年生までの児童約70人を対象に、所属選手が指南役となり自転車と安全について学ぶ機会を設けた。

作手小学校ウィーラースクール ©︎KINAN Cycling Team / Midori SHIMIZU

キナンではこのところ、本職であるレース活動のみならず、児童・生徒を対象とした安全講習にも注力し、自転車をより身近に、そして安心して乗れる環境づくりを目指している。この日は、チームのホストレース「KINAN AACA CUP」の開催や、各種イベント招待などで縁のある新城市でのウィーラースクール開催の機会が設けられた。講師を務めたのは山本元喜、椿大志、中西健児、山本大喜、雨乞竜己、中島康晴、新城雄大の7選手に、加藤康則ゼネラルマネージャー、石田哲也監督、南野求メカニックを加えた総勢10人。

約1時間40分にわたって行われた講習は、まず座学として自転車の危険性と注意すべき事柄についてクイズ形式で確認。加藤GMの進行に呼応するかのごとく、児童が次々と解答。自転車の安全に対する意識の高さが垣間見られた。

その後、自転車を用いての実技へ。「まっすぐ走ること」「しっかり止まること」を中心に、さらにはパイロンの間をぬって走るスラロームにも挑戦。児童は選手・スタッフのサポートを受けながら、設定された課題をこなしていった。

また、先生たちも児童とともに実技に参加。ひときわ大きな歓声を受ける先生たちの表情も真剣そのもの。よいところを見せようと、果敢にトライする姿が印象的だった。

そのほか、選手からの自己紹介やチーム活動のPRも行い、アジアのレースシーンや、6月24日の全日本選手権ロードレースでの山本元の優勝にまつわる話題では大きなどよめきも。児童・教員ともに、多岐にわたるチームの取り組みに興味を惹かれた様子だった。

講習の最後にはチームの応援グッズをプレゼント。児童からは安全な自転車乗車を、選手からは自転車に乗る際のお手本として、そしてレースでの活躍も合わせて約束する場となった。(Report:清水翠、Edit:福光俊介)

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キナンがJ PROTOUR広島シリーズ2連戦へ…第1ピリオドの締めくくり

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初開催のJBCF広島クリテリウムで中島康晴2位… 波状攻撃で主導権を握る

国内最高峰のロードレースシリーズ「J PROTOUR」は7月1日が広島シリーズ2日目。初開催となるJBCF広島クリテリウムでキナンサイクリングは中島康晴を2位に送り込んだ。レーススタート直後から果敢に攻撃を仕掛け、レースの主導権をつかんだうえでの上位進出だった。

JBCF広島クリテリウムは窪木一茂が優勝。中島康晴が2位 ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

広島市西区の商工センター内に設けられた1.7kmの周回コースで実施された、広島市内では初めてとなる市街地クリテリウム。3カ所のヘアピンカーブと長い直線が特徴とあり、カーブをクリアする番手や最終局面での位置取りが勝負における大きな要素となると予想された。

キナンは前日のJBCF西日本ロードクラシック広島大会で中西健児が5位、山本元喜が6位と2選手がトップ10入り。雨脚の強い中でも選手たちはまずまずの走りを見せた。その流れを受けて臨む今回のクリテリウムには、山本元のほかに山本大喜、雨乞竜己、中島康晴、新城雄大が出場。スプリントはもちろん逃げや少人数での勝負となることも想定し、あらゆるレース展開に対応できる選手たちをそろえた。

前日とはうって変わり、ときおり強い日差しが照りつける中で始まったレースは、スタート直後からキナン勢が攻勢に出る。山本元、山本大、中島、新城とかわるがわるアタックを仕掛け、逃げのチャンスをうかがう。一時的に4~5人が数秒のリードを奪う場面があるものの、序盤は出入りが激しいまま進行。1周目を終えようかというタイミングでクラッシュが発生し、雨乞が間一髪で落車を免れたが、この影響によりバイクを交換。トラブル発生時と同集団でのレース復帰が許されるニュートラル措置により、集団へと戻っている。

均衡が破られたのはレース中盤。山本大ら3選手のアタックが決まり、そのまま逃げグループとなる。この動きを容認したメイン集団とのタイム差は10~15秒で推移。キナン勢は、山本大が先行したことで集団コントロールを他チームに任せ、次なる展開へと備える。前日の落車と序盤のアクシデントが重なった雨乞がリタイアとなるが、残る4人で勝負どころを探っていった。

レースが後半になると、逃げグループ内でも脚の差が明白となる。やがて山本大ら2選手に絞られ、後方ではメイン集団も徐々にペースアップ。10秒を切るタイム差まで縮まる。残り7周回となったところで、メイン集団でアタックが発生。これには山本元が対応するが、追走とはならず集団へと戻っている。以後も先頭2人と集団との構図が続いたが、残り4周回に入ったところで先頭から山本大がアタック。さらにスピードアップし独走へと持ち込む。

キナンしばらくトップを走り続けた山本大だったが、残り2周回でメイン集団によって吸収された。かわって仕掛けたのは山本元。このカウンターアタックによってメイン集団は活性化。山本元は集団へと戻ったが、集団は34人となって最後の周回を迎えた。

スプリントに向けた激しいポジション争いが展開された中、先頭で最後の直線へと現れたのは新城。そして残り約200mで中島を発射。最後は混戦のスプリント勝負となり、これに絡んだ中島は2位でフィニッシュラインを通過した。

スタート直後からの波状攻撃で流れをつかみ、最後も好連携を見せたキナン勢。あと一歩で優勝は逃したものの、きっちりと表彰台の一角を確保。前日の上位フィニッシュに続き、広島での2連戦で一定の成果を修めた。それでもレース後には選手間でミーティングを行い、課題と収穫を確認。結果に一喜一憂せず、より内容の濃いレースとしていくための意識を高めた。

チームは5月以降、出場するレースで次々と好成績を修め、これまでにない充実した時期を過ごした。ビッグレースが続いた第1ピリオド(前半戦)を終え、チームは次の段階へとステップアップするときを迎えている。選手個々のレベルがアップし、レース出場をかけた競争も激しさを増すなか、今後は全体の底上げが進んでいることをチーム力をもって証明していくことになる。

第1回JBCF広島クリテリウム(51.0km)結果
1 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング) 1時間22分26秒
2 中島康晴(KINAN Cycling Team) +0秒
3 黒枝咲哉(シマノレーシング)
4 大久保陣(チームブリヂストンサイクリング)
5 横山航太(シマノレーシング)
6 織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)
24 新城雄大(KINAN Cycling Team) +3秒
28 山本大喜(KINAN Cycling Team) +29秒
37 山本元喜(KINAN Cycling Team) +1分11秒
DNF 雨乞竜己(KINAN Cycling Team)

山本大喜

山本大喜のコメント
一緒に逃げていた雨澤さん(宇都宮ブリッツェン)は脚があるので、一緒に逃げ続けられればと思っていたが、メイン集団の勢いが上がってきた時点で1人で行けるところまで行こうと決めた。独走になってからは苦しくて、集団が迫っていることも感じていたが、少しでも長い時間逃げ続けてチームメートを楽にできればと思って走っていた。チームとして連携ができて、中島さんの2位につなげられた。春先はチームとして結果が残せず、力不足を感じることもあったが、全日本選手権に向けたトレーニングが結果的に個々のレベルアップをもたらしたと思う。みんな自信をもって走れているし、それが積極的な姿勢にも表れている。

中島康晴

中島康晴のコメント
チームとしてスタートから攻めていくという姿勢を心がけた。よいタイミングで(山本)大喜が逃げに入ってくれたので、ほかのメンバーは集団内の好位置をキープしながら走ることができた。力のあるスプリンター相手に真っ向勝負となると分が悪いので、残り2周になったところで(山本)元喜にアタックしてもらって、集団内がより活性化することをねらった。ラスト1kmからは(新城)雄大に引っ張ってもらって、スプリント勝負につなげた。
窪木選手に勝ちたかったが、途中ではアタックに反応しつつ、最後はスプリントで勝つあたりに強さを感じている。チームとしては雨乞での勝負とはならなかったが、その分をみんなでカバーし合って表彰台を確保できたことがうれしい。チーム全体として全日本選手権からの勢いを持続できている。メンバーがプロトン内で一目置かれていることを実感しているし、それがかえってレースを進めやすくしている側面もある。このまま勝利を重ねていきたいし、みんなでどん欲に勝つことにこだわっていきたい。

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キナンがJ PROTOUR広島シリーズ2連戦へ…第1ピリオドの締めくくり

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JBCF西日本ロードクラシック広島で中西健児5位…終盤にレースを動かす

国内リーグ「J PROTOUR」の2018年第11戦、JBCF西日本ロードクラシック広島大会が6月30日に広島県中央森林公園で行われ、6選手が出場したキナンサイクリングは中西健児がチーム最上位の5位。山本元喜も6位に続き、終盤にかけてレースを動かした2選手が上位進出を果たした。

©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

今回で52回目の開催で、伝統と格式は西日本有数のこの大会。広島県中央森林公園に設けられる1周12.3kmのコースはアップダウンに富み、急坂はもとより、「ジェットコースター」とも称されるテクニカルなダウンヒルも選手たちを待ち受ける。なかでも、通称“三段坂”と呼ばれる見通しのよい直登が周回を追うごとに選手たちの脚にダメージを与える。例年、暑さも相まってサバイバルな展開となることが多いが、2018年は朝からの強い雨によって天候・コースともにコンディションは悪い状況。アマチュアカテゴリーでは複数の落車が発生して、このレースでもいつになく緊張感が高まる中でのレースとなった。なお、ポイント付与に関係するレースレイティングは、Jプロツアー最高の「AAAA」に指定される。

キナンは山本元、中西、山本大喜、雨乞竜己、中島康晴、新城雄大の6人が出場。ワンデーレース2連戦として行われた2017年は、Day-1で山本元が2位、Day-2で中西が6位となっている。また、前週まで行われていた全日本自転車競技大会では、山本元(エリートロード)と山本大(アンダー23個人タイムトライアル)が日本チャンピオンジャージを獲得。チャンピオンチームとなった勢いのまま、広島へと乗り込んでいる。

9周回・110.7kmに設定されたレースは、まず4選手のアタックをきっかけに、次々と選手たちが反応。1周回目を終えた時点で約40人が先頭集団を形成し、キナン勢では中西と中島が加わる。2周目では別の4選手が飛び出し、雨脚が強まる中でメイン集団でも出入りが激しさを増す。この時点でキナン勢は中西と中島に加え、山本元と雨乞が合流。3周目で逃げが3人となり、ようやくレース全体の形勢が固まることとなる。

逃げとメイン集団との差は、しばし1分20秒前後で推移。中盤に入っても逃げと集団の構図に大きな変化がないまま進む。集団が前をめがけてスピードを上げ始めたのが6周目。キナン勢では雨乞が集団前方へと上がって、ペースコントロールを担う。こうした動きもあって、逃げとのタイム差は約1分に縮まる。その後の7周目、8周目とタイム差は1分前後を行ったり来たり。逃げを射程圏内にとらえたメイン集団は、雨乞に代わって中島が牽引を引き受け、最終周回の鐘を聞くこととなった。

最後の周回に入ったところでのタイム差は32秒。残り距離が減るにつれて、その差はみるみる縮まり、フィニッシュまであと6kmになろうかというタイミングでついに吸収。優勝争いは土壇場でふりだしに戻った。

勝負への思惑が集団内に交錯する中、レースを大きく動かしたのは中西。残り4kmでアタックし、一時は後続との差を15秒とする。これに追随した選手をチェックする形で山本元も加わるが、協調には至らず集団へ戻ることに。さらにカウンターアタックが発生すると、再び山本元がチェックに入り、そのまま2選手がリード。先頭のまま残り500mを過ぎ、急坂を含んだ最後の直線へと入っていく。

急坂をクリアした残り300mでトップに立ったのは山本元。最後のチャンスにかけてスパートを試みるが、メイン集団から残った5選手が猛追。ここに中西が入り、山本元ともに上位進出をかける。最終局面は中西が山本元に代わって少人数スプリントに挑み、結果はトップと同タイムの5位。山本元は少し遅れて6位でフィニッシュした。

序盤から中盤にかけて雨脚が強まり、レース展開が変化していく中で堅実に上位を固めたキナン勢。勝利をねらえる状況であと一歩及ばなかったものの、前週の全日本選手権を経て、さらなるチームの底上げを図っていく段階へと突入し、その足掛かりとなるレースであったことは確か。フィニッシュ後の選手たちからは、盛んに意見が出され、この先の戦いへつなげるためのポジティブな姿勢が見られた。それを試す場となるのが、翌7月1日のJBCF 広島クリテリウムとなる。

なお、トップカテゴリーのレースでも各所で落車が発生。キナン勢では新城と雨乞が落車し、その影響で途中リタイアとなったが大事には至らず、レース出場を続けていく。

JBCF広島クリテリウムは記念すべき初開催。同時に広島市内で初めての実施される市街地クリテリウム。1周1.7kmのコースは、3カ所のヘアピンカーブと長い直線が特徴的なレイアウト。これを30周回・51kmで争うことになる。キナンは当初の予定通り、山本元、山本大、雨乞、中島、新城のオーダー編成。スプリントのほか、逃げの動きなども想定し、勝利のチャンスをうかがっていくことになる。

第52回JBCF西日本ロードクラシック広島大会(110.7km)結果
1 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング) 2時間46分39秒
2 横山航太(シマノレーシング) +0秒
3 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)
4 アイラン・フェルナンデス(スペイン、マトリックスパワータグ)
5 中西健児(KINAN Cycling Team)
6 山本元喜(KINAN Cycling Team) +4秒
20 中島康晴(KINAN Cycling Team) +1分58秒
DNF 雨乞竜己(KINAN Cycling Team)
DNF 山本大喜(KINAN Cycling Team)
DNF 新城雄大(KINAN Cycling Team)

中西健児

中西健児のコメント
中盤は雨乞さん、終盤は中島さんに仕事をしてもらっただけに、勝ちたかったし、勝たなくてはいけないレースだった。最終周回でアタックしたのは“三段坂”の上り。(山本)元喜さんの指示もあったので、思い切っていった。今大会には自分の結果を求めて臨んでいた。前週、全日本選手権で約6時間のレースをこなしたが、その疲れを抜いて、ここに合わせてきた。気持ちの面でも集中できていた。(翌日のJBCF 広島クリテリウムは走らないが)チームはよい感じで連携できているので、スプリントで勝つことを望んでいる。

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キナンがJ PROTOUR広島シリーズ2連戦へ…第1ピリオドの締めくくり

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キナンがJ PROTOUR広島シリーズ2連戦へ…第1ピリオドの締めくくり

キナンサイクリングは6月30日、7月1日の両日、国内リーグ「J PROTOUR」のJBCF広島シリーズ2連戦に出場する。

JBCF西日本ロードクラシック広島大会に参戦するキナン勢

6月30日に行われる「JBCF西日本ロードクラシック広島大会」には山本元喜、中西健児、山本大喜、雨乞竜己、中島康晴、新城雄大の6選手が出走の予定。Jプロツアー最高のレースレイティングである「AAAA」に指定され、2018年で52回目を迎える伝統と格式のある大会。広島中央森林公園に設けられる1周12.3kmのコースを9周回する110.7kmで争われる。コースはアップダウンに富み、急坂を上るだけでなく、ジェットコースターとも称されるテクニカルなダウンヒルも待ち受け、例年サバイバルな展開となるのが特徴。そして強い日差しも選手たちの消耗を誘う。2017年はワンデーレース2連戦として行われ、Day-1で山本元が2位、Day-2で中西が6位となった相性のいいレース。

7月1日の「JBCF広島クリテリウム」は、広島市内で初開催される市街地クリテリウム。チームごとの出走人数は、6月10日時点でのチームランキングが反映され、トップ10入りしているキナンは最大出走枠の5名を確保。前日のレースから中西をのぞく5選手がスタートラインにつく予定(当日までにオーダー変更の可能性あり)。コースは1周1.7km。3カ所のヘアピンカーブと長い直線が特徴的で、レースを左右する要素となるものと見られる。特にスプリントに向けた集団内でのポジショニングが重視されるレース終盤は、激しい主導権争いとなりそう。ヘアピンカーブをクリアする番手、そしてスプリントを開始する位置が結果に反映されるはず。レース距離は30周回・51.0kmに設定されている。

JBCF広島クリテリウムに参戦するキナン勢

キナンは6月17日の全日本自転車競技大会個人タイムトライアルで山本大がアンダー23カテゴリーを制覇。翌週24日の同大会ロードレースでは、山本元がエリートカテゴリーでは初となる優勝を果たし、それぞれ日本チャンピオンジャージを獲得した。日本の頂点を勝ち取った勢いのまま広島へと乗り込む。この2連戦を2018年シーズン第1ピリオド(前半戦)の締めとしてしっかりと戦いたいという。選手・スタッフは大会前日の6月29日に開催地の広島入りし、30日からのレースを迎える。

JBCF西日本ロードクラシック広島大会
6月30日 12.3km×9周回 110.7km 午後1時30分スタート
会場:広島中央森林公園サイクリングコース

JBCF広島クリテリウム
7月1日 1.7km×30周回 51.0km 午後0時55分スタート
会場:広島市西区商工センター内特設コース

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山本元喜が日本チャンピオン…鮮やかな連携で新城雄大も3位に

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山本元喜が日本チャンピオン…鮮やかな連携で新城雄大も3位に

サイクルロードレースにおける2018年シーズンの日本一を決める全日本自転車競技大会ロードレースの最終種目、男子エリートでキナンサイクリングの山本元喜が最終周回でのアタックを成功させ、独走で優勝。エリートカテゴリーでは初となる日本チャンピオンとなった。序盤からチームメートの新城雄大とともに先頭グループに入り、終盤は2人の連携で数的優位な状況を作りだした。その新城も3位となった。

12周目に山本元喜(左)と小石祐馬(チーム UKYO)が抜け出した ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

6月22日の開幕から各カテゴリーで熱戦が展開されてきた今大会。大会2日目、23日に行われた男子アンダー23では弟の山本大喜が9位。キナンとしては、優勝者に与えられる日本チャンピオンジャージの獲得を最終日の男子エリートにかけることとなった。

その男子エリートは14.2kmのサーキットコースを15周回する213kmで争われた。周回前半は最大勾配8%の上りが続き、後半からは下り基調。大会を通じ、ここまで独走か数人に絞られた中での優勝争いが続いてきた。実力がより拮抗する男子エリートでは、どんなレース展開となるかも大きな見どころ。獲得標高はおおよそ4000mにものぼり、暑さも相まってサバイバル化することが予想された。

そんなタフなレースに、キナンから山本元と新城のほか、中西健児、雨乞竜己、中島康晴の5選手が出場。各選手好調でこのレースを迎えた。チームによって出走人数にばらつきがあり、5人出走は決して多いとは言えないが、コース適性の高いメンバーをそろえ、いかにレースの流れや勝負どころを見定めるかが上位進出のカギとなった。

午前9時の号砲とともにスタートが切られると、1周回目から有力チーム・選手が乗じる逃げグループが形成された。キナン勢ではまず山本元が合流。2周目に入って新城も加わり、最大で32人もの先頭グループにふくらむ。優勝候補選手の一部が残る形となったメイン集団には、キナン勢では中西、雨乞、中島が待機する。

最終周回、佐野淳哉(マトリックスパワータグ)と新城雄大、山本元喜の3人に ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

その形勢のまましばらくは大きなアクションはなく、7周目の途中でタイム差がこの日最大となる9分以上となる。これを機に少しずつタイム差は縮まっていくが、メイン集団が先頭グループを射程圏にとらえるまでには至らない。11周目に入って先頭グループからアタックする選手が現れたこともあり、ここからいよいよ活性化。先頭の人数が絞られていくが、キナン勢2人は問題なく対応した。

大きな局面を迎えたのは続く12周目。長い上りを利用してアタックが発生すると、山本が反応。追随する選手を振り切って、先に飛び出していた小石祐馬(チームUKYO)と逃げの態勢を整える。さらにその後方で生まれた4人の追走グループには新城が加わる。新城は前方に山本元が逃げていることもあり、追走グループのローテーションには意図的に加わらない。

山本元らの2人逃げのまま周回数を重ねたが、追走グループも徐々にタイム差を縮め、14周目に先頭へ合流。追走もこのころには佐野淳哉(マトリックスパワータグ)と新城の2人に絞られ、そのまま4選手による優勝争いのムードになっていく。その直後、急坂区間で佐野がアタック。これに即座に反応したのが山本元。下り基調の周回後半には新城が小石を振り切って、山本元が走る位置まで再合流をねらう。そして最終周回を目前に新城が追いつき、3人で残り1周回の鐘を聞いた。

決定的な瞬間は、この日たびたび動きが発生していた長い上りだった。山本元が渾身のアタックを繰り出し、単独先頭に立つ。佐野が約10秒差で続くが、山本元の乱れのないペースに、少しずつその差が開き始める。一時は40秒差にまで広がり、そのまま勝負あり。

独走に持ち込んだ山本元。残り300mからフィニッシュまでの最後の直線は、さながらウイニングライド。残り100mで優勝を確信すると、最後は両拳を掲げてフィニッシュへ。勝利を信じて待ち続けた仲間のもとへと飛び込んだ。

チームメートとスタッフが新チャンピオンを迎える ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

山本元にとって、ロードの日本タイトルは通算3回目。過去2回はいずれもアンダー23でのもので、最上位のエリートでは初の頂点となる。この大会に向けて約1週間、開催地近くに滞在し、調整やコース研究に時間を割いた。ピーキングの成功はもとより、入念な準備も勝因といえそうだ。表彰式では晴れの日本チャンピオンジャージに袖を通し、今後1年間にわたって着用してレースに出場していくことになる。

そして、山本元とともに序盤から前方でレースを進め、終盤にかけて最高のコンビネーションで貢献した新城も3位でフィニッシュ。山本元やチームスタッフが待ち構える中、こちらもガッツポーズでレースを終えた。パーフェクトなレース展開でワン・スリーフィニッシュを達成した。

このほかキナン勢は、終盤に上位ねらいの動きに切り替えた中島がポジションを上げていき、最終的には7位。中西も23位で完走している。トップ10に3選手を送り込むことに成功し、国内選手権上位者に付与されるUCIポイントを3選手分合計で180点を獲得した。

チームにとってテーマの1つでもある、日本人選手でのレース構築を実践する場でもあった今大会。日本チャンピオンジャージの獲得という最高の形で、選手たちはその成果を示してみせた。確たる力を持ったチームは次戦、Jプロツアーの広島シリーズへの参戦を予定する。6月30日はJBCF西日本ロードクラシック広島大会、7月1日は初開催となるJBCF広島クリテリウムと、2連戦のスタートラインにつくこととなる。

日本のナショナルチャンピオンジャージを着用した山本元喜とチームメート ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

全日本選手権自転車競技大会ロードレース・男子エリート(213km)結果
1 山本元喜(KINAN Cycling Team) 5時間46分53秒
2 佐野淳哉(マトリックスパワータグ) +32秒
3 新城雄大(KINAN Cycling Team) +2分43秒
4 入部正太朗(シマノレーシング) +4分26秒
5 平塚吉光(チームUKYO) +4分32秒
6 小石祐馬(チームUKYO) +4分39秒
7 中島康晴(KINAN Cycling Team) +4分44秒
23 中西健児(KINAN Cycling Team) +10分37秒
DNF 雨乞竜己(KINAN Cycling Team)

山本元喜

山本元喜のコメント
本当に信じられない気分。アシストしてくれたみんなや支えてくれたチームスタッフにも感謝している。今回は動きすぎないよう、我慢しながらレースすることを心掛けた。その甲斐あって終盤まで脚を残すことができ、最終周回でのアタックにつながった。約1週間、開催地で過ごしてコースの特徴を頭に叩き込んでいた。どこでどう動くべきかも想定していたので、他選手のアタックに対しての対応の仕方や、自分がどこからペースを上げていくべきかもイメージできていた。このコースに合わせたトレーニングを積むことができたこともよかった。いつかこのタイトルを獲りたいと思っていたが、これはあくまでも通過点。ここで勝つことだけで満足せず、今後に控える大きなレースで結果を残せるよう取り組んでいきたい。

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山本元喜が2018年の全日本チャンピオンに…終盤に単独で抜け出して独走

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山本元喜が2018年の全日本チャンピオンに…終盤に単独で抜け出して独走

第87回全日本自転車競技選手権大会ロードレースは6月24日、島根県益田市で大会最終日の男子エリートが行われ、山本元喜(キナンサイクリング)が独走で初優勝。2018年の日本チャンピオンになった。弟で同チームの山本大喜は個人タイムトライアルの全日本チャンピオンで、種目は異なるが兄弟で国内タイトルを獲得した。

山本元喜が2018年の全日本チャンピオンに © 2018 JCF

1周14.2kmのコースを15周213kmで行われた男子エリート。梅雨時とは思えない青空の下でスタートしたレースは、4周目までに35人の先頭集団が形成され、後続との差が一気に3分まで開いた。その後レース中盤までに後続との差は7分まで開く。10周目に入ると、先頭集団の動きが活性化。アタックが繰り返され、人数が減っていく。12周目、山本元喜と小石祐馬(チーム右京)の2人が先行。30秒ほどの差で佐野淳哉(マトリックスパワータグ)、新城雄大(キナンサイクリング)、石橋学(ブリヂストンサイクリング)、小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)の4人が追走。残り2周となる14周目に入ったところで、佐野と新城の2人が先行する山本と小石に合流する。

独走する山本元喜 © 2018 JCF

7km地点の登りで佐野がアタック。山本が追従し、さらに新城が続いて3人が先行して最終周回に入る。その直後の上りで山本がアタック。佐野が追うものの引き離され、山本が独走態勢に入る。およそ1周を逃げ切った山本は、2位佐野に約30秒の差をつけてフィニッシュ。2018年のロードレース全日本チャンピオンジャージに袖を通した。

全日本選手権エリート男子ロード優勝の山本元喜(中央)。左は2位佐野淳哉、右は3位新城雄大 © 2018 JCF

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山本大喜が全日本選手権ロードレースU23で9位…2冠達成できず

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山本大喜が全日本選手権ロードレースU23で9位…2冠達成できず

ロードレースの日本一を決める全日本選手権自転車競技大会ロードレースは6月23日に大会2日目の競技を実施。キナンサイクリングは156kmで争われた男子アンダー23の2選手が出走。山本大喜がライバルからの厳しいチェックに遭いながらも上位争いを繰り広げ、最終的に9位でフィニッシュした。

全日本選手権ロードU23の3位争いのゴール勝負 ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

21日に開幕し、カテゴリーごとの日本チャンピオンが続々と決定している今大会。大会2日目に入り、満を持してキナン勢がレースへと臨んだ。この日の正午スタートの男子アンダー23に山本大と塚本一樹の2選手が参戦。前週の個人タイムトライアルを制した山本大にとっては、国内選手権2冠を懸けたレースとなる。2月にはアジア選手権のこの種目を制しているが、その時に獲得したチャンピオンジャージを今回初披露。シーズン3枚目のスペシャルジャージ奪取をねらってスタートラインに並んだ。

今大会の舞台となっている島根県益田市の14.2kmのサーキットコースは、前半が長い上り、折り返す格好となってからの後半は下り基調。上りの最大勾配は8%で、その後の下りではテクニカルな区間が数カ所待ち受け、レース全体を通してはアップダウンに富んだコースレイアウトとなっている。キナン勢としては、多くの選手がエントリーした大学チームに比べ数的不利は否めないうえ、プロチームに所属する2選手へのマークが厳しくなることが予想されるが、将来を有望視される選手たちの中での戦いを確実にものにすることが求められた。

123選手が出走したレースは、2周目に山本大が自ら集団の活性化をねらって動く。周回前半の上りでアタックすると、数人が追随し先行を開始。ところが、数分遅れでスタートしたアンダー17+アンダー15のレースにトラブルが発生した関係から、コース上での混乱を避けるために一時的にニュートラルの措置がとられる。これにより山本大らはメイン集団へと戻ることを余儀なくされ、レースはふりだしへと戻った。

逃げが決まったのはこの周回の後半。8人がリードし、山本大と塚本はメイン集団に待機。集団前方が見える位置を確保しながら、次なる展開を待つ。しばしこの形勢のまま進行するが、4周目に集団から追走ねらいの選手が飛び出すと、塚本も同調。すぐに集団へと戻ることとなったが、積極的な姿勢を見せる。

しかし、その塚本にアクシデントが発生。周回のほぼ中間にあたる区間の下りでコースアウト。激しい落車となり、この時点でレース続行は不可能となってしまった。

一方で、順調にレースを進行させる山本大。5周目から集団のペースが上がりはじめ、やがて逃げグループを射程圏内にとらえる。勢いは集団が逃げグループをはるかに上回り、7周目には先行していた選手たちがすべて集団に吸収された。さらに、この直後から有力選手たちによる攻撃が本格化。数人が前をうかがうと、山本大も前後を走る選手たちの様子を見ながら先頭へ合流。8周回を終えるころには優勝争いは約20人に絞られる。

そんなレースが大きな局面を迎えたのは、9周目の前半。2選手のアタックが決まると、これを見送ったメンバーが追走グループへと転じる。山本大も追う側となり、前を走る2人になんとか引き離されまいと粘り強く走る。しかし、ライバルのチェックが一層厳しくなったこともあり、山本大が追走グループの牽引を任される時間帯が多くなる。そうしている間にも先頭の2人とのタイム差は広がっていき、最終周回の鐘を聞くころには2分近い差になった。

最終的に、9周目にアタックを決めた2選手がそのままワンツー。山本大らのグループは最終局面までに徐々に人数を減らしながら、3位ねらいに切り替えて表彰台の一角を争う格好に。残り500mのコーナーを抜けて、グループの先頭でやってきたのは山本大。前方からスプリントを開始したが、続く選手たちの勢いが勝り、山本大は9位でのフィニッシュだった。

優勝候補に挙げられ、山本大としても自信をもって臨んだレースだったが、最後の最後までチェックをかいくぐることはできず、終戦となった。悔しさをにじませた一方で、戦う姿勢をフィニッシュの瞬間まで崩さなかったことや、勝つためにレースをどのように展開すべきかなど、厳しい勝負だからこそ得られた課題と収穫に充実した表情も見せた。この年代における日本を代表する選手として、残るシーズンも大舞台を目指していくことになる。

レース途中に落車した塚本は大事には至らず、病院で診察後、擦過傷の手当てを受けてチームへと戻っている。

大会最終日、全体最後の競技として行われる男子エリートには、キナンから山本元喜、中西健児、雨乞竜己、中島康晴、新城雄大の5選手が出場。15周回・213kmのレースに臨む。レース距離もさることながら、獲得標高が約4000mにものぼるタフさは、サバイバルな戦いとなること必至。アンダー23の戦いを終えた2選手からのバトンを引き継ぎ、真の実力が問われる勝負に、キナン勢が日本王座をかけて挑むことになる。レースは24日午前9時にスタートする。

全日本選手権自転車競技大会–ロードレース・アンダー23(156km)結果
1 石上優大(AVC AIX EN PROVENCE) 4時間10分6秒
2 松田祥位(EQADS) +56秒
3 大前翔(慶應義塾大学) +3分27秒
4 草場啓吾(日本大学)
5 大町健斗(Team Eurasia – IRC TIRE)
6 孫崎大樹(早稲田大学)
9 山本大喜(KINAN Cycling Team)
DNF 塚本一樹(KINAN Cycling Team)

山本大喜

山本大喜のコメント
有力メンバーに絞られたレースにあって、アタックの打ち合いになれば勝負できる自信はあった。ただ、みんなにマークされている感覚がかなりあって、勝負どころでの力も今日は足りていなかった。早い段階で実力のあるメンバーに絞ろうと思って自分からアタックを仕掛けたが、直後にニュートラルがかかってしまったりと、うまく展開ができなかった。上位に入った選手たちはみんな強い選手ばかり。今日の結果は素直に受け入れたい。悔しいけれど、シーズン後半に向けて切り替えて、チームで臨む大きなレースや、代表入りを目指すことになるロード世界選手権などに向けて、もう一段階レベルアップしたい。

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全日本選手権ロードに向けて順調な調整…キナンサイクリングがタイトル獲得に挑む

2018年ロードレースの日本チャンピオンを決める全日本選手権自転車競技大会ロードレースが6月22日に開幕。島根県益田市を舞台に全7カテゴリーで王座を競う。キナンサイクリングからは2カテゴリーに計7選手が出場。レース本番に向けて準備を着々と進めている。選手・スタッフは大会開幕前日の21日に開催地入り。到着後すぐにコース試走を兼ねたトレーニングを実施。各選手がコースの雰囲気や体調の確認に時間を費やした。続く22日も一部選手がレースコースで最終調整。

益田市の全日本選手権ロードコースでトレーニングするキナンチーム ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

コースは1周14.2kmのサーキット。北東に針路をとる前半が長い上り、折り返して南西へと戻る後半は下り基調。選手の多くがポイントに掲げる周回前半の登坂は、最大勾配8%。それを経ての下りでもテクニカルな区間があり、最初から最後まで気の抜けないレースとなることは間違いない。

キナンは23日からの競技参戦。23日正午にスタートを切る男子アンダー23に塚本一樹と山本大喜が出場。前週の個人タイムトライアルを快勝した山本大にとっては、日本タイトル2冠をかけてスタートラインにつく。また、2018年2月のアジア選手権でもこの種目を制していて、アジア・日本通じて今シーズン3つ目のビッグタイトルを目指す。レース距離は11周回・156km。

大会最終日の24日午前9時からは男子エリートが15周回・213kmで行われ、山本元喜、中西健児、雨乞竜己、中島康晴、新城雄大の5人が出走。レース全体での獲得標高が約4000mにのぼり、タフな戦いが予想される中でいかにチーム力を発揮できるかが勝敗のカギを握る。

チームにとってはシーズン最大目標として挑んだ5月のツアー・オブ・ジャパン、6月のツール・ド・熊野に続く大きなイベントととして重要視するこの大会。2018年の日本一、そして日の丸があしらわれる日本チャンピオンジャージの獲得にかけて、レースに挑む。

全日本選手権自転車競技大会ロードレース
●6月23日 12:00スタート 男子アンダー23 156km(14.2km×11周回)
302 山本大喜
306 塚本一樹

●6月24日 9:00スタート 男子エリート 213km(14.2km×15周回)
39 中島康晴
41 山本元喜
42 雨乞竜己
43 中西健児
44 新城雄大
※選手名の前の番号はレース時のナンバーカード

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