キナンのツール・ド・熊野自転車安全教室に528人の小学生が参加

和歌山県唯一のプロスポーツチームであるキナンサイクリングが地域貢献活動「ツール・ド・熊野 自転車安全教室」を11月16日に開催。選手・スタッフが新宮市立神倉小学校を訪問し、6年生を対象に安全な自転車の乗り方や楽しみを共有する機会を設けた。

©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

15日から始まった自転車安全教室では、エコで健康的な乗り物である自転車に親しむとともに、児童にとって地元で開催されるビッグイベントであるツール・ド・熊野の意義、そしてプロスポーツチームとして活動するキナンを身近に感じてもらうことを目的として行っている。同日は新宮市の熊野川小学校と三輪崎小学校に赴いた。

続く16日は、前日同様に加藤康則ゼネラルマネージャー(GM)を筆頭に、石田哲也監督、椿大志、中西健児、山本大喜、雨乞竜己、中島康晴、新城雄大の6選手が神倉小学校へ。6年生96人を前に、安全指導を実施した。

加藤GMが進行役を務めた座学では、基本的な交通ルールを確認。車道を通行することが法律で定められている自転車だが、小学生年代(13歳未満)であれば歩道通行が可能であることなど、スライドを用いて説明。また、交差点の写真を例に加藤GMが自転車走行時の注意点を児童に問うと、多くの手が挙がり、次々と意見が発表された。なかには、具体的な理由を添えて自らの考えを発言する児童の姿も見られ、「さすが6年生」とばかりに選手や教員から感嘆の声が上がっていた。

実技では、参加児童全員が自転車にまたがり、長さ10mのレール上を走る「一本橋」や数メートルおきに置かれたコーンをジグザグにすり抜けていく「スラローム」に挑戦。しっかり前方を目視しながら走ることや、ブレーキをして止まること、左右に体重移動で進路をコントロールすることなどを念頭に、自転車走行のスキルアップを図った。

そして、この日も代表児童と教員による「おそ乗り競争」がプログラムのハイライトに。クラスを代表して挑んだ仲間を勝たせるべく、みんなで全力応援。声援と歓声が体育館に響いた。

選手・スタッフによる自転車安全教室は、3校合計500人を超える児童の参加に恵まれた。自転車を通じた地域貢献活動には、チームメンバー一様に好感触を得ており、早くも今後の取り組みに向けた課題のほか、新たな試みを実践したいとの声も挙がっている。より有益なものとなるようチーム内外での意見交換を行いながら、この先の活動につなげていくことになる。

KINAN Cycling Team presents ツール・ド・熊野 自転車安全教室 参加児童データ
新宮市立熊野川小学校 全校児童43人
新宮市立三輪崎小学校 全校児童389人
新宮市立神倉小学校 6年生96人
計 528人

新宮市の小学校でキナン選手が巡回指導 ツール・ド・熊野自転車安全教室

キナンサイクリングの選手・スタッフが講師を務める自転車安全教室が和歌山県新宮市で始まった。11月15日に同市の小学校2校を訪問し、地域の交通事情や環境に合わせた安全な自転車の乗り方や楽しみをレクチャーした。例年5月下旬から6月上旬にかけて開催される国際自転車ロードレース「ツール・ド・熊野」の関連事業。

©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

エコで健康的な乗り物である自転車に親しむことと、新宮市を含む熊野地域が舞台となるツール・ド・熊野の普及、そして和歌山県唯一のプロスポーツチームであるキナンへの応援のきっかけづくりを目的として行う地域貢献活動。これまでも同市周辺での自転車安全教室を実施してきたが、新たに「ツール・ド・熊野自転車安全教室」と銘打ち、所属選手・スタッフが同市内の小学校を巡回し指導することになった。

15日は加藤康則ゼネラルマネージャー(GM)、石田哲也監督、椿大志、中西健児、山本大喜、雨乞竜己、中島康晴、新城雄大の6選手が市立熊野川小学校と同三輪崎小学校を訪問。加藤GMが進行役を務め、座学と実技によって講義が構成された。

全校児童が参加した座学では、プロチームとしての活動やツール・ド・熊野の意義についてふれたのち、実際に起きた小学生による事故例を挙げて、安全意識を高く持つ必要性を説明。交差点の写真を例にとりながら、加藤GMが自転車走行時の注意点を児童に問うと、両校ともに多くの児童が手を挙げ、おのおのが思う注意すべきポイントを発表。日頃からの心がけとともに、自転車の走行スキルを高める必要性を説いていった。

その後に行った実技は、全校児童43人の熊野川小学校は2年生以上、同じく389人の三輪崎小学校は4年生から6年生が臨んだ。長さ10mのレール上を走る「一本橋」では、前方を見ながらはみ出さずに走り、しっかりとブレーキをして止まることを重視。数メートルおきに置かれたコーンをジグザグにすり抜けていく「スラローム」では、左右に体重移動をして、自転車の進路をコントロールすることを目指し、急な路面の変化への対応力を身につけた。

なかには何度もトライを繰り返す児童や、友達同士でアドバイスを送り合う姿も見られ、楽しみの中にも安全に走るための認識の高まりが感じられた。

両校とも、代表児童と教員、さらにはキナン選手たちによる「おそ乗り競争」のチャンピオンを決めて締めくくり。足を地面につかずに、フィニッシュまでどれだけゆっくり走ることができるかの勝負は、競うメンバーのみならず、その様子を見守った児童たちも大盛り上がり。とびきりの笑顔とにぎわいは、プログラムのクライマックスにふさわしいものとなった。

ツール・ド・熊野自転車安全教室は16日まで実施。同日は市立神倉小学校を訪問する。

キナンのシーズン最終戦ツール・ド・おきなわは山本大喜の14位が最高

2018年の最終戦となったツール・ド・おきなわ2018は11月11日、沖縄県名護市を発着とする210kmで争われた。キナンサイクリングは新城雄大がレース前半に形成された先頭グループに加わったものの、その後展開された優勝争いに加わることはかなわず。チーム最高位は、メイン集団からの追い上げを試みた山本大喜の14位だった。

14位でゴールする山本大喜 ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

プロライダーからホビーレーサー、さらにはキッズまで参加できる幅広いカテゴリーが魅力のツール・ド・おきなわ。そのなかでもメインレースに位置づけられる男子チャンピオンレースは、UCIアジアツアー1.2クラスに設定される。同ツアーはすでに2019年度のレースカレンダーに加えられていて、このチャンピオンレースもそれに該当する。

レースの特徴は、210kmと国内のレースでは屈指の長丁場であること。11月の開催はシーズン最終盤とあり、百戦錬磨の選手といえど過酷な戦いとなる。コースは、名護市を出発したのち、名護湾と東シナ海に面した本部半島を時計回りに進み、海岸線を北上。沖縄半島最北端の国頭村に入って反時計回りに向きを変え、レース後半は太平洋沿いを南下して名護市へと戻ってくる設定。沖縄半島北部をおおむね8の字に進むルートは、中盤に2カ所の山岳ポイントが待つほか、後半にかけても細かなアップダウンが控えている。

キナンはこのレースに山本大と新城のほか、山本元喜、トマ・ルバ、中島康晴の5選手が出場。シーズンを通して主力として走ってきたメンバーをそろえて、2018年最後のタイトル獲得をかけた戦いに挑んだ。

18チームから85選手が、午前6時45分の号砲とともに出発。すぐにリアルスタートが切られると次々とアタックが発生するが、集団から抜け出すまでには至らない。激しい出入りを繰り返しながら、レース序盤は進んだ。

その状態が落ち着いたのは、40km地点に差しかかろうかというタイミング。10人が飛び出すと、ここに新城が加わる。この動きをきっかけにメイン集団が落ち着き、快調に飛ばした新城らは約9分のリードを得た。一方のメイン集団は、新城らを見送るとサイクリングペースに。集団に残ったキナン勢4選手は、次なる展開に備えながら淡々と距離を減らしていった。

レースが少しずつ動きを見せたのは、中盤に入ってからのこと。内陸部を通過する山岳区間のうち、2回目の登坂で先頭グループから新城が遅れ始める。前方への復帰を目指しての粘りも届かず。タイミングをほぼ同じくして、メイン集団ではルバが牽引して山岳区間へ。一気の引きに集団の人数が減っていき、力のある選手だけに絞られる。こうした動きによって、先頭グループとのタイム差は4分台に縮まった。

追撃ムードが高まったかに見えたメイン集団だったが、チーム間での思惑が交錯してか、ペースがいまひとつ上がらず、先頭を走る選手たちとのタイム差に大きな変化が見られなくなっていく。他チームの動きに合わせた山本元が5人の追走グループに加わったものの、やがて後退。かたや、先頭グループは協調体制が続き、後続の追い上げをかわすほどの勢い。結局、レース前半に集団から抜け出した選手たちの逃げ切りが濃厚な情勢となった。

上位フィニッシュが難しくなったキナン勢だが、1つでも上の順位を目指す姿勢は崩さない。先にポジションを上げつつあったルバに続き、山本大も終盤の登坂区間で合流。以降はルバの引き上げを受けた山本大がチーム最上位となる14位でフィニッシュラインを通過。ルバが16位でレースを終えたほか、中島、山本元、新城も走り切り、出場5選手全員が完走した。

順調に調整し、好調でレースに臨んでいただけに、上位フィニッシュが果たせなかったことに選手たちは一様に悔しさをにじませた。一方で、選手間で要所での動きについて意見が交わされるなど、フィニッシュした瞬間からその視線は来季へと向けられている様子。今回のレースで明白となった課題を、来シーズンのチーム力アップに反映させる強い意志が選手たちの姿からうかがえた。

これをもって、2018年のロードレースシーズンは終了。キナンは2018年、9つの勝利を含む多数の上位進出を果たした。成果を挙げ、来季へ向けた指標となる1年とした。今後チームは、各種イベントや小学校での交通安全教室などへの出席を予定。引き続き精力的に活動していく。

ツール・ド・おきなわ 男子チャンピオンレース(UCIアジアツアー1.2、210km)結果
1 アラン・マランゴーニ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ) 5時間5分4秒
2 フレディ・オヴェット(オーストラリア、オーストラリアン・サイクリング・アカデミー・ライド・サンシャイン・コースト) +19秒
3 フェン・チュンカイ(台湾、チャイニーズタイペイナショナルチーム)
4 デルク・アベル・ベッカーリン(オランダ、WTC de アムステル) +50秒
5 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン) +1分29秒
6 畑中勇介(チームUKYO) +1分31秒
14 山本大喜(KINAN Cycling Team) +4分37秒
16 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +4分40秒
35 中島康晴(KINAN Cycling Team) +14分56秒
36 山本元喜(KINAN Cycling Team)
47 新城雄大(KINAN Cycling Team) +16分3秒

山本大喜のコメント
力のある選手が逃げに入った状況で、チームとして後手を踏んでしまった。集団内での協調がうまくいかず、追う体勢がいまいち整わなかったことも展開を厳しくしてしまった。追走グループが形成された時は高強度の動きに対応できず、(個人として)勝負するには力が足りていなかった。
(シーズンを振り返って)アジア選手権で勝てて、全日本選手権でも個人タイムトライアルを勝つことができた一方で、後半戦で個人・チームともに成績が残せなかったことが悔しい。今年はナショナルチームで走ることが多く、チームにあまり貢献できなかったと思っているので、もっと強くなって今度はチームに結果をもたらすことができるようになりたい。

トマ・ルバのコメント
チームとしては(新城)雄大が先頭グループから下がってしまった時点で、難しい状況になってしまった。個人的にはベストコンディションではなかったので、チームメートのサポートができればと考えていた。順位がともなわなかったことは悔しい。長かったシーズンを無事に終えることができた。今年が格別よかったとは思っていないけれど、また勝利を収められるようトライし続けていきたい。

中島康晴のコメント
逃げに(新城)雄大ともう1人加えることができれば、違った展開になったのかなとは思う。先頭グループに選手を送り込まないという判断をしていたチームもあったので、彼らの様子を見て動こうと思っていたが、結果的に(先頭グループに)タイム差を広げられてしまった。それが順位に反映されてしまっただけに、悔しい形で終わることになった。
1月のシーズンインから多くのレースでメンバー入りができ、チームメートとうれしいことも悔しいことも共有してきたことがなにより。このレースでしっかりシーズンを締めくくることができればよかったけれど、全体としてはよいシーズンになったと感じている。ただ、レースによっては大きな失敗もあったし、まだまだ改善の余地はあるので、より選手間の連携を深めてチーム力を高めていきたい。

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ツール・ド・おきなわにキナンの山本兄弟やトマ・ルバらが参戦

キナンサイクリングが11月11日に開催されるツール・ド・おきなわ(UCIアジアツアー1.2)に出場する5選手を発表した。

ツール・ド・おきなわに出場するキナンの5選手

多くの部門に分かれて争われるビッグイベントのツール・ド・おきなわは、大会のメインレースでもある男子チャンピオンロードレースがUCIアジアツアー1.2クラスに位置付けられる。UCIアジアツアーはすでに2019年度のレースカレンダーが進行していて、同大会も該当レースとなっている。

レース最大の特徴は210kmもの長丁場である点。シーズン最終盤とあって、力のある選手といえども過酷な戦いとなる。コースは名護市を出発したのち、名護湾と東シナ海に面した本部半島を時計回りに進み、海岸線を北上。沖縄半島最北端の国頭村に入って反時計回りに向きを変え、レース後半は太平洋沿いを南下して名護市へと戻ってくる設定。沖縄半島北部をおおむね8の字に進むルートは、中盤に2カ所の山岳ポイントが待つほか、後半にかけても細かなアップダウンが控えている。

キナンはこの大会に向け、山本元喜、山本大喜、トマ・ルバ、中島康晴、新城雄大の5選手を招集。今シーズン、主力として戦ってきた選手たちを継続してセレクトしている。また、沖縄出身の新城にとっては凱旋レース。ナンバーカードの末尾が1番となる“エースナンバー”で出走する予定になっている。

今回は国内外から18チームがエントリー。キナンにとっては、2年前の2位(ジャイ・クロフォード)が過去最高位。2018年こそ初タイトル獲得なるよう、全力でレースに挑む。

第30回記念 ツール・ド・おきなわ 2018
11月11日 午前6時45分スタート UCI公認 男子チャンピオンレース 210km
スタート・フィニッシュ地点:名護市営庭球場前交差点

夢や目標に挑戦し続けること…アルベルト・コンタドールインタビュー

スペインのアルベルト・コンタドールが2018年11月に2度目の来日を果たし、和歌山県を訪問。同地を拠点として活動するキナンサイクリングやツール・ド・熊野の意義、そして日本の自転車界について知ってもらったところで、インタビューを実施。「お役に立てるなら」と、快く応じてくれた。(聞き手:キナンサイクリングメディアオフィサー 福光俊介)

前日のライドをともにした椿大志と中西健児がバキューンポーズ ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

-オラ、アルベルト! お疲れのところありがとうございます。今回が2回目の来日ですね。埼玉、そして和歌山とめぐっての印象はいかがですか?

コンタドール氏「心から楽しんでいます。日本の文化が大好きで、ファンの温かさにも感謝しています」

-キナンの本社がある和歌山県新宮市に来て、歓迎パーティーにも出席してくださいました。参加者と交流して、どんな気分ですか?

コンタドール氏「この地域のおいしい食べ物に出会えたことは幸せです。そしてなにより、みなさんとお会いできたことが最高の経験になっていると感じています」

-和歌山県ではサイクリングでいろいろなコースをめぐっていますね。11月6日にはキナンサイクリングのメンバーとも一緒に走りました。実際に走行してみてどんなことを感じましたか?

コンタドール氏「選手・一般のサイクリスト問わず、最高のトレーニング環境だと感じました。素晴らしい景色の中でトレーニングできることは、サイクリストにとっての幸せですよね」

-今回ご一緒させてもらったキナンサイクリングについてお話ししましょう。私たちは2018年のUCIアジアツアーにおいてチームランキング1位になりました。さらにはアジアチャンピオン、日本チャンピオンを輩出し、これからはチームとして次のステップへと踏み出していく段階にあります。ご自身の経験も踏まえながら、次のステップへのアドバイスがあれば教えてください

コンタドール氏「まずはレースプログラムを整えることだと思います。UCIのレースカレンダーをチェックし、よいレースにめぐり合えるようチームとして取り組むことが大切ではないでしょうか」

11月6日、那智山までアルベルト・コンタドールとキナン勢がサイクリング ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

-日本には別府史之選手(トレック・セガフレード)、新城幸也選手(バーレーン・メリダ)というワールドクラスのライダーが存在します。彼らに追いつけ、追い越せと多くの日本の選手がトライを続けています。今回の来日を通じ、わが国の自転車事情にも触れたところで、日本人選手にこれから期待することを教えてください

コンタドール氏「素晴らしい指導者と出会うことが必要ですし、あらゆる経験を積んでいくことも求められます。先ほどの質問の答えと同じになりますが、レースカレンダーをいかにうまく設定するかも重要です。それぞれに合ったレースで活躍できるよう、取り組んでほしいと思います」

-キナンサイクリングはツール・ド・熊野での個人総合優勝者の輩出を最大の目標としています。キナン本社では、「ポラテック・コメタもツール・ド・熊野出場を目指したい」といった話題で盛り上がりましたね。これが実現したなら、どんな意気込みで参加してくれますか?

コンタドール氏「ハハハ…。難しい質問ですね…。まずはキナンサイクリングの勝利を心から願っています。そして、ポラテック・コメタが出場できればキナンサイクリングの最大のライバルになってみせますよ」

-そのときには、また熊野にお越しくださいね

コンタドール氏「もちろん、スケジュールを調整して訪れますよ!」

-キナンサイクリングには2人のスペイン人ライダーが所属しています。それ以外にも、日本のみならずアジア圏では多くのスペイン人ライダーが走っていて、UCIアジアツアーのレベルを高めているという側面があります。「自転車王国」でもあるスペインですが、こうした選手たちが世界各地で活躍できる背景にはどのような要因が挙げられると思いますか?

コンタドール氏「どこの国へ行っても、自らの夢や目標に向かって努力することには変わりありません。自分が生まれ育った国ではなく、異国となれば厳しい状況に直面することだってあるでしょうし、苦しいことだってあるかもしれません。ですが、決して負けることなく、夢や目標に向かって、多少の犠牲を払ってでも挑戦し続けること。彼らの強さはそうした面から現れているのだと思います」

-ありがとうございました

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アルベルト・コンタドールが熊野路サイクリング…キナンが基金活動支援

2度のツール・ド・フランス個人総合優勝をはじめ、グランツールと呼ばれる3週間のステージレースを7回制覇したアルベルト・コンタドール氏(スペイン)が和歌山県を訪れた。11月6日と7日には熊野地域を来訪し、キナンサイクリングとの熊野路ライドを行ったほか、チームのメインスポンサーである「キナン」を訪問し、自身が2010年に設立した「アルベルト・コンタドール基金」をPR。キナンはその活動に全面的に賛同し、今後の取り組みに役立ててもらうべく寄付金を贈呈。

11月6日、那智山までアルベルト・コンタドールとキナン勢がサイクリング ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

■キナンサイクリングと熊野路を駆ける
コンタドール氏の和歌山県訪問は、同県、和歌山県観光連盟、日本貿易振興機構(ジェトロ)和歌山の三者共同事業として実現。同県観光連盟によるサイクリング事業「WAKAYAMA800~サイクリング王国わかやま~」を実走し、同氏のSNSなどでサイクリングロードや観光資源、地場産業など、和歌山の魅力を世界に発信することを目的とした。

コンタドール氏は、1982年生まれの35歳。スペイン・マドリード近郊で生まれ育ち、2007年のツール・ド・フランスを初制覇後、2009年にも個人総合優勝。ツールとならびグランツールと称されるジロ・デ・イタリアでも2度、ブエルタ・ア・エスパーニャでは3度制覇。合計7度にわたるグランツール制覇の偉業を成し遂げ、2017年に現役を退いた。

那智山ライドにアルベルト・コンタドールキナン勢が参加 ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

アンバサダーを務めた「2018ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム(11月4日開催)」を終えた脚で和歌山県へやってきたコンタドール氏。和歌山市を皮切りに、各所のサイクリングコースをめぐり、そのよさを実感していた。

6日にはキナン選手とともに那智勝浦町・那智山をライド。チームからは椿大志、中西健児の2選手に、加藤康則ゼネラルマネージャーがアテンド。現役時代は山岳で数々の激走を演じたコンタドール氏は血が騒いだのか、スタートからハイペース。キナンメンバーも負けじと食らいつき、自然あふれる山道を駆けた。この日は、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に登録され、日本三名瀑の1つに数えられる那智の滝にも足を運んだほか、神仏習合による数々の伝承が残る那智山の荘厳なムードを感じていた様子だった。

アルベルト・コンタドール基金への寄付を記念して。キナンの角口賀敏会長、基金代表フランシスコ・コンタドール氏、キナンの角口孝幸社長 ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

■コンタドール氏の活動に全面賛同のキナン
翌7日は、キナンサイクリングのメインスポンサーであるキナン本社(和歌山県新宮市)を訪問。コンタドール氏の兄であるフランシスコ氏をともない、自身が2010年に設立した「アルベルト・コンタドール基金(フンダシオン・アルベルト・コンタドール/FUNDACION ALBERTCONTADOR)」の活動についてPRした。

この基金は、サイクリングの楽しみを年代・性別問わず広めていくとともに、自転車を通じた青少年育成、2004年と2006年にレース中のコンタドール氏を襲った脳卒中の予防と啓発、古くなったバイクを修理し寄贈するといった目的のもと活動。また、若い選手たちの育成にも力を入れており、UCI(国際自転車競技連合)登録のコンチネンタルチーム「ポラテック・コメタ」は同基金が運営している。

同基金の代表であるフランシスコ氏は、これらの活動内容は世界共通の課題としてとらえているといい、今後は日本における協力体制も築いていきたいと述べる。この熱意に耳を傾けたキナン・角口賀敏会長は、同社の歴史とともに、自転車による地域貢献やツール・ド・熊野の主催、各種イベントの運営に力を注いでいることを説明。互いに、手を取り合って絆を深めていけるよい関係づくりを約束した。

そして、話はサイクルロードレースへ。日本とスペインそれぞれの競技の実情に触れ、キナンとコンタドール氏主宰の若手育成チームとがともに高めていくための意見交換を行った。フランシスコ氏からは、「ポラテック・コメタをツール・ド・熊野に参戦させたい」との声も。夢がふくらむ一言に、その場にいた関係者から歓声が挙がった。

話し合いを通じ、キナンはコンタドール氏の取り組みに全面的に賛同することを表明。角口会長と角口孝幸社長から寄付金を手交し、今後の活動に役立ててもらうこととなった。

前日のライドをともにした椿大志と中西健児がバキューンポーズ ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

■地元サイクリストからの大歓迎に笑顔
7日のお昼には「キナン研修センター」で歓迎パーティーを開催。同社関係者のほか、地元のサイクリストも招待し、盛大にコンタドール氏を迎えた。会ではバーベキューのほか、近くの海で採れた海の幸、寿司のふるまいがあり、コンタドール氏も箸を使う“日本式”で熊野の味に舌鼓。食事後には即席のサイン会や撮影会が催され、選手・関係者、そしてファンからも愛される同氏の人柄を感じさせる温かな時間となった。
歓迎パーティー参加者がそろって記念撮影 ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

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キナン3選手がツール・ド・フランスさいたまで世界の強豪と肩を並べる

2018ツール・ド・フランスさいたまクリテリウムがさいたま新都心駅周辺で11月4日に開催され、キナンサイクリングの山本元喜、雨乞竜己、中西健児の3選手が参加。2018年のツール・ド・フランスを制したゲラント・トーマス(英国、スカイ)など世界トップレベルの選手と肩を並べ、力強い走りをみせた。

ツール・ド・フランスさいたまを走るキナン勢 ©︎KINAN Cycling Team / Midori Shimizu

その年のツール・ド・フランスで活躍した選手が集まるこのイベント。JRさいたま新都心駅周辺は大会カラーであるイエローに彩られ、「サイクルフェスタ」や、食のイベント「さいたまるしぇ」といった、レースにとどまらない催しで大にぎわい。まさに“祭典”という言葉がふさわしい1日となった。

市民のパレード走行、さらに出場選手全員によるオープニング走行からレース関連イベントが幕開け。選手たちは、ステージでスタートサインをしたのち、ゆっくりとコースを一周。早い時間帯から沿道には多くの観客が詰めかけ、選手たちは歓声の中でファンとハイタッチをしたり、声援に手を振りながら応えたりとサービスに勤しんだ。

レースは4名1組で競い、その勝者が決勝に進むスプリントレース予選に雨乞が出場。スタートから2kmはペーサーの後ろについてポジション争い。その後、残り1kmでジャンが鳴るユニークなレース。別府史之(ツール・ド・フランスジャパンチーム)、小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)、マッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット)とハイレベルな組で出走した雨乞は、別府に続く2位。1位の選手のみが進出できる決勝へ出走はかなわなかった。

キナン勢の次なる出番は、3選手により編成される2.5kmチームタイムトライアル。チーム内最上位選手のフィニッシュタイムで順位が決まるため、作戦の立て方も大きなカギとなる。先頭交代をしながら終盤まで3人で走るチームや、発射台方式で順次切り離すチームなど、戦術はチームによってさまざま。キナンは中西を先頭にスタートダッシュ。雨乞がスピードに乗せ、満を持して山本がゴールまで駆け抜けるという切り離し作戦を実行。狙い通りの動きを見せたが、トップには2秒及ばす、3分16秒88で4位で終えた。

会場が熱気に包まれたところで、いよいよメインのクリテリウムレース。小雨が降る時間帯があったものの、レースに影響するまでには至らない。沿道にはキナンジャージを着用して応援するファンも見られた。

レースは、序盤に外国人選手数人の逃げができるが、メイン集団は容認。山本はメイン集団の中で積極的な走りを見せ、場内放送では何度もその名前がコールされた。

スタート・フィニッシュ地点が設けられるホームストレートを選手が通過するたび、スタンドからは大歓声やウェーブが起こる。そんな盛り上がりの中、最後は2018年の世界チャンピオンであるアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)の優勝で幕を閉じた。

本場ツール・ド・フランスの熱気を日本にもたらす、秋の風物詩は今回が6度目の開催。今大会より新設された「オフィシャルサポーターズヴィレッジ」は、選手と観客との距離の近さが特徴的。大会に協賛した観客が入場でき、スポンサーブースを楽しんだり、選手ピットの様子をのぞくこともできる。キナンの3選手は、レースの合間に観客スペースへ行き、写真撮影やサインの求めに応じていた。

そしてなにより、国内外のトップライダーが集うイベントに、観客も大興奮。会場から徒歩圏内に住んでいるという高齢女性は、初めて観戦するロードレースのスピードに驚き、握手などに気軽に応じてくれる選手の優しさに感動したと興奮気味に話していたことが印象的だった。そんな大熱狂の1日は、観客に後押しされた選手たちにとっても刺激的なものだったように思われる。(Report:清水翠、Edit:福光俊介)

山本元喜

山本元喜のコメント
第2回大会以来の出場だったが、その時と比べて観客との距離が近く、直接交流できる機会が多かったと感じた。レース中にアタックしたり、前に上がったりすると観客の反応が大きかった。“ゲンキー!”と名前を呼んでもらえて、いつも以上に一生懸命動くことができた。たくさんの観客のなかで走れたことは、これからのモチベーションになると思う。

雨乞竜己

雨乞竜己のコメント
スプリントレースはほどよい緊張感のなかでペーサーとともに2kmまで走り、そこからスタートだったが…最後は力及ばず。集中するなかでも応援の声は聞こえていた。“キナン!”だったり自分の名前だったり。応援を力に変えることができた。

中西健児

中西健児のコメント
スピードの速いレースだとは聞いていたが、想像していた以上に速かった。集団内のどこにポジショニングしていても、そのスピードを実感させられた。そんな中でも、沿道のとぎれない観客から多くの声援をもらった。完走できるか不安だった面もあるが、みんなの声に励まされて走り切ることができた。

熊野古道ヒルクライムで無事故を祈願しゲストライダーが那智山を参拝

和歌山県南部の那智勝浦町で11月4日に開催される熊野古道ヒルクライムを前に、ゲストライダーとして参加するキナンサイクリング選手・スタッフ、イベント関係者が同町の那智山を参拝。イベントの成功とサイクリストの活躍・無事故を祈願した。

©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

例年11月初旬に行われるヒルクライムイベントとして、すっかり定着した「熊野古道ヒルクライム」。それにともない、同県はもとより遠方からの参加者も増え、走行スピードやフィニッシュタイムといった面での水準が年々アップしている。そこで、事故なくスムーズなイベント進行が図れるよう、主催するSPORTS PRODUCE熊野の音頭のもと、関係者での安全祈願を実施することとなった。

那智山での祈願では、まず西国三十三所第一番札所の青岸渡寺へ。その後、隣接する熊野那智大社へおもむいての祈祷に臨んだ。ユネスコの世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の登録資産であり、熊野三山の1つである荘厳な空間で、これまで以上に質の高い催しとすることを誓った。

今回のイベントにはゲストとして、キナンから椿大志、山本大喜、トマ・ルバ、新城雄大、中島康晴の5選手が参加。また、Jプロツアーなどに参戦するイナーメ信濃山形から筧五郎と森本誠もスタートラインに並ぶほか、ライド後のトークショーにキナンの選手たちとともに出演が予定されている。参加者は30.7kmと14.6kmの2コースに分かれ、同町のブルービーチ那智を午前7時にパレードスタート。那智山の頂を目指す多くの参加者でにぎわうことが期待される。