ボートの全日本選手権男子エイトはNTT東日本が3年連続12回目の優勝

第96回全日本選手権の決勝が10月28日(日)に埼玉県戸田市の戸田ボートコースで行われ、各種目で優勝者・チームが決まった。男子エイトはNTT東日本が3年連続12回目の優勝を果たした。男子ダブルスカルはアイリスオーヤマが7年連続11回目の優勝と連覇を伸ばした。女子ではクォドルプルに日本代表選手が多くエントリ―したが、関西電力小浜が2年連続2回目の優勝を果たし、明治安田生命やデンソー、明治大学を抑えた。

●記録は決勝進出クルーのタイムと、クルーのシート順、出身校を記載。Sはストローク、Bはバウ、Cはコックス。

【女子シングルスカル】
1着 大石綾美(アイリスオーヤマ) 早稲田大 7分56秒74

2着 榊原春奈(トヨタ自動車) 早稲田大 8分00秒13

3着 坂井理夏(日本体育大学) 沼津東高 8分06秒61

4着 廣内映美(大阪市立大学) 関西大学第一高 8分18秒93

【女子舵手なしペア】
1着 立命館大学 7分48秒16
S 高野晃帆 日田三隈高
B 上京未来 鹿屋高

2着 戸田中央総合病院RC 7分53秒27
S 澤地栞莉 学習院大
B 浜田美咲 早稲田大

3着 富山国際大学 8分02秒54
S 佐伯美空 由利工業高
B 日高彩乃 妻高

4着 立教大学 8分12秒26
S 鈴木成美 石狩翔陽高
B 木下早苗 田辺高

【男子シングルスカル】
1着 荒川龍太(NTT東日本)一橋大 7分03秒95

2着 武田匡弘(関西電力美浜)美方高 7分15秒41

3着 大河原敦史(明治安田生命) 慶応義塾大 7分16秒41

4着 遠山秀雄(日本体育大学) 伏見工業高 7分20秒14

【女子ダブルスカル】
1着 トヨタ自動車 7分27秒56
S 福本温子 唐津商業高
B 川本藍 日本体育大

2着 鹿屋体育大学 7分31秒56
S 四方美咲 朱雀高
B 谷口智佳子 宇和島東高

3着 明治安田生命 7分37秒34
S 加藤笑 立教大
B 木野田沙帆子 早稲田大

4着 今治造船 7分42秒46
S 杉原参智 今治北高
B 小原有賀 筑波大

【女子舵手なしクォドルプル】
1着 関西電力小浜 6分49秒16
S 納田麻妃 若狭高
3 河原孝多 若狭東高
2 冨田千愛 明治大
B 白井里咲 美方高

2着 明治安田生命 6分51秒39
S 土屋愛 早稲田大
3 首藤多佳子 今治北高
2 上田佳奈子 慶応大
B 領木暦 関西大

3着 デンソー 6分51秒87
S 庄司祐美子 日本体育大
3 中条彩香 津商業高
2 山領夏実 熊本大
B 上総香子 神戸大

4着 明治大学 6分54秒69
a 瀧本日向子 館林女子高
3 成瀬歩美 恵那高
2 西田結惟 加茂高
B 高島美晴 米子東高

【男子舵手なしペア】
1着 チョープロ 7分07秒42
S 小野紘輝 仙台大
B 中島希世紀 仙台大

2着 NTT東日本 7分12秒07
S 内田達大 早稲田大
B 西知希 大阪府立大

3着 東北大学 7分13秒70
S 植竹寛弥 国学院久我山
B 加部祐太 高崎高

4着 日本体育大学 7分19秒92
S 名取公甫 諏訪清陵高
B 高野亮介 猿投農林高

【男子舵手つきペア】
1着 日本大学 7分41秒53
S 河津蒼摩 日田林工高
B 阿部杏輔 黒沢尻工業高
C 三輪拓斗 清風高

2着 明治大学 7分49秒19
S 鎌原康陽 岡谷南高
B 梅木遼太郎 日田高
C 佐藤俊 中野八王子高

3着 仙台大学 7分53秒53
S 藤岡駿平 高鍋高
B 古賀健嗣 大村城南高
C 兒玉紘明 高鍋高

4着 京都大学 7分58秒80
S 鈴木康太 浜松北高
B 若林陸 川越高
C 岩田健吾 巣鴨高

【男子ダブルスカル】
1着 アイリスオーヤマ 6分38秒68
S 西村光生 仙台大
B 大元英照 仙台大

2着 新日鐵住金 6分45秒80
S 佐藤翔 日本大
B 奈良和紀 日本大

3着 日本大学 6分55分85
S 福井修聡 清風高
B 嘉屋春樹 宮島工業高

4着 今治造船 7分00秒10
S 越智寛太 筑波大
B 岡部政憲 立命館大

【男子舵手なしフォア】
1着 関西電力美浜 6分37秒34
S 荒木祐作 日本大
3 長田福馬 小浜水産高
2 武田和樹 小浜水産高
B 田中雅人 美方高

2着 仙台大 6分39秒60
S 一瀬卓也 長崎明誠高
3 松浦大河 相生産業高
2 信夫涼 宮古高
B 渡部湧也 西会津高

3着 NTT東日本 6分40秒81
S 伊藤駿汰 日本大
3 杉崎高久 日本大
2 赤木貴昭 東北大
B 松尾昂太 中央大

4着 明治大学 6分42秒25
S 松木健汰郎 熊本学園大学付属高
3 木村奨 今治西高
2 古田直輝 米子工業高
B 茂見輝 熊本学園大学付属高

【男子舵手なしクォドルプル】
1着 日本大学 6分29秒83
S 野村大貴 潮来高
3 高橋創丸 新田高
2 春名祐希 桜宮高
B 江畠凜斉 青井高

2着 仙台大学 6分30秒37
S 阿部亮平 今治南高
3 齊藤渉 高石高
2 大嘉田拓実 宇和島東高
B 佐竹洸紀 阿賀黎明高

3着 日本体育大学 6分37秒32
S 小野寺紘都 佐沼高
3 六平人 東郷高
2 日田駿 熊本学園大学付属高
B 森田駿 宇和島東高

4着 同志社大学 6分45秒22
S 小島佑太 熊本学園大学付属高
3 西村雅親 膳所高
2 清水諒 宇部高
B 安藤優作 城南高

【男子舵手つきフォア】
1着 戸田中央総合病院RC 6分49秒69
S 田立健太 中央大
3 勝又晋一 立教大
2 根本拓海 立教大
B 小林雅人 日本大
C 立田寛之 日本大

2着 新日鐵住金 6分58秒29
S 中村拓磨 日本体育大
3 山本学人 日本体育大
2 原田拓馬 東海大
B 兼平隆次 日本大
C 山口順大 日本大

3着 仙台大学 7分00秒40
S 池田光輝 富士河口湖高
3 野口潔太 田名部高
2 佐々木海晟 宇和島水産高
B 小林克裕 長崎明誠高
C 松浦充孝 富士河口湖高

4着 明治大学 7分10秒33
S 菊池渉太 猿投農林高
3 佐々木心 田名部高
2 小野田実 越ケ谷高
B 蓮沼隆世 会津高
C 立野勝輝 猿投農林高

【女子エイト】
1着 立命館大学 7分06秒88
S 佐野ゆりな 中京大附属中京高
7 上京未来 鹿屋高
6 高野晃帆 日田三隈高
5 鈴木伶奈 酒田光陵高
4 木戸ひかり 桜宮高
3 伊関法子 宇和島東高
2 福原萌意 廿日市高
B 楠菜々子 美方高
C 佐藤美月 日田三隈高

2着 富山国際大学 7分11秒91
S 佐伯美空 由利工業高
7 日高彩乃 妻高
6 中島茉莉愛 大村城南高
5 鈴木里都 加茂高
4 佐藤愛実 日田三隈高
3 杉田さくら 宮崎商業高
2 中田楓 石狩翔陽高
B 吉田結友 長崎明誠高
C 浦川可奈子 大村城南高

3着 北陸電気工業 7分12秒86
S 高橋かほ 日本体育大
7 坂井理夏 沼津東高
6 大西花歩 大津高
5 鈴木亜由子 一橋大
4 滝澤明日花 富山国際大
3 飯星衿香 熊本学園大付属高
2 水谷愛 浜松湖南高
B 木佐貫あすか 富山国際大
C 田口美里 本荘高

4着 早稲田大学 7分23秒18
S 木下弥桜 和歌山北高
7 北村綾香 膳所高
6 米川志保 旭丘高
5 三浦彩朱佳 青森高
4 青木華弥 本所高
3 宇都宮沙紀 今治西高
2 尾嶋歩美 南稜高
B 南菜月 新潟南高
C 澤田夏実 小松川高

【男子エイト】
1着 NTT東日本 6分06秒10
S 高野勇太 中央大
7 大塚圭宏 日本大
6 中溝朝善 日本大
5 梶谷嶺 明治大
4 渡邉勝裕 仙台大大学院
3 三浦友之 仙台大
2 坂上煕英 日本大
B 林靖晴 中央大
C 佐々野大輝 東北大

2着 東レ滋賀 6分08秒50
S 志賀巧 日本大
7 福井康 洲本実業高
6 福田海人 仙台大
5 青松載剛 早稲田大
4 齋藤慶太郎 東北大
3 石田尚也 日本大
2 杉嶋俊幸 日本大
B 平井駿一 一橋大
C 寺坂和満 宇和島水産高

3着 トヨタ紡織 6分08秒57
S 阿部大貴 仙台大
7 池田裕紀 日本大
6 山尾圭太 山口大
5 塚本章良 明治大
4 澤田研太 小浜水産高
3 河津俊亮 中央大
2 安井晴哉 龍谷大
B 山口健太 日本大
C 藤原貴裕 大阪工業大

4着 中央大学 6分09秒20
S 宮浦真之 小松明峰高
7 岡田直樹 清風高
6 石塚慎之助 田村高
5 石橋圭二郎 清風高
4 久保如竹 保谷高
3 柏木裕葵 洲本高
2 塩田義峰 熊本学園大学付属高
B 是谷有輝 酒田東高
C 小島発樹 熊本学園大学付属高

窪木一茂が全日本自転車競技選手権大会オムニアムで優勝

自転車競技トラックレースのオリンピック種目、オムニアムの日本一を決める「2018全日本自転車競技選手権大会オムニアム」が10月7日、伊豆市の伊豆ベロドロームで開催され、男子エリートで窪木一茂(ブリヂストンサイクリング)が全日本個人タイムトライアル、全日本トラック4冠、JBCF年間総合優勝のタイトルに続き優勝。

2018全日本自転車競技選手権大会オムニアム ©2018 JCF

2位は橋本英也、3位は近谷涼とブリヂストンサイクリングが上位を独占する結果となった。

2018全日本自転車競技選手権大会オムニアムを制した窪木一茂 ©2018 JCF
2018全日本自転車競技選手権大会オムニアムを制した窪木一茂を中央に左が2位橋本英也、右が3位近谷涼 ©2018 JCF
2018全日本自転車競技選手権大会オムニアムを制した窪木一茂 ©2018 JCF

窪木一茂のコメント
今年は全日本個人タイムトライアルのタイトルも獲ったが、このタイトルも獲りたいと臨んだ。気持ちは入っていて実際優勝することができてよかった。得意とするエリミネーションで優勝することができ、自信につながりポイントレースでは余裕を持っていつも通りの走りができた。団体追い抜きでの東京オリンピック出場は、日本自転車競技界を底上げするし、より盛り上げることができると思うのでそこにこだわっていきたい。

梶原悠未が完全勝利で3度目の優勝…全日本選手権オムニアム

自転車競技トラックレースのオリンピック種目・オムニアムの日本一を決める「2018全日本自転車競技選手権大会オムニアム」が10月6日、伊豆市の伊豆ベロドロームで開催され、梶原悠未(筑波大)が3種目で1位、最終種目のポイントレースも全ポイントを1位通過の完全勝利で3度目の優勝。

2018全日本自転車競技選手権大会オムニアム/マスターズを走る梶原悠未 ©2018 JCF

大会初日は女子エリートを実施。2017-2018シーズンのワールドカップで2勝をあげた梶原が圧倒的な実力差を見せつけた。2018年10月後半から始まる2018-2019シーズンに向けていいスタートを切った。

2018全日本自転車競技選手権大会オムニアム/マスターズ優勝の梶原悠未を中央に左が2位鈴木奈央、右が3位中村妃智 ©2018 JCF

梶原悠未のコメント
今大会で優勝する、という強い気持ちをもって挑んだ。1種目目のスクラッチから積極的なレースができたと思う。最初からパーフェクトをねらっていたわけではないが、レース展開的に8回全てが集団スプリントになったので、スプリントは全て1着を意識して走った。
10月からワールドカップシーズンが始まるので第2戦カナダ大会のオムニアムでメダル獲得を目標に挑む。シーズン最後の2月の世界選手権でもオムニアムでは、メダルの獲得に向けてしっかり準備していきたい。

前田佳代乃が全日本選手権女子スプリントで10連覇達成

自転車競技トラックレースにおける日本一を争う第87回全日本自転車競技選手権大会トラックレースが9月9日、静岡県の伊豆ベロドロームで開催され、男子スプリントで深谷知広(競輪選手)が優勝した。

前田佳代乃が女子スプリントで優勝 ©2018 JCF

前田佳代乃(中央)が女子スプリントで10連覇 ©2018 JCF

女子スプリントは前田佳代乃(京都府自転車競技連盟)が10連覇。女子オムニアムではジャカルタ・アジア競技大会で金メダルを獲得した梶原悠未(筑波大)が優勝した。

女子オムニアムで1位になった梶原悠未(先頭) ©2018 JCF
女子オムニアム優勝の梶原悠未(中央) ©2018 JCF
男子スプリントで優勝した深谷知広(左) ©2018 JCF
男子スプリントで1位になった深谷知広(中央) ©2018 JCF

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ケイリンは渡辺一成、個人パーシュートは窪木一茂が全日本を制す

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ケイリンは渡辺一成、個人パーシュートは窪木一茂が全日本を制す

自転車競技のトラックレースで日本一を争う第87回全日本自転車競技選手権大会トラックレースが9月8日に静岡県の伊豆ベロドロームで開幕し、男子ケイリンで渡辺一成(競輪選手)が優勝し、日本チャンピオンになった。男子4km個人パーシュートでは窪木一茂(ブリヂストンサイクリング)が日本記録を更新して優勝した。

男子4km個人パーシュートで1位になった窪木一茂 ©2018 JCF

男子4km個人パーシュートで優勝の窪木一茂 ©2018 JCF
男子ケイリンで1位になった渡辺一成 ©2018 JCF
男子ケイリンの渡辺一成(中央) ©2018 JCF

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山本元喜が2018年の全日本チャンピオンに…終盤に単独で抜け出して独走

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山本元喜が日本チャンピオン…鮮やかな連携で新城雄大も3位に

サイクルロードレースにおける2018年シーズンの日本一を決める全日本自転車競技大会ロードレースの最終種目、男子エリートでキナンサイクリングの山本元喜が最終周回でのアタックを成功させ、独走で優勝。エリートカテゴリーでは初となる日本チャンピオンとなった。序盤からチームメートの新城雄大とともに先頭グループに入り、終盤は2人の連携で数的優位な状況を作りだした。その新城も3位となった。

12周目に山本元喜(左)と小石祐馬(チーム UKYO)が抜け出した ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

6月22日の開幕から各カテゴリーで熱戦が展開されてきた今大会。大会2日目、23日に行われた男子アンダー23では弟の山本大喜が9位。キナンとしては、優勝者に与えられる日本チャンピオンジャージの獲得を最終日の男子エリートにかけることとなった。

その男子エリートは14.2kmのサーキットコースを15周回する213kmで争われた。周回前半は最大勾配8%の上りが続き、後半からは下り基調。大会を通じ、ここまで独走か数人に絞られた中での優勝争いが続いてきた。実力がより拮抗する男子エリートでは、どんなレース展開となるかも大きな見どころ。獲得標高はおおよそ4000mにものぼり、暑さも相まってサバイバル化することが予想された。

そんなタフなレースに、キナンから山本元と新城のほか、中西健児、雨乞竜己、中島康晴の5選手が出場。各選手好調でこのレースを迎えた。チームによって出走人数にばらつきがあり、5人出走は決して多いとは言えないが、コース適性の高いメンバーをそろえ、いかにレースの流れや勝負どころを見定めるかが上位進出のカギとなった。

午前9時の号砲とともにスタートが切られると、1周回目から有力チーム・選手が乗じる逃げグループが形成された。キナン勢ではまず山本元が合流。2周目に入って新城も加わり、最大で32人もの先頭グループにふくらむ。優勝候補選手の一部が残る形となったメイン集団には、キナン勢では中西、雨乞、中島が待機する。

最終周回、佐野淳哉(マトリックスパワータグ)と新城雄大、山本元喜の3人に ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

その形勢のまましばらくは大きなアクションはなく、7周目の途中でタイム差がこの日最大となる9分以上となる。これを機に少しずつタイム差は縮まっていくが、メイン集団が先頭グループを射程圏にとらえるまでには至らない。11周目に入って先頭グループからアタックする選手が現れたこともあり、ここからいよいよ活性化。先頭の人数が絞られていくが、キナン勢2人は問題なく対応した。

大きな局面を迎えたのは続く12周目。長い上りを利用してアタックが発生すると、山本が反応。追随する選手を振り切って、先に飛び出していた小石祐馬(チームUKYO)と逃げの態勢を整える。さらにその後方で生まれた4人の追走グループには新城が加わる。新城は前方に山本元が逃げていることもあり、追走グループのローテーションには意図的に加わらない。

山本元らの2人逃げのまま周回数を重ねたが、追走グループも徐々にタイム差を縮め、14周目に先頭へ合流。追走もこのころには佐野淳哉(マトリックスパワータグ)と新城の2人に絞られ、そのまま4選手による優勝争いのムードになっていく。その直後、急坂区間で佐野がアタック。これに即座に反応したのが山本元。下り基調の周回後半には新城が小石を振り切って、山本元が走る位置まで再合流をねらう。そして最終周回を目前に新城が追いつき、3人で残り1周回の鐘を聞いた。

決定的な瞬間は、この日たびたび動きが発生していた長い上りだった。山本元が渾身のアタックを繰り出し、単独先頭に立つ。佐野が約10秒差で続くが、山本元の乱れのないペースに、少しずつその差が開き始める。一時は40秒差にまで広がり、そのまま勝負あり。

独走に持ち込んだ山本元。残り300mからフィニッシュまでの最後の直線は、さながらウイニングライド。残り100mで優勝を確信すると、最後は両拳を掲げてフィニッシュへ。勝利を信じて待ち続けた仲間のもとへと飛び込んだ。

チームメートとスタッフが新チャンピオンを迎える ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

山本元にとって、ロードの日本タイトルは通算3回目。過去2回はいずれもアンダー23でのもので、最上位のエリートでは初の頂点となる。この大会に向けて約1週間、開催地近くに滞在し、調整やコース研究に時間を割いた。ピーキングの成功はもとより、入念な準備も勝因といえそうだ。表彰式では晴れの日本チャンピオンジャージに袖を通し、今後1年間にわたって着用してレースに出場していくことになる。

そして、山本元とともに序盤から前方でレースを進め、終盤にかけて最高のコンビネーションで貢献した新城も3位でフィニッシュ。山本元やチームスタッフが待ち構える中、こちらもガッツポーズでレースを終えた。パーフェクトなレース展開でワン・スリーフィニッシュを達成した。

このほかキナン勢は、終盤に上位ねらいの動きに切り替えた中島がポジションを上げていき、最終的には7位。中西も23位で完走している。トップ10に3選手を送り込むことに成功し、国内選手権上位者に付与されるUCIポイントを3選手分合計で180点を獲得した。

チームにとってテーマの1つでもある、日本人選手でのレース構築を実践する場でもあった今大会。日本チャンピオンジャージの獲得という最高の形で、選手たちはその成果を示してみせた。確たる力を持ったチームは次戦、Jプロツアーの広島シリーズへの参戦を予定する。6月30日はJBCF西日本ロードクラシック広島大会、7月1日は初開催となるJBCF広島クリテリウムと、2連戦のスタートラインにつくこととなる。

日本のナショナルチャンピオンジャージを着用した山本元喜とチームメート ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

全日本選手権自転車競技大会ロードレース・男子エリート(213km)結果
1 山本元喜(KINAN Cycling Team) 5時間46分53秒
2 佐野淳哉(マトリックスパワータグ) +32秒
3 新城雄大(KINAN Cycling Team) +2分43秒
4 入部正太朗(シマノレーシング) +4分26秒
5 平塚吉光(チームUKYO) +4分32秒
6 小石祐馬(チームUKYO) +4分39秒
7 中島康晴(KINAN Cycling Team) +4分44秒
23 中西健児(KINAN Cycling Team) +10分37秒
DNF 雨乞竜己(KINAN Cycling Team)

山本元喜

山本元喜のコメント
本当に信じられない気分。アシストしてくれたみんなや支えてくれたチームスタッフにも感謝している。今回は動きすぎないよう、我慢しながらレースすることを心掛けた。その甲斐あって終盤まで脚を残すことができ、最終周回でのアタックにつながった。約1週間、開催地で過ごしてコースの特徴を頭に叩き込んでいた。どこでどう動くべきかも想定していたので、他選手のアタックに対しての対応の仕方や、自分がどこからペースを上げていくべきかもイメージできていた。このコースに合わせたトレーニングを積むことができたこともよかった。いつかこのタイトルを獲りたいと思っていたが、これはあくまでも通過点。ここで勝つことだけで満足せず、今後に控える大きなレースで結果を残せるよう取り組んでいきたい。

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山本元喜が2018年の全日本チャンピオンに…終盤に単独で抜け出して独走

第87回全日本自転車競技選手権大会ロードレースは6月24日、島根県益田市で大会最終日の男子エリートが行われ、山本元喜(キナンサイクリング)が独走で初優勝。2018年の日本チャンピオンになった。弟で同チームの山本大喜は個人タイムトライアルの全日本チャンピオンで、種目は異なるが兄弟で国内タイトルを獲得した。

山本元喜が2018年の全日本チャンピオンに © 2018 JCF

1周14.2kmのコースを15周213kmで行われた男子エリート。梅雨時とは思えない青空の下でスタートしたレースは、4周目までに35人の先頭集団が形成され、後続との差が一気に3分まで開いた。その後レース中盤までに後続との差は7分まで開く。10周目に入ると、先頭集団の動きが活性化。アタックが繰り返され、人数が減っていく。12周目、山本元喜と小石祐馬(チーム右京)の2人が先行。30秒ほどの差で佐野淳哉(マトリックスパワータグ)、新城雄大(キナンサイクリング)、石橋学(ブリヂストンサイクリング)、小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)の4人が追走。残り2周となる14周目に入ったところで、佐野と新城の2人が先行する山本と小石に合流する。

独走する山本元喜 © 2018 JCF

7km地点の登りで佐野がアタック。山本が追従し、さらに新城が続いて3人が先行して最終周回に入る。その直後の上りで山本がアタック。佐野が追うものの引き離され、山本が独走態勢に入る。およそ1周を逃げ切った山本は、2位佐野に約30秒の差をつけてフィニッシュ。2018年のロードレース全日本チャンピオンジャージに袖を通した。

全日本選手権エリート男子ロード優勝の山本元喜(中央)。左は2位佐野淳哉、右は3位新城雄大 © 2018 JCF

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山本大喜が全日本選手権ロードレースU23で9位…2冠達成できず

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山本大喜が全日本選手権ロードレースU23で9位…2冠達成できず

ロードレースの日本一を決める全日本選手権自転車競技大会ロードレースは6月23日に大会2日目の競技を実施。キナンサイクリングは156kmで争われた男子アンダー23の2選手が出走。山本大喜がライバルからの厳しいチェックに遭いながらも上位争いを繰り広げ、最終的に9位でフィニッシュした。

全日本選手権ロードU23の3位争いのゴール勝負 ©︎KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

21日に開幕し、カテゴリーごとの日本チャンピオンが続々と決定している今大会。大会2日目に入り、満を持してキナン勢がレースへと臨んだ。この日の正午スタートの男子アンダー23に山本大と塚本一樹の2選手が参戦。前週の個人タイムトライアルを制した山本大にとっては、国内選手権2冠を懸けたレースとなる。2月にはアジア選手権のこの種目を制しているが、その時に獲得したチャンピオンジャージを今回初披露。シーズン3枚目のスペシャルジャージ奪取をねらってスタートラインに並んだ。

今大会の舞台となっている島根県益田市の14.2kmのサーキットコースは、前半が長い上り、折り返す格好となってからの後半は下り基調。上りの最大勾配は8%で、その後の下りではテクニカルな区間が数カ所待ち受け、レース全体を通してはアップダウンに富んだコースレイアウトとなっている。キナン勢としては、多くの選手がエントリーした大学チームに比べ数的不利は否めないうえ、プロチームに所属する2選手へのマークが厳しくなることが予想されるが、将来を有望視される選手たちの中での戦いを確実にものにすることが求められた。

123選手が出走したレースは、2周目に山本大が自ら集団の活性化をねらって動く。周回前半の上りでアタックすると、数人が追随し先行を開始。ところが、数分遅れでスタートしたアンダー17+アンダー15のレースにトラブルが発生した関係から、コース上での混乱を避けるために一時的にニュートラルの措置がとられる。これにより山本大らはメイン集団へと戻ることを余儀なくされ、レースはふりだしへと戻った。

逃げが決まったのはこの周回の後半。8人がリードし、山本大と塚本はメイン集団に待機。集団前方が見える位置を確保しながら、次なる展開を待つ。しばしこの形勢のまま進行するが、4周目に集団から追走ねらいの選手が飛び出すと、塚本も同調。すぐに集団へと戻ることとなったが、積極的な姿勢を見せる。

しかし、その塚本にアクシデントが発生。周回のほぼ中間にあたる区間の下りでコースアウト。激しい落車となり、この時点でレース続行は不可能となってしまった。

一方で、順調にレースを進行させる山本大。5周目から集団のペースが上がりはじめ、やがて逃げグループを射程圏内にとらえる。勢いは集団が逃げグループをはるかに上回り、7周目には先行していた選手たちがすべて集団に吸収された。さらに、この直後から有力選手たちによる攻撃が本格化。数人が前をうかがうと、山本大も前後を走る選手たちの様子を見ながら先頭へ合流。8周回を終えるころには優勝争いは約20人に絞られる。

そんなレースが大きな局面を迎えたのは、9周目の前半。2選手のアタックが決まると、これを見送ったメンバーが追走グループへと転じる。山本大も追う側となり、前を走る2人になんとか引き離されまいと粘り強く走る。しかし、ライバルのチェックが一層厳しくなったこともあり、山本大が追走グループの牽引を任される時間帯が多くなる。そうしている間にも先頭の2人とのタイム差は広がっていき、最終周回の鐘を聞くころには2分近い差になった。

最終的に、9周目にアタックを決めた2選手がそのままワンツー。山本大らのグループは最終局面までに徐々に人数を減らしながら、3位ねらいに切り替えて表彰台の一角を争う格好に。残り500mのコーナーを抜けて、グループの先頭でやってきたのは山本大。前方からスプリントを開始したが、続く選手たちの勢いが勝り、山本大は9位でのフィニッシュだった。

優勝候補に挙げられ、山本大としても自信をもって臨んだレースだったが、最後の最後までチェックをかいくぐることはできず、終戦となった。悔しさをにじませた一方で、戦う姿勢をフィニッシュの瞬間まで崩さなかったことや、勝つためにレースをどのように展開すべきかなど、厳しい勝負だからこそ得られた課題と収穫に充実した表情も見せた。この年代における日本を代表する選手として、残るシーズンも大舞台を目指していくことになる。

レース途中に落車した塚本は大事には至らず、病院で診察後、擦過傷の手当てを受けてチームへと戻っている。

大会最終日、全体最後の競技として行われる男子エリートには、キナンから山本元喜、中西健児、雨乞竜己、中島康晴、新城雄大の5選手が出場。15周回・213kmのレースに臨む。レース距離もさることながら、獲得標高が約4000mにものぼるタフさは、サバイバルな戦いとなること必至。アンダー23の戦いを終えた2選手からのバトンを引き継ぎ、真の実力が問われる勝負に、キナン勢が日本王座をかけて挑むことになる。レースは24日午前9時にスタートする。

全日本選手権自転車競技大会–ロードレース・アンダー23(156km)結果
1 石上優大(AVC AIX EN PROVENCE) 4時間10分6秒
2 松田祥位(EQADS) +56秒
3 大前翔(慶應義塾大学) +3分27秒
4 草場啓吾(日本大学)
5 大町健斗(Team Eurasia – IRC TIRE)
6 孫崎大樹(早稲田大学)
9 山本大喜(KINAN Cycling Team)
DNF 塚本一樹(KINAN Cycling Team)

山本大喜

山本大喜のコメント
有力メンバーに絞られたレースにあって、アタックの打ち合いになれば勝負できる自信はあった。ただ、みんなにマークされている感覚がかなりあって、勝負どころでの力も今日は足りていなかった。早い段階で実力のあるメンバーに絞ろうと思って自分からアタックを仕掛けたが、直後にニュートラルがかかってしまったりと、うまく展開ができなかった。上位に入った選手たちはみんな強い選手ばかり。今日の結果は素直に受け入れたい。悔しいけれど、シーズン後半に向けて切り替えて、チームで臨む大きなレースや、代表入りを目指すことになるロード世界選手権などに向けて、もう一段階レベルアップしたい。

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