GPSデバイスで困ったときはこう切り抜ける…覚えておくと便利な5つのテク

継続的に運動することのモチベーションとなって、健康ライフをサポートしてくれるGPSウォッチ。ただしあまりにも多くの機能が搭載されていて、日本語版マニュアルをダウンロードして解決策を探しても詳細記述されてない項目もある。結構困ってしまうことが多いのだが、そんなときの解決方法をご紹介。

●休憩で一時停止するとリスタート時にボタンを押し忘れる
ランやサイクリングなどのアクティビティをやるとき、スタートボタンを押しておけばストップボタンを押すまでGPSが起動して実走コースや移動距離、心拍数やスピードの推移などの有用なデータが詳細に取得できる。でもトイレ休憩したりコンビニで買い物したりするときに、とりあえずストップボタンを押すことも多い。GPSをそのまま起動していたらバッテリーが消費され続けるからだ。

ところがたいていの人は、休憩を終えて再び走り出したときに10回のうち9回はスタートボタンを押し忘れるんですよね。気がついたときはすでに相当走ってしまい、あとの祭り。貴重なデータや思い出がこれでは分断されてしまうのだ。

そんなときのために「自動ポーズ」をあらかじめ設定しておくといい。赤信号で止まったときなど現在位置がしばらく動かないとGPSで判断されると、データ取得が一時停止される。だから平均時速が信号待ちのために低くなるということもない。ダラダラとした低速走行もカットしたいなら、あるスピード以下になったらタイマーを一時停止するという設定もできる。

自動ポーズで一時停止したタイマーは走行再開とともに自動で計測を再開する。この自動ポーズ設定はアクティビティごとにやる必要があるので、ラン設定やサイクリング設定などでそれぞれ選択していく。

大休止の時はどうする?
途中でカフェに立ち寄るなど長い休憩を取る場合もこれでOKなのだが、あまりにも飲食に夢中で、長い間操作しないと自動的にパワーセーブモードになってウォッチフェイスページ(いつもの標準画面)に表示が切り替わる。GPSの信号受信が自動停止してバッテリー消費が抑えられるというわけだ。でも、それではデータが途切れてしまう。それを避けるためにパワーセーブモードに切り替わる時間を延長設定することもできる。

忘れなければ自分でボタンを押す
GPSが起動を続けていてバッテリー消耗が気になるという場合は、ストップキーでタイマーを停止し、表示される画面指示から「後で再開」を選択する。画面がウォッチフェイスページに戻ったらGPSの信号受信が停止されたということなのでバッテリー消費が抑えられる。

休憩が終わったらスタートボタンを押さないとデータ取得が再開されないのは当然だが、途中で気がついてあわててスタートボタンを押せば、詳細データはチェックできないが押し忘れた部分の移動距離は直線的に仮想データとして収録されるので、最低限の記録は残る。まあ、結局人間のやることなので押し忘れるでしょうけど…。

●せっかく運動したのにデータが同期できなくてガッカリしたとき
ランやサイクリングをした実走データは適当なときにスマホに転送して、詳細を確認する。Garmin製品の場合、まずはスマホに「connect.garmin」アプリをインストール。BluetoothをオンにしてGPSデバイスと手持ちのスマホのペアリング設定を済ませる。ここまでやっておけばアプリを起動してしばらくすると自動的に「同期」するので、あとはガーミン社が提供する「connect.garmin.com」というパソコンサイトでも走行記録の閲覧が可能。

ところがなにかの拍子でせっかく計測したデータがアプリやサイトに転送されないことがある。デバイス側には残っているのに、再び同期させても「すでに転送済み」という、つたない症状。たとえばアプリがメンテナンス中の時に自動同期が始まると未転送なのに転送済みと判断されてしまうようだ。こんな時の解決策は…。

マスストレージモードで接続する

パソコンのUSBポートでデバイスにアクセスし、ACTIVITYフォルダの中にあるFIT書類のなかから「作成日」を頼りに探し出す

付属の充電ケーブルを使用して、パソコンのUSBポートとデバイスを接続し、「マスストレージモードで接続しますか?」という表示が出たら「はい」を選択する。そうするとパソコンのデスクトップに「GARMIN」というフォルダが表示される。この中に「ACTIVITY」というフォルダがあって、これまで記録したデータがFIT形式で保存されているはずだ。このFITの中から同期されなかったデータを「作成日時」から特定してパソコンのデスクトップなどにコピーをする。

次はパソコンでガーミンサイトにアクセスして、右上にある「雲のマーク」をクリック。これが「FIT形式データをインポート」するボタンなのだ。デスクトップにコピーしておいた「FIT形式データ」をつかんで指示スペースにドロップすればデバイスに保存されていた実走データはパソコンのサイトでもスマホのアプリにも転送されている。

この方法は「アクティビティが同期できない」とガーミンジャパンのお問い合わせ窓口にメールで問い合わせて、教えてもらった「手動アップロード」のやり方。

右上の雲のマークをクリックしてパソコンにコピーしたFIT形式データをドロップする

●海外旅行で時計を合わせたいのにどこを探してもない
各社のアクティビティトラッカーやライフログバンドには時刻合わせの機能が見あたらない。操作マニュアルにもその項目がなかったりする。それでは時差のある海外に出かけたときはどうしたら現地時間に修正するのだろうか?

正解はペアリングするスマホやパソコンのほうで現地時間に合わせれば、次に同期するときにデバイスの時刻が自動修正されるという。最近のスマホやパソコンは現地で最初にWi-Fiをつないだ瞬間に時刻修正されるので、時計合わせをする必要もない。だからこの項目は以上終了。

最後にひとつつけ加えるとすれば、GPSデバイスは常にこのようにスマホやパソコンと蜜月的関係を持ち、デバイスで収録したデータはスマホやパソコンで詳細確認して活用することでデバイス本来の機能が最大限に発揮されるということです。

●自己ベストを達成したのに自動認識されなかったとき
GPSを起動してアクティビティを行うと種目別の自己ベストを自動認定してくれるのがとてもうれしい。例えばランの練習をしていると、走行中の1km、5km、10kmの所要時間がこれまでの記録の中で最も速いとベストタイムとして認定される。サイクリングなら距離40kmの最速タイム、最長距離、最高獲得標高が認定される。

こうしてアクティビティ中に自己ベストを更新すると、アクティビティデータを保存した際に自己ベストページが表示される。1回のアクティビティで複数のベストが達成されることもよくある。ところがせっかく頑張ったのに、自己ベストと認定されないことがよくあるのだ。

自己ベストは最初のアクセスで自動判定され、新記録として承認するのなら「適用」ボタンを押す

自己ベストは、あらかじめ設定されている「自己ベスト項目の距離」に該当しない場合は記録されない。走行する距離が完全に同じである必要はないというが、設定された数値に近い、またはそれ以上の距離を走行する必要があるという。この症状が起こるのがハーフマラソンとフルマラソンだ。きちんと計測された公認大会であってもコーナーごとにインの最短コースを走っていくとハーフマラソンで数100mほど短くなる。だから自動認定されない。

しかもGarmin Connectサイトは新しいアクティビティがアップロードされたときのみ自己ベストを認定するため、編集済みのアクティビティは自己ベスト記録としてリストされないという。それではせっかく出したベストタイムが記録されないのか!

そんなときは手動で認定する方法がある。Garmin Connectサイトから自己ベストを出したはずのアクティビティを選択して詳細ページを表示する。右上に歯車マークの設定を押す。プルダウンして「自己ベストとして設定」を選択する。これで解決。やれやれ。

●大切なGPSをできるだけ長く使うためのお手入れ方法
最後は日常のメンテナンス。GPSデバイスはコンパクトなボディの中にさまざまな機能が凝縮されていて、しかも上空の衛星電波をいちどきに複数取得して現在位置を特定させるためのバッテリーが内蔵されている。消耗品あるバッテリーが長く使用するためにはメモリーエフェクト現象を抑えるために、バッテリー残量を使い切ってから充電したほうがいい。

ところが最近のバッテリーは高機能になって電池寿命はかなり伸びている。バッテリーが寿命になる前にほかの部分が消耗するほうが早い。どこかに不具合が生じて「これももう寿命かな」と思わせる部分は樹脂パーツだ。樹脂バンドは交換用のものが別売されているが、それ自体がかなり高いので、使用後は毎回クリーニングしてできるだけ長く使えるようにしたい。そして本体と接続する金具部分を破損してしまうと腕に巻くことができなくなるので一巻の終わりとなるので大切にメンテナンスしておきたい。

使用時は日焼け止めクリームや虫よけスプレーなどのケミカルを付着させないように注意する。アクティビティが終わったら水道水ですすぎ、汗などの付着物を除去して、清潔なペーパータオルなどを押し当てて水分を取り除く。

デバイス本体も防水性はあるが、水道水を勢いよく注がないように注意。糸くずの出ない布を水で湿らせて汚れを落とすのもいい。デバイスの充電接触部分や凹部からホコリを取り除くときは柔らかい毛の歯ブラシを使用するといい。

大切なGPSデバイス、いつまでも元気でつき合いたいものです。

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