潮田玲子らが相馬市の子どもたちに「スポーツやカラダを動かす楽しさ」を伝える

小野薬品工業と、特定非営利活動法人スポーツ・コミュニティ・アンド・インテリジェンス機構が東北3県の復興支援活動の一環として、子どもたちの心身すこやかなカラダづくりを応援するプロジェクト「すこやカラダ大作戦」を開催。4年目となる2018年は、「すこやカラダ大作戦 in ふくしま」と題し、3月18日に福島県相馬市でプロジェクトのキックオフイベントを開催した。

潮田玲子さん。「子どもたちが積極的に楽しんでくれていたので私も楽しかったです。これからも積極的に、スポーツや勉強を頑張ってくださいね。また、ご飯をたくさん食べて、毎日楽しく元気に」

東北3県は小児肥満の傾向が全国の中でも高く、小児肥満問題の改善が課題となっている。「すこやカラダ大作戦」はその課題解消に向け、ゲストアスリートとともに「スポーツやカラダを動かす楽しさ」を子どもたちに伝え、継続的な運動を促進していくイベントだ。

当日は相馬市内の小学1~3年生の子供たちと、地元のトランポリン教室の生徒計60人とその保護者らが参加した。ゲストアスリートとしてロンドン五輪バドミントン混合ダブルス元日本代表の潮田玲子、北京五輪トランポリン元日本代表の外村哲也、サッカー元日本代表で、サッカーの普及活動や解説などで活躍する福田正博が登場。イベントの始めには、ゲストアスリートが子どもたちにそれぞれの競技パフォーマンスを披露。潮田の時速300km以上のスマッシュや、外村の得意技である高さのある3回宙返り、福田の豪快なシュートなどハイレベルなパフォーマンスを間近で見た子どもたちは、目を輝かせて歓声をあげ、時に拍手が巻き起こっていた。

外村哲也さん。「みんなとトランポリンを通じて楽しむことができて、ボク自身とても元気になれました。体を動かすことで、とても元気になれますので、これからもたくさん運動をしてください」

その後行われたスポーツレクリエーションでは、3チームに分かれた子どもたちがゲストアスリートとともに3競技を順番に体験。バドミントンでは、潮田がシャトルの打ち方をレクチャー。「むずかしい~!」と言いながらも子どもたちは、潮田が高く投げたシャトルをスマッシュで懸命に打ち返していた。また、潮田から「上手! すごいね!」とほめられるとうれしそうにガッツポーズをする姿も。トランポリンでは、外村が手取り足取り飛び方を教え、初めて体験する子どもたちも、大きなトランポリンの上をとても楽しみ、満足そうな様子だった。地元のトランポリン教室に通う女の子は、外村にサインをもらいにいき、「たくさん練習頑張ってうまくなってね!」と直接声をかけてもらい、より練習に意欲を高めていた。サッカーは、チームに分かれてミニゲームを実施。子どもたちは、福田から「おー、ナイスナイス!」「絶対できるから、あきらめないで頑張ろう!」「今の最高!」などと、時おり声をかけてもらいながら終始笑顔でボールを追いかけていた。

福田正博さん。「今日はみんなでいろいろなスポーツを楽しみましたが、全部スポーツは1人ではできません。友だちを大切にして、これからもたくさんのことに挑戦してください」

昼食時には相馬産の味噌と豆腐を使用した具だくさんな豚汁の炊き出しが提供されるとともに、使われた食材の栄養素を分かりやすくまとめたイラストパネルや食育の教材が展示されるなど、日々の正しい食生活に対する意識付けが行われた。豚汁を食べた福田は、「愛情を込めて作った地元食材を地元で食べるっていいですね。食は人と人をつなぐので、この愛情がこもった温かい豚汁で、心まで温まりました」と炊き出しを満喫していた。

福田が炊き出しを試食

小野薬品工業の相良暁社長は「プロジェクトが4年目も開催できたのは、参加してくれる子どもたちの笑顔や保護者、支えてくださるみなさまのおかげ。少しでも東北3県の子どもたちやその保護者のためになれば」と語った。

生活習慣病に関する専門医である齊藤道也医師(みちや内科胃腸科)より、保護者向けに『健康セミナー』を実施。セミナーでは、簡単にできる子どもたちの健康習慣の改善に関するアドバイスも行われた。イベントの最後に行われたミニ運動会の「玉入れ」では、子どもたちとゲストアスリートが一緒になって参加。チームごとに作戦会議をして、「頑張るぞーオー!」と円陣を組み、みんなでボールを投げ合い、この日一番の盛り上がりを見せた。

「すこやカラダ大作戦」では、子どもたちだけでなく、その保護者や地域の指導者とともに、スポーツを通した生活習慣の意識向上や小児肥満の解消を目指す。

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NIPPO・ヴィーニファンティーニ初山翔がミラノ〜サンレモでエスケープ

291kmの世界最長距離で争われたイタリアが誇るクラシックレース、ミラノ〜サンレモでNIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニの初山翔が逃げ、マルコ・カノラが15位でフィニッシュした。

© Luca Bettini/BettiniPhoto

3月17日に開催された第109回目のミラノ〜サンレモは冷たい雨に見舞われたが、ミラノのスフォルツェスコ城前から、18のUCIプロチームに加え、NIPPO・ヴィーニファンティーニを含むワイルドカードを獲得した7つのプロコンチネンタルチームの合計174選手が291km先のサンレモを目指してスタートを切った。

スタート直後に初山を含む9人の先頭集団が形成された。9選手の内訳はイスラエルサイクリングアカデミーとバルディアーニCSFが2選手ずつ、ウィリエールトリエスティーナ、ノボノルディスク、ガスプロム・ルスベロのプロコンチネンタルチーム、そしてUCIプロチームのUAEエミレーツから各1選手が先頭集団に入った。

先頭集団は最大で7分近いタイム差を奪ったが、中盤に組み込まれる標高532mのトルキーノ峠でメイン集団がペースアップし、タイム差が1分半ほどに縮まる。しかしその後、海沿いの平坦区間に出るとタイム差は再び広がり始め、一時は5分強まで広がった。

メイン集団をコントロールするのはスカイ、ボーラ・ハンスグローエ、クイックステップフロアーズら。またサンレモに近づくにつれて天候も回復し、太陽と青い海が姿を現した。そしてタイム差は徐々に減っていき、起伏が始まる残り50km地点では2分ほどに。

残り40km地点の起伏区間カポベルタで後続集団がペースアップし、先頭集団も加速。逃げていた9選手のうち初山を含む5選手が脱落し、メイン集団へと戻った。先頭は4選手となり、しばらく先行を続けたが、その後吸収。メイン集団もペースを上げて残り30km地点のチプレッサを越え、最後の勝負どころ、残り5km地点のポッジオへ向けてペースアップするなか、残り10km地点では優勝経験者であるディメンションデータのマーク・カベンデッシュ(英国)がクラッシュ。

ポッジオではいくつものアタックがかかり、そのなかからバーレーン・メリダのビンツェンツォ・ニーバリ(イタリア)が鋭いアタックで先行。得意の下りも利用して単独で集団からリードを奪った。ニーバリを猛追する集団の人数はどんどん減っていったが、18人となったメイン集団はニーバリにわずかに届かず、同タイム扱いとなる僅差でニーバリが逃げ切り優勝。そしてイタリアのプロコンチネンタルチームとしては唯一カノラがメイン集団に残り、15位でフィニッシュした。チームワークも機能し、カノラは2017年の20位から順位を5つあげ、世界のトップ選手相手に大健闘した。

逃げに乗った初山は後方集団でのフィニッシュとなり、トップから15分3秒差の150位で初出場となるミラノ〜サンレモを走破。今回の優勝タイムは7時間18分43秒だった。

© Roberto Bettini/BettiniPhoto

初山翔

初山翔のコメント
チームからの指示は逃げに乗ること。チームにとってもシーズン前半の最大目標レースだったので、スタート前は正直緊張した。求められたレースで逃げに乗ることはたやすいことではない。ましては大舞台。だからこそ逃げに乗れたことに正直安堵した。
300kmにわたるロングレースで完全なるラインレースにも関わらず、観客が常に途切れずにいたのは驚きだった。TVの視聴率がどのくらいなのかは知らないが、世界中の人々に自分を、チームを見てもらえたことがうれしい。なによりチームやチームスポンサーに自分の走りを喜んでもらえたことに喜びを感じている。
できれば、逃げの最後の1人として残りたかったが、全力を尽くした結果であり、時おり降る土砂降りの雨による寒さが自分に悪影響を与えた思う。最大の大舞台でいいレースができたとは思うが、まだ3月。この調子で常に前進し続けたい。

マリオ・マンゾーニ監督

マリオ・マンゾーニ監督のコメント
チームはカノラが一つでも上のリザルトでフィニッシュできるよう(勝利することも夢見ながら)、とても高いモチベーションをもって参戦した。初山かダミアノ・チーマを逃げに乗せ、最後のポッジオの登りではチーム全員がカノラの近くで、彼のために走ることがチームのオーダーだった。初山の走りは完璧なもので、逃げに入り、その後も全力で走りきった。自分が大好きなスタイルだ。カノラもよかったが、最後あと少しの力があればさらによかった。しかし彼は今後さらに強くなるだろう。2018年はチームにとっていいレースだったが、もしトップ10の結果を残すことができれば、完璧で素晴らしいミラノ〜サンレモになったと思う。あとわずかに届かなかったのが残念だ。

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ビンチェンツォ・ニーバリがミラノ〜サンレモで逃げ切り優勝

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ビンチェンツォ・ニーバリがミラノ〜サンレモで逃げ切り優勝

バーレーン・メリダのビンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)が3月17日に行われた第109回ミラノ〜サンレモで独走優勝した。

ミラノ〜サンレモを逃げ切ったビンチェンツォ・ニーバリ © LaPress – Marco Alpozzi

距離300kmの最長レース。序盤に初山翔(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ)を含む9選手がアタック。雨の中を260kmにわたって逃げ続けたが、雨雲を突き抜けた残り30kmで捕まった。この時点で優勝候補、前年の覇者ミハウ・クビアトコウスキー(スカイ)やペテル・サガン(ボーラ・ハンスゴローエ)は絶好に位置にいて、有力スプリンターも相当の数が残っていた。

ビンチェンツォ・ニーバリがアタック © Tim De Waele/Getty Images/LaPresse/Fabio Ferrari

残り6.5kmでニーバリがアタック。ポッジオの上りを15秒先行して通過すると、スプリント勝負に持ち込みたいチームのアシスト陣が執拗に追撃を試みたが、ニーバリがゴールまで逃げ切った。

ミラノ〜サンレモでビンチェンツォ・ニーバリが優勝 © LaPress – Marco Alpozzi

「チームの完ぺきなアシストに感謝したい。集団の中で周囲に注意を払いながら、風を受けないようにしていた」とニーバリ。
「ポッジオでアタックして、監督から20秒差があると無線で情報を受けたときは驚きだった。さらにアタックを強めた。これまでで最高の勝利だとは言い切れないが、肩越しに後続集団を振り返ったとき、スプリンターたちに追いつかれないことを確信したシーンは壮観だった」

初山は150位で初出場のミラノ〜サンレモを完走した。

第109回ミラノ〜サンレモ © LaPresse/Fabio Ferrari
出発地のミラノは雨だったが、地中海に出ると晴れに ©
LaPresse/Fabio Ferrari
ビンチェンツォ・ニーバリがアタックして単独でゴールを目指す © LaPresse/Fabio Ferrari
単独でサンレモのゴールを目指すビンチェンツォ・ニーバリ © LaPresse/Fabio Ferrari
春を告げるレース、ミラノ〜サンレモ © LaPresse/Fabio Ferrari
ビンチェンツォ・ニーバリ © Tim De Waele/Getty Images/LaPresse/Fabio Ferrari
春のリビエラ海岸 © LaPresse/Fabio Ferrari
ビンチェンツォ・ニーバリ © Tim De Waele/Getty Images/LaPresse/Fabio Ferrari
ビンチェンツォ・ニーバリがポッジオの上りでアタック © Luca Bettini/BettiniPhoto
ビンチェンツォ・ニーバリ © Tim De Waele/Getty Images/LaPresse/Fabio Ferrari
ゴール前の直線路、ロード通りで必死に走るビンチェンツォ・ニーバリ © Luca Bettini/BettiniPhoto
ビンチェンツォ・ニーバリと後続の大集団はタイム差なしだった © LaPresse/Spada
ミラノ〜サンレモ優勝のビンチェンツォ・ニーバリ © LaPress – Marco Alpozzi
左から2位のカレブ・ユワン、ビンチェンツォ・ニーバリ、3位のアルノー・ドマール © LaPress – Marco Alpozzi

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