ルバ総合3位、チーム首位をキープして最終日へ…ツアー・オブ・タイランド

ツアー・オブ・タイランドは4月5日、ナコーンラーチャシーマーからローイエットまでの229kmで第5ステージが行われた。前日同様の集団でのスプリント勝負となり、キナンサイクリングは中島康晴が6位に入った。

ツアー・オブ・タイランド第5ステージに挑む中島康晴らキナン勢 ©︎KINAN Cycling Team / Satoru KATO

5日目はナコーンラーチャシーマーから北東に進み、ローイエットまでの229km。スタート前の9.9kmのパレードランを含めると約240kmを走ることになる。もちろん今大会の最長ステージであり、第2の難所とも言える。距離は長いものの、カテゴリーがつく山岳はなく、道のうねりのようなアップダウンはあるがほぼ平坦と言ってもいい。

2日目の第2ステージ以降、晴れて暑い毎日。チームカーに大量の水と氷を用意してレースをスタートした。リアルスタート後のアタック合戦は40km地点過ぎまで続き、愛三工業の岡本隼を含む9人の逃げが容認される。メイン集団はリーダーチームのセントジョージコンチネンタルサイクリングとトレンガヌサイクリングがコントロールし、最大3分以上まで差が広がる。

64km地点、101km地点に設定された中間スプリントごとにスプリントをしながら逃げ集団は進行。186km地点の3つ目の中間スプリントあたりから集団との差が詰まり始める。キナンを含む各チームが追走に加担し、残り5kmで逃げは全て吸収され、前日に続き集団でのスプリント勝負へ。勝ったのはポイント賞リーダーのマルティン・ラス(エストニア、チームイルミネート)。前日に続きステージ2連勝を挙げた。

中島も前日に続きチームメイトの協力を得てスプリント勝負にチャレンジしたが、6位に終わった。ポイント賞争いでは2位を維持してはいるものの、この日2位に入ったレイモンド・クレダー(オランダ、チームUKYO)が5点差に迫っている。トマ・ルバ、サルバドール・グアルディオラ、マルコス・ガルシアも同一集団でゴール。ルバの個人総合3位と、チーム総合1位を維持して、翌日の最終日を迎える。

ツアー・オブ・タイランド第5ステージ結果(229km)
1 マルティン・ラス(エストニア、チーム イルミネート) 4時間57分52秒
2 レイモンド・クレダー(オランダ、チームUKYO) +0秒
3 パク・ソンベク(韓国、KSPO・ビアンキアジアプロサイクリング)
4 モハドザムリ・サレー(マレーシア、トレンガヌサイクリングチーム)
5 アブドゥル・ガニ(インドネシア、KFCサイクリングチーム)
6 中島康晴(KINAN Cycling Team)
49 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team)
71 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team)
87 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team)

個人総合時間
1 ベンジャミン・ディボール(オーストラリア、セントジョージコンチネンタルサイクリングチーム) 21時間37分49秒
2 アルテム・オベチキン(ロシア、トレンガヌサイクリングチーム) +16秒
3 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +18秒
4 リュウ・ジャンペン(中国、ヘンシャンサイクリングチーム) +2分9秒
5 サラウット・シリオンナチャイ(タイ、タイランドコンチネンタルサイクリングチーム)
6 ホルヘカミーロ・カスティブランコ(コロンビア、チーム イルミネート) +2分10秒
21 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) +2分20秒
28 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +2分30秒
76 中島康晴(KINAN Cycling Team) +16分49秒

ポイント賞
1 マルティン・ラス(エストニア、チーム イルミネート) 66pts
2 中島康晴(KINAN Cycling Team) 48pts

山岳賞
1 ベンジャミン・ディボール(オーストラリア、セントジョージコンチネンタルサイクリングチーム) 28pts
3 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 20pts

チーム総合
1 KINAN Cycling Team 64時間58分39秒

トマ・ルバ

トマ・ルバのコメント
とても退屈だったね(笑)。距離は長いし平坦だったし。集団のポジションをキープして長いこと「待つ」日だった。途中メカトラがあって自転車を交換することになったけれど、チームメートの助けもあってポジションに戻れた。残り20kmからは中島のスプリントのために逃げを追走して、彼はまたトップ10に入ることができた。よかったよ。
明日は最後だけれど、今日と同じようになるだろうね。でも距離が短いから気を抜けない。個人総合3位からのジャンプアップは難しいだろうから、チーム総合1位とあわせて維持して表彰台は確保したい。

中島康晴

中島康晴のコメント
今日は距離が長いこともあって、リーダーチームも2分差の選手を逃げに乗せようという動きがあり、横風もあったので(チームとして)後手を踏まないように注意していた。そこで脚は使ったが、追走するチームは後ろに残せたので、いい展開にはできたと思う。フィニッシュ地点は3年前にも走っていて、緩いカーブが続くことは理解していた。でも残り300mでスプリントが一瞬止まった。加速力のあるラスにとってはそういう展開にしたかったようだが、(個人的には)その時にちょっと集団に埋もれてしまって思い切り行けなかったのが悔やまれる。明日は最後なので、今度こそみんなの働きに応えたい。

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トピークが高性能フロアポンプ、ジョーブロー スポーツⅢなどを発売

自転車用アクセサリーのトップブランド「トピーク」から、スポーツサイクルに必須の高性能フロアポンプ「ジョーブロー スポーツⅢ」が発売された。ベストセラーモデル「ジョーブロー スポーツⅡ」のダイヤルゲージを3インチに大型化することでより見やく、また切り替えなしで米式と仏式に対応するスマートヘッドをアップデートした。

ジョーブロー スポーツⅢ

「ジョーブロー プロ X」は高い位置にマウントされた大型エアゲージ、安定したポンピングを可能にするワイドスチールベース、切り替えなしで米式と仏式に対応するスマートヘッドを備えたハイスペック仕様のフロアポンプ。

ジョーブロー スポーツⅢ
4800円(税別)
・ 米式と仏式に対応するスマートヘッド DX4
・ エアーリリース ボタン付 (英式バルブのエアーリリースはできません)
・ 最大160psiまで測れる 3″大型ダイヤル ゲージ付
  (英式バルブの空気圧測定はできません)
・ 最大200psiまで充填可能
・ 1ストロークあたりの充填空気量 (目安) : 317.5cc
・ パッド付 大型ハンドル
・ ホース ロック付
・ スチール シリンダー
・ 大型アルミ合金製 ベース
・ 英式トンボ口金付属
・ ニードル付属
・ L117 x W253 x H678mm
・ 1.68kg

ジョーブロー プロ X

ジョーブロー プロ X
1万1300円(税別)
・ 米式と仏式に対応するスマートヘッド DX3
・ エアーリリース ボタン付 (英式バルブのエアーリリースはできません)
・ 高い位置にマウントされた 最大200psiまで測れる 3″大型ダイヤル ゲージ付
  (英式バルブの空気圧測定はできません)
・ 最大200psiまで充填可能
・ 1ストロークあたりの充填空気量 (目安) : 320.7cc
・ パッド付 大型ハンドル
・ ホース ロック付
・ ポリッシュ仕上げ アルミ合金 シリンダー
・ 大型アルミ合金製 ベース
・ 仏式高圧用アダプター付属
・ 英式トンボ口金付属
・ ニードル付属
・ L140 x W280 x H740mm
・ 2kg

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キナンサイクリングがツール・デュ・ロワールエシェールに参戦へ

キナンサイクリングチームが発足以来4年連続となる春のフランス遠征に挑む。遠征メンバーは椿大志、塚本一樹、中西健児、雨乞竜己、新城雄大。平均年齢23歳の5人で構成される。4月6日に日本を出国してフランス入り。北中部の都市ブロアを拠点にトレーニングを行なっていく。遠征の終盤では4月11〜15日に4年連続の出場となるツール・デュ・ロワールエシェールに臨む。

ツール・デュ・ロワールエシェールに出場するキナンチームメンバー ©︎KINAN Cycling Team

2017年以降、この遠征におけるメンバー選出は若手から中堅年代の日本人選手に限定し、サイクルロードレースの本場である欧州フランスでのトレーニング、さらにはその成果を試す場としてUCIヨーロッパツアーへの出場によって強化を図ることを目的としている。

同大会は過去に活躍した選手がトッププロチーム入りするなど、将来を有望視される選手たちの登竜門的な位置付けとも言われている。2017年の第2ステージを制したアレックス・フレーム(ニュージーランド)は2018シーズンからUCIワールドチームのトレック・セガフレードへ。同じく個人総合優勝を果たしたアレクサンダー・カンプ(デンマーク)は2017年の世界選手権アンダー23ロードレースで銅メダルと大きな飛躍を果たしている。

2018年は、開幕からの2ステージが平坦基調。大会中盤の第3、第4ステージがアップダウンに富み、総合成績を狙っての激しいレースとなることが予想される。最終の第5ステージはこの大会恒例ともいえるロワールエシェール県の県庁所在地であるブロアの市街地に設けられた周回コースでのクライマックスとなる。

平坦ステージではエーススプリンターの雨乞を軸に、大会中盤からは逃げや勝負どころのアタックでレースを動かすべく果敢にトライしていきたいという。今回のメンバーでは椿、雨乞、新城はヨーロッパでの競技活動経験があり、これまでに培ってきた走りを発揮する絶好の機会ともなる。2018年は完走者2名だったが、今回はこれまで以上に戦力を整えてレースへと臨む。

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インデュラインがジロ・デ・イタリア殿堂入り…最後の勝利から25年の節目

1992年と1993年のジロ・デ・イタリアで総合優勝したスペインのミゲール・インデュラインがジロ・デ・イタリア殿堂入りを果たし、4月5日に授賞式が行われた。ベルギーのエディ・メルクス、イタリアのフェリーチェ・ジモンディとフランチェスコ・モゼール、アイルランドのステファン・ロッシュ、フランスのベルナール・イノーらの英雄に並んだ。

ミゲール・インデュラインを中央に左は元世界チャンピオンのマウリツィオ・フォンドリエスト、右はライバル的存在だったクラウディオ・キャプーチ © LaPresse

大型選手のインデュラインは個人タイムトライアルを得意としつつ、山岳ステージでも上りが得意な選手と互角に走るすべを知っていた。1991年7月のツール・ド・フランスからジロ・デ・イタリアと合わせた二大大会を5連勝するという快挙。1995年には個人タイムトライアルの世界チャンピオンに。1996年のアトランタ五輪でもその種目で金メダル。1994年にはアワーレコードの世界記録を樹立した。

マリアローザのインデュライン(左)と山岳王キャプーチ © BettiniPhoto

授賞式はミラノ大聖堂から石を投げたら届く近さというジェロラモ劇場。
「最も思い出深いのは1994年のメラーノ〜アプリカ間でマルコ・パンターニと一緒にアタックしたこと。ステルビオとモルティローロを上ってパンターニとゴールを目指した。そのときにマリアローザを着用していたのはロシアのエフゲニー・ベルツィンで、彼を逆転しようと試みた。結局それは果たせずベルツィンが優勝したが、ボクにとっては強烈な思い出だ」とインデュライン。

Illustration : Riccardo Guasco

インデュラインはジロ・デ・イタリアで総合優勝した初めてのスペイン選手。その後はアルベルト・コンタドールが2008年と2015年に総合優勝した。ジロ・デ・イタリアでの個人タイムトライアルは通算4勝。モゼールの12勝、メルクスの7勝などに続き、歴代6位の記録だ。

スペインの無敵艦隊ミゲール・インデュライン

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