国内最大級のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」の第3ステージとして5月22日に三重県いなべ市で国際レースが開催される。その1カ月前となる4月22日に関連イベントが同地で開催された。いなべステージのホームチームであるキナンサイクリングからは中島康晴と雨乞竜己、加藤康則ゼネラルマネージャーが出演。さまざまな催しを通じてファンとの交流を図るなど、大会本番に向けて選手、応援する人たちにとってもモチベーションとなる夢のような1日となった。
午前中からお昼をまたいで開かれたのが「いなべステージ徹底解説 TOJトークバトル」。加藤GMを筆頭に、チームUKYOからは片山右京監督、愛三工業からは別府匠監督が出演。それぞれ、南信州(第5ステージ)、美濃(第4ステージ)でホームチームを務めるとあり、中部地区3ステージの代表者が顔そろえた形に。三重県の鈴木英敬知事といなべ市の日沖靖市長も出演し、ロードレース解説者・栗村修の軽妙なMCのもとトークが弾んだ。
いなべステージについて加藤GMは「そろそろ勝ちたい」と、これまでチームとしてホームステージで勝利を挙げられていないことに言及。一方で、「総合成績も見すえているので、いなべステージだけに集中するのは難しい部分がある」と、チーム事情も交えて応援してくれる地元ファンに理解を訴えるとともに、チームとして「今年こそは」との思いが強いことをアピール。期待に添える結果を残すことを約束。会場となった「イオンモール東員」に集まった人たちから大きな拍手が起こった。
続いて行われた「プロ選手とスピードバトル」には中島と雨乞が登場。あらかじめ計測された一般参加者上位3人のタイムに両者が挑んだ。一般参加者といえどそのレベルは高く、先にトライした中島でも歯が立たず。満を持して立ち上がったスプリンターの雨乞だったが、計測器のエラーでチャレンジ無効に。気を取り直して再挑戦したが、1本目の疲れもあってかタイムは伸びず。結果、普段は自転車競技部でトラックを専門にしているという一般参加者が優勝を飾った。
選手の解説付きサイクリングでレース本番コースを知る
午後から会場を屋外へと移して行ったのが、「キナンサイクリングチームと走るTOJ」と銘打ったサイクリングイベント。中島と雨乞に加え、2017年までキナンに所属した地元三重県出身の阿曽圭佑(愛三工業)も急きょ参戦。このイベントのために集まった一般サイクリストともに、いなべ市内の旧跡を見学したのちツアー・オブ・ジャパンで実際にレース使用されるコースへ。
コース走行では、レース出場経験のある中島の解説をメインに、本番ではどんな展開が考えられるかを予想しながらサイクリング。大会でフィニッシュラインが設けられるいなべ市梅林公園では、雨乞と一般サイクリストとの即席スプリント勝負が起こったほか、名所でもある激坂区間では中島や阿曽のクライミングスピードに参加者から驚きの声が上がるなど、選手・参加者ともに普段のライドでは体験できないようなかけがえのない時間を過ごした。そして最後は、雨乞がスプリント実演でフィナーレ。
サイクリング後には、一部参加者が選手たちとともに近くの阿下喜温泉で「裸の付き合い」を行うなど、国内外を駆け巡るプロ選手とファンとがより身近に感じられるイベントとなった。こうした取り組みによって、より楽しみがふくらむツアー・オブ・ジャパンいなべステージ。レースは5月22日(火)午前9時20分にスタートが切られる予定だ。(Report:清水翠、Edit:福光俊介)
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